Japanese
amazarashi
Skream! マガジン 2023年12月号掲載
2023.11.25 @東京ガーデンシアター
Writer : 蜂須賀 ちなみ Photographer:Victor Nomoto
"これは映画じゃなく生活。名シーンだけの人生ではいられない、名もなきすべての人たちに歌いに来ました。amazarashiです"
アルバム『永遠市』と今回のツアーでモチーフになった永遠市とは、アレクサンドル・コルパコフ"宇宙の漂泊者"より、光速を超えた宇宙探検から地球へ帰還し、地球の時間からおくれた者たち"相対性人"が暮らす町のこと。秋田ひろむ(Vo/Gt)は"社会的にどこにも属せない僕は、この星の人間ではないのだろう"という感覚を過去作でもたびたび歌ってきたが、その感覚の外貌は変わらずとも、内実は微妙に変化していったのだろう。居場所がないと歌うことで居場所が生まれ、社会が生まれる。構造の歪みによって陰影は濃くなった一方、あるとき決別したはずの幸福や安定が、別の形で出現することもあったはずだ。
そのうえで、今ツアーにおけるamazarashiの音楽は、"それでもこの星で生きていく"といった力強い足取りを連想させるものだった。歪むギターを筆頭とした激しいロック・サウンドや、感情の乱高下に苛まれながらも全17曲をひとつに束ねるセットリストは、濃くなるばかりの絶望も、かつての自分は持てなかった温かい感情も認め、内包していた。振り返れば、手のモチーフが頻出していた演出映像も象徴的だったように思う。怒りや憎悪と共に壁を強く叩きつけた直後、壁面に張りつき残る手のひらはおどろおどろしいが、大切な人と重ね繋いだ手は花のように美しい。この二面性――いや、二面に留まらない複雑性を愛し、光へ向かうための音楽をバンドは鳴らしていたのだ。
バンドが「俯きヶ丘」~「インヒューマンエンパシー」を熱量高く鳴らすなか、紗幕上ではアートワークなどでお馴染みのてるてる坊主のキャラクターが、壁に頭を打ちつけ、生えてきた手を壁に叩きつける強烈なオープニング。以降、『永遠市』の曲たちが、「14歳」、「無題」、「月曜日」といった過去作と連鎖しながら響き合った。中でも印象的だったのが「君はまだ夏を知らない」。"君"に渡したい言葉を歌ったバラードだが、下の世代への眼差しをここまで明確に感じさせる曲は初めてではないか。純度の高いサウンド、心のこもった歌唱。amazarashiという芸術=生活とリスナーの生活が、今までとは違う形で重なった瞬間だった。光爆ぜる「超新星」、夕陽射す「自由に向かって逃げろ」、蒼天の下での「空に歌えば」など様々な場面を経て、秋田のMC。
"昔から目標を聞かれると、「一生音楽を続けることです」と答えてきたけど、最近になってようやく入り口に来たんだなと思います。そういう覚悟を持って作ったアルバムです。カッコつけたい、褒められたい、そういうところからようやく離れて、音楽に向き合えている気がします。残り2曲もそういう曲です。今日はありがとうございました"
最終曲「アンチノミー」でのロボットが壁を叩く映像は、ライヴ冒頭を彷彿とさせるもの。そして冒頭と同じく、壁にヒビが入っても割れることはない。"ERROR"、"NO SIGNAL"と表示され、あと一歩という感じはあるものの、命は閉じ込められたままだ。今夜叶わなかったとしても、"それでもいつか"と思いながら、細くてもいい、希望の糸を紡ぎ続ける。amazarashiの音楽とはそういった営みであると、改めて思わせられるエンディングだった。"今日の音が、今日の言葉が、ひとかけらでも残ってますように。夜の隅っこで泣いていたあなたに。どうか、どうか、生き延びて"(秋田)という祈りが、限りなく"他者"であるが、この音の鳴る世界の住人でありたいと思う私たちにもたらすものは大きい。
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