Japanese
【ASIAN KUNG-FU GENERATION/KANA-BOON 表紙】Skream!12月号、本日12/3より順次配布開始。ヒトリエ、BiSHのインタビュー、ドアラ×ヤバT対談、amazarashiのライヴ・レポート、緑黄色社会×バイトル特別企画など掲載
2018.12.03 12:00
Skream!マガジン12月号が本日12月3日より順次配布スタート。
今月号は、12月5日に3年半ぶりのオリジナル・アルバム『ホームタウン』をリリースするASIAN KUNG-FU GENERATIONと、12月19日にミニ・アルバム『ネリネ』をリリースするKANA-BOONが表紙を飾る。
さらに、日本最大級のアルバイト求人情報サイト"バイトル"とSkream!のタッグによるスペシャル企画"激的アルバイトーーク!"では、緑黄色社会に、バイト経験にまつわるインタビューも実施。
その他にも、注目アーティストのインタビューや特集記事、ライヴ・レポートが盛りだくさん。また、12月号より緑黄色社会によるコラム"緑黄色社会の社会見学"が連載スタート。そして、山本 彩によるコラム"山本 彩の音楽漬け"も臨時掲載。そのほかのアーティスト・コラムも好評連載中なので、こちらもお見逃しなく。
Skream!マガジン12月号掲載アーティストは以下のとおり。
【インタビュー】
ASIAN KUNG-FU GENERATION
KANA-BOON
ヒトリエ
BiSH
ビッケブランカ
岸田教団&THE明星ロケッツ
WOMCADOLE
ユアネス
ネクライトーキー
Drop's
KAKASHI
とけた電球
sympathy
フィロソフィーのダンス
Lucky Kilimanjaro
été
ab initio
3SET-BOB
QUADRANGLE
Luck Stokes
逆EDGE
【特集記事】
緑黄色社会×バイトル コラボ・インタビュー
ドラマチックアラスカ×ヤバイTシャツ屋さん 対談
SonoSheet×Lucie,Too 座談会
Eggs特集(対談:"SCHOOL OF LOCK!"とーやま校長×あしざわ教頭 )
PICK UP! ROOKIES(This is LAST / マチカドラマ / ふちなし / 奢る舞けん茜)
【ライヴ・レポート】
HOWL BE QUIET
kobore
Bird Bear Hare and Fish
"Permanent vol.8"
嘘とカメレオン
Eve
NICO Touches the Walls
Lucie,Too
バンドハラスメント
DATS
Lenny code fiction
amazarashi
【アーティスト・コラム】
松田晋二(THE BACK HORN)
辻 友貴(cinema staff)
ミユキ(ハルカトミユキ)
空想委員会
滝 善充(9mm Parabellum Bullet)
下川リヲ(挫・人間)
SEKIGUCHI LOUIE(フレンズ)
緑黄色社会 [新連載]
山本 彩
バンドハラスメント
今月号も、読み応え抜群の盛りだくさんな内容となっていますので、ゲットはお早めに。
全国のCDショップやライヴハウス、スタジオなどに、順次発送いたします。
なお、店舗、地域によって店着日が異なる場合がありますので、ご了承ください。配布店舗が近くにない方や、毎号確実に手に入れたい方のために定期購読も承っております。
詳しくはこちらから。
関連アーティスト
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
MAKUAKE / Little Lennon
ストリングスが奏でる希望的なサウンドを軸に、何度でも立ち上がろうとする意志を描いた「MAKUAKE」は、11年ぶりとなるアジカン主催ロック・フェス"NANO-MUGEN FES."のテーマ・ソング。栄光や挫折を経験してきたアジカンらしさのある心強い詞に、複数アーティストによる賑やかなコーラスが重なり合う展開には思わず胸を打たれる。カップリングは、2015年リリースのアルバム『Wonder Future』の収録曲「Little Lennon / ⼩さなレノン」を岸田 繁(くるり/Vo/Gt)プロデュースのもと再録した「Little Lennon / ⼩さなレノン (Born in 1976 ver.)」。原曲にはなかった管弦楽器が用いられ、より疾走感と多幸感が溢れる仕上がりに。アジカン史上最も恍惚な音が鳴らされる本作は、今と向き合いながら生きる僕等の未来を祝福する。(⼭本 剛久之)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
ライフ イズ ビューティフル
目を背けたくなるような悲惨でやるせないニュースや、うんざりするような社会の状況、他人の言動等が溢れる現実の中で、"それでも"という想いを歌にした表題曲「ライフ イズ ビューティフル」。盤石なサウンドと落ち着いた歌唱、澄んだコーラスからは、このメッセージに迷いが一切ないこと、彼等がまっすぐ見つめる先に光が存在することが窺えて奮い立たせられる。カップリングには、のんに提供したパワー・ポップ「Beautiful Stars」のセルフカバーを収録(本家音源/MVもアジカンがバックバンドを務めており要チェック)。2曲共、シンプルだからこそ日々の生活のお供に携えられる、自分なりの"美しい人生"を諦めない私たちへの応援歌だ。(稲垣 遥)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
Single Collection
全33曲の歴代シングルが紡がれ、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが日本のロック史に残してきた功績を改めて体感することができる、メジャー・デビュー20周年記念盤。再録された「遥か彼方」で幕を開け、地を這うようなイントロのベース・ラインがノスタルジアと高揚感を運んでくる。20年経っても歌い続けるバンドの熱量が確かな軌跡として反映されている一方で、リスナーは各楽曲の歌詞に登場する"君"に当時の自分や大切な人を投影させ、懐かしさに浸るだろう。暗いムードが漂う情勢や、やるせない日常からも目を逸らさず、今を生きて、愛を鳴らし続けてきたアジカン。これからも変わらない4人だけの音を世界中に響かせてほしい。(山本 剛久之)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
宿縁
アジカン×アニメ"NARUTO-ナルト-"シリーズとしては、「ブラッドサーキュレーター」に続く3弾目。ここで"前世からの因縁"を意味する"宿縁"というキーワードを挙げたのは、今の自分の行動があとの世代に与える影響や人間のいい意味での変化について、後藤正文(Vo/Gt)が懲りずに希望を託しているからだと思う。王道ギター・ロック・チューンだが、コードがロング・トーンであることで降りしきる雨=現在の世界を思わせるのはリアルだ。また、後藤&喜多建介(Gt/Vo)の共作で喜多Voの「ウェザーリポート」は、近さを感じるミックスが離れていくふたりという珍しいテーマを自然に聴かせ、『サーフ ブンガク カマクラ』の続編という「日坂ダウンヒル」は、ローファイ・ヒップホップ調。各々今年のアジカンの動向を示唆しているのかも。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
出町柳パラレルユニバース
すでに後藤正文(Vo/Gt)がポッドキャストなどで開陳しているのでサブテキストとして書くが、このシングルの4曲目「柳小路パラレルユニバース」は、『サーフ ブンガク カマクラ』の"続きの駅"として作られていた曲だ。アジカンの青春を想起させる力みのないパワー・ポップが、森見登美彦作品の舞台である京都に移植されたのが、今回の表題曲「出町柳パラレルユニバース」というわけだ。こちらにはアウトロにサイケデリックなギター・フレーズが追加され、アニメ"四畳半タイムマシンブルース"の世界観も。WEEZERのカバーにはAAAMYYY(Tempalay)が参加、喜多建介(Gt/Vo)とのツイン・ヴォーカル(!)の「追浜フィーリンダウン」と、肩の力が抜けたアジカンの素が楽しい。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
プラネットフォークス
進化を続けるアジカンの10thアルバム。三船雅也(ROTH BART BARON)とのハーモニーが圧倒的な爽快感を生むリード曲や、切なくも温かいサウンドに乗せた美しい言葉が沁みる「フラワーズ」、ラップとの融合が新しい「星の夜、ひかりの街(feat. Rachel & OMSB)」、"胸の奥で歌ってよ"という言葉とともに壮大なコーラスが響く今のライヴ・シーンを映したような1曲「Be Alright」など、青春を彷彿させる初期楽曲の青さと、近年の洗練された円熟味が合わさった14曲が収録。アジカンらしさを核としながらも、多彩なアレンジやコラボで新たな広がりを見せている。また多様性やネット社会に切り込む歌詞も奥深い。この惑星に生きるすべての人にとっての明るい未来を祈る1枚。(中尾 佳奈)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
ダイアローグ / 触れたい 確かめたい
1年2ヶ月ぶりの新作は、両A面シングル。「ダイアローグ」も「触れたい 確かめたい」も、このコロナ禍による社会を映したような曲で、今改めて大事なものを突きつけられる感覚があるが、実は昨年行った欧州ツアーの際に、ロンドンでレコーディングをした曲だという。ダイアローグ=対話や、人や社会の礎になるものを童話のように、また詩的に描いた「ダイアローグ」。シンプルなメッセージが、細やかなディテールを含んだふくよかなギター・サウンドで織り成され、普遍的なダイナミズムを放つ。また「触れたい 確かめたい」では、塩塚モエカ(羊文学)がゲストVoで参加。後藤正文との歌のアンサンブルで、センチメンタルな記憶や残像を刺激する曲になった。またCD版のみリモート制作による「ネクスト」を収録。(吉羽 さおり)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
ホームタウン
3年半ぶりのオリジナル・アルバムは、シンプルなバンド・アンサンブルの魅力と底力が発揮されたパワー・ポップが満載。驚くのは、バンドのルーツのひとつでもあるWEEZERのRivers Cuomo(Vo/Gt)が2曲作曲していること。だが、Riversの曲も消化し、むしろバンドのDNAを感じさせながら、全体的にグッとBPMを落とし、各楽器の音の鳴りや音場の豊かさで全編に一貫性を持たせていることが、アルバムであることの意義を実感させる。表題曲や「ボーイズ&ガールズ」に代表される、ここからもう一度歩き出そうとする意志とそれを表現するサウンドの親和性を存分に味わいたい。ホリエアツシ(ストレイテナー/Vo/Gt/Pf)らが手掛けた曲を含むEPも合わせた15曲すべてをぜひ聴いてほしい。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
ボーイズ&ガールズ
「生者のマーチ」もそうだったが、今回の「ボーイズ&ガールズ」も徹底して、4人の音しか鳴っていない。それは立ち止まるとか振り返るとかではなく、歩きながら自分の中身を見つめるよう背中を押してくれる。情報量過多で"衝撃"という引っかき傷を作る音楽の真逆にあるのではなく、アジカンの新曲は自発的な発電を促しているのだ。サウンドはWEEZERなど初期の影響源を再解釈しているようでもあり、でも曖昧さはなく、ビートもグルーヴもリフもしっかり地に足をつけているのが新鮮。2曲目の「祝日」はシャッフルのリズムが珍しくアジカンを"男っぽいバンド"という形容で表したくなった。それはギター・アンサンブルの特異性にある。深呼吸して、しぶとく生きよう。そんな後藤正文(Vo/Gt)の声が聴こえるようだ。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
Re:Re:
2ndアルバム『ソルファ』収録時から12年。この再レコーディング版のイントロが鳴った瞬間、蘇ったのは"Wonder Future"ツアーの国際フォーラムでのライヴだった。そして、さらにそのあと、ヨーロッパや南米ツアーで確信した"楽曲は届くところには届いている"という思いの反映。細部のアレンジが更新されたことも、楽器の録り音ひとつひとつも、音が鳴る空間が著しくワイド・オープンになったことも、すべてが経験から得た気持ちを反映しているのだ。リスナーの年齢やアジカンと出会った時期によってこの曲の捉え方も違うだろう。個人的には、いよいよ閉塞感のどん詰まりにあった日本において、『ソルファ』は音楽で"それでも行くんだよ"というベクトルを指し示す作品だった。思えばアジカンは言い続けているのだ、そのことを。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
Right Now
行定勲監督の映画"ピンクとグレー"のために『Wonder Future』のツアー中という、多忙さの中で書き下ろされたのが今回の「Right Now」。一聴でアジカンとわかるリフと8ビート。映画の世界観にも通じる東京・渋谷界隈の情景や匂い、自分と他者の境界線の曖昧さと裏返しの自意識過剰。後半にガラッと曲調もテンポもキーも飛翔するように変化する展開が窓を大きく開けるような印象も。そしてこの構成も映画の内容とリンクしている。カップリングには『Wonder Future』のツアーからライヴ音源として「Eternal Sunshine / 永遠の陽光」、「深呼吸」、「Wonder Future / ワンダーフューチャー」の3曲を収録。2015年の経験を血肉にして2016年を走り出すアジカンが、新たな代表曲になり得る大きな一打を繰り出した。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
Wonder Future
ゴッチがブログに"震災後、2度目の人生を生きている心持ち"という意味のことをときどき書いているが、現実の音像、そして作品に昇華されたのが今作なのだと思う。シングル『Easter』同様、FOO FIGHTERSのプライベート・スタジオで全曲レコーディングされたこのアルバムの重量とソリッドさが矛盾なく存在するどでかい音像は、イヤフォンで聴いてもつま先まで痺れるようだ。まず肉体に訴えかけてくる。そしてもはや対岸の火事ではなくなった人間同士の断絶などの現実を冷静に描く歌詞の多さ。しかしアルバム・タイトルが示唆するように未来は"ワンダー・フューチャー"なのだ。楽観も絶望もない、励ましもセンチメントもない。ただ生きる意思を鳴らしたらこうなんだ、そんな潔さに満ちている。(石角 友香)
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V.A.
NANO-MUGEN COMPILATION 2014
このコンピの充実度は毎年計り知れないが、今回はASIANKUNG-FU GENERATIONの新曲「スタンダード」を聴くだけでも相当、価値ある1枚。ゴッチ自身が"これは先の都知事選についての歌"と明言しているが、何も変わらないと諦めたら非難の対象と同化してしまう。愚直なまでに続けること、そしてバンドのイメージを引き受けるとはどういうことか?まで応えた1曲だ。文字数の半分をAKG新曲に費やしてしまったが、今年はユニコーンやスカパラなどベテランから、KANA-BOON、グッドモーニングアメリカら新鋭、くるりやストレイテナーらAKG同世代まで縦横無尽な出演者が揃うわけで、このコンピも自ずとその厚みや充実感を体感できる。お得感で言えばくるりの未音源化楽曲や、ストレイテナーの新曲収録も嬉しい。(石角 友香)
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V.A.
