Japanese
東京スカパラダイスオーケストラ×ASIAN KUNG-FU GENERATION
2014年07月号掲載
Writer 石角 友香
使命を帯びたバンドというのがどんな時代にもいる。2014年をデビュー25周年と位置づける東京スカパラダイスオーケストラというバンドは、日本で数少ない使命を帯びた存在だ。デビュー当時は、音楽シーンに"トーキョー・スカ"の芽を育み、仲間との別れという大きな悲しみにも見舞われた。そして世界各地で過酷なツアーを行い、日本最強のライヴ・バンドの実力を蓄えつつ、おなじみのいわゆる歌モノ3部作――田島貴男、チバユウスケ、奥田民生を迎えて、日本のロック・シーンにハード・ボイルドな男の美学とジャンルを越境するコラボレーションの何たるかを明示してみせた。その後も甲本ヒロト、ハナレグミ、斉藤和義、伊藤ふみお、細美武士といった唯一無二のヴォーカリストとのコラボレーションを果たしてきたスカパラが、今、この時代の日本に提示したのが、バンドとのコラボレーションだった。
当然のことだが、ヴォーカルのプロダクションのみならず、バンドとバンドのトータルなアンサンブルをどちらのファンにも納得と驚きとともに提示するなんて、スカパラ以外に誰ができるだろう?とこの企画当初から妙に腑に落ちたものだ。第1弾の10-FEETとの「閃光」も第2弾のMONGOL800との「流れゆく世界の中で」も圧倒的な人間力で、いずれも初めての共演とは思えないクオリティで、今の時代のアンセムとして両バンドのファン以外にも話題になったことは記憶に新しい。
そして1番意外なバンドがこのコラボレーション第3弾に発表されたときの驚き。10-FEETのときもMONGOL800のときも、楽曲のリズムはスカだった。そしてそれはこれまでのヴォーカリストを迎えたコラボレーションでもテンポやムードの違いこそあれ、一貫したテーマというか自然と存在する軸だったと思う。しかしだ。今回はASIAN KUNG-FU GENERATION。全く想像できなかったというのが正直なところだ。が!イントロで聴こえる2本のギターは紛うことなきアジカン節。しかも若いというか青い。そこにさりげなく滑りこんでくるホーン隊とスカのビート。のっけから13人いる!のである。作曲はスカパラの加藤隆志。さすがに音楽的にスカパラのロックな側面を担う彼が担当しているのは腑に落ちるが、このコラボレーションでは、ポピュラー・ソングとしての親しみやすさに驚く。そしてユニークなのはサビのメロディ・ライン。後藤正文らしいヨナ抜き音階的な部分から、スカパラのオリジナルにも潜在的にある昭和の名曲的なメロディへと変化していく流れはコラボレーションのひとつの結実ではないだろうか。そして結実と言えば、作詞は谷中敦と後藤の共作である。今回のバンド・コラボで谷中は平易な言葉を用いつつ、ありがちではない表現をしてきたが、後藤とはどんな対話を通じてこの曲の歌詞を紡いだのだろう?不特定多数の人間がいる中でもスマホの画面から目を上げずコミュニケーション不全に陥っているようなよくある光景。もしくは物理的には繋がっているけれど、どこか空虚なふたりの関係。「Wake Up!」という一見、威勢のいいタイトル通りに聴くだけで威勢よくなれるナンバーではない。しかし、この現実が悪い夢のように感じ、生ぬるい惰眠から抜け出したい気持ちがあれば、この曲はあなたの日常の少し前を走って、背中を見せてくれるだろう。
聴いた人の心情や行動に異なる手法で影響を与えてきた2バンドはおのおのの使命をこのコラボレーションで力むことなく発揮している。2014年の夏にいい風が吹いてきた。ちなみにインスト・ヴァージョンを聴くと、アナログ・テープ一発録りのライヴ感や、このコラボ・シリーズのプロデューサーである亀田誠治のバランス感覚の絶妙さがさらに実感できると思う。
俄然、音楽ファン目線な話になるが、"NANO-MUGEN FES.2014"でのスカパラのステージも、この2バンドの繋がりを感じながら観れば、楽しみもグルーヴも増すんじゃないだろうか。そして日本のバンド・シーンの厚みを体現している東京スカパラダイスオーケストラの底力を知る今年でもある。
▼リリース情報
東京スカパラダイスオーケストラ
『Wake Up! feat. ASIAN KUNG-FU GENERATION』
[cutting edge]
2014.7.2 ON SALE
【初回生産限定盤】[CD+DVD]
CTCR-40361/B ¥1,500+税
[amazon] [TOWER RECORDS] [HMV]
【通常盤】[CD]
CTCR-40362 ¥1,200+税
[amazon] [TOWER RECORDS] [HMV]
[CD]
01. Wake Up! feat. ASIAN KUNG-FU GENERATION
(作詞:谷中敦、後藤正文 / 作曲:加藤隆志)
02. Work Song
(作曲:Nat Adderley、Oscar Brown Jr)
03. I Want To Be A Star Which Twinkles Only For You
(作曲:沖祐市)
04. Wake Up! feat. ASIAN KUNG-FU GENERATION -Instrumental-
[DVD]
