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INTERVIEW

Japanese

mol-74

2015年01月号掲載

mol-74

Member:武市 和希(Vo/Gt/Key)

Interviewer:齋藤 日穂

凍てつく冬に降り積もった雪がゆっくりと溶けて、眩しい春が来る。彼らの音楽で鼓膜を震わせるとそんな光景がいつも広がる。京都出身3ピース・バンド、mol-74(モルカル マイナス ナナジュウヨン)が初の全国流通盤となるミニ・アルバム『越冬のマーチ』をリリースする。"冬"をテーマにしたという今作は、冬の寒さや冷たさこそ丁寧に鮮明に描かれているが、何よりも彼らの視線の先にある"春"を感じずにはいられない。結成から現在まで紆余曲折だったという苦難の4年間を"冬"というフィルターを通して放った傑作について、バンドの中心人物である武市 和希にメール・インタビューを敢行。バンド結成から今作に至るまでの話を訊いた。

-Skream!初登場となりますので、まずはバンドのことをお伺いしたいと思います。結成から現在に至るまでの経緯を教えてください。

元々は坂東(Dr)と高校生の時からバンドをやってたんです。ほぼ遊びのコピー・バンドですけどね。お互い進学で京都に来てそこからも少しはやってたんですけど、特にライヴをする訳でもなく遊びでスタジオ入る程度で。それからしばらくして2010年の9月頃に雄斗さん(Gt/Cho)が加入してそれを機にですかね。本格的に音楽でやっていこうってなったのは。

-2010年に結成されたとのことですが、結成から現在までどのような4年間でしたか?

大変なことが多かったですね。紆余曲折と言った感じで。"僕らの音楽"というものを探し続けてた4年間だったように思います。結成した当初は何が何だか分からないままやってたので。影響受けてた音楽もほとんど王道な邦楽ロックだったので幅が狭いというか。料理でいうと調味料がソースと醤油だけみたいな。それじゃオリジナリティのあるものなんてできないのも当然で。いろんな音楽聴くようになってからいろいろ考えかたも変わって、最近ようやく"僕らの音楽"を見つけ出した感じはあります。

-mol-74とはどのような意味が込められているのでしょうか? ネットで"モルカル"で検索してみましたが、バンド名に関連しそうな結果は出てきませんでした。

意味はあるんですけど特にないって答えるようにしてるんです。言っても無駄に長いし"はぁ......?"みたいな感じになるのでいつも申し訳なくて(笑)。読みかたはmolecule(モルキュール)からきてるんです。それを和製英語っぽくしようと思ってモルカルにしたんです。だから読めるはずがないんですよね(笑)。Twitterとかでも"こんな読みになる意味がわかんねー"って人がいてそりゃそうだよね、あなたは何も悪くないです、読みにくくてごめんなさいっていつも思います(笑)。

-楽曲の持つスケールの壮大さからCOLDPLAYやMEWの音楽を連想しましたが、影響を受けた音楽はありますか?

COLDPLAYやMEWにはとても影響されてますね。メンバーみんな好きですし。僕は元々ASIAN KUNG-FU GENERATIONやELLEGARDENに影響されて音楽をやろうと思ったのが最初なんですけど、洋楽を聴き始めてからいろいろな音楽を聴くようになりました。それこそCOLDPLAYは洋楽にハマるきっかけのバンドでしたし、その他はポスト・ロックやシューゲイザー、アンビエントとかニュー・エイジとか諸々。自分の生活を彩ってくれるような空気感、世界観がある音楽が好きです。

-それでは本題に入りたいと思います。3rdミニ・アルバム『越冬のマーチ』リリースおめでとうございます。今作が初の全国流通盤となりますが、どんな気持ちですか?

ありがとうございます。単純