Yes,We Love butchers〜Tribute to bloodthirsty butchers〜"The Last Match"
吉村秀樹が亡くなってから1年と1日目にリリースされるトリビュート盤第4弾。あがた森魚(ブッチャーズの射守矢や小松も参加)、the 原爆オナニーズらベテラン、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやTHE BACK HORNといったシーンの中核を担う存在、+/−ら海外の盟友、それでも世界が続くならといった若手まで顔を揃えた今回は、シリーズの中でも最も吉村の影響の広範さを証明。ギター・サウンドとフィードバックだけで胸に熱いものがこみ上げるAKGやenvy、合成ボイスや読経のようなリズム感で再構築したASA-CHANG&巡礼や、ピアノをフィーチャーし、生死の狭間を行くようなサイケデリックな祈りの歌へ昇華したGREAT3など、バンド/アーティストがリスペクトの姿勢を究極まで研ぎ澄ましている。(石角 友香)
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Gotch
Can't Be Forever Young
全曲メジャー・キー、生ドラムを使わない圧の少ないサウンド・プロダクションが、まず聴き手の構えた気分を解きほぐす。"まぁ座りなよ"とでも言われてる気分とでも言おうか。スクラッチが90sのUSインディーやローファイ感を想起させる「Wonderland/不思議の国」もあればオーソドックスなR&Rが新鮮なタイトル・チューンもあるし、ホリエアツシがギター、ピアノ、コーラスで参加した「Great Escape from Reality/偉大なる逃避行」はエクスペリメンタルでありつつ、潔く音を引いた聴感が心地よい。そしてアルバムのラストに配置された「Lost/喪失」が、アルバムの中にあることで、また違う聴こえ方をするのも興味深い。日常の中にある旅もどうしようもない諦念も怒りも、声高じゃない分、より細胞に染みわたる。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
フィードバックファイル2
シングルのカップリングやアルバム未収録曲の編集盤である『フィードバックファイル』第2弾。アルバムやシングルの表題が音楽的なイノベーションを前向きに背負う位置づけにあるとすれば、このシリーズは必然的に普遍的で無防備な楽曲が揃うことになるのではないだろうか。中でも今回、胸に深く刻まれるのは震災直後、やむにやまれぬ心情でゴッチが命を削りだして書いた曲。記号にしてはいけない3.11、アーカイヴできないあの頃の気持ちが否応なしに思い出される「ひかり」や、この2年のライヴの重要曲「夜を越えて」の存在感。また、昨年のハマスタ・ライヴ日に配信された新曲「ローリングストーン」「スローダウン」に窺える11年目への姿勢。移ろう日々の中でも常に携えていたい気持ちを呼び起こす名盤だ。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
ザ・レコーディング at NHK CR-509 Studio
1曲目の「遙か彼方」での太いベース・ラインが鳴った瞬間の臨場感たるや!メンバー4人での緊張感のあるテイクには、初期のナンバーが持つ心の底から奮い立つようなアジカンならではの音楽の駆動力が、今のアレンジで鳴らされている。また、三原重夫(Perc)、上田禎(Key/Gt)、岩崎愛(Cho)を迎えた7人編成での「新世紀のラブソング」など、オリジナル録音の再現ではない新たな解釈は、合奏の歓びが(もちろん、シビアさも含めて)横溢。奇しくも最新曲「今を生きて」のタイトルが象徴的だが、ライヴ・レコーディングとはまさにそれ。そしてその臨場感を削がず、美化せず、ただクオリティの高い音像として定着してくれたことに感謝したい。メンバーはもちろん、楽器やアンプやエフェクターの息遣いが聴こえる。(石角 友香)
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V.A.
NANO-MUGEN COMPILATION 2013
ASIAN KUNG-FU GENERATIONが主催するNANO-MUGEN CIRCUIT 2013に出演する全アーティストの楽曲を収録したコンピレーション・アルバムがリリース。アジカンの楽曲「Loser」は、BECKの同名曲の日本語カヴァーだ。歌詞は日本語訳ではなく、原曲が綴る"負け犬"を、後藤正文が2012年の日本版として新たに描いている。その中には"海辺で燃え続ける夢の切り札""膨張する正義"など、最初から最後まで意味深なワードが並ぶ。後藤のポエトリー・リーディング風のラップはそれを軽やかに届けるが、内にこもる怒りはBECKのそれを彷彿させる。全15アーティストの提示したい色が明瞭に出た楽曲たち。現代の日本に鳴り響く芯のある音楽を、この1枚で楽しめるはずだ。 (沖 さやこ)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
今を生きて
アルバム『ランドマーク』から約半年のインターバルでリリースされたシングルは、映画『横道世之介』の書き下ろし主題歌。長崎から上京したばかりのお人よしの大学生である主人公とそれを取り巻く青春物語である『横道世之介』ワールドに寄り添うあたたかいナンバーだ。喜びや哀しみが漂う日常的な風景が描かれた歌詞と、気張らず軽やかに鳴り響くサウンドは、人間が持っている自然体の力強さを感じさせる。後藤正文のファルセットは大切な人に優しく手を振るようなやわらかさで、聴いているこちらも自然と笑顔になっていた。"生きている"という事実を素直に喜びたくなる。タップ・ダンスのようにたくましく躍動的に耳を刺激するピアノの音色が印象的なc/w「ケモノノケモノ」も必聴。(沖 さやこ)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
ランドマーク
3.11以降、社会的な発言や行動をとってきた後藤正文が放つ言語、そしてバンド・サウンドの現在が注目される本作は、まさにこの間、彼らが体験してきた逡巡や希望や疑問が、シンプルで純度の高い表現で結晶した力強い内容。浮遊感とトライヴァルなビートが交錯する「AとZ」、アジカンらしさを2012年にアップ・デートしたような「それでは、また明日」、後藤のスポークン・ワーズが諦観と希望を行き来する樣がリアルな「マシンガンと形容詞」後戻りできない事実を認めつつ、だからこそ日常の愛おしさが際立つ「アネモネの咲く春に」など全12曲。表現に正解も不正解もないが、今年発表される作品として、何かしらの感銘や反応をリスナーに起こす作品。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
マーチングバンド
鳴らす足音。息を吹き込み、力強く叩きながら、鳴らされる沢山の楽器。一歩ずつ前進する、前へ前へと突き進む姿を、行進する吹奏楽団と形容した本作は、迷ったけれど、苦しいけれど、それでも前へ進んでいこうと強く決意し歩み出した者の歌だ。そして今、後藤正文(Vo&Gt)が、どうあろうとしているのかがよく分かる。"希望を掲げよう""ささやかな光を"というように、希望を灯そうという想いが能動的な言葉たちから読み取れる。歩みを止め、躊躇することはいくらでも出来る、その迷いや弱さを消せぬことは認めた上で、"それでも僕らは息をしよう"と歌う。そうやって前進していく言葉たちは、一度も振り返らず、一度も後退しないまま、最後まで"行け"と想いを貫き通す。後藤の言葉、その伝えようとする想いは、僕らの心目がけて一歩踏み出した。(島根 希実)
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V.A.
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2011
アジカン企画&主催の夏フェス"NANO-MUGEN FES."も今回で9回目(ツアー形式だった「NANO-MUGEN CIRCUIT2010」を含めると10回目)。WEEZERやMANIC STREET PREACHERSをヘッドライナーに、BOOM BOOM SATELLITES、the HIATUS、若手注目バンドねごと、モーモールルギャバンなど、洋邦共に相変わらずの豪華ラインナップ。出演バンドの楽曲が1曲ずつ収録されているコンピレーション・アルバムは、今作で5作目。そして、今回収録されているアジカンの新曲は2曲。チャットモンチーの橋本絵莉子(Vo&Gt)を迎えた「All right part2」は、後藤と橋本の気だるい歌い方と熱が迸る歌詞のコントラストが鮮やかで、高揚感に溢れたギター・リフとメロディも力強く鳴り響く。ユーモラスなあいうえお作文、男性の言葉で歌う橋本の艶とレア感も思わずニヤついてしまう。東日本大震災時の東京を描いた「ひかり」は、人間の醜い部分や絶望感にも目を逸らさず、物語が淡々と綴られている。言葉をなぞる後藤の歌に込められた優しさと強さは、当時の東京を克明に呼び起こしてゆく。生きることが困難な時もあるだろう。だが"オーライ"と口ずさめば、ほんの少し救われる気がする。音楽の持つ力を信じたい――改めて強くそう思った。(沖 さやこ)
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マジックディスク
Track.1「新世紀のラブソング」、Track.2「マジックディスク」で幕を開けるこのアルバムは、新しい時代をポップにしていこうという意志によって貫かれている。「新世紀のラブソング」や「迷子犬と雨のビート」でみせたように様々な新機軸がありながらも、従来のアジカン・サウンドがまた新たな次元に到達している。これまで以上に軽やかなフィーリングがとても新鮮だ。2000年代の閉塞感から抜け出し、新たな10年をどう塗り替えていくか。それは結局、個々の生活の中に、個々の思いの中にしかない。その意志の強さが徹頭徹尾貫かれる『マジックディスク』。音楽が持つ魔法の力をもう一度信じよう。きっと10年後にこのアルバムが2010年代の日本のポップ・ミュージックにとってターニング・ポイントのひとつになっているはずだ。(佐々木 健治)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
ソラニン
4月に公開される映画『ソラニン』の主題歌となるニュー・シングル。昨年リリースされたシングル「新世紀のラブソング」は、これまでのアジカンの言語感覚をもう一歩推し進める形で新たなスタンダードを提示する挑戦的な曲だったが、今回はこれぞまさにアジカンと言うべき王道のスタイル。起承転結のはっきりした展開で、アジカンらしいフックの効いたメロディがドライヴしていく。今回は、『ソラニン』の原作者浅野いにおが手がけた歌詞にメロディをつけるというコラボレーションという形態をとっている。新機軸に挑むことと王道と呼べるスタイルで楽曲を更新していくことが両輪となって、アジカンというバンドをさらに前進させ続けるという事実を示す一曲。カップリングには、映画用に新たにミックスされた「ムスタング」を収録。(佐々木 健治)
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ASIAN KUNG-FU GENERATION
新世紀のラブソング
1年2ヶ月の創作活動を経た後にリリースされるアジカンのニュー・シングルは、二つのメイン・メロディが交錯し、歌うというよりは呟きを発する前半から、1オクターブを自在に操りながらも、朗々と力強いメッセージを発する後藤の歌が、曲を聴いた何時間後も頭に残って離れることがない。これまでのアジカンらしさは決して失われていないながらも、確実に新機軸を打ち出しており、まだまだ音楽に対する意欲が彼らの中で漲っていることを感じる。そしてそこには、様々なバンドが通過する迷走感は微塵もなく、ファンの期待に応えながらも新しい感動を投げかける、とっても素晴らしい曲なのだ。カップリングの「白に染めろ」も、力強さに満ち溢れたナンバーだ。12月からは全国ツアーが始まるが、新世紀を迎えた彼らの勇姿を、とくとこの目に焼き付けたい。(杉浦 薫)
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BiSH
UP to ME
BiSHの12ヶ月連続リリース第9弾シングル。表題曲「UP to ME」は、国立科学博物館 特別展"毒"のタイアップ・ソングということで、歪んだ歌とサウンドで毒をまき散らすような印象を受ける仕上がりに。もがき続け、足掻き続けながら前へ前へと進んでいく意志を感じさせる言葉の節々が、彼女たちがこれまで歩んできた道を想起させる。カップリングの「YOUTH」は、メンバーのセントチヒロ・チッチが作詞だけでなく作曲まで手掛けた王道のメロコア・ナンバー。"スピーカーの中生きている/僕等の命たち"という歌詞は、解散を控えた彼女たちが歌うからこそグッと来るものがある。チッチの中にある熱さ、優しさを、隣で一緒に歩いてきたメンバーがそれぞれの個性を発揮しつつ歌う様もエモーショナルだ。(宮﨑 大樹)
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青虫
103号
楽器を持たないパンク・バンド BiSHのメンバー、そしてロック・バンド PEDROのフロントマンとしての顔を持つアユニ・Dが、また新たな表現の場に歩みだした。それがこの歌い手プロジェクト"青虫"だ。昨年末から名前を伏せて"歌ってみた"動画をアップしてきた彼女が、いよいよボカロP くじらのサウンド・プロデュースによるデビューEP『103号』をリリース。オープニングの「ケーキみたいだ」で、メロウなサウンドに寄り添ったアユニ・Dの新たな歌の表情を見せられて早速驚かされる。そのほか、落ち着きながらも自然と小さくリズムを刻んでしまうアーバンなナンバー「ゆぶね」など全4曲を収録。曲ごとに彼女の知られざる魅力を発見できる驚きと、全体的な聴感の心地よさがたまらない作品に仕上がった。(宮﨑 大樹)
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BiSH
GOiNG TO DESTRUCTiON
ケースにヒビ割れの特殊加工を施した"破壊盤"でも話題の、メジャー4thアルバム。"GOiNG TO DESTRUCTiON"のタイトルにも表れている通り、本作のキーワードは"破壊"。ひと言で"破壊"と言っても、迷いや焦燥感に立ち向かって内外の壁を壊して進んでいく意志だったり、新たな創造のための破壊だったり、様々な解釈で捉えられた"破壊"が本作に潜んでいるように思えてならない。BiSH節全開の「CAN WE STiLL BE??」から始まり、アユニ・Dが作詞した、人肌のような温かみを持つ「STAR」で締めくくるまで、全14曲の重厚な1枚に仕上がった。メンバーの個性を生かしたソロ活動も増え、たくさんの刺激を貰ってアーティストとして成長をしていった個々の表現力にも注目。(宮﨑 大樹)
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BiSH
REBOOT BiSH
BiSHと清掃員(※ファンの総称)の再会。332日ぶりの有観客ライヴが映像作品化された。開幕でメンバーひとりひとりから届けられた"ただいま"の声に、このライヴへ懸けた想いが滲み出る。コロナ禍で制作されたBiSHから清掃員への手紙「LETTERS」を感情たっぷりに届けてからは、これまでの鬱憤を晴らすように、一転してアグレッシヴな攻めのセットリストへ。そのパフォーマンスは、BiSHの魅力をこれでもかと凝縮して封じ込めたかのようだ。BiSHがメインの映像なのは言うまでもないが、感極まる清掃員の表情、涙も切り取られ、彼らがもうひとりの主役にも思えた。生バンドによるゴージャスでクリアな伴奏も聴きどころだ。BiSH史に残る特別な一夜を収めた本作は、ファン必携だろう。(宮﨑 大樹)
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アイナ・ジ・エンド
THE END
天性のハスキーな声質、感情の表現力、歌唱技術の高さ。その唯一無二の歌声で、ここ最近はフィーチャリングやトリビュート作品に引っ張りだこのアイナ・ジ・エンド(BiSH)が、全曲本人による作詞作曲、サウンド・プロデュースを亀田誠治が手掛けた(「死にたい夜にかぎって」は除く)ソロ1stアルバムを完成させた。このアーティストが只者ではないことはBiSHの活動でもわかっていたことだが、この作品で感じさせた詩世界の奥行きと深み、メロディ・センスの高さは、本作を機に彼女が遥かな高みへと羽ばたいていく予感を抱くには十分すぎる。Disc2は、これまでに外仕事として参加してきた曲を1枚にまとめた"AiNA WORKS"。多様なジャンルや曲調に乗せた名楽器"アイナ・ジ・エンド"の響きを堪能すべし。(宮﨑 大樹)
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BiSH
LETTERS
