Japanese
amazarashi
Skream! マガジン 2013年01月号掲載
2012.11.30 @渋谷公会堂
Writer 天野 史彬
凄まじいライヴだった。amazarashiの渋谷公会堂ワンマン。音楽と映像が渾然一体となって、聴覚と視覚に叩きつけられるイメージの強烈さ。自分の脳内を駆け巡る思考や心象風景を、ただのマスターベーション的な垂れ流しではなく、優れたアートとして、完成度の高いエンターテイメントとして、視る者、聴く者に提示しようとするアーティストとしての意識の高さ。そういったすべてが、とにかく刺激的で、美しかった。
この日の渋谷公会堂の客席は満員、チケットはほぼ即日完売である。7月に行われたZepp Diver City TOKYOでのワンマンも超満員だったというし、今のamazarashiに対する期待値の高さは、現行する日本のロック・バンド達の中でも頭ひとつ抜けていると言っていいだろう。ライヴは、1曲目「冬が来る前に」の冒頭、ヴォーカルの秋田ひろむによる詩の朗読から始まった。あらゆるエモーションを内包したかのような、芯の強い声。自分の歌と言葉に対して真っ向から、真摯に向き合っていることを感じさせる声だ。そんな秋田のヴォーカルに呼応するかのように、バンドの演奏も力強い。的確な上に、1音1音に熱が籠もった演奏である。イラストやCGアニメによるヴィジュアル・イメージが印象的な分、音楽的にはどこか無機質なイメージを持つ人もいるかもしれないが、実際の彼らのバンド演奏は実に肉体的で、情熱的ですらある。この日もほぼ全編通して、ステージ上には曲ごとに作られた映像が映し出され、前方に横一列に並んだバンドはほぼシルエットを映し出している程度だったが、オーディエンスとバンドを繋いでいるのは、まず何よりも、その直情的とも言える音の力だった。
MCは終盤に一度きり、それ以外はただひたすら演奏に集中する5人。映像も一緒に流している分、演奏のちょっとしたミスも命取りになるのだろうが、バンドはその緊迫感もうまく音の鋭さに変えてみせる。椅子席の会場ということもあり、一介のロック・バンドのライヴという範疇を通り越して、もはや一級のショウや映画を見ているかのようである。「ワンルーム叙事詩」、「空っぽの空に潰される」、「ラブソング」、「夏を待っていました」等々、過去それぞれの音源からまんべんなく代表曲を取り入れたセットリストも豪華だ。そして、これらの楽曲を聴いて改め感じるのは、その世界観の根底にある孤独な風景の生々しさと、それを丸ごと、このハイブリッドなアートへと変換させる意志の強さである。青森在住、メンバーのメディアへの露出もほぼ皆無なこのバンドが、今のように大きな人気を得ている現象自体は現代的な出来事と言えるが、amazarashiの発するメッセージの一つひとつは極めて普遍的なものだ。世界を憎み、自分を憎み、閉ざされた世界の中でキミを夢想するかのようなその歌の内容は、きっと誰しもが10代の頃に一度は抱え込んだことのある類のものだと思う。そんな彼らの歌に対して“厨二的”などと言う人もいるかもしれないが、裏を返せば、ここは“正しさ”に雁字搦めにされる前の、傷だらけで独りぼっちの“本音”があるということなのだ。amazarashiは、その“本音”を、このスケールの大きくエンターテイメント性の高いアートへと直接変換してみせる。“本音”で、現実を凌駕しようとしてみせる。だからこそ、amazarashiの音楽は切実にこの国の若者達に届いているのだ。
最後、秋田がひとりで弾き語った「終わりで始まり」の繊細な響きは、そんなamazarashiの表現の根幹を見ているような気分にさせるものだった。この孤独な表現がこの先、どこまで大きな世界を見せてくれるのだろうか。唯一のMCで秋田が語った“amazarashiがこの先どうなるかわからないが、行ける所まで行ってみたい”という言葉に宿る覚悟に期待したい。
- 1
LIVE INFO
- 2025.11.24
-
リーガルリリー
ポルカドットスティングレイ
WurtS
brainchild's
ねぐせ。
キタニタツヤ
u named (radica)
ザ・クロマニヨンズ
ぜんぶ君のせいだ。
go!go!vanillas
LiSA
Lucky Kilimanjaro
すなお
私立恵比寿中学
くるり
NANIMONO
ブランデー戦記
清 竜人
Conton Candy
凛として時雨
秋山黄色
The Biscats
9mm Parabellum Bullet
LACCO TOWER
No Buses
CNBLUE
miwa
山本彩
BIGMAMA
崎山蒼志
ExWHYZ
RADWIMPS
Ayumu Imazu
MEW
- 2025.11.25
-
打首獄門同好会
Another Diary
すなお
シベリアンハスキー
The Ravens
chilldspot
- 2025.11.26
-
Dios
桃色ドロシー
ザ・クロマニヨンズ
シベリアンハスキー
TENDRE
UVERworld
PEDRO
BLUE ENCOUNT
material club
Mirror,Mirror
Galileo Galilei
chilldspot
- 2025.11.27
-
打首獄門同好会
MONOEYES
Cody・Lee(李)
moon drop
桃色ドロシー
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
ザ・クロマニヨンズ
TENDRE
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
PEDRO
Tempalay
あたらよ
- 2025.11.28
-
Galileo Galilei
優里
BLUE ENCOUNT
go!go!vanillas
怒髪天
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
VII DAYS REASON
Dios
崎山蒼志
凛として時雨
ズーカラデル
コレサワ
SHERBETS
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
ポルカドットスティングレイ
おいしくるメロンパン
sajou no hana
NEK!
