Japanese
HAMMER EGG vol.8
Skream! マガジン 2018年03月号掲載
2018.02.16 @渋谷eggman
Writer 秦 理絵
Skream!とTOWER RECORDS、新人やインディーズ活動を支援する音楽プラットフォーム Eggsがタッグを組んで、次世代のアーティストを応援する対バン企画"HAMMER EGG"の第8回目が渋谷eggmanで行われた。出演アーティストは、マカロニえんぴつ、mol-74、緑黄色社会。2018年の躍進が予想される3バンドが集結したこの日は、それぞれが譲れない信念をもって独自のポップ・ミュージックを鳴らす素晴らしい一夜となった。
トビウオ

オープニング・アクトとして登場したのは、トビウオ。ヴォーカルの松田 拓が鍵盤を弾きながら歌い、ギターは宇多村雄也と山本泰宏のふたりが両脇を固めるという、充実したウワモノ部隊を擁する編成の5人組ピアノ・ロック・バンドだ。爽快で煌びやかな1曲目「Gravity Days」を皮切りに、軽やかなメロディを弾ませながらポップに駆け抜ける「Hello Hello」へと繋いで、じんわりと会場を温めていった。MCでは"今日は出会いのたくさんある大切な1日です。オープニング・アクトに選んでもらった責任に値するライヴをしたいと思います"と宣言。後半は2月7日にリリースしたばかりのニューEP『Who are You?』から「BluE」と「DawN of Sky」の2曲に熱い想いをぶつけて、本編へとバトンを託した。
緑黄色社会

そして、トップバッターは緑黄色社会。この日、唯一の女性ヴォーカル、長屋晴子(Vo/Gt)の凛とした歌声がセンチメンタルなメロディをなぞる「またね」からライヴはスタート。激しく身体を動かしながらアグレッシヴなプレイを見せる穴見真吾(Ba/Cho)と、ここぞという場所でクールなギター・フレーズを決める小林壱誓(Gt/Cho)というメンズの楽器隊に、サポート・ドラムを加え、peppe(Key/Cho)が奏でる多幸感溢れるピアノが楽曲を華やかに彩っていく。"HAMMER EGG、楽しんでますかー!?"(peppe)と元気いっぱいに会場を煽ると、彼女たちのライヴには欠かせないアップテンポな「Alice」で会場から一斉に手が上がり、フロアはあっと言う間に心踊るリョクシャカ(緑黄色社会)空間ができあがっていた。脱力系のキーボードに"あなたに会いたい"という切ない感情を綴った「want」のあと、MCでは長屋が"今日はお互いに刺激し合えるバンドが集まったいい対バンです"と伝えて、ライヴの後半戦へ。3月14日にリリースされるアルバム『緑黄色社会』から、"背伸びしたい女の子"を描いたリード曲「大人ごっこ」、奔放に我が道をゆく女の子をテーマにしたピアノ・ロック「真夜中ドライブ」など、急成長するバンドの今をしっかりとその場所に刻みつけていった。"みんなでひとつの空間を作りませんか?"という、タンバリンを手にした長屋の声を合図に、「恋って」ではラララのシンガロングを巻き起こすと、ラストはマイナー調のロック・ナンバー「アウトサイダー」でフィニッシュ。アーティスト写真では、どこかふわりとした印象もあるバンドだが、まっすぐに音楽の力を信じるピュアな衝動と、集まったお客さんを根こそぎ自分たちの味方にしようとするような熱いガッツを感じるステージだった。
マカロニえんぴつ