01. Wake Up! feat. ASIAN KUNG-FU GENERATION -Music Video-
02. Making of "Wake Up!"
- 1
LIVE INFO
- 2025.04.14
-
YONA YONA WEEKENDERS
ELLEGARDEN × FEEDER
- 2025.04.17
-
柄須賀皇司(the paddles)
XIIX
yama
KANA-BOON
ELLEGARDEN × FEEDER
SUPER BEAVER
The Ravens
君島大空
KIRINJI
Mirror,Mirror
androp
東京初期衝動
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
- 2025.04.18
-
超☆社会的サンダル
THE KEBABS
藤巻亮太
Maki
Omoinotake
THE LAST DINNER PARTY
緑黄色社会
THE ORAL CIGARETTES
yama
never young beach
曽我部恵一
FUNKIST
androp
indigo la End
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
あっこゴリラ
THE BACK HORN
- 2025.04.19
-
"ジゴロック2025"
MAN WITH A MISSION
フラワーカンパニーズ
GANG PARADE
ねぐせ。
サカナクション
"IMPACT! XXII"
WANIMA
眉村ちあき
ヤバイTシャツ屋さん / SUPER BEAVER / ストレイテナー / アルカラ ほか
THE YELLOW MONKEY / UVERworld / シンガーズハイ / yutori ほか
never young beach
原因は自分にある。
THE ORAL CIGARETTES
古墳シスターズ
THE BAWDIES
FINLANDS
sumika
ずっと真夜中でいいのに。
ゴキゲン帝国
太田家
Base Ball Bear × ART-SCHOOL
FUNKIST
HY
PIGGS
BRADIO
須田景凪
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
- 2025.04.20
-
片平里菜
"ジゴロック2025"
chef's
眉村ちあき
緑黄色社会
サカナクション
ビレッジマンズストア
fox capture plan
This is LAST
NOT WONK
古墳シスターズ
10-FEET / フラワーカンパニーズ / 四星球 / くるり / Hakubi ほか
UVERworld / Novelbright / TOOBOE ほか
原因は自分にある。
藤巻亮太
go!go!vanillas
NakamuraEmi
HY
sumika
indigo la End
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
THE BACK HORN
ずっと真夜中でいいのに。
THE LAST DINNER PARTY
SCOOBIE DO
BRADIO
吉澤嘉代子
"I ROCKS 2025 stand by LACCO TOWER"
moon drop
- 2025.04.21
-
THE KEBABS
クジラ夜の街×ルサンチマン
SANDAL TELEPHONE
- 2025.04.22
-
片平里菜
SUPER BEAVER
THE KEBABS
HINDS
Saucy Dog
THE YELLOW MONKEY
NANIMONO × バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
暴動クラブ
- 2025.04.24
-
PEDRO
柄須賀皇司(the paddles)
片平里菜
阿部真央×大橋卓弥(スキマスイッチ)
indigo la End
w.o.d.
BIGMAMA / cinema staff
THE KEBABS
yama
藤巻亮太
- 2025.04.25
-
古墳シスターズ
FUNKIST
そこに鳴る
w.o.d.
Keishi Tanaka
fox capture plan
chef's
ラブリーサマーちゃん
それでも世界が続くなら
斉藤和義
yama
the shes gone
Laughing Hick
ビレッジマンズストア
- 2025.04.26
-
CYNHN
Keishi Tanaka
阿部真央×大橋卓弥(スキマスイッチ)
sumika
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Novelbright
ヤバイTシャツ屋さん / 打首獄門同好会 / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / キュウソネコカミ ほか
FUNKIST
"ARABAKI ROCK FEST.25"
GANG PARADE
サカナクション
渡會将士
"nambar forest'25"
INORAN
ACIDMAN
Laura day romance
Bimi
Subway Daydream
Bray me
FINLANDS
WANIMA
Omoinotake
柿沼広也 / 金井政人(BIGMAMA)
古墳シスターズ
ハシリコミーズ
THE BAWDIES
斉藤和義
Panorama Panama Town
Ado
MyGO!!!!! × Ave Mujica
村松利彦(Cloque.) / まやみき(ank) / るい(TEAR) ほか
RAY
This is LAST
- 2025.04.27
-
原田郁子(クラムボン)
Keishi Tanaka
sumika
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
BLUE ENCOUNT / SUPER BEAVER / 四星球 / ENTH ほか
The Ravens
FUNKIST
"ARABAKI ROCK FEST.25"
THE KEBABS
GANG PARADE
ヒトリエ
緑黄色社会
サカナクション
"nambar forest'25"
Bray me
FINLANDS
Ayumu Imazu
渡會将士
Bimi
HY
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
オニザワマシロ(超☆社会的サンダル) / 名雪(Midnight 90's)
Subway Daydream
THE BAWDIES
fox capture plan
トゲナシトゲアリ×ダイヤモンドダスト
Ado
MyGO!!!!! × Ave Mujica
- 2025.04.29
-
sumika
fox capture plan
10-FEET / THE ORAL CIGARETTES / 04 Limited Sazabys / Maki ほか
眉村ちあき
とまとくらぶ
FUNKIST
Omoinotake
ねぐせ。
大橋ちっぽけ
The Ravens
Ochunism
ずっと真夜中でいいのに。
フラワーカンパニーズ
超☆社会的サンダル
HY
mudy on the 昨晩
WANIMA
yutori
荒谷翔大 × 鈴木真海子
Newspeak
"JAPAN JAM 2025"
GANG PARADE
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
Laura day romance
amazarashi
RELEASE INFO
- 2025.04.15
- 2025.04.16
- 2025.04.17
- 2025.04.18
- 2025.04.21
- 2025.04.23
- 2025.04.25
- 2025.04.26
- 2025.04.28
- 2025.04.30
- 2025.05.02
- 2025.05.03
- 2025.05.07
- 2025.05.09
- 2025.05.14
- 2025.05.16
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
Bimi
Skream! 2025年04月号