CENT
OKAMOTO'S
meiyo
RAY
reGretGirl
- 2025.11.29
-
ビレッジマンズストア
Appare!
YOASOBI
NEE
暴動クラブ
brainchild's
Cody・Lee(李)
キタニタツヤ
優里
くるり
TOKYOてふてふ
MONOEYES
キュウソネコカミ
moon drop
THE BACK HORN
androp
The Biscats
フレデリック
チリヌルヲワカ
怒髪天
eill
LOCAL CONNECT
wacci
LACCO TOWER
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
ドラマチックアラスカ
アーバンギャルド
ねぐせ。
ExWHYZ
UVERworld
フラワーカンパニーズ
愛美
浪漫革命
東京スカパラダイスオーケストラ
BACK LIFT / 魔法少女になり隊 / LEEVELLES / パピプペポは難しい ほか
Bentham
MONO NO AWARE
NANIMONO
カミナリグモ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
- 2025.11.30
-
ビレッジマンズストア
YOASOBI
NEE
TOKYOてふてふ
凛として時雨
キタニタツヤ
崎山蒼志
くるり
キュウソネコカミ
moon drop
SHERBETS
THE BACK HORN
TENDRE
アーバンギャルド
the paddles
秋山黄色
TOMOO
LACCO TOWER
ドラマチックアラスカ
LUCY
ExWHYZ
Maki / SIX LOUNGE / w.o.d. / KUZIRA / TETORA
UVERworld
フラワーカンパニーズ
ポルカドットスティングレイ
NANIMONO
ズーカラデル
ぼっちぼろまる×ポップしなないで×ぜったくん
コレサワ / ヒグチアイ / のん / ひぐちけい
miwa
MONO NO AWARE
Conton Candy
JYOCHO
離婚伝説
- 2025.12.02
-
RADWIMPS
LONGMAN
Dios
RAY
マカロニえんぴつ × DISH//
私立恵比寿中学
GLIM SPANKY
SUPER BEAVER
IneedS
- 2025.12.04
-
TENDRE
LEGO BIG MORL
私立恵比寿中学
SHERBETS
Homecomings
アーバンギャルド
キュウソネコカミ
吉井和哉
Hakubi
- 2025.12.05
-
桃色ドロシー
私立恵比寿中学
moon drop
ポルカドットスティングレイ
ザ・クロマニヨンズ
NANIMONO
eill
Laughing Hick
崎山蒼志
さかいゆう / 望月敬史 / L'OSMOSE(O.A.)
flumpool
とまとくらぶ
Another Diary
岡崎体育
Rei
ズーカラデル
打首獄門同好会
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
怒髪天
ねぐせ。
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
- 2025.12.07
-
ぜんぶ君のせいだ。
崎山蒼志
キュウソネコカミ
MOSHIMO
moon drop
ポルカドットスティングレイ
凛として時雨
BLUE ENCOUNT
AIRFLIP
OKAMOTO'S
sumika / マカロニえんぴつ / Kroi / ズーカラデル ほか
NANIMONO
怒髪天
Devil ANTHEM.
ACIDMAN
eastern youth
小林私
UVERworld
優里
秋野 温(鶴)
LACCO TOWER
OAU
the telephones
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
トゲナシトゲアリ × RAISE A SUILEN
RELEASE INFO
- 2025.11.26
- 2025.11.27
- 2025.11.29
- 2025.12.01
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2026.01.01
- 2026.01.07
- 2026.01.09
- 2026.01.14
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号
















