Japanese
緑黄色社会
Skream! マガジン 2022年06月号掲載
2022.04.10 @昭和女子大学 人見記念講堂
Writer 秦 理絵 Photo by 安藤未優
緑黄色社会には明確に伝えたいことがあった。今年1月にリリースされた最新アルバム『Actor』の全14曲、中でもメンバー全員で作詞作曲を手掛けた楽曲「キャラクター」で歌われている"誰だってneed you"っていう強いメッセージを――つまりは誰もが必要な存在であることを、この日のライヴでは音楽を通して全力で表現しようとしていた。3月から全国19ヶ所20公演で開催している緑黄色社会のホール・ツアー"Actor tour 2022"、その7本目となった東京 昭和女子大学 人見記念講堂だ。現在もツアーは開催中のため、以下はネタバレを数曲のみ含むライヴ・レポートとしてお届けする。
"東京元気だった? 緑黄色社会です。最高の日にしようと思っています!"。長屋晴子(Vo/Gt)が力強く意気込みを伝えたこの日は、最新アルバム『Actor』の楽曲はもちろん、代表曲やインディーズ時代の楽曲も惜しげもなく披露され、リョクシャカ(緑黄色社会)の今が凝縮されたようなライヴだった。カラフルなライティングが目まぐるしく旋回するなか、peppe(Key)が奏でる軽やかなピアノに人懐こいメロディが踊った「アーユーレディー」をはじめ、小林壱誓のギター・ソロが楽曲の切なさをいっそう煽ったシリアスなバラード「LITMUS」、小林と穴見真吾(Ba)がステージの端っこギリギリまで歩み出て、少しでもお客さんに近づくように演奏した、リョクシャカきってのロック・ナンバー「sabotage」など、一曲一曲がまったく異なる世界観を描きながらライヴは進んでいった。
結成当時からバンドの枠にとらわれないことをモットーに、多彩な楽曲を生み出してきたリョクシャカのサウンドは、今や世代を問わない普遍性の高さを評価する意味を込めて、"ポップ・ミュージック"と言われることが多い。だが同時に長屋、小林、peppe、穴見の4人がそれぞれの持ち場で剥き出しの個性をぶつける熱いステージを目の当たりにすると、その存在はポップ・バンドと呼ぶよりも、骨太なロック・バンドとしての一面が強く浮き彫りになる。
ツアーの中間地点ということで、MCでは各地の思い出を振り返った。北海道では旭川と小樽の"すしざんまい"にメンバー全員で行き、ネタの食べ比べをしたと明かしたpeppe。岡山のレンタサイクルで財布をなくしたという穴見。エイプリル・フールだった広島公演のMCで、実はサポート・ドラムの比田井 修が小林の叔父であると嘘をついたという長屋。群馬公演のアルバイト・スタッフに"「キャラクター」を聴いてます!"と言われて喜んだけれど、逆に「キャラクター」しか聴いてなかった......というオチで笑わせた小林。メンバー同士の仲良さが伝わる和気あいあいとしたトークに会場の雰囲気が和んだ。演奏に入る前に手拍子のレクチャーをしてから突入した「Landscape」では、お客さんも楽器の一部となってリョクシャカの音楽を一緒に作り上げた。コロナ禍以降、お客さんが声を出せないライヴは続くが、それでも、全員でひとつになる方法はある。そんなバンドの気概が滲む名シーンだった。
リョクシャカというバンドの多面的な魅力に何度でも出会い直すように進んでいくライヴの中で、特に鮮烈だったのは、2020年にバンドの知名度を大きく広げるきっかけになった「Mela!」だった。華やかなブラスをあしらった賑やかなバンド・サウンド。ラララのフレーズに合わせて大きく左右に腕を振る客席。長屋がキーボードのpeppeと向き合って歌ったかと思えば、小林と穴見も腰を落として向き合い、まるでステージの上で無邪気に遊ぶように楽しげに演奏をしていた。
さらにこの日は"映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝"の主題歌に書き下した「陽はまた昇るから」もいち早く披露され、涙も、痛みも、人生の一部として肯定するような晴れやかなメッセージを伝えてくれた。"私たちにはみんなが必要な存在、大好きな存在、とてつもなく愛しい存在です"。それがこの日のステージで長屋が伝えた最も確信に満ちた言葉だった。緑黄色社会がなんのために音楽を奏でるのか。その答えはきっと、どんなときもリスナーの味方でありたいからだと思う。あえて言わなくても、それがちゃんとわかる。それぐらい、今の緑黄色社会は音楽そのものがとても雄弁で、そこに宿すメッセージが鋭く優しく研ぎ澄まされていた。
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