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INTERVIEW

Japanese

トビウオ

2017年03月号掲載

トビウオ

Member:松田 拓(Key/Vo) 宇多村 雄也(Gt) 山本 泰宏(Gt) 清水 周(Ba) 小川 敦士(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

横浜発の5人組ピアノ・ロック・バンド、トビウオ。10代最後の年となった昨年には"未確認フェスティバル2016"の3次審査まで進出し、各方面から注目を集めたというが、一方その裏で、バンドは"若さ"以外の武器を手に入れるべく、自分を変えるために足掻いていた。以下のインタビューによるとその答えはまだ出ていないというが、4月10日の自主企画以降ライヴ会場限定で販売される2nd EP『魚夫の利』は、彼らが正しく悩んできたことを何よりも明確に証明している。全曲どれも違うアプローチである冒険作はどのように生まれたのか。メンバー5人に話を訊いた。

-トビウオはどういう経緯で結成されたバンドなんですか?

宇多村:ベースの周以外が男子高校出身の同級生なんですけど、ギターの山本君が好きになった女の子がいて、その子の主催するライヴに出演するために集められたっていうだけのメンバーだったんです。最初は。

山本:その人がやってたバンドがチャットモンチーのコピバンで、企画を組むということで(出演者を)募集してたんですよ。僕もそのときギターを始めてたので、"これ絶対出てぇ"って思って。

清水:え、本当にお前ら男子だけでチャットモンチーやってたの?

山本:そうそう。

宇多村:女の子の企画なので出てるバンドもみんな女の子しかいなかったんですよ。だからバンド名も本当は英語で長くてカッコいい名前にしようかなと思ってたんですけど、周りがかわいらしい名前ばっかなのにそんなのが入っててもちょっと痛いから――

-もしかして「とび魚のバタフライ」(チャットモンチーの2007年リリースの2ndアルバム『生命力』収録曲)からですか?

山本:そうなんですよ。かわいい名前にしようってなったときに、"じゃあトビウオでいこっか"ってなったんです。

-そこからそのままバンドが続いてるわけですけど、改名しようとは思わなかったんですか?

宇多村:思いましたね、2回目のライヴぐらいで。

-早い(笑)。

宇多村:英語の名前とかみんなで持ち寄ったんですけど、何か逆にカッコつけてるというか、恥ずかしくなったんですよね。

山本:逆にダセーなって思っちゃって。

宇多村:だから名前だけは謙虚にいこうと思って。

-そこからオリジナル曲をやるようになっていったかと思いますが、みなさんご自身の中で"こういうバンドになりたい"みたいなイメージがあったんですか?

松田:最初はバラバラだったよね?

宇多村:好きな音楽のジャンルがみんなバラバラだったので。

山本:(バンドを)組んだころは、僕はメタルが大好きで。

小川:EXILEとかファンモン(FUNKY MONKEY BABYS)とかが好きでした。

松田:自分は結構R&Bとか聴いてました。

宇多村:自分はRADWIMPSとかの邦楽ロックで。......っていう感じでバラバラだったんですけど、なんでまとまったんだろうね(笑)?

山本:でもみんなで"これ良くね?"みたいな話はよくしてたよね。宇多村がインディーズ・バンドの音源とか持ってきて、それでみんなが好きになっていって。

宇多村:そもそも俺がオリジナル曲を最初に持ってきたっていうのもあるよね。

山本:あ、そうだね。

宇多村:それをみんなで惰性的に演奏してたら、対バンするバンドも俺の作る曲寄りになっていって、みんな邦楽バンドにどんどんハマッていったっていう。

-惰性的ってそんな謙遜しなくても(笑)。それで清水さんが加入したのが――

松田:(2016年)4月からサポートをやってて、8月の自主企画のときに正式に加入しました。

宇多村:自分が音楽大学に入学したんですけど、そこで出会って。同級生の男のベーシストがこいつしかいないんですよ。そんな感じで加入したのが彼です。

清水:高3の初めぐらいまでやってたメタル・バンドをやめてひとりで引きこもってた感じだったんですけど、バンドに誘われて、ぜひやってみたかったので入りました。

-このメンバーが揃ってからは半年ぐらいということで。

宇多村:そうですね。サポートの時期を含めたら1年ぐらいです。