Japanese
amazarashi
Skream! マガジン 2016年04月号掲載
2016.03.06 @中野サンプラザ
Writer 蜂須賀 ちなみ
人類が地球から姿を消した100年後の世界と、社会が収束へと向かう過程をまざまざと描き出したamazarashiのアルバム『世界収束二一一六』。そのリリースに伴う全7会場8公演(追加公演を含む)のツアー"amazarashi 5th anniversary Live Tour 2016「世界分岐二〇一六」"は、中野サンプラザにてファイナルを迎えた。
客席から紗幕1枚を隔てたステージ上に秋田ひろむ(Vo/Gt)とバンド・メンバーの面々がスタンバイ。スポットライトの下、秋田がポエトリーリーディングを始め、ピアノの優しい音色が『世界収束二一一六』の最後に収録されている楽曲「収束」を導く。以降、「季節は次々死んでいく」、「タクシードライバー」とアルバム収録曲を続けて演奏。"ドドッ......ドドッ......"と響き渡るバスドラムの低音が、自分の鼓動の音と同期していく感覚に陥る。絶唱ともいうべき秋田の鬼気迫る歌声が耳に飛び込んでくるたびに、舞台上で紡がれるストーリーと我々の日常生活とが混ざっていくような、現実と非現実とが混ざっていくような感覚に陥る。そのあとは、「性善説」(『ねえママ あなたの言うとおり』収録)、「雨男」(『夕日信仰ヒガシズム』収録)、「ラブソング」(『ラブソング』収録)と、『世界収束二一一六』以前にリリースした楽曲を演奏することによって、"終わっていく世界"と"それでも生活を続ける人間の美しさ"との対比を見せていった前半。『世界収束二一一六』はたしかにamazarashi史上最もシリアスな物語に基づいて作られた作品だが、こういうライヴ構成からも、この物語がただ単に、悲観的で絶望的なメッセージを放つためのものではないことが読み取れる。
さて、筆者はこの日初めてamazarashiのライヴを観たのだが、ステージと客席の間に紗幕を1枚挟んでいるとか、こちらからだと演奏者の顔がほとんど見えないとか、そんなことなど関係なくなるほど人間味溢れる音を鳴らす人たちだと思った。それは、絶望の中から"それでも"という希望を見出すというamazarashiの根底にある姿勢が、混沌とした感情の渦となってサウンドに表れていたからだ。女子高生がトイレの個室の中で踊り狂う映像もスリリングだった「スピードと摩擦」。地球に残る最後の1人の視点から歌われる「百年経ったら」。諸行無常の法則の下に在るからこそ生命は美しいんだ、ということを描く「花は誰かの死体に咲く」。音の洪水の中から突き抜ける閃光のようなサウンドとともに"きっといい事ばかりじゃないけど だからこそ 僕らは行くんだよ"と歌う「スターライト」。"「自分以外皆死ね」ってのは「もう死にてえ」ってのと同義だ"という冒頭のフレーズが鮮烈な「しらふ」。それぞれの楽曲の中で鳴らされる感情の種類に統一感があるわけではないが、楽曲ごとにベクトルを振り切る方向を変えながら、バンドはそれらと丁寧に対峙していく。その姿がまるで、この期に及んでも懸命に生きながら世界を愛してしまう、どうしようもない矛盾を内包した人間の性(さが)を肯定しているかのよう。だからこそ、"それで、あなたはどうするの?"と問いかけられている気がしたし、五感の先の深層心理で彼らと、それから自分自身と対話をしたかのような後味が残った。この問いの先の答えは、私たちひとりひとりが日常生活に持ち帰り、向き合わなければならない部分でもある。
"ツアー・ファイナル、すごく感慨深いです。世界が終わればいいと思いながらこのアルバムを作っていました。でも、全国でライヴをしていく中で、メンバーにもみんなにもスタッフさんにも、またキレイなものをもらってきたので......、また、青森に帰って、形にしたいと思います"。この日唯一のMCパートでそう語った秋田。そしてラストに演奏されたのは、地球上に残った最後の1人が息絶える瞬間を歌い上げる「エンディングテーマ」、そして、これからも自分だけの歌を歌っていくんだという秋田自身の揺るぎない意志を託した「ライフイズビューティフル」だった。先月号の本誌掲載インタビューにて、秋田は"「大勢に音楽を届ける立場」とか意識しちゃうと重荷にしかならないので、僕は好き勝手に言いたいこと言ってる"と語っていたが、それでもやはり、恨み嫉みを発散させる音楽ではなく、裏側に確かな愛のある怒りが軸にある彼らの音楽に心を震わせる人は、これから先もどんどん増えていくのではないだろうか。"これから"への予感を膨らませてくれるような濃密な時間が終わり、メンバーが去ったあと、真っ白な紗幕の上には大きく大きく"ライフイズビューティフル"と綴られていた。
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