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LIVE REPORT

Japanese

ASIAN KUNG-FU GENERATION

2011.07.19 @横浜アリーナ

Writer 佐々木 健治 / 遠藤 孝行

【一日目】 7/19(日)

NANO-MUGEN FES.一日目、横浜アリーナに到着してから最初に驚いたのが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONがトリではなかったこと。もちろん、このFES.に欠かせない存在であるストレイテナーだからこそだが、NANO-MUGEN FES.をもっとフラットなイベントにしたいという想いもあったと思う。
MANIC STREET PREECHERSのキャンセルというアクシデントについて触れたMCでも、開催までの不安を明かしながらも、一日目の充実した雰囲気に感極まっていた後藤正文。
「こういうフェスにしたかった」という言葉こそ、今年のNANO-MUGEN FES.が一つの理想的姿になったことの証だろう。
MCでもNANO-MUGEN FES.に対する想いの強さを感じさせたが、ライヴそのものもその芯の強い気持ちが音に詰まった熱いライヴとなった。

「夜のコール」からスタンディング・エリア、2階、3階席までも巻き込む熱気が会場を包む。分厚いバンド・アンサンブルと後藤の言葉の力に圧倒されるようなスタート。
ビートの強い「アフターダーク」「センスレス」そして「アンダースタンド」。会場中が総立ちのような状態の盛り上がり。
こんなに攻撃的なライヴをするバンドだったかと思うほど、勢いを感じさせるが、決して拙さはなく、それまでのどのバンドとも違う風格すら感じさせる。
「嘘とワンダー」では、喜多建介がヴォーカルをとり、後藤とはまた違う魅力を持った優しい歌声を披露する。
そして、ライヴでやってほしい曲のアンケートを行った結果、一位になったという「絵画教室」、「フラッシュバック」「未来の破片」という流れで、会場のテンションもピークに。
特に「未来の破片」では、エッジの効いたリズム隊がさらに熱いグルーヴを生み出していく。その後も、「N.G.S」「No.9」「惑星」と分厚く、アグレッシブなバンド・グルーヴで、さらにダンスフロアを踊らせる。後藤の声も、その分厚い音に埋もれるどころか、さらに力強さを加えたように、一つ一つのフレーズが横浜アリーナに響き渡る。
「リライト」「君という花」で本当は終りの予定だったそうだが、「バンドが少なくなったので、時間を増やしました」という後藤のMCの後、「Re:Re:」「ワールド ワールド ワールド」、そしてラスト「新しい世界」の「目の前の景色を全部塗り替えるのさ」というフレーズが、まさにこのNANO-MUGEN FES.にかける想いで何倍にも膨らんで聴こえた。

バンドも観客も、どちらも熱気を放ちまくった17曲。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲、NANO-MUGEN FES.というイベントの空気、主催するバンドとしての情熱が合わさって、この日の出演者の中でもっとも熱さを感じさせてくれた素晴らしいライヴとなった。(佐々木 健治)

【二日目】 7/20(月・祝)

2日目。いよいよNANO-MUGEN FES.もフィナーレを迎える。最後に登場するのはもちろんこのバンドだ。前日のASIAN KUNG-FU GENERATIONのライヴは圧倒的な存在感を見せつけてくれた充実のライヴだった。
そして、この日もスタンド席のオーディエンスも含め総立ちでASIAN KUNG-FU GENERATIONを迎える。前日と同じ重いインストから「夜のコール」でスタート。そこからは前日とガラッとセットを変えてくる。まず「稲村ヶ崎ジェーン」でハンド・クラップ、カラフルな照明に照らされ、ポップな曲調で一気に会場はダンス・フロアに。そこに間髪入れず「リライト」。ソリッドなギターが会場を切り裂く。抜群の演奏力でこの日もスタートから釘付けになる。

「羅針盤」、「絵画教室」と続いてMC。「今日は大先輩方も出てくれて、どうしようかと思ったり。」そして「自分で言うのもなんだけど、本当にいいフェスになってきたと思います。今日も沢山やります!」と宣言して「夏の日、残像」、「藤沢ルーザー」、「遥か彼方」で一気にピークに持って行く。
とにかく、ASIAN KUNG-FU GENERATIONはライヴが上手い。この日は何度もピークタイムがあったし、本当に飽きる事が無かった。
この日の一番印象に残るMCとしてあるのが「音楽はよく分からないものを共有するものだと思う」という言葉。まさにその通り。言葉にならない感情を掴み取ってくれるのがASIAN KUNG-FU GENERATIONの音楽なんじゃないかと思った。ライヴも終盤「高い志を目指して」と始まった「惑星」、この日も全員で飛び上がった「Re:Re:」、「アンダースタンド」、「君という花」ここでは3階席の人まで飛び跳ねている。続いての「転がる岩、君に朝が降る」で本編終了。

そして、大歓声に迎えられ、アンコールが始まる。「この楽しい時間がずっと続きます様に」と始まったのは「ループ&ループ」。音源よりも、少しテンポが速い。最後を噛み締める様に4人が演奏に集中していく。最後は「ワールド ワールド ワールド」から「新しい世界」。紙吹雪が舞う感動的なエンディングだった。
今後はまた新しいレコーディングに入るという4人。充実の本当に楽しい2日間をくれた出演者、スタッフに感謝して横浜アリーナを後にした。(遠藤 孝行)

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