続いて登場したのは、マカロニえんぴつ。THE BEATLESの「Hey Bulldog」のSEに乗せて、はっとり(Vo/Gt)、高野賢也(Ba/Cho)、田辺由明(Gt/Cho)、長谷川大喜(Key/Cho)の4人がスタンバイすると、エッジの効いたシンセサイザーが口火を切る「鳴らせ」から骨太なロックンロール・ショーが幕を開けた。フロアから一斉にハンドクラップが湧くなか、性急に刻むツイン・ギターが"火星のロマンス"を描きだした「MAR-Z」のあと、MCへ。"CDは届いてるかどうかが、こっちには届かないんですよね。その点、ライヴは目の前にあなたたちの顔が見られるので、届いてるかもしれないっていう期待を持てる。一緒にライヴを作りましょう!"と、はっとりが情熱をダダ漏れにして想いを伝える場面も印象的だった。そこからも、最新アルバム『CHOSYOKU』からの楽曲を中心にライヴは進んだ。フォーキーなサウンドに皮肉を滲ませながら、おセンチなワードを散りばめた「ミスター・ブルースカイ」や、陽性のメロディに乗せて"音楽に託す夢"を叫ぶように歌った「MUSIC」、ゆったりと横に揺れる大人っぽいムードを作り上げた「クールな女」(※このイベントに先駆けて行った2018年2月号掲載のフロントマン対談では、この曲に関するユニークな話で盛り上がったので、ぜひチェックを)など、ロックンロールやブルース、カントリーだけではなく、R&Bやファンクまで呑み込んだ芳醇で多彩な楽曲たちでフロアを満たしていった。"音楽してますか?"そんなふうに問い掛けるはっとりの言葉に、会場からは肯定を意味する大きな喝采が湧き起こると、恋をこじらせた捻くれ者の感性が全開のダンス・ナンバー「洗濯機と君とラヂオ」からラストスパートへ。ステージ上ではときどきメンバーが目を合わせながら、まるでそこが世界で一番楽しい遊び場だとでも言うような立ち居振る舞いで、会場をハッピーなムードで包み込んでくれた。
mol-74

メンバーが静かにステージに姿を現すと、1曲目の「▷▷ (夜行)」から、静謐で透明感のあるサウンドスケープによって、会場の温度をひやりと下げるような錯覚すら起こさせたのは、トリを飾るmol-74だ。これまでに登場した2組が"最新モード"のセットリストでこの日のライヴに臨んだように、彼らもまた1月17日にリリースしたばかりの最新ミニ・アルバム『▷ (Saisei)』からの楽曲を積極的に披露。ファルセットを駆使した繊細なヴォーカル・スタイルを武器とする武市和希(Vo/Gt/Key)を中心に、井上雄斗(Gt)、髙橋涼馬(Ba)ら竿モノふたりがそれを取り囲み、下手にドラムの坂東志洋を置くという変則的なフォーメーションだ。収録曲をすべて記号で表した最新アルバムのリード曲「▷ (Saisei)」では、ギターの井上がバイオリンを弾く弓で演奏する深遠なサウンドが強靭なビートと重なり合い、刹那的な音像が言い様のない昂揚感を生み出していく。演奏中は緊張感のある佇まいで個々のプレイに没頭するメンバーだったが、MCタイムだけは和やかなムードに。"HAMMER EGG"のタイトルの意味が気になる武市に対して、井上がハンマーで卵(エッグ)を割る、殻を破るという意味じゃないかと自説を展開して笑いを誘う。そして、ライヴの後半は疾走感溢れる「%」で高速ハンドクラップを巻き起こすと、武市は"世界を変えよう!"と力強いメッセージを投げ掛けてくれた。ラスト・ナンバーは「tears」。細やかに震えるサウンドに乗せて、淡々と紡いだのは"僕は僕で/君は君で"という、人が本当の意味では他者のための涙を流すことができない、という悲しくも優しい真実の歌だった。
キラキラとしたポップ・ミュージックに凛とした強さを滲ませた緑黄色社会、捻くれた感性で独自のロックンロールを鳴らしたマカロニえんぴつ、シューゲイザーに影響を受けた美しい音像が抒情的な景色を映し出したmol-74。この日は鳴らす音楽の温度感こそまったく違う3組が集結したが、それぞれの方向で自分たちの音楽に大きな可能性を持ち、それを極めようとする高い志が共通する、とても好感の持てるフレッシュな共演だった。
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