当初はシングルのリリースを予定していたが、コロナ禍による現状を見据えて新たに曲を制作したというメジャー3.5thアルバム。壮大なストリングスで幕を開ける「LETTERS」は、そんな現状をメンバーと共に耐え忍んでいる清掃員(※BiSHファン)に向けて"あなたいるこの世界守りたいと叫ぶ"とストレートに想いを綴ったまさに手紙のような1曲に。「I'm waiting for my dawn」では、暗い話題の多い日々の夜明けをじっと待ちわびている心を歌った歌詞と、メンバーの歌唱をじっくりと受け取ってほしい。東京スカパラダイスオーケストラのホーン隊を招いた「ロケンロー」では、スカパラとの化学反応と彼女たちの新境地を堪能することができる。こんな時代だからこそ生まれた、こんな時代に必要な1枚。(宮﨑 大樹)
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BiSH
FOR LiVE -BiSH BEST-
BiSH初のベスト・アルバムには、「BiSH -星が瞬く夜に-」、「オーケストラ」、「プロミスザスター」といった代表曲から、「MONSTERS」、「OTNK」、「GiANT KiLLERS」を始めとするキラーチューン、そして最新シングルの「KiND PEOPLE」、「リズム」まで全27曲が収録された。本作の配信は行われずCDショップとそのECサイトのみで販売されるのだが、エイベックスおよびWACKの収益全額は、デビュー以来BiSHがワンマンや自主企画を開催してきた全国のライヴハウスに全額が寄付されるという。今や飛ぶ鳥を落とす勢いとなった、楽器を持たないパンク・バンドのその姿勢と生き様に、そしてそんな彼女たちのエネルギーがぎっしりと詰め込まれた作品に改めて痺れた。(宮﨑 大樹)
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BiSH
CARROTS and STiCKS
タイトルの"CARROTS and STiCKS"は日本語で"飴と鞭"の意。本作では、第1の先行配信EP『STiCKS』の持つ凶悪さと、第2の先行配信EP『CARROTS』の持つ爽快さを1枚に収めることで、アルバムの中に赤と青のような強いコントラストが生まれ、BiSHの持つ二面性を見事に表現している。この1枚を聴くことで、清掃員(※BiSHファン)の中でも意見が分かれる"BiSHらしさとは何か"という核心に近づくことができるかも。さらに、ライヴの新たな定番となることを予感させる曲や、どことなく1stアルバム時代の匂いを感じさせる曲など、EP収録曲以外にも粒ぞろいの新曲が揃う。ボーナス・ディスクには2018年のシングル曲などが収録されており、今の彼女たちのすべてが詰まった作品と言える。(宮﨑 大樹)
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BiSH
stereo future
BiSHのメジャー5thシングル表題曲「stereo future」は、PlayStation®4/STEAM®用ゲームソフト"GOD EATER 3"のOPテーマ。壮大で疾走感のあるこの曲は、ゲームの世界観に沿いつつも、孤独を感じているというBiSH自身のことを歌ったようでもあり、さらには日々何かと戦っている聴き手を奮い立たせるようにも感じさせる。なお、実際のゲームでは一部の歌詞とアレンジが異なることで印象の変わった"GOD EATER 3 Ver."を使用しており、こちらは初回生産限定盤にも収録されている。c/wは表題曲から一転して激しくアグレッシヴなナンバーの「S・H・i・T」。アユニ・Dがツアー中にBiSHをテーマに作詞した歌詞は、"今この瞬間"の彼女たちを切り取った、BiSHへの想いを詰め込んだ1曲だ。(宮﨑 大樹)
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BiSH
BiSH Documentary Movie "SHAPE OF LOVE"
全12ヶ所の全国ツアー"BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR"から、5月の横浜アリーナ公演[BiSH "TO THE END"]までの舞台裏に完全密着したドキュメンタリー作品。ライヴ前後の楽屋や打ち上げといった場で覗かせる、ステージやオフィシャルな場での表情とはまた違った面が見られるのは、ファンにとって嬉しいところだろう。それも垣間見えるのは、いわゆる普通の女の子に戻る瞬間というより、悩み、葛藤したり、メンバーを慮ったり、時に真っ向からぶつかる、それぞれが徹頭徹尾BiSHである姿。とにかく真面目、でもって全然器用じゃないし、それを言い訳にしない。そんな彼女たちの在り方が記録されている。BiSHの歌が持つ肯定感や、ある種のパンクイズム的なものの説得力は、彼女たち自身によるものだとわかる内容だろう。(吉羽 さおり)
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BiSH
BiSH "TO THE END"
2018年1月から全国12ヶ所で開催した"BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR"を経て、5月22日、自身最大規模となる横浜アリーナでのワンマン[BiSH "TO THE END"]を行ったBiSH。チケットは即日完売し1万2,000人の観客と迎えた大舞台は、BiSHが立たなければならない舞台であり、通過点のひとつだったという。今回は、生バンドの演奏を取り入れたり、アリーナ会場ならではの舞台セットや舞台装置を用いたりすることはせず、6人だけでステージを作り上げた。アンコール含め、全22曲。全力で走り、会場をしっかりと掌握しつつ、また観客の圧倒的な熱量と化学変化を起こしながら、ソリッドで、リアルで、現在のBiSHの等身大をぶつけるステージとなった。新たな始まりへの余韻とイントロを感じさせる濃厚な一夜が収録されている。(吉羽 さおり)
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BiSH
NON TiE-UP
『Life is beautiful / HiDE the BLUE』の発売日同日にゲリラ・リリースされた2曲入りシングル。攻めに攻めたタイトル、曲調、歌詞に、型破りなパフォーマンスを続けてきた初期BiSHの姿を思い出す人も多いのでは。だが当時と違うのは、彼女たちのヴォーカルが、必死に食らいつくというより堂々としていること。ダーク且つヘヴィでシンフォニックな楽曲でありながら爽快感が生まれているところに、BiSHのポップ・アイコンとしての才も垣間見る。変拍子や難易度の高いフレーズが多数組み込まれたポスト・ロック的アプローチのカップリングは、サウンド的にも新機軸。声を素材的に使う場面もあれば、妖艶にメロディをなぞるシーンもある。単なるイロモノ盤で終わらせないところにプロデュース・チームの手腕が光る。(沖 さやこ)
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BiSH
Life is beautiful / HiDE the BLUE
前作『PAiNT it BLACK』から3ヶ月というインターバルでリリースされる、タイアップ曲2曲が収録された両A面シングル。「HiDE the BLUE」は、若者ならではの葛藤や悩み、青春が綴られた、ストリングスも鮮やかなロック・ナンバー。歌詞の内容やタイトル性など、「PAiNT it BLACK」と双子的存在の楽曲とも言える。「Life is beautiful」は、"愛してるよダーリン"や"幸せ感じたいの"という慈しみに満ちた言葉も印象的なミディアム・ナンバー。切なく温かい空気感のなかで、普段は見せない素朴で柔らかい表情を見せる6人のヴォーカルが際立つ。淡々としつつも叙情的なギターのリフレインも楽曲の大きなアクセントだ。タイアップ作品とのコラボ効果で、BiSHの持つ清純性を楽しめる。(沖 さやこ)
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BiSH
PAiNT it BLACK
昨年11月にメジャー2ndアルバムをリリース、"ミュージックステーション"や"スッキリ"などの地上波番組に出演し、所属事務所WACKでのシャッフル・ユニットやメンバーのソロ活動など、精力的な動きを見せるBiSHのニュー・シングルは、TVアニメ"ブラッククローバー"のOPテーマ。作品と親和性の高い正統派J-ROCKと6人が次々に入れ替わるヴォーカル・ワークが特徴的で、さらに向上した6人の歌唱力と表現力が堪能できる。c/wは「オーケストラ」と近い方向性の華やかで壮大なロック・ナンバー。メンバー全員が挑戦する曲中の台詞朗読にも注目だ。2曲とも若者の青春感が主題になっており、葛藤や陰の要素も孕んでいる。楽曲の強度が高いのは等身大の彼女たちが反映されているからだろう。(沖 さやこ)
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BiSH
THE GUERRiLLA BiSH
現メンバーになり2枚目となるフル・アルバム。特筆すべきは前作『GiANT KiLLERS』で見せた各メンバーの個性や人間性をさらに色濃く見せ、BiSHというグループの強度を高めているということ。各メンバーの表現力や歌唱力の成長に加え、ハーモニーやユニゾン、耳を劈くシャウトなども随所で用いられており、ヴォーカル・ワークの華やかさが増した。メンバー全員が個々で書いた歌詞からも、2017年の等身大の彼女たちとひとりひとりの成長を感じることができるだろう。バンド・サウンドを主体としたロックやメロコア、パンク、オルタナ、ストリングス・アレンジを施した壮大な楽曲、センチメンタルでポップなミディアム・ナンバーなど、過去作と同様に振れ幅の広い楽曲が揃っている。(沖 さやこ)
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BiSH
GiANT KiLLERS
年明けから精力的なライヴ活動を続けているBiSHのモードをそのまま封じ込めた作品と言っていい。『プロミスザスター』もメンバーの個性が生かされていたが、今作はそれに磨きがかかっている。表題曲は楽曲自体もアグレッシヴなストリングスもインパクト大で、かなりパンチが効いたパンク・ナンバー。曲以上に6人のヴォーカルの存在感が大きく、遊び心のある飛び道具的なヴォーカルは瞬発力も増している。現在の6人で場数を踏んできたからこそのクオリティだ。5曲中4曲がメンバー作詞曲で、特にモモコグミカンパニーによる、BiSHやWACK(所属音楽会社)の未来を綴ったTrack.3は「オーケストラ」、「プロミスザスター」に並ぶ名曲になるのでは。昨年夏に加入したアユニ・Dの成長も目覚ましく、6人の進化を存分に感じられる。(沖 さやこ)
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BiSH
プロミスザスター
前作のメジャー1stフル・アルバム『KiLLER BiSH』のリード曲「オーケストラ」を超える名曲が誕生したと言ってもいいのではないだろうか。昨年8月に現在のメンバー編成となり、10月にはツアー・ファイナルの日比谷野外大音楽堂公演を成功させ、ひと回り成長し結束を強めた6人。ストリングスの美しい疾走感のあるバンド・サウンドは、等身大で希望へ向かって突き進んでいく彼女たちを後押しする追い風のような力強さと爽やかさを持つ。個々の歌声を活かした歌にもそれぞれの意志が通い、ヴォーカリストとしてのスキルアップも感じられる楽曲だ。リンリンとアイナ・ジ・エンドの詞をブレンドさせたカップリングは憂さ晴らしにもぴったりのいたずら心溢れるアッパー・チューン。両極端のBiSHの真髄を味わえる。(沖 さやこ)
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BiSH
DEADMAN
ツアーやライヴを次々とソールド・アウトさせている女子6人組のメジャー・デビュー・シングル。表題曲は99秒のパンク・ナンバーで、ハスキー・ヴォイスのシャウトで畳み掛ける箇所や、力強く爽快感のあるユニゾンやハーモニーが心地よいサビなど、短尺ながら彼女たちの様々なヴォーカリゼーションが楽しめる。メジャーにフィールドを移しても勢いを止めるどころか"さらに加速していくぞ"と言わんばかりの気迫が非常にフレッシュだ。Track.2「earth」は小室哲哉が作曲を担当。高いキーに乗りリフレインする歌詞が狂気的で、表題曲とは異なる表情を見せる。2曲とも強烈なバンド・サウンドにもかかわらず、歌が音に飲み込まれていない。"楽器を持たないパンク・バンド"としての意志が着々と芽生えているのでは。(沖 さやこ)
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KANA-BOON
ソングオブザデッド
捲し立てるラップ調のパートで焚きつけ、パッと開けるキャッチーなサビで躍らせる。そんなアッパーチューン「ソングオブザデッド」は、ゾンビ・パンデミックによりブラック企業から解放された主人公の"ゾンビになるまでにしたい100のこと"を描くアニメを盛り上げる人生讃歌。"遊び疲れるまで生きてみようぜ"と歌うこの表題曲に対し、カップリングに収録されたのはその名も「ソングオブザデッド 2」、「ソングオブザデッド 3」と早速遊び心が。10周年を迎えたバンドのいい意味で肩の力が抜けた余裕が垣間見える。アニメのテーマにとことん寄り沿った一貫性を持つ本作は、ゾンビとコロナウイルス、状況は違えどパンデミックに陥り混沌とした日々を生き抜いてきた我々にも通ずる、シリアスな世の中もポジティヴに照らす1枚だ。(中尾 佳奈)
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KANA-BOON
恋愛至上主義
KANA-BOONは卓越したキャッチーなメロディや言葉遊びが注目されがちだが、バンドの名を一躍シーンに知らしめた「ないものねだり」や、疾走感で一気に駆け抜けるポップ・ナンバー「1.2. step to you」など、キャリア初期からBPMの速い四つ打ちを得意とする一方で、ストレートなラヴ・ソングを歌い続けたバンドだと思う。そんな彼らが、"恋愛"に焦点を当てたコンセプト・アルバム『恋愛至上主義』をリリースする。"10th Anniversary Edition"には、十八番とも言える失恋ソング17曲(上記2曲も収録)をコンパイルしたベスト盤CDも付属。今年9月にメジャー・デビュー10周年を迎えるバンドが重ねてきた年輪を、"ラヴ・ソング"という側面から堪能してみてはいかがだろうか。(山田 いつき)
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KANA-BOON
Honey & Darling
谷口 鮪(Vo/Gt)の復帰を祈り待っていたファンへのアンサー・ソングでもある「Re:Pray」から始まる本作は、タイトルに"あなたは誰かにとって特別な存在である"という思いが込められたように、彼らにとっての特別な存在に届けたい温かいメッセージに溢れている。深い悲しみの中で生まれた楽曲たちは、自分自身を勇気づけるように希望を歌い、聴く者の孤独を救うように語り掛ける、共に生きていくための歌だ。バンドを象徴するキャッチーさはそのままに、より深みを増した歌声と演奏。ファンと共に苦境を乗り越えた今の彼らにしか出せない音、伝えられない言葉が心を震わす。そして、生きづらさを歌いながらもポップに響くサウンドがグッとくる1曲「メリーゴーランド」が、心に暖かな光を灯しアルバムを締めくくる。(中尾 佳奈)
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KANA-BOON
Re:Pray
前作「HOPE」が暗闇に一筋の光を見いだしたばかりの第一声だとしたら、今回は"新たなる祈り"と題されているだけあり、一歩踏み出した決意表明だ。バンド・サウンドの生々しさで勝負しつつ、風を顔に受けて前進するような感覚をマンドリンの響きで繊細に表現してもいる新鮮味も。本当に曲に必要な音を選び抜いたサウンドスケープはまた始まるバンドの日々(3年ぶりのツアーも含め)への希望だ。カップリングにハード・エッジなサウンドと忌憚のないメッセージを込めた「右脳左脳」を収録する感じは、『シルエット』時の「ワカラズヤ」などを想起させるシングル定番スタイル。カラッとしたR&Rで"生きてたらいいことあるかも"と歌う「LIFE」も最強に泣けるし笑顔になれる。早くライヴで会いたい曲ばかりだ。(石角 友香)
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KANA-BOON
Torch of Liberty
KANA-BOONの約9ヶ月ぶりとなるニュー・シングルのキーワードは"解放"。思わず手拍子をしたくなるハイテンションなイントロで始まり、そのまま失速することなく展開される軽快なギター・リフは、まさに抑圧された空間からの解放を感じると同時に、ライヴハウスで披露した際の盛り上がりと興奮を想像させる。まだまだ日々の生活にも音楽活動にも制限がかかる世の中ではあるが、希望の火を灯し続け、あらゆる規制が解除されることと、現在休養中の谷口 鮪(Vo/Gt)が再び元気に歌声とギターの音を響かせてくれることを待ち続けたい。カップリングにはリフレインする歌詞が彼ららしい「センチネル」と、夕暮れ時の儚い一瞬をメロディアスに歌った「マジックアワー」の2曲を収録。(伊藤 美咲)
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KANA-BOON
