
Hostess Club Weekender

2013.12.01 @恵比寿ガーデンホール
Writer Neat's
「ひとりぼっちで小宇宙」
なんでもできちゃうってかっこいい。
幼稚園の頃にスーパーマーケットに行ったとき、レジ打ちに憧れました。
ピコピコピッピッ、
ボタンを押せば引き出しが飛び出るし、赤いランプが光るし、レシートがジージー出てくるし、ボタンひとつでひとりでもいろいろできちゃうから。
小学生の時には、映画監督に憧れました。
監督になって、サウンドトラックを作って、鮮やかな絵を描いて、ファンタジックなお話を書いて、、そうだ、声の出演もしよう。
全部をひとりで作る映画監督になろう。
そう決意して、学校帰りは部屋にこもってお話をつくっていました。
その夢は、まだ私の軸にあります。
じわじわと、ちょっと形をかえてその夢を実現しつつあるのが、
私の「Bedroom Orchestra」という独奏プロジェクトです。
独奏でやるときのライブは、ボコーダーやサンプラー、ルーパーやオムニコード、いくつもの機材で身の回りを囲んで演奏しながら歌を歌います。
バンドでもライブをするから、
最初はひとりでライブをするなんて心細くって。。
だけど鍵盤を弾きながら歌うシンガーソングライターっていうジャンルじゃないんだよなぁと思って、この独奏スタイルを構築しています。
やっぱり、なんでもできちゃうってかっこいいと思うから。
こないだ、大好きなイベントHostess Club Weekenderが開催されて、
Juana Molina(ファナ・モリーナ)が来日したんです。
彼女の存在は、Neat'sの1st albumからミックス作業をしてくれているエンジニアの柏井日向さんから教えてもらいました。
「きっと、この人好きだと思うよ。きいてみて~」
何気なく手渡されたCDのジャケットは、9割ブロンドの髪の毛で埋め尽くされていて、中心から鼻の頭だけがでてるという、実に奇妙でかわいすぎる写真でした。
(女の子ごころをくすぐられる感じ。。こわくて不思議でぞっとしたのかわくわくしたのかわからないっていうところが、素敵なファンタジーです。)
そして音を聞いてみると、、、変態!!!(もちろん、とっても良い意味で!!)
こんなの聴いた事ないよ~。コードも不協和音?あってるのコレ?わぁ、あってるんだ。すごい。。と、不思議な世界に連れて行かれました。
そのJuana Molinaのライブなんだから、おもしろくないはずがない!!!
と、私はイベントの要としてとても楽しみに彼女の登場を待っていました。
ぐわぁぁぁぁ~~~
ものすごい声援とともに(森のライオンたちが、王者のライオンの登場を祝う様)
ベージュのチノパンにざっくり編まれた暗い色のセーターを着た女性がステージに立っていました。
「え?この人?」
あまりにも日常的な姿で気が抜けてしまった私の耳に飛び込んで来たのは、
ポロロリン、ポロリロ、
アコースティックギターのやわらかいフレーズ。
それをループして
キーボーディストがコードを重ねると、、、
一気に不協和音コード!笑
きたーーーーーーーーーーーー
Juana Molinaの音が目の前でどんどん積み上げられていきました。
ギター、キーボード、ドラムというミニマムな編成でしたが
やっぱり私が一番心惹かれたのは、
ひとりぼっちで演奏したコーナー。
ループステーションを何回も足で踏んで、
コーラス、キーボードで鳴らすキック、ギターのアルペジオ、いくつもの音を積み木みたいに重ねていったら、まるで小宇宙。
宇宙みたいに壮大な感じなのに、それが手に負えない距離ではなく、
自分の手で作れる宇宙。
考え事が溢れると、バスの中とかお風呂の中で、ぼ~んやり、かつ猛スピードで頭の中がぐるぐるするけど(来年私は、趣向の違うアルバムを2枚リリースする予定です。いま絶賛プリプロ&レコーディングの日々!ビデオクリップもどんなのつくろうか妄想中〜!)
Juana Molinaは、そういうときの自分と向き合ってる感覚に似ている音楽なんだなぁと思いました。
きっと彼女も頭をぐるぐるしながら作ってるんだろうなぁ。
そうやってストイックに自分をぐるぐるさせる人はかっこいいなぁ。
やっぱり、なんでもできちゃってかっこいいんだ。
私も頑張る!
Neat'sの独奏ライブ(Bedroom Orchestra)も是非一度、覗きに来てみてください。

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