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INTERVIEW

Japanese

ASIAN KUNG-FU GENERATION

2016年01月号掲載

ASIAN KUNG-FU GENERATION

ASIAN KUNG-FU GENERATION

Official Site

メンバー:後藤 正文(Vo/Gt) 喜多 建介(Gt/Vo) 山田 貴洋(Ba/Vo) 伊地知 潔(Dr)

インタビュアー:石角 友香

バンド結成20周年イヤーの第1弾としてアジカンが提示してきたのは、『Wonder Future』で確立したラウドでダイナミックなサウンドスケープという土台の上に「リライト」など代表曲と呼ばれる楽曲が持つ、腹の底から気持ちを沸き立たせる構造を持った、その名も「Right Now」。映画"ピンクとグレー"主題歌としても話題の同曲を中心にメンバー全員に訊く。

-シングルのお話の前に少し2015年を振り返っていただければと。2015年は、夏フェス出演も最小限に抑え、自身のアルバム・ツアーをやり、そして海外ツアーも敢行されて。

後藤:アルバム・リリースでツアーのスケジュールを組んだら、夏フェスとがっつり被っただけな気がしないでもないですけどね(笑)。身体的にもあのツアーのタイミングでフェスに出るってなるとなかなか切り替えが難しいところもあって。フェスで求められてることと、ワンマンでやることって毎回結構違うんでね。そのふたつが揃うこともあるんだけど、今回は特に違っていたので。ま、あんまりフェスに出ようってモードでもなかったですし。海外ツアーは前々からやりたかったことがこのタイミングで成就したというところで。面白いですけどね、『Wonder Future』(2015年リリースの8thアルバム)の最後の曲(「Opera Glasses / オペラグラス」)で"地球の裏側はどんな景色なんだろう"って歌って、そのあとで実際に地球の裏側でライヴするって。なんか因果関係があるのかなって、面白いなぁと思いながらやってきましたけどね。

-ひとつ大きなテーマがあった1年だったのでは?

後藤:そうですね、世界中を回った気がしますね。ロス行ったり、ヨーロッパ行ったり、南米行ったり、地球1周して帰ってきたみたいな感じだもんね。"いやぁ、移動したな"、"旅したな"みたいな。でもなんか、肩に入ってる力をスッと抜いてくれる感じがすごくしましたけどね。"あ、別に全然間違ってないじゃん"って手応えを感じたんですよね。実際にメキシコなんてフルハウスで2,000人とかで売り切れてるとか、南米のどこの国行っても1,000人以上の観客がいて。そこで地元の子たちが熱狂してたり、ミート・アンド・グリートでは泣いてる人までいて。"すげえな"って、"それでいいじゃん"って思いましたね。何が他に必要なんだ?って――例えば雑誌のランキングで1位をとることなのか、それともまた違う、本来的な自分たちの表現を追求することなのか。海外ツアーでは、まつわる人々の魂とか、そういうものの揺れ動きを目撃させてもらって、ほんとに心から感動しました。特に南米は。

-その実感が肩の力を抜けさせてくれたと。

後藤:うん、僕はね。デビューして2~3年とかのころの葛藤を10年越しに回収するような経験でしたけどね。"ああ、よかった"と思って。

-みなさんはどういう実感でしたか?

伊地知:そうですね、やはり日本に比べてかなり環境は悪いんですよね。モニター環境も悪いし、ホールの鳴り的にもものすごく音が跳ね返ってくるので。ドラム・セットも、毎回レンタルのものを使って、やりづらいんですけど、逆にそういう環境的なことが気にならないというか。変にばっちり全部揃えた方が緊張するんだなってのもわかったし。それよりも始まる前からお客さんが歌ってたんで、もうそこで緊張感も吹っ飛びましたね。すごく情熱的に迎えてもらった感じでした。

山田:もう移動移動の1年で目まぐるしかったですけど、やっぱり11月の海外ツアーがとても濃密だったんで(笑)。その記憶が今、1番新しいものなんですけど。みんなが言うように南米の熱狂は、嬉しくもあったし、これに応えてあげたいっていう感情も出てきて。そういうところで"音楽を続けてきてよかったな"って、ちゃんと思えた1年でもありましたね。

喜多:すごくライヴが楽しかったんで、また行けるように頑張りたいなって思いました。しっかりした作品を作って、それを聴いてもらってまた呼んでもらえるような活動をしていかなきゃなと。

-さて、シングルのお話を。今回の「Right Now」、いい意味でアジカンにこんなにJ-ROCK感を感じたのは初めてというか。作っていく中で何を軸にして作っていった感じですか?

山田:オファーを受けてすぐ、リクエストみたいな感じのメールが届いたんです。そこには、映画がちょっと仕掛けがある内容なので、映画を観てそのまま"すっきり帰ってもらいたい"って書いてあったんです。自分らに求められてたものは疾走感や曲調だったので、それに応える形で、というスタートでした。

-後藤さんはこのストーリーというか映画についていかがでしたか?

後藤:主題歌はみんなやりたいって言ってたから"じゃあやろうか"って感じでしたけどね。山ちゃんの作り込んだデモがきて、そこからどうしようか考えていったんですけど。山ちゃんが持ってきた曲があんまり"J"って感じがしなくて。そのまま出すわけにはいかない、"Y"って感じだったんですよ。

喜多&伊地知:(笑)

後藤:山田の"Y"、Y-ROCKだったんですよ。このままいくとY-ROCKだなと思って。みんなに"俺がJって言ったじゃないか!"って。疾走感とか、求められてるものは「リライト」(2004年リリースの5thシングル表題曲)とかああいうところに宿ってる"J"の感じなのに、すごい"Y"だったからびっくりして(笑)。

山田:最初に"J"って言ってくれたからやっぱりあるんだな、と今思って。

後藤:だって、最後の"さあ、今~"ってところ、4人ぐらいでハモりもなしでユニゾンで歌って欲しいメロディじゃない? 俺がエモく歌ったら、さもアジカンだけどさ。

-今、情報量多くてわりとスマートで中性的なヴォーカルで、ってロックが多いじゃないですか。そこと全然違う、"ロックってやばそう"みたいな。そういう気配がある楽曲だなと。

後藤:もうしょうがないですよね。これ、クセですよね。クセがすごいと思いますもん(笑)。