KANA-BOON THE BEST
7年間の軌跡を全シングルと代表曲、そして、バンドとファンにとって思い入れの深い全30曲に収めた初のベスト・アルバム。DISC 1 は、10年代前半の邦楽ロック・シーンを彼らが象徴することがわかる楽曲が多いうえで、KANA-BOONならではの切なさやリアリティが溢れるレパートリーが満載だ。加えてインディーズ時代の「スノーエスカー」を再録しているのも聴きどころ。DISC 2は谷口 鮪(Vo/Gt)のDTMによるデモ制作が軸になって以降の、アレンジや新しいサウンド・プロダクションの進化が窺える楽曲揃い。バンドのスタートでありパーソナルな歌詞に突き動かされる「眠れぬ森の君のため」、そして、最新曲とも言える「マーブル」もバンドの現在地であり核心。新旧2曲の対比も味わいたい。 (石角 友香)
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KANA-BOON
スターマーカー
新体制後初シングルには金澤ダイスケ(フジファブリック/Key)をアレンジと演奏で迎え、ポップスのスケール感にチャレンジした楽しげで華やかな1曲が完成した。音像のアッパーさに伴って、これまでと地続きな内容の歌詞がグッと力強く聴こえるのも面白い。本質を変えないために表現の幅を広げるという、バンドのこれまでを踏襲した作品と言えるだろう。さらに、素でワイドなサウンド・プロダクションがモダン・アメリカン・ロック的な「シャッターゲート」、これまでのKANA-BOONの代表的なメロディやビートのスタイルをアップデートさせた印象の「ユーエスタス」と、各々まったく違うベクトルの3曲を収録しているのも久しぶり。ちなみに、全曲ベースは谷口 鮪(Vo/Gt)が演奏しているのも聴きもの。(石角 友香)
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KANA-BOON
まっさら
スタートの合図のような4カウントから走り出す8ビート。目の前が開けるような大きなコード・ワークが印象的なAメロ。シンガロングしたくなるサビ。それを支える重量感のあるベース・ライン。そのサウンドメイク自体が今の彼らの逞しさを実感させてくれる、デビュー5周年企画を締めくくるに相応しい新たな始まりの1曲だ。"独り"を前向きに捉え、普通の日常のやるせなさも認める強さを持つ。そのうえで繋がる助けになる音楽、それをKANA-BOONは作り始めたのだ。c/wの「FLYERS」はロックンロール・リバイバル的なセンスのリズムやリフの上を、言葉でリズムを作る谷口 鮪のヴォーカルが乗る小気味いい1曲。こちらもグッと太く生感のあるサウンドで、バンドの頼もしさが十二分に伝わる仕上がりだ。 (石角 友香)
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KANA-BOON
ハグルマ
B面集『KBB vol.2』収録の「夜の窓辺から」やミニ・アルバム『ネリネ』と、バンドのいい状態を示す新曲を続々発表しているKANA-BOONから、さらに新たなフェーズに入った決定打が到着。TVアニメ"からくりサーカス"のOPテーマでもある「ハグルマ」。人間の尊厳や暴力性も描く原作の強度にマッチするハードでドラマチックなサウンドと展開、竜巻のようにバンド・アンサンブルとともに暴れるストリングス・アレンジにも息を飲む。谷口 鮪(Vo/Gt)が幼少期から影響を受けてきたという作品への最大のリスペクトを今のKANA-BOONの器で見事に表現したと言えるだろう。一転、何気ない日常を余裕のある演奏で描く「オレンジ」では、彼らの過去の"夕焼けソング"からの変化と不変を味わうのもいい。(石角 友香)
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KANA-BOON
ネリネ
夏盤と称した『アスター』と対になった本作。"ネリネ"の花言葉は"再会を楽しみに"や"忍耐"という意味を含み、冬盤らしい心象を表現した内容になっている。が、それ以上に注目したいのはこの2作が企画盤という意味合い以上に、現在進行形のKANA-BOONの音楽的な楽しさに溢れている面だ。タイトル・チューンの「ネリネ」はホーン・アレンジも新鮮な跳ねるポップ・チューン。「春を待って」は童謡「雪」のフレーズが盛り込まれ、且つお囃子的なリズム感や歌詞のフロウが融合するという、なかなかにハイブリッドな仕上がり。それでもあざとさがまったくないのがこのバンドのキャラクターを証明している。日常的で幸せな情景と真逆な情景が1曲の前後半で展開する「湯気」など、新鮮な変化に驚かされる1枚。(石角 友香)
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KANA-BOON
KBB vol.2
これまでリリースしてきた12枚のシングルに収録されたカップリング23曲から11曲を収録。ロッキン・ソウルなニュアンスの「Weekend」やスピーディなガレージ・ロック・テイストの「ミミック」など、谷口 鮪(Vo/Gt)のその時期その時期の怒りや憤りが凝縮された曲が序盤に並び、表題曲かと勘違いするほどKANA-BOONらしい情景描写と優しいメロディの「街色」、1stシングルのカップリングで初々しさが新鮮な「かけぬけて」など、バンドの音楽的な幅も自由度も楽しめる。加えて、これからの彼らを代表しそうな、淡々としていながら強い楽曲「夜の窓辺から」は、あらゆる人が前を向ける確かな根拠がある。締めの和楽器を加えアレンジされた「盛者必衰の理、お断り (和和和 version)」で大笑いできるのも彼ららしい。(石角 友香)
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KANA-BOON
アスター
メジャー・デビュー5周年の今年、5シーズンに5リリース、5イベントを企画している彼ら。第1弾のB面集『KBB vol.1』が結果的に怒りに寄った内容であったこととは対照的に、今回は様々な角度での恋愛がテーマ。バンドが大きなメッセージを発信するべきタイミングでの覚悟と決意を見せる表情とは違う、脆くて情けなく、誠実な谷口 鮪(Vo/Gt)の素が、楽曲という姿だが滲み出ているような印象を受ける。インディーズ時代の名曲ラヴ・ソングとは違った今の年齢なりの苦みや現実も見え隠れするのも自然でいい。タイトルの"アスター"は花言葉に追憶、信じる恋、変化などがあるそうだが、まさにラヴ・ソングだからこそ描けるリアルな心情やこれまでにないワードが頻出。その描写の瑞々しさが心を震わせる。(石角 友香)
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KANA-BOON
KBB vol.1
これまでリリースしてきた12枚のシングルから、古くは『盛者必衰の理、お断り』の、また『結晶星』のc/wだった「ハッピーエンド」や「桜の詩」など、KANA-BOONの名曲中の名曲、そして表題曲では表し切れない側面を描いたc/w曲を合計12曲セレクト。特に「バカ」、「LOSER」、「I don't care」、「スパイラル」といった、彼らならではのポップ且つエッジーなナンバーから見られる怒りや自己嫌悪は、登場当時から谷口 鮪(Vo/Gt)が書かずにいられない感情を吐露した個性だ。そしてその最新型が新曲の「Flame」に結実。また、メロディとラップの両方を行き来する谷口のリリックとフロウのうまさ、歌を含めたアンサンブルでリズムを生む小気味よさはもっと評価されていい。ライヴで聴きたい曲も多数。(石角 友香)
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KANA-BOON
NAMiDA
「Wake up」、「Fighter」、「バトンロード」と、内燃する高揚感を立体化した力作が続いたので、アルバムもテーマはスケール感なのかな? と想像したが、そう簡単ではなかった。四つ打ち、言葉が言葉を連れてくるような谷口 鮪(Vo/Gt)らしい言葉の運びが特徴的なTrack.1「ディストラクションビートミュージック」は一時期揶揄された十八番要素を根本的にビルドアップ。個性は個性として深化させればいいじゃないかと言っているような1曲だ。もちろん中にはかなりベタにディスコ/ダンス的な曲もあったり、音像もぐっと厚みを増していたりするけれど、何より鮪がメロディについてチャレンジし続けていること、寒くて怖い夜明け前を乗り越えるようなリアリティをずっと抱えていることはKANA-BOONのかけがえのなさだ。(石角 友香)
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KANA-BOON
バトンロード
"NARUTO"シリーズでは4回目のタッグとなる"BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS"のOPテーマとして、物語とシンクロする部分はもちろん、これまで以上にロック・バンドが伝えてきたマインドを自分も繋ぐんだという谷口 鮪(Vo/Gt)の意志に満ちた歌詞、ストリングスも含めた厚い音塊で押せる今の力量が鮮明だ。"無我"を意味するTrack.2は谷口お得意の韻を踏んだラップ調のヴォーカルと演奏のリズムが表裏をチェイスするようなリズムの組み立てがユニーク。シニシズムと和テイスト、そしてヒップホップを料理した独自のものを作るKANA-BOONらしい出来だ。打って変わって高速ウエスタン風のTrack.3は2分ちょいのショート・チューン。いい曲も面白いこともテーマにフォーカスが合っている。(石角 友香)
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KANA-BOON
Fighter
最近の曲作りでは、DTMで構成を練り込んだデモを作ること、自分の中で納得感が強い曲を作ることを挙げていた谷口 鮪(Vo/Gt)。2017年第1弾は得意の四つ打ちも大幅にアップデートされ、スピーディな展開にダークでソリッドな世界観も積載された、キャリア上最強のエクストリームなナンバーだ。TVアニメ"機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ"OP曲として"戦場での一瞬の輝き"をテーマに書き下ろしたという着眼点自体が、1曲1曲の強度で"勝ちに行く"、今のKANA-BOONのスタンスも反映している。展開の多さと構成の複雑さで言えばTrack.2「スーパームーン」も、パンク、ファンク、大きなグルーヴのロックまで呑み込んだ大作。一転、Track.3「君を浮かべて」はシンプルなアレンジだが、かつてないまっすぐな言葉に心が震えた。(石角 友香)
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KANA-BOON
Wake up
アルバム『Origin』のリリースから約8ヶ月。乾いたアメリカン・ロックとトライバル感が混ざり合ったような序盤から、メロディもすべての楽器も復活祭に参加するように集まってくる構成の新しさがある。そして大サビで歌われる"言葉を紡ごう/心を震わそう"というKANA-BOONの最も太い軸に辿り着く覚醒感。瞬間沸騰ではなく、前進しながら徐々に心が沸き立つ構造に谷口鮪のソングライターとしての成長とタフさを増したバンドの力量を感じる。「Wake up」が表だとしたら、もう一方の今のKANA-BOONからのソリッドな意思表示が「LOSER」。強靭になったグルーヴそのものが現状に安住することなく、一撃であらゆるリスナーを射抜こうとする。そしてR&Rマナーを血肉化した「Weekend」の軽快さもすこぶる新鮮だ。(石角 友香)
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KANA-BOON
Origin
前作『TIME』のエンディング曲「パレード」で夢見た場所に足を踏み入れた歓喜を歌ったバンドの痛みを伴う成長の物語がここにある。アルバムの先鞭をつけた「ランアンドラン」はともかく、ポップな「なんでもねだり」から、ラウドでソリッドな新機軸「anger in the mind」や、ドラマティックな「インディファレンス」、当世流のネオ・シティ・ポップをKANA-BOON流に昇華した「グッドバイ」などサウンドの多彩さがまず1つ。加えて、この時代を生きる20代の真っ当なオピニオンとしてのリアルな歌詞が冴える「革命」、この1年の逡巡とバンドの決意がそのまま歌詞になった「スタンドバイミー」や「Origin」といったメッセージ性が窺える新機軸。登場時の勢いとはまた違う、"今"の強さが封じ込まれたアルバム。(石角 友香)
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KANA-BOON
ランアンドラン
前作のスプリット・シングルを含めると、なんとデビューから2年4ヶ月で9枚目のシングルとなる今作。『ダイバー』以降顕著になってきた広がりのある古賀のギターのディレクションなど、アレンジ面での深化が冴える仕上がり。大きなグルーヴを持つ8ビートと、どこかメロディック・パンク的なニュアンスも持つTrack.1「ランアンドラン」は、これからの季節、新たな環境に身を投じるあらゆる人、特に若い世代のリスナーにとって勇気の源になってくれそうな1曲。カップリングの「I don't care」は、まさにタイトルが示唆する通り、口ばかり達者で動かない奴らを一刀両断。ラウド且つタイトな音像がこれまでのKANA-BOONになかったフィジカルなタフさも感じさせる新境地だ。(石角 友香)
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KANA-BOONシナリオアート
talking / ナナヒツジ
CDの形態が複数あるのを承知で、できればこのスプリットに収録されているトータル6曲すべて聴いて欲しい。それぐらい両バンドとも楽曲クオリティと新たな挑戦を体感できる。KANA-BOONの「talking」はファンクネスすら感じる16のグルーヴやラップ部分にロック・バンドのケレン味を感じるし、アニメのエンディングにそのヒリヒリした世界観がハマる。シナリオアートの「ナナヒツジ」で聴けるソリッドで急展開する構成も新しい。また2曲目(KANA-BOON「ぬけがら」/シナリオアート「トワノマチ」)にどちらも各々の色合いでセンチメンタリズムを喚起する楽曲を配しているのも聴き比べてみると面白い。そして"すべてがFになる"裏メイン・テーマとも言えそうなKANA-BOONの「PUZZLE」での楽器隊の豊富なアイディアとテクニカルなプレイは嬉しい驚きの連続だ。(石角 友香)
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KANA-BOON
KANA-BOON MOVIE 03 / KANA-BOONのとぅるとぅる かむとぅるーTOUR 2015 ~夢のアリーナ編~ at 日本武道館
当日のライヴも観たが、この映像作品でもまた心揺さぶられてしまった。KANA-BOON自身が夢の舞台に立つ、そのエモーショナルな部分をどんなアングル、スピード感、質感でドキュメントするか?という1番大事な部分が素晴らしく共有されているからこそ成せる作品だと思う。正真正銘、初めて足を踏み入れる武道館(4人がいっせーので入口を越えてみたり)のシーンだったり、歌う鮪の口元、ステージからのメンバー目線の客席、スタンド最上階のファンのシルエット、宙吊りになった古賀を下から見上げる鮪と飯田の笑顔だったり、頼もしいこいちゃんの背中だったり......。演奏や様々な試みやユルユルなMCはもちろん、一回性の撮影でまるで映画のごときダイナミズムに昇華したチームKB、そしてバンドの求心力に脱帽!(石角 友香)
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KANA-BOON
ダイバー
もとよりKANA-BOONは曲がいい。それは高速BPMと四つ打ちを特徴としていたころからなのだ。そして新たな武器を手にした「シルエット」以降のKANA-BOONがより大きなグルーヴと、谷口鮪(Vo/Gt)が音楽に生きる根拠を明快に楽曲に昇華したのが今回の「ダイバー」だろう。単に大好きなアニメというだけでなく"NARUTO"とKANA-BOONの親和性の高さは大げさに言えば運命的。今夏の映画版のための書き下ろしだが、バンドがどれだけ大きな視点で活動しているのかがわかる代表曲足りえる新曲。加えてTrack.2「スパイラル」での古賀隼斗(Gt)のイマジネーションに富むフレージングや全体的に大人っぽいプロダクションにも注目。Track.3の「街色」は鮪のファルセットから地声へのスムーズさ、背景的な音作りが新しい。(石角 友香)
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KANA-BOON
なんでもねだり
近年、バンド/アーティストがポピュラリティを獲得する大きなステップボードになっている印象があるCM且つ好企画でもある資生堂"アネッサ"のタイアップ曲として書き下ろした「なんでもねだり」。風の匂いや太陽の熱が明らかに変わっていく季節感をサウンドやビート、リフで表現。歌詞はCMの映像にも登場する"欲張りな女の子"と彼女に翻弄されつつ、眩しげに見つめる男の子が目に浮かぶ、楽しくも青春が輝く内容に。カップリングは「ウォーリーヒーロー」から続く同質のテーマを持った、ソリッドで強い「watch!!」、アルバム『TIME』ラストの「パレード」のさらに先を歩いて行く自分たちや友達を歌った「タイムトリッパー」。これから起こるどんなことも楽しんでいこうとする彼らの今の強さがわかる。(石角 友香)
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KANA-BOON
TIME
怒涛のフィルが時間に追われながらも全力で走る決意をタフに表現するオープニングの「タイムアウト」から、時間をテーマにしたアルバムの大きな意志に巻き込まれる。90年代後半以降の"ザ・日本のギター・ロック"な「ターミナル」の孤独と自由。雨音のイメージを増幅するギター・フレーズが美しい「スコールスコール」や、谷口鮪がパーソナルな心象を都会のどこにでもありそうな情景に溶け込ませて歌う「愛にまみれて」のバンドにとっての新生面。特に「愛にまみれて」にうっすら漂うノスタルジーを表現するコーラスの美しさはレコーディング作品ならでは。攻めの前半からメロディや歌詞の新しさにはっとする後半への流れそのものが聴き手にとっても"生きている今"になるような強い作品。(石角 友香)
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KANA-BOON
シルエット
4カウントとギター・リフのおなじみのイントロの次に展開する開放的な8ビートが作る、KANA-BOONの新しいスタンダード、「シルエット」。思期から青春期を走りぬけ、覚えてないこともたくさんあるけれど、ずっと変わらないものを教えてくれた人たちのことを思うヴァースはライヴでも大きなシングアロングが起こりそうだ。カップリングはインディーズ時代から存在していた「ワカラズヤ」と、最新曲の「バカ」。すれ違う気持ちが一層ジリジリする恋心を浮かび上がらせる「ワカラズヤ」の愛らしさも、エッジーな16ビートに乗せて谷口のラップも交え、フラストレーションの吐き出し先のない自分のめんどくささを歌う「バカ」にも、いい意味で肩の力が抜け、曲作りに対してタフになった今の4人が見えてくる。(石角 友香)
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KANA-BOON
生きてゆく
清涼飲料水のタイアップがついてもおかしくないような、夏らしい眩しさの中で描かれるのは、バンドで生きていくことを決めた自分が、別の道を行くことになる"キミ"との距離を描きながら、最終的には自分の決意。事実から生まれながら、長くKANA-BOONが音楽や自分と向き合うときに思い出される大切な曲になりそうな予感もある名曲だ。毎回、表題ともアルバム収録曲とも違うチャレンジングな一面を見せるカップリング。今回もこれまでにない変則的なビートが印象的なダンス・ロック「日は落ち、また繰り返す」、ドライヴ感に加えてグラマラスな印象さえある「ロックンロールスター」の2曲は、無意識のうちにも彼らが洋楽のエッセンスを吸収していることを実感。ライヴの楽しみ方の幅も広がりそうなシングルだ。(石角 友香)
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KANA-BOON
フルドライブ
ソリッドなギター・リフ、四つ打ちのなかに部分部分でヒネリの効いたスネアが入り、谷口鮪のリリックは意味より破裂音や韻の快感を重視しているような「フルドライブ」。リスナー側がスリリングなチェイスに身をおいているような感覚が新しい。Track.2「レピドシレン」は魚ながら肺呼吸をしなければならない魚を比喩に用いたことで、焦燥と疾走を同時に焚き付けられるような仕上がりに。特に古賀のギターは全編、カオティックな曲のバックグラウンドを形成するサウンドスケープを担う出色のアレンジ。Track.3「夜のマーチ」は、まさに夜の色と空気感が立ち上がるような映像喚起力抜群の聴感。マーチングのリズムを主体に変化していくリズムが、歌詞での心の動きとシンクロするアレンジもいい。(石角 友香)
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KANA-BOON
結晶星
逞しささえ感じるリズムと澄んだ空気を感じさせるギターのフレーズが好対照を描くタイトル・チューン「結晶星」。やめたいことはやめればいいし、やりたいことをしっかり結晶させればその輝きで、これからを変えていけるというメッセージが、今の彼らの経験値やスキルで鳴らされていることに大きな意味がある。新しい季節を迎えるあらゆる人の心に穏やかだが確かな火をつけてくれる1曲。「ミミック」は前作『DOPPEL』収録の「ウォーリーヒーロー」にも似た、顔の見えないSNSのコミュニケーションに対する問題提起。「桜の詩」は「さくらのうた」から時間が経過し、女性目線で描かれたアプローチが新しい。まったく異なるニュアンスとテーマを持った、挑戦的な1枚。 (石角 友香)
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KANA-BOON
DOPPEL
人懐こいサビにも、思わずステップを踏みたくなるビートにも、もちろん、想いを遠くに投げかけようとする谷口鮪の声にも、"音楽があったから今、僕はここにいる"、そんな切実さが横溢している。ライヴでもなじみのインディーズ時代からの「ワールド」「MUSiC」「東京」「目と目と目と目」はアップデートされたアレンジ、演奏と音像で収録。現在のライヴ・シーン、ひいてはSNSでのコミュニケーションについて谷口の思うところが、鋭いギター・リフや性急なビートとともに表現された「ウォーリーヒーロー」をはじめ、デビュー・シングル「盛者必衰の理、お断り」などの今年の楽曲から成る、1stフル・アルバムにしてKANA-BOONの存在証明的な1枚。10代に圧倒的な人気を誇る彼らだが、現状に息苦しさを感じるあらゆる人に響くはずだ。(石角 友香)
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KANA-BOON
盛者必衰の理、お断り
彗星の如く、という言葉が相応しい快進撃を続ける、大阪は堺から現れた4ピース・バンドKANA-BOON。初の全国流通盤『僕がCDを出したら』から約5ヶ月というインターバルでメジャー・デビューという異例のスピードも、現在の彼らの注目度と楽曲のクオリティやライヴ・パフォーマンスを考えれば当然のことだ。そしてデビュー曲である「盛者必衰の理、お断り」はKANA-BOONの持つ抜群のセンスが冴え渡る楽曲。抜けの良いヴォーカル、思わず口ずさみたくなる語感の良さと人懐こいメロディ、ヒーロー感のあるギター・リフ......非凡な展開でありながらもストレートさを感じさせるのは、彼らが素直に自分たちの気持ち良い音を鳴らしているからなのだろう。10月にリリースされるフル・アルバムにも期待が高まる。(沖 さやこ)
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KANA-BOON
僕がCDを出したら
ライヴで大合唱が起こる人気曲「ないものねだり」でアッパーにスタートし、大きなステージに立っているアーティストと入れ替わる感覚をアレンジでも表現したユニークな「クローン」、ギター・リフのソリッドさと、聴き手ひとりひとりにダイレクトに放たれるストレートなメッセージが痛快な「ストラテジー」「見たくないもの」、アルバム・タイトルのフレーズも含まれる「眠れぬ森の君のため」。そして、ヴォーカルの谷口鮪にとっての歌や思い出の重みや、それゆえの切なさが胸に迫るラストの「さくらのうた」の全6曲。歌詞カードなしでも飛び込んで来る言葉の鮮明さと歌に沿った演奏の音楽的な破壊力。"僕がCDを出したら"その先は......野心と不安のバランスに大いに共感。(石角 友香)
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amazarashi
七号線ロストボーイズ
コロナ禍におけるリアルを吐き出した前作『令和二年、雨天決行』に続く新作。今回は見えない未来に一歩踏み出すために、まずそもそも自分はどんな人間だったのか? を青森での少年時代と今を時空を超えるように描写。硬質なラップに近いニュアンスの「感情道路七号線」に始まり、ピアノとシンセ・ストリングスが映像喚起力抜群の「火種」や、TVアニメ"86―エイティシックス―"OPテーマ「境界線」を挟み、中盤では学生時代の居場所のなさや、せつないほど荒んでいく暮らし、生まれ育った街の過去の歴史にも触れていく。その中でも常に自分にとっての真実めいたものをほのかな希望として描いていることが、現在の混沌とした時代に響く。また人気漫画"チ。"との"往復書簡"企画の発端である「1.0」も収録されている。(石角 友香)
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amazarashi
令和二年、雨天決行
混沌とした空気に包まれた令和2年。数多のミュージシャンの手によって今年という年を意識した音楽が生み出されたが、これほどまでに生々しい感情が詰め込まれた音楽には出会ったことがなかった。時に一見ポップなギター・ロックに紛れ、時に絞り出すように切実なポエトリー・リーディングでもって、秋田ひろむ(Vo/Gt)が紡ぐのは誰もが避けて通ってしまうような感情ばかりだ。それでもその歌声が暁光のように眩しく思えるのは、真の意味での"私たちの歌"がそこにあるからだろう。どんな"私たちの歌"ぶった応援歌よりも、その嘆きにも似た声が、音が、私たちの背中を押してくれる。amazarashiの音楽があれば、変わり果ててしまったこの日常をゆるやかに受け入れていける気がする。(五十嵐 文章)
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amazarashi
ボイコット
武道館公演"朗読演奏実験空間 新言語秩序"が象徴的だが、自らのメッセージをより具体的に、スケールの大きい形で見せるようになってきた近年のamazarashi。それを、フル・アルバムという形にパッケージしたものが今作だ。特に初回盤に関しては、オリジナルの映像コンテンツやMV、ライヴ映像、さらに秋田ひろむ(Vo/Gt)の過去を綴った小説が特殊ブックレットに封入される。すべてを繋いで読み解いていくと、秋田ひろむは自分自身を、そして自分自身がやるべきことを、腹を括って理解しているからこそ、こういった振り切った表現をしているのではないか? ということが見えてくる。異端なようで大衆的で、厳しいようで優しくて、アーティスティックでありながら人間臭くて、不思議と涙が出てくる全14曲。(高橋 美穂)
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amazarashi
リビングデッド
11月16日、初の武道館公演[朗読演奏実験空間"新言語秩序"]を開催するamazarashiが、同公演に向けて書き下ろした3曲をリリースする。"「新言語秩序」プロジェクト"のテーマ="言葉"は、amazarashiが元来大切にしてきたもの。今作がコンセプチュアルでありながらもバンドの核心に迫るシングルになったのはおそらくそのためだ。絶えず刻まれる8分のビートと、秋田ひろむ(Vo/Gt)の歌う理由を投影した歌詞が迫り来るような表題曲「リビングデッド」。夏目漱石の名訳をタイトルに据え、"言葉"の持つ果てないロマンを託した「月が綺麗」。アプリと連動させることにより初めて全貌が明らかになるという、実験的な内容の「独白(検閲済み)」。以上、3曲を収録している。(蜂須賀 ちなみ)
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amazarashi
amazarashi LIVE「理論武装解除」
2017年12月に千葉県舞浜アンフィシアターにて2デイズ開催された、秋田ひろむ(Vo/Gt)初の弾き語りワンマン・ライヴの2日目を完全映像化。amazarashiのライヴと同様に紗幕にタイポグラフィや映像を投影するのはもちろん、半円形のステージとすり鉢状の客席が持つ特殊な形状の会場ならではのアングルや、静かに燃える松明、背景一面に広がる星空照明など、様々なシチュエーションや視覚的アプローチを展開している。パフォーマンスはギター1本と歌のみ(※一部の楽曲でキーボード&コーラスとして豊川真奈美が参加)、普段よりMCも多め。リラックス感と緊迫感の狭間をゆらゆらと往来しながら歌、言葉、音に集中できる純度の高いライヴ空間が堪能できる。初披露した新曲「夕立旅立ち」も収録。(沖 さやこ)
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amazarashi
地方都市のメメント・モリ
初期の楽曲が秋田ひろむ(Vo/Gt)個人の心情が反映されたものだとしたら、この4thフル・アルバムは、amazarashiの活動を精力的に続けている秋田の生活のすべてが反映されているのではなかろうか。どの曲も無理がなくナチュラルで、肩肘を張らないからこそのしなやかさや躍動感がある。彼の作る言葉やメロディを支えるアレンジメントも同様で、壮大というよりは"バンド"という集団、何よりも本メンバーである秋田と豊川真奈美(Key)の結束を感じるものが多い。メール・インタビューでも秋田は"世界の隅っこでこっそり音楽やってたいです。それで生きていけたら最高なのに"と語っていたが、彼が身の回りの出来事ひとつひとつを大事にしていることを言葉からも音からも感じられる。切なさや悲しみもあたたかく響く。(沖 さやこ)
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amazarashi
空に歌えば
ソングライターの秋田ひろむ(Vo/Gt)はメール・インタビューで"タイアップ曲の書き下ろしでの制約を楽しめるほど器用じゃない"という旨の回答をしてくれたが、「空に歌えば」で彼が元来胸に持っていた純粋な情熱や力強さを恐れることなく突きつけることができたのは、TVアニメ"僕のヒーローアカデミア"のOP曲の書き下ろしだったからでは。がむしゃらに駆け抜けるギター・ロック×繊細なピアノとストリングスが作るスリリングなサウンドスケープは彼らの歴史を走馬灯のように見せる。熱量の高い秋田のヴォーカルが勢いよく飛び込んでくる曲の冒頭や、歌詞中の"蒼天"、"雨は上がっていた"という言葉にも表れているとおり、ここから新しい物語が始まることを予感させる。同時に今後新しい物語を切り拓く力を生む曲にもなりそうだ。(沖 さやこ)
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amazarashi
amazarashi LIVE 360°「虚無病」
昨年10月15日に幕張メッセにて一夜限りのライヴとして開催された"amazarashi 360°LIVE「虚無病」"の映像化作品。ステージの360度を透過性LEDで囲み、タイポグラフィやアニメーションが映し出されたライヴは、秋田ひろむ(Vo/Gt)の書き下ろしによる小説の朗読と演奏とが交互に繰り返されるストーリー仕立てで進んでいく。これまでのamazarashiの楽曲を挟みながら、"虚無病"という架空の病に翻弄される人間たちの物語を描くライヴは、"人間らしい生き方とは何なのか?"という問いを受け手に強く投げかけてくる。小説、ライヴ、映像が三位一体となって作り上げた完璧なステージはamazarashi以外には作り上げることができないエンターテイメントだ。なお、今作には新たに小説の第6章が追加され、物語の本当のエンディングを読むことができる。(秦 理絵)
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amazarashi
メッセージボトル
秋田ひろむを中心としたamazarashiによる初めてのベスト・アルバム。CD2枚組/全26曲には、アップデートしながらも、言葉の力とメロディの美しさは断固として崩さずに活動してきた彼らの軌跡が表れている。そして、完全生産限定盤と初回生産限定盤は、秋田の地元・青森で"あまざらし"名義で活動していた時代にリリースされたミニ・アルバム『光、再考』を完全収録したCDと、"「メッセージボトル」Special Movies"と題されたDVDがセットになっている。さらに完全生産限定盤は、amazarashi詩全集やamazarashiの過去が綴られた小説"メッセージボトル"なども収められた、布張りの特殊パッケージ。総合芸術家と言えるamazarashiのベストに相応しい作品となっている。(高橋 美穂)
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amazarashi
虚無病
ストリングスを編成に加え、すべての楽曲がアンプラグド・アレンジで秋田ひろむが書き下ろしたストーリーの朗読と共に行われた2014年のライヴ"千分の一夜物語 スターライト"以降、彼らの表現の幅は制作面でもライヴ面でも拡大し続けている。今作は同名の小説をもとに制作した楽曲と中島美嘉に提供した楽曲のセルフ・カバーを収録。全曲が小説ありき or 他者に提供した曲という普段のamazarashiとは異なる視点で制作されたこともあり、パズル的に言葉を組み合わせた歌詞が聴き手のイメージを刺激するTrack.4やヒップホップの手法を取り入れたTrack.5などもソングライティングが新鮮だ。すべての曲の向こう側に音楽を楽しむ秋田の姿を確かに感じられる。(沖 さやこ)
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amazarashi
世界収束二一一六
秋田ひろむが世界へ抱く"失望"と"期待"を音楽に投じた1年4ヶ月ぶり、通算3枚目のフル・アルバム。メール・インタビューで彼は"僕は好き勝手に言いたいこと言ってるのがいいと思ってます"と回答しているが、今作は過去最高にメッセージ性が強い。リード・トラック「多数決」は広い世界へ警鐘を鳴らす意味合いも含み、柔らかなミディアム・ナンバー「ライフイズビューティフル」はいち個人の生活の喜びや尊さを歌う。今作はそれに加えて非常にドラマ性も高い。ファンタジーとリアリティが融合した物語性の高い歌詞や、ポエトリー・リーディングを用いるなど、曲ごとに情景を変えるサウンドスケープは聴き手のイメージに働きかける。聴き終えたときに彼と腹を割って対話をしたような感覚になるのは、筆者だけだろうか。(沖 さやこ)
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amazarashi
スピードと摩擦
まさしく"スピードと摩擦"。緊迫感と感傷が交錯する巧みなアレンジは、秋田ひろむの綴る言葉をそのまま音像化したようだ。歌詞も序盤は普段我々が目にする情景を淡々と描くも、彼は徐々にとある"街"へとリスナーを誘う。この街とは秋田ひろむの見る現実世界だろうか。"夕景""焼ける""火花""焦がす"など、熱や火を彷彿とさせる言葉に"摩擦"という言葉が作用。そこに赤い"血"という言葉を重ねることで、痛烈なまでに"生"を描いている。生きにくい世の中で命をじりじりと焦がしながら、ときに逃避し、ときに戦う人の歌。生を求めていたamazarashiが、生と対峙した歌だ。流麗なメロディをフィーチャーした「風邪」、切々と"君"に語り掛ける「名前」、気魄溢れる表題の弾き語りver、すべて必聴である。(沖 さやこ)
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amazarashi
あまざらし 千分の一夜物語 スターライト
昨年12月の渋谷公会堂単独公演で"現在のamazarashiは過去の楽曲に新たな意味と輝きを持たせることができるようになった"と思ったのだが、そのきっかけになったのはこの作品の原案となった同年9月のアンプラグド・ライヴ"千分の一夜物語 スターライト"だったのだろうな、と今になって思う。初期曲をストリングスやグランド・ピアノを加えてリアレンジして、新たな輝きを放ったことがきっと、秋田ひろむにとってもamazarashiにとっても代え難い喜びだったのだろう。現にそれ以降のamazarashiはバンドとしてもエンタテインメントとしても非常にダイナミックで面白く、この先を考えると胸が躍る。音楽を楽しむ素直な気持ちや充実を如実に物語る、amazarashiの過去と今と未来を繋ぐ作品だ。(沖 さやこ)
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amazarashi
夕日信仰ヒガシズム
amazarashiは秋田ひろむの心情吐露とも言える、非常に私的な世界だった。だがステージの前の紗幕と映像でできた壁の先にいる観客たちに歌を歌い続けることで、ひとりぼっちだった彼のもとに他者が齎した優しさという光が浮かぶようになることは必然だった。その象徴がTrack.2「スターライト」。amazarashi始動前からある、銀河鉄道の夜がモチーフになっている楽曲である。このアルバムに収録された12曲は、彼のこれまでの人生で育まれた喜怒哀楽から生まれる物語であり、夢であり、願いだ。彼はずっと音楽でそれを表現したかったのかもしれない。そういう意味でもこの『夕日信仰ヒガシズム』は原点回帰であり、ひとつの大きな到達点。子供のころ寝る前に読んだ絵本のような胸の高鳴りと切なさ、ぬくもりに包まれる。(沖 さやこ)
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amazarashi
anthology 1386
amazarashi初のビデオ・クリップ集。YKBXによるアニメーションならではの壮大なスペクタクルや、Perfumeやサカナクションの映像作品を手掛ける関和 亮や映画監督である寒竹ゆりによる肉体的な実写映像など、どのMVもamazarashiの音楽の世界を画という観点で美しく描き出す。MVはアルバムやシングルの初回盤に付属するDVDで出されるというパターンが主流となる今日に、ひとつの作品でリリースすることに大きな意味を感じさせる重厚感のある内容だ。特典映像として収録されるZepp DiverCityで開催された『あんたへ』のリリース・ツアー追加公演のライヴ映像も、紗幕の向こうにいるメンバーの手元などが撮影されており、音と同期する映像と照明の演出も含めて必見である。(沖 さやこ)
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amazarashi
あんたへ
前作『ねえママ あなたの言うとおり』から約7ヶ月というスパンでリリースされるミニ・アルバム。昨年リリースされたライヴDVD『0.7』にのみアコースティックで収録された「終わりと始まり」、初の長編ポエトリー・リーディング「冷凍睡眠」、彼の現在を歌ったというひりついたグルーヴの「匿名希望」、過去曲である「あんたへ」「ドブネズミ」など8曲を収録している。過去曲と現在の楽曲の親和性の高さからも、秋田ひろむが歌っている内容や根本は変わっていない。だが当時は自らに向けて歌っていたものが、"これからのあんたへ捧ぐ"というフレーズに象徴されるように、このアルバムでは明らかにリスナーに宛てて歌われている。RSRやイベント出演、楽曲提供などを経た、彼らの変化の第一歩を体感できる作品だ。(沖 さやこ)
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amazarashi
ねえママ あなたの言うとおり
雪が解けて、冬から春になる瞬間をそのまま音にしたらきっとこうなんだろう――そんなことを思った。花びらが舞うように繊細に響くギターとキーボードが互いを支え、音が陽だまりのようにあたたかく、優しく広がる。時間の流れを鮮やかに取り込んだ音は、より言葉を映えさせる。秋田ひろむが綴るように、耳を塞ぎたくなるようなつらい現実はたくさんあり、内に塞ぎ込み、攻撃的になってしまうこともあるだろう。だが彼は同時に、喜びや幸せはすぐ足元に転がっていることも教えてくれる。amazarashiが発する両極端な感情の狭間で揺れる不安定さは生々しく、その人間臭さにどうしようもなく心を寄せてしまうのだ。ラストを飾る「パーフェクト・ライフ」は現時点でのその本質と言っても過言ではない。(沖 さやこ)
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ドラマチックアラスカ
悪者
"100%の正義なんて存在しない"。そうヒジカタナオト(Vo/Gt)が語る通り、それぞれの正義と正義がぶつかり合うなか、各々が大切なものを守り抜いてきたこの2年半。音楽は不要不急と言われ、ライヴハウスに行く人が"悪者"とされていたようなときでもステージに立とうとし続けたバンドマンは、我々ロック・ファンにとっては"ヒーロー"だった。そんな誰かの"悪者"になってでも大切なものを守りたいという強さや覚悟を歌った本作。音楽を続ける苦悩や葛藤を描きながらも、ロック・スターとして生きていく決意表明がここに刻まれている。そして痛快なギター・ロック・サウンドとキャッチーなメロディに乗せた、正しさも間違いも肯定する包容力溢れる歌詞は、正しく生きようと戦っているすべての人の心をスッと軽くしてくれるはず。(中尾 佳奈)
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ドラマチックアラスカ
愛や優
ドラマチックアラスカの8曲入りの8thミニ・アルバム。今作に関してヒジカタナオト(Vo/Gt)は、"完成するまでにまじでもう歌詞が書けない状態になりました"というコメントを寄せているが、そういったスランプに至ったのも無理はないと思えるほど、粒揃いの仕上がりになっているし、突き抜けたストーリーがそのまま映し出されたような痛快感もある。つくづく正直なバンドだと思うし、彼らが信じられ、愛されている理由がわかる。"愛や優"というちょっぴり意外なタイトルも、聴けば頷けるはず。中でも、元メンバー(Ba)であるマルオカケンジが作曲し、ガガガSPの山本 聡(Gt)がプロデュースした「ジュブナイル」は、今作と今の彼らを象徴する1曲になっていくと思う。(高橋 美穂)
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ドラマチックアラスカ
最後のフロンティア
ヒジカタナオト(Vo/Gt)が"ドラマチックアラスカの節目となるようなアルバムをリリースするときに使おうと思って、かなり昔から取っておいた"と語るタイトルを冠した記念すべき1stフル・アルバム。全14曲の中には、心を温めてくれる言葉が並ぶ「おつかれさま」や、弾き語りから始まるエモーショナルな「25」といった新曲はもちろん、現代特有の"SNSの闇"に迫る「ランニングデッド」など、彼ら主催の企画"アラスカナイズロックフェス"で配布されたナンバー、さらにはデビュー曲「リダイヤル」やライヴの定番曲「人間ロック」といった再録の5曲も収められ、今の"ドアラの哲学と音"、そして紆余曲折もあったバンドの歴史を同時に感じることができる。古参もビギナーも"ドアラファン必携"と言える1枚だ。(服田 昌子)
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ドラマチックアラスカ
ロックンロールドリーマーズ
タイトルの"ロックンロールドリーマーズ"がすべてを物語っている。憧れのロック・スターになりたくてギターをかき鳴らした少年がメンバーとの出会いや別れを経験しながら、相も変わらずロックに夢を抱き続けてる。今作はそんな今のドラマチックアラスカだから完成した初期衝動の詰まった1枚だ。"夢はまだ死なない/きっと僕にしか歌えない詩が/ここにだけあるから"、そんなふうに歌う「キミトフライト」の開放的なムードは作品全体の通奏低音にもなっている。中華風のリフに遊び心が爆発した「チャイニーズパッション」、天邪鬼な自分を冷静な視点で綴った「オッドアイ」、孤独な夜をセンチメンタルに描いたミディアム・テンポの「この夜は」など、充実の全7曲がバンドとリスナーの絆を強くする。(秦 理絵)
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ドラマチックアラスカ
アラスカ・ベリーズ
変化の兆しを覗かせた4thミニ・アルバム『アンカレッジ・シティー・ポップ』より1年経たずしてリリースされる次なるミニ・アルバム。和情緒と遊び心に満ちたTrack.1「ニホンノカブキ」を聴いて、"あ、開けたな"と思った。まず自分たちが純粋に音楽を楽しみ、心身ともに聴き手を躍らせること。それから、バンドが抱く決意や感情を音楽に落とし込むこと。そのどちらか一方に寄りすぎることなく、両者のバランスが絶妙。このバランス感覚はこのバンドのアイデンティティなのでは、と思う。現在マルオカ ケンジ(Ba)療養中につきオリジナル・メンバーふたりのみという状況でツアーを回っているとのことだが、何度も立ち上がってきた彼らならきっと大丈夫。そう感じさせられる作品。(蜂須賀 ちなみ)
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ドラマチックアラスカ
人間ロック
ドラマ"よろず屋ジョニー"の書き下ろし主題歌を表題に据えたニュー・シングル。正統派のヴィンテージ・ロックンロールのテイストと"ロック"という言葉を様々な意味で用いたキャッチーな歌詞が絡み合うTrack.1は快活ながらに気だるい雰囲気もあり、マイナー・キーの不安定さが少々やさぐれながらも自分の意志を貫く若者の姿と重なる。ヒジカタ ナオトのヴォーカルも楽曲の展開に合わせて熱を垣間見せ、そのさりげないドラマ性もバンドの新機軸だ。効果的な変拍子と美しいコーラスも感傷的なTrack.2、爽やかに切なく駆け抜ける雪解けの季節の恋を歌ったTrack.3と、全曲からバンドのメンタリティが素直に滲んでいる。ナチュラルで健全な美しい進化の結晶。2016年の活躍が期待できそうだ。(沖 さやこ)
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ドラマチックアラスカ
アンカレッジ・シティー・ポップ
ドラマチックアラスカの4thミニ・アルバムは、今年初めに無期限活動休止を発表したギターのトバナオヤが参加した5曲と、現在仮メンバー/ギタリストとして活動中の爆弾ジョニーのロマンチック☆安田が参加した2曲の計7曲を収録。ゆえにトータル感があるアルバムというよりは、前作『ビヨンド・ザ・ベーリング』から1年間での"第1章の終わり"と"第2章のスタート"が混在した、終わりと始まりの渦中でうごめいているバンドの姿がそのまま投影された作品になった。アーティストとしてはある種特異な作品ともいえるが、彼らはもともと"点"ではなく"線"で魅せるバンド。今作ではこの先ドラマチックアラスカの作るストーリーがいい意味で読めず、その未知数ぶりに次作への期待が煽られる。(沖 さやこ)
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ドラマチックアラスカ
無理無理無理
ドラマチックアラスカを"イマドキ"という人もいるだろうし"歌がいい"という人もいるだろう。はたまた"歌詞が文学的""衝動的""UKの匂いがする""ギターがブルージー"と思う人もいるだろう。それは彼らが純粋にいいと思うことだけをやっていることが理由だ。表題曲「無理無理無理」はそれをしっかりと守り、広げていくという決意表明である。書きなぐるように感情をぶつけた言葉もヒジカタナオトの遊び心の効いた言い回しでユーモアに昇華され、その歌を全力で押し出すバンドの一体感は衝動的でありながらも、しっかりと未来を見据えている。衝動で突き進んだ1作目、テクニックを磨いた2、3作目を経て完成したシングル。彼らは知名度を上げると同時に、着実に表現者としての腕も上げている。(沖 さやこ)
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ヒトリエ
Friend Chord
並大抵ではないキャリアを歩んできたバンドのメジャー・デビュー10周年記念アルバムだが、そもそもの発端であるwowaka(Vo/Gt)という稀代の表現者の痕跡は、2024年リリースの「NOTOK」をシノダVoバージョンで収録するという方法である種決着。3人体制になった後のライヴ経験や、シノダのオルタナティヴ・ロック志向が明快になった先行シングル「ジャガーノート」を起点に、すでにライヴで披露されている「耽美歌」、イガラシ(Ba)作曲の「Quadrilat e r a l Va s e」、ハチロクの大きなグルーヴとオルタナの手触りを持つ「おやすみなさい」等に新たな傾向は顕著だ。そんななか、ゆーまお(Dr)作の打ち込みによるハウス調の「Shadowpray」がいいフックになっている。(石角 友香)
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ヒトリエ
NOTOK
9月の日比谷公園大音楽堂でサプライズ披露された、wowaka(Vo/Gt)作の曲で世に出ていなかった「NOTOK」。生前に遺されていたヴォーカルと演奏のデータをもとに3人が構築し、wowakaヴォーカルの新曲として完成した。"正解不正解なんて/あたしの中にしかないわ"と歌うこの曲を限られたパーツから、自身も、リスナーも、そしてwowakaも納得のいくものに仕上げる難しさは計り知れない。だが、その意義をリスナーの存在を通して実感しているからこそ、もはや使命感のようなものを持って届けてくれたのだろうし、間違いなく心を揺さぶる曲になったと思う。全曲wowakaが手掛けたナンバーでメジャー・デビュー10周年に刻む、バンドの初心と今の実力が交錯する作品。(稲垣 遥)
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ヒトリエ
オン・ザ・フロントライン / センスレス・ワンダー[ReREC]
デビュー10周年記念の両A面シングル。「オン・ザ・フロントライン」は、ストレートなロックやポップなキラーチューンを生んできたゆーまお(Dr)作のナンバーでは珍しくクールな始まりだが、聴き進めて納得。切なさと美しさを包括するこの"破壊力"は彼ならではのものだ。アニメ"無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~"のOPテーマだが、"喪失"を経験した者の気持ちを描いた詞はあまりにもバンドと重なり、シノダ(Vo/Gt)の手腕が光る。もう一方のタイトル・トラックは、メジャー・デビュー曲「センスレス・ワンダー」の3人編成での再録版。さらにイガラシ(Ba)作の「Selfy charm」とシノダが書いた「さくらのいつか」と、4人が生み出した楽曲が1枚に収められたところにも、ヒトリエがランドマーク的作品に込めた想いを感じてしまう。(稲垣 遥)
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ヒトリエ
PHARMACY
3ピースになって以降も勢いはとどまることなく、ライヴを重ね「3分29秒」("86―エイティシックス―"OP)や「風、花」("ダンス・ダンス・ダンスール"ED)とタイアップも次々に獲得してきたヒトリエ。現体制2枚目のオリジナル・アルバムは、そんな彼らが過ごしてきた時間の濃厚ぶりを示す作品に。世の中の不満や摂理を怪奇的且つ癖になる音に乗せたシノダ(Vo/Gt)作の「ゲノゲノゲ」、ゆーまお(Dr)作でライヴ・アンセムとなりつつある「ステレオジュブナイル」、イガラシ(Ba)作の幻想的で儚くも美しい「Quit.」など、今回も各メンバーが作曲し臆すことなくその個性を表した楽曲群は前作以上にカラフル。その多彩な表情に合わせるシノダの声色の表現もさらに豊かになり、曲の魅力を最大限引き出している。(稲垣 遥)
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ヒトリエ
Amplified Tour 2021 at OSAKA
wowakaの意志を継ぎ、シノダがヴォーカルをとり、イガラシ(Ba)、ゆーまお(Dr)の3人体制となったヒトリエ。2021年に新体制初のアルバム『REAMP』を発表し、全国ツアー"Amplified Tour 2021"を敢行した。今作は大阪BIGCATの2デイズ公演から2日目をフル収録+1日目のみ披露した曲を加えたヒトリエ初のライヴ・アルバム。2020年はベスト盤のリリース・ツアーを予定しながらもコロナ禍で中止になった経緯があるが、そのぶんを制作にあてヒトリエ・サウンドをリビルドした。ヒトリエの歴史と地続きであり、未知の領域にも踏み込んでいった『REAMP』の、ヒリヒリとした爆音、グルーヴとこれまでの曲が怒濤の勢いで混じり、加速するライヴ。その熱がパッケージされた。(吉羽 さおり)
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ヒトリエ
3分29秒
3人体制で初となったアルバム『REAMP』から、わずか4ヶ月というスパンでリリースされるニュー・シングル。TVアニメ"86―エイティシックス―"のオープニング・テーマとして書き下ろされた表題曲「3分29秒」は、サビに圧倒的な強度を誇るエッジの効いた1曲。スピード、キャッチーさ、ひと筋縄ではいかない情報量。いずれも過去のヒトリエの文脈を正しく継承する緊張感のあるロック・ナンバーだ。一方、「Milk Tablet」は、ヴェイパーウェイヴ的なアプローチのなかでバンドの肉体感を重視した実験的なダンス・ナンバー。いずれも作詞作曲は新体制以降メイン・コンポーザーを務めるシノダ(Vo/Gt)が手掛けた。これまでバンドが築いてきたものと新たに開拓するもの。その両方を妥協なく突き詰めた1枚。(秦 理絵)
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ヒトリエ
REAMP
2019年4月にwowaka(Vo/Gt)が急逝し、シノダ(Vo/Gt)が新たにヴォーカルを務める3人体制で始動したヒトリエ、約2年ぶりの新アルバム。メンバーを失った悲しみが色濃い「うつつ」や「bouquet」、再び歩みを進める葛藤を吐露した「curved edge」、新たな決意を感じさせる「イメージ」など、大きな喪失を経験したバンドの心情が生々しく投影されている。シノダを中心にイガラシ(Ba)、ゆーまお(Dr)もそれぞれ作曲を手掛けたことで、ソングライターごとの個性がバンドの新たな魅力として開花した。中でも、ゆーまおが作曲を手掛けた陽性のポップ・ソング「YUBIKIRI」に刻まれた、ストレートな言葉は胸を打つ。もう何も失うわけにはいかない。そうリスナーと約束を交わす指切りげんまんだ。(秦 理絵)
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ヒトリエ
4
ヒトリエが"4人だから"とシノダ(Gt/Cho)が名付けたバンド初のベスト・アルバム『4』。メンバー自身が選曲した26曲に、wowaka(Vo/Gt)のボカロ代表曲「ローリンガール」のライヴ音源を加えた、全27曲がリマスタリングされ、2CDで収録される。まず、今彼らがこのベスト・アルバムを出すこと自体に、並々ならぬ思いを感じ取ることができる。wowakaが作り上げた音楽、ヒトリエの"4人"が築き上げたものをいつまでも守り続けていこうという意志、もっと多くの人に届いてほしいという望み、それらがタイトル、収録曲含め随所に表れているように思えた。改めて聴いてもヒトリエのバンド・アンサンブルは絶対的だし、唯一無二だ。7年間のバンドの軌跡を、どうかこのベスト盤で辿ってみてほしい。(三木 あゆみ)
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ヒトリエ
HOWLS
デビュー5周年のヒトリエが確実に新たなフェーズに進んでいることを告げる、通算4枚目のフル・アルバム。孤独の中でわずかな光を探り当てる「ポラリス」から高らかに幕開けを告げる全10曲には、かつてないほど自由で幅広い楽曲が並んだ。中でも駆け抜ける8ビートに暴走ギターが炸裂した「コヨーテエンゴースト」の開放感は圧巻。海外の音楽シーンのトレンドを取り入れて、wowaka(Vo/Gt)がひとりで完成させたポップ・ソング「SLEEPWALK」、ヒトリエ流グランジ・ナンバー「LACK」、シノダ作曲の「Idol Junkfeed」やバンド初となる失恋のバラード「青」まで、あらゆる方向に大胆に舵を切りながら、今4人が演奏する音はすべてヒトリエになるという絶対的な自信に満ちている。(秦 理絵)
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ヒトリエ
ポラリス
初の海外ライヴを経て、ヒトリエが『ai/SOlate』から1年ぶりにリリースするニュー・シングル。TVアニメ"BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS"EDテーマとして書き下ろされた表題曲「ポラリス」は、シンプルに研ぎ澄まされたビートに乗せて、"誰も居ない道を行け"と力強く歌い上げるバンドの新境地となるナンバー。さらにカップリングには、打ち込みから生楽器へと移りゆく音像が内省的な世界観を描き出す「RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY」、wowaka名義でリリースされていたVOCALOID曲を初めてバンドでアレンジした「日常と地球の額縁」を収録。新たなチャレンジを詰め込んだ今作は、2019年以降のヒトリエを占う意味で重要な意味を持ちそうだ。(秦 理絵)
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ヒトリエ
ai/SOlate
珠玉はwowakaが初音ミクの10周年コンピレーションのために書き下ろしたボカロ曲「アンノウン・マザーグース」のセルフ・カバー。これまでのヒトリエのセオリーの真逆を突く斬新なリズム・アプローチや削ぎ落したサウンドが、圧倒的な昂揚感を生み出していく。クラブ・ミュージック的なアプローチを人力で再構築することでダンサブルに踊らせる「Loveless」など、いままでに出会ったことのないヒトリエでありながら、ヒトリエ以外の何者でもないという楽曲たちが完成したのは、これまで積み重ねてきた5年間があるからこそと言えるだろう。エンジニアにはUKメトロポリスの世界的エンジニア Stuart Hawkesを迎え、音質にまでこだわり抜いた今作に宿る"闘い"の意志にも注目したい。(秦 理絵)
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ヒトリエ
IKI
はたしてヒトリエがメジャー・デビュー作『センスレス・ワンダー』をリリースしたときに、わずか5年で今回のニュー・アルバム『IKI』の領域まで達することが想像できただろうか。リード曲「リトルクライベイビー」に象徴されるように、収録された楽曲の隅々から感じられる人間の息吹。その解放的なムードは、これまでのヒトリエらしい緻密なサウンドメイクで駆け抜ける「心呼吸」にも、新境地となるエモーショナルなミディアム・ナンバー「さいはて」にも一貫して感じる今作のテーマだ。人間がオギャーと産まれた瞬間から一度もやめることのなかった"息、呼吸"というものと音楽とが、とても近い距離で共鳴する今作は、間違いなくヒトリエがバンドとして新たなフェーズに突入したことを表している。(秦 理絵)
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ヒトリエ
DEEPER
初作品『ルームシック・ガールズエスケープ』に迸っていた初期衝動、そしてwowakaが動画サイトにアップしていた楽曲が放つ発明性。2ndフル・アルバムとなる今作は、そのふたつの要素を孕みながら、プレイヤーひとりひとりの表現力とwowakaの詞世界を最新形にアップデートした、過去と現在を繋ぐ進化の作品だ。歌詞にはwowakaの心情がそのまま言葉へトレースされており、様々な人物が曲中に登場するTrack.1はヒトリエの音楽に我々リスナーの居場所があることを印象づける。前作『モノクロノ・エントランス』はギターの成長が目覚ましかったが今作の鍵となるのはリズム隊。肉感のあるナチュラルな音とリズムが心地よい。ヒトリエは真の意味で"踊る"を体現できるバンドになったのでは。"DEEPER"の名に偽りなし。(沖 さやこ)
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ヒトリエ
シャッタードール
ヒトリエの音楽は発明だ。その理知的で感情的な音像の動向は予測不可能。新作のたびに未知のものを手にするような、びっくり箱を開けるような高揚がある。そんなひねくれていて気まぐれで人懐っこい音楽に、今回遊び心が宿った。2曲のインストを含む全3曲がノンストップで収録。表題曲にはアイデンティティにおける葛藤が描かれ、マイナーのメロディとファルセットは感傷的に響く。だがその奥に潜むのは冷静さや余白――ネガもポジも受け入れる余裕があるのだ。その奔放な躍動感は糸から解放されたマリオネットのダンスのよう。4人のこの勢い、しばらく止まらなさそうだ。同作にはwowaka(Vo/Gt)撮影の写真を収めた全252ページのフォトブックが付属。摩訶不思議な異次元世界を視覚でも楽しめる。(沖 さやこ)
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ヒトリエ
モノクロノ・エントランス
ヒトリエというバンドはずっと蠢いていた。それは一種の混乱や様々な事象に対しての抵抗だったのかもしれない。それゆえに4人それぞれが常にものすごいエネルギーを縦横無尽に乱発していて、その姿形が勇敢で美しくもあった。だがここに来てバンドに転機が訪れている。疾風を巻き起こすが如く、恐れることなく4人の色がしっかりと存在した1本の長く太い光を作り出しているのだ。Track.1の力強い8ビートの中で"夢、見れば何処まででも行けるよ"と歌うwowakaの声の透明感に、心に宿る不安などが浄化される感覚になる。彼らはこれまで積み上げてきた過去すべてを抱え、未来を胸に、我々リスナーの手を取った。自信と誇りに満ちた音像。ヒトリエは今、間違いなく新しい世界への入口に足を掛けている。(沖 さやこ)
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ヒトリエ
WONDER and WONDER
着地しているのにもかかわらず未完成、という不思議な作品だ。でもヒトリエはいつもそういうバンドではないか。今までのような巧妙で鋭利、荒々しい音像や少女を打ち出した歌詞世界とは少々趣の違う、やわらかさやポップさ、哀愁のあるアプローチだが、このバンドにこういう側面があることは過去作やライヴからもわかっていた。だから聴いて妙に腑に落ちた感覚と新鮮さの両方がある......というなんとも"WONDER and WONDER"を体現する作品である。その背景にはwowakaのこれまでの制作における方法論が通用しなくなったという危機的状況が影響しており、それをなんとか乗り越えようとこの作品を完成させたことでバンドはさらに結束を増した。この素直な喜怒哀楽が、彼らの音楽の核だ。(沖 さやこ)
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ヒトリエ
イマジナリー・モノフィクション
感情とは本来、非常に生々しいものだ。その存在そのものが現実的という見方もできるだろう。だが、そんな感情と理想が融合したときに生まれる"非日常"が、どれだけの威力を持つものになるか――ヒトリエは真っ向からそこと戦っている。wowakaの描く"女の子"にまつわる"想像上の物語"と、それぞれ一筋縄ではいかない扇情的な音色の交錯。どちらもが互いを肯定することで生まれる、まさしくヒトリエというものが生む空気そのもののような作品だ。アグレッシヴな攻撃性やひりついたグルーヴと、艶のある繊細なメロディと憂いを帯びた日本語詞。それは一見相反するようなものだが、全てに美徳と甚深が存在する。バンドという場所で生まれる音楽の可能性を、貪欲に求める4人の奏でる物語は、あなたをまだ見ぬ非日常へと誘うだろう。( 沖 さやこ)
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ヒトリエ
センスレス・ワンダー
VOCALOIDクリエイターとしてインターネットを中心に厚い支持を集めるwowakaが中心となり結成されたロック・バンド、ヒトリエが自主レーベル"非日常レコーズ"を立ち上げメジャー・デビュー。2月にリリースされるミニ・アルバム『イマジナリー・モノフィクション』と同時進行で制作されたシングルは、wowakaの深層心理にある考え方である"自問自答"がテーマとなった。プレイヤーそれぞれの人間性が如実に表れた荒々しいサウンドが生み出す緊迫感、wowakaが歌詞で描く少女観、繊細なメロディ、全てが強靭な気迫で飛び込んでくる。ヒトリエらしさをキャッチーに落とし込んだ表題曲、切なさとふくよかさを帯びたTrack.2、言葉遣いのギミックも痛快なTrack.3、メジャー・シーンへの第一投に相応しいオープンな3曲を味わえる。(沖 さやこ)
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ヤバイTシャツ屋さん
Tank-top Flower for Friends
その類まれなセンスに磨きがかかったヤバT渾身の1枚が到着。モチーフにしたであろうバンドが浮かぶ"バンドあるある"的なコード、曲構成、展開が散りばめられ、思わずクスっと笑ってしまうが、クオリティの高さやメロディの良さ、そして時代を反映した深い歌詞に、ただのおふざけで終わらない絶妙なバランス感覚が光る。中でも特筆したいのは、正体を隠し別名義で配信していた「dabscription」。流行りのメロウ・チューンに乗せてこっそり毒を吐きながらも、後半にはロック・バンドの悲痛な叫びと覚悟が。BGMとして消費されがちなチル系プレイリストに紛れ込みリスナーの度肝を抜いてほしい名曲だ。パンクからシティ・ポップ、教育番組風のピアノ曲、初挑戦の合唱曲、さらには岡崎体育とのコラボ曲まで、とにかくバラエティ豊かな力作揃い。(中尾 佳奈)
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ヤバイTシャツ屋さん
ひまわりコンテスト
ヤバT初の夏ソング「ちらばれ!サマーピーポー」をリード曲とした本作。どこか耳なじみのあるこのタイトルからしてヤバT節が炸裂しているが、やはり彼らに"アンチ陽キャ"ソングを作らせたら天下一品だ。夏に浮かれる人々を斜に見る歌詞もその語感の良さでポップに昇華され、シンセサイザーやブラスを取り入れたアレンジにより、歌詞とは裏腹な夏全開のアッパー・チューンに仕上がっているのが面白い。加えて、"たしかに"と唸ってしまうバンドマンあるあるから派生した「まじで2分で作った曲」や、"コンプラギリギリ"な遊びを題材にした「コンプライアンス」、まさにタイトル通りの誰もが歌える1曲「もももで歌うよどこまでも」、そして岡崎体育によるリード曲のリミックスを収録。朋友同士のおふざけ感満載なコラボにも注目だ。(中尾 佳奈)
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ヤバイTシャツ屋さん
こうえんデビュー
新曲を耳にすると、"こんな曲名を付けるのはあとにも先にもヤバTしかいない"と思うのはもはや毎度のことだが、"くそ現代っ子ごみかす20代"はさすがに衝撃を受けた。自身だけでなくファンのメイン層も含む20代というあまりにも大きな対象を、"ごみかす"と称するのはいかがなものかとも思うが、いざ聴いてみるとそんな自虐も一転、今の時代にマッチした自己肯定ソングとなっているんだから、本当に彼らには何度も驚かされる。また、初のドラマ主題歌でもある「Bluetooth Love」は得意のメロコア・サウンドで魅せつつも、主人公の名前をちゃっかり歌詞に交える遊び心も忘れていない。加えて2021年はうるう年ではないのに、いや、だからこそ「2月29日」を歌うのもヤバTらしい。(伊藤 美咲)
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ヤバイTシャツ屋さん
You need the Tank-top
挫折しても諦めない心が大事だと歌うモチーフに珪藻土マットを用いるソングライターは、世界中探してもきっとこやまたくや(Gt/Vo)しかいない。"さすがにふざけすぎでは!?"と思う歌詞が頻発しながらも、良質なメロディや堂々たるメロコアの音圧、時に哀愁を孕んだラップも飛び出すハイブリッド&ハイクオリティな楽曲の前では、もう大人しく笑わされるのがいい。それでいて、"とにかくみんな生きてほしい"という想いをストレートに歌った「寿命で死ぬまで」では、バンドの芯にある良識もきちんと窺え、彼らがお茶の間をも席巻している理由がわかる。手を替え品を替え、絶えずリスナーの予想の斜め上を急角度で突き抜け、否応なしに楽しませる。唯一無二のヤバT節が隅から隅まで行きわたった13曲。(岡部 瑞希)
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ヤバイTシャツ屋さん
うなぎのぼり
全5曲を収録した盛りだくさんの9thシングル。ヘヴィに幕を開けつつポップなサビへとなだれ込む「泡 Our Music」は、シャンプーのCMソング。華麗にタイアップを乗りこなすスキルが大いに発揮されている。もちろん、聴きどころは1曲目だけではない。2曲目で曲名に取り上げられているのは"創英角ポップ体"......なんのこっちゃ? と思う人も多いかもしれないが、フォントの名前である。聴けば聴くほど、このフォントの絶妙な親しみやすさとおしゃれさを表現した楽曲だと思わずにはいられない......が、なぜこのことを歌ったのか? まぁ、そのナンセンス感も含めてヤバTらしさ満点だ。そして、関西のローカル番組"ちちんぷいぷい"の20周年記念ソング「はたちのうた」も勢いが漲っている。(高橋 美穂)
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ヤバイTシャツ屋さん
げんきいっぱい
NHKとのコラボレーションなどで世間を驚かせ、完全にお茶の間の人気者となりつつあるヤバイTシャツ屋さんの、自主制作盤から数え通算6枚目のシングル。今回もジャケットには3人のタンクトップくんが登場し、新曲3曲と岡崎体育によるTrack.1のリミックスが収録されている。Track.1はタイトルのとおり正統派のパンク・サウンド。キュート且つ毒もある歌詞は彼らのメンタリティやキャラクターをクリーンに映し出している。Track.2は琴線に触れるメロディとエモーショナルなヴォーカル、ラストのシンガロング・パートにフロアの拳上げも必至で、Track.3は語感もノリも抜群。3人が鳴らす楽器の音で構成されたシンプルなバンド・サウンドでここまでカラフルに見せられるバンド、実はなかなか稀有なのでは。(沖 さやこ)
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ヤバイTシャツ屋さん
Galaxy of the Tank-top
2ndフル・アルバムで手堅く1stフル・アルバムを超え、且つ伸びしろを残すという知能犯っぷり。それも全部"楽しい"を突き詰めたゆえの行動なのだろう。ミクスチャー・ロック、ホーンを用いたダンス・ナンバー、アコースティック、豪華ストリングスなど、アレンジのバリエーションやギミックを広げていることはもちろん、ストレートすぎるほどのメロコア・サウンドはさらにエモーショナルでフレッシュに。音域が違う3人による楽曲に合ったカラフルなヴォーカル・ワーク、琴線に触れる人懐こいメロディも歌心を際立たせる。悔しい気持ちを抱えながらも、自分たちが面白いと思うことをひたすら追い掛けてきたサークル・バンドの青春感――彼らの音楽が全世代に響いている理由の根源はその青さかもしれない。(沖 さやこ)
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ヤバイTシャツ屋さん
パイナップルせんぱい
ヤバTの新作リリースのたびに"笑ってたまるか"と思うが、今回も一本取られてしまった。飲み会並のコール、驚きを通り越して呆気に取られるくらいのサビの出だしとそのオチ、突然の転調など仕掛けが多数の「ハッピーウェディング前ソング」は彼ら史上最も享楽的。まさしくハッピーに振り切れたライヴ向きの曲である。ロッテ"キシリトールガム"20周年プロジェクト・ソングの「とりあえず噛む」はポジティヴなメッセージが綴られた正統派メロコア・ナンバー。「眠いオブザイヤー受賞」はラテン・テイストのトラック×ラップありという90年代顔負けのミクスチャーなアプローチで、彼らの持ち味のひとつである日本人の琴線に触れるセンチメンタルなメロディが炸裂。サウンドに合ったムードのあるヴォーカルも光る。(沖 さやこ)
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ヤバイTシャツ屋さん
どうぶつえんツアー
メジャー1stシングルであり、自主制作盤も含めると4thシングルとなる今作。ジャケットや収録内容など、これまでのシングルのコンセプトを受け継ぎながら、新しい挑戦も多々見える。特に「ヤバみ」は、ギミックが増えてパワーアップした演奏もさることながら、読み解き方次第で風刺的でシニカルな歌詞としても、時代性を肯定する歌詞としても受け取れる作詞センスには舌を巻いた。メッセージ性だけでなく語感重視のセクションを織り交ぜたり、それをアッパーで中毒性のある楽曲に乗せるところもソングライター こやまたくや(Gt/Vo)の遊び心だろうか。暗号のように交錯する言葉と音のロジックが痛快だ。ザ・ヤバT的なメロコア・ナンバー「寝んでもいける」、ミディアム・テンポに挑戦した「肩 have a good day」とカップリングも充実。(沖 さやこ)
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ヤバイTシャツ屋さん
We love Tank-top
2015年から快進撃を続ける3人組が、初の全国流通盤となるメジャー・デビュー・アルバムをリリース。大阪の大学生のあるあるネタなどを綴った歌詞が注目されがちな彼らだが、魅力はなんと言っても楽曲の良さ。例えば「無線LANばり便利」は、90年代的な直球メロコアやミクスチャー・センスを継承しながらも、そこに2010年代の若者ならではの価値観の歌詞、琴線に触れるメロディ、男女ツイン・ヴォーカルを乗せている。過去の焼き増しにならない革新性が彼らの強力なオリジナリティだ。新録された既発曲はアレンジもマイナー・チェンジし音も厚く進化。ミュージカル風の楽曲、おしゃれギター・ロック×キーボード、ラウド・ナンバーなど、3ピースの常識をぶっ壊す痛快なサウンド・アプローチはエネルギーに満ちている。(沖 さやこ)
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緑黄色社会
陽はまた昇るから
公開中の"映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝"にリョクシャカが書き下ろした「陽はまた昇るから」は、時に感じる悲しさや寂しさなどを"それはイイことなんだよ"と、フレンドリーな目線に立ちそっと気づかせるように優しく包み込む1曲。"家族の明日"を守るために奮闘する映画のストーリーにも寄り添いつつ、作品にちなんだフレーズも盛り込まれている。そして、明るくポップに振り切った軽やかな表題曲に対し、カップリング「時のいたずら」は、鍵盤を押し出し、歌を聴かせるバンド・サウンドのミドル・チューンで、"歌うこと"をテーマに長屋晴子(Vo/Gt)が作詞作曲した1曲。大人になっていくことと物事には終わりがあることを描く、時間を強く意識した2曲で、かけがえのない"今"を輝かせる。(稲垣 遥)
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緑黄色社会
Actor
陽性のエネルギーに溢れた賑やかな演奏に"産み出された、ただそれだけで意味があるから"と聴き手の命そのものを肯定するような歌詞を乗せた「キャラクター」が、今回のアルバム『Actor』のテーマをくっきりと描き出していた。緑黄色社会が、前作『SINGALONG』の配信から約1年9ヶ月ぶりにリリースする3枚目のフル・アルバムだ。収録曲は「結証」、「ずっとずっとずっと」、「これからのこと、それからのこと」、「LITMUS」など2021年を通じてドラマやCMソングに書き下された楽曲が、半分以上を占める今作。貪欲に様々なアプローチの楽曲にチャレンジした時期だったからこそ、その音楽性はこれまで以上に雑多でありながら、すべてをリョクシャカたらしめる長屋晴子の歌は圧巻だ。(秦 理絵)
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緑黄色社会
LITMUS
表題曲「LITMUS」は、ドラマ"緊急取調室"に書き下ろされた。小林壱誓(Gt)が作詞、作曲は小林と穴見真吾(Ba)という組み合わせが新鮮な曲であり、誰しもが持つような"秘密"をテーマに書かれたバラード。相手を大事に思うからこそ、すべてを詳らかにすることが真なのか、あるいはそれは単なる自己満足に過ぎないのか。明確な答えのない感情の澱のようなものと、純度の高い"想い"を、繊細なpeppeのピアノや長屋晴子の表情豊かなヴォーカルがじっくりと描く。それがシリアスでヘヴィなベクトルだけにならないのは、それぞれが曲を書く4人だからこその、各自の視点が反映されるからか。その息づかいが、聴き手に委ねる余白となって曲のスケールを大きくする。c/w含め、バンドの豊かな時間を思わせるシングル。(吉羽 さおり)
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緑黄色社会
結証
2021年、第1弾シングル。表題曲「結証」はアニメ"半妖の夜叉姫"のエンディング・テーマであり、強さの中に憂いや感情の機微を湛えている長屋晴子の歌と、ドラマチックに高揚していくサウンドに心掴まれる曲だ。全体に瀟洒なストリングス・アレンジが施されているが、ピアノ、ギター、ベースは、アクセントのあるフレーズや音作りを生かした構築的なバンド・サウンドとなっていて、曲をタフにしている。重厚なだけでなく、洗練されたアンサンブル感が気持ちいい。カップリング「LADYBUG」はエキゾチックな異国感のあるアレンジで、また「Copy」はメロディやサウンドは共に美しくクラシカルだが、そこに心を引く音色や音響が散りばめられ胸をざわつかせる。リョクシャカのさりげない音のマジックが効いている。(吉羽 さおり)
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緑黄色社会
SINGALONG
映画やドラマ、アニメを彩った「想い人」、「sabotage」、「Shout Baby」収録のメジャー1stアルバム。ミドル・バラードや、ドラマチックにボリュームを上げていく極上のポップスの印象も強いが、アルバムではそれが彼らの一面にしか過ぎないことがわかる。ファンキーに身体を揺らして高鳴るホーンと共に歌う、幸福感溢れる曲から、低温の波にたゆたい、さまようエレクトロ・チューン、疾走感のあるギター・ロック、美しいアンビエント曲や、レコーディングの遊びが冴える曲など、溢れんばかりの音楽愛を炸裂させている。そして、すべてに共通するのは長屋晴子のエモーショナルな歌であり、それを最大限輝かせる3人のエネルギーだ。その激しくも楽しいぶつかり合いが"SINGALONG"を生む。(吉羽 さおり)
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緑黄色社会
Shout Baby
大人気アニメ"僕のヒーローアカデミア"第4期第2クールのエンディング・テーマに抜擢されている、緑黄色社会のニュー・シングル。長屋晴子(Vo/Gt)がすうっと息を吸うところからはじまり、"変わりたい"という宣言でサッと終演――そんなオープニングとエンディングの印象深いアレンジに、まずは意志を感じずにはいられない。さらには全編にわたって、力強い歌声と確信的なポップスが響き渡っている。戸惑い願い問い掛ける想いを歌い上げているのに、そう聴こえるのは、彼らの漲る現状が演奏そのものに映し出されているからだろう。カップリングでは、amazarashiの名曲「空に歌えば」を、鋭利なヒリつきはリスペクトとして残すように、スケール感たっぷりにカバー。リョクシャカのコアが見える。(高橋 美穂)
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緑黄色社会
sabotage
表題曲「sabotage」は、主演は波瑠、原作はいくえみ綾、しかもヴァイオリン教室が舞台という音楽が絡んだドラマ"G線上のあなたと私"の主題歌。どう考えてもプレッシャーになりそうな要素が満載だが......それを悠々と乗り越え、ドラマの立ち位置や物語も、自分たちの進化も、すべて詰め込んだ楽曲になっている。聴かれる機会が増えるというだけではなく、バンドの才能やキャラクターが色濃く見えるという意味でも、"緑黄色社会って何者!? すごいバンドなんじゃない!?"という声が、これから続々と聞こえてきそうだ。2曲目の「Alright!!」も、表題曲にしてもいいと思うくらい、オープンでブライトでパワフルな一撃を食らわせてくれる。なんとも贅沢な1枚。(高橋 美穂)
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緑黄色社会
幸せ -EP-
3rdミニ・アルバム『溢れた水の行方』に続くEPは、共に同じ速度で人生を歩んでいく愛おしい時間を紡いだ温かなバラード曲「幸せ」に始まる。てらいなく王道を極めた「幸せ」に対して、長屋晴子(Vo/Gt)のパワフルでパーカッシヴな声をさらに盛り上げる、バンドの多彩なアレンジ力を聴かせる「逆転」や、穴見真吾(Ba/Cho)作詞曲による、心地いいスウィング感に身を任せて宙ぶらりな思いを嘆く「ひとりごと」、休日という刹那を存分に味わいたい(何もしたくない)という歌に共感度マックスの「にちようび」と、喜怒哀楽や日々の心の機微が軽やかな音楽となった曲たちを収録。共通するのは、気分を彩ってくれる華やかさがあることだろう。緑黄色社会が音楽に託す思いというのも伝わってくる1枚だ。(吉羽 さおり)
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緑黄色社会
溢れた水の行方
今年3月にリリースした、初のフル・アルバムにしてセルフ・タイトル『緑黄色社会』で、結成からの集大成となる色鮮やかな1枚を作り上げた緑黄色社会が、バンドの現在地を更新するミニ・アルバム『溢れた水の行方』を完成させた。キラキラとした音色に乗せて、エモーショナルな感情を綴ったリード曲「あのころ見た光」に始まり、カオティックな音像がスリリングに躍動する「Never Come Back」、生々しい切なさを繊細なピアノに乗せた「視線」など、それぞれに違う景色を描く全6曲。ロック・バンドという枠にとらわれない彼女たちだからこそリーチできる、伸びやかで自由なポップ・ミュージックに限界などない。バンド初期から大切に歌い続けてきた「Bitter」を再収録した自信作。(秦 理絵)
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緑黄色社会
緑黄色社会
2017年、そのインパクト抜群のバンド名をライヴハウス・シーンに広く知らしめた緑黄色社会が、満を持して初のフル・アルバム『緑黄色社会』をリリース。堂々とセルフ・タイトルを掲げた今作には「恋って」や「またね」など、過去のミニ・アルバム収録曲のほか、これまでの流通盤では未収録になっていたライヴの人気曲「Alice」も収録。リョクシャカの持ち味であるカラフルで切ない極上のポップ・ミュージックがギュッと凝縮された1枚になった。同時に、アルバムのオープニングを静謐なサウンド・アプローチで告げる「Re」をはじめ、これまでバンドが見せてこなかった、"キラキラだけじゃない"リョクシャカにも触れられる今作。彼女たちが隠し持つ計り知れない可能性に、胸が踊る快作だ。(秦 理絵)
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緑黄色社会
Nice To Meet You??
愛知県在住、平均年齢20歳の男女混成4人組バンド、緑黄色社会が初めてリリースする全国流通盤。サウンド・プロデューサーに江口 亮を迎えた今作は、より幅広い世代に届けることを意識して完成させた。ソングライティングの中心を担う長屋晴子(Vo/Gt)がパーソナルな部分を大切にしながら綴る歌詞は、強い個性を感じさせる。恋人への想いを断ち切るように綴るリード曲「またね」は、多彩に変化する疾走感のあるサウンドに乗せて、心の中で下すひとつの決断を丁寧に描いたナンバー。幼少期からピアノを学んできたpeppe(Key/Cho)が弾くシンセサイザーの多彩なフレーズ、打ち込みのビートに乗せた「regret」や、軽快なダンス・ナンバー「Bitter」など、ジャンルの垣根を越えたチャレンジ精神が新世代らしい。(秦 理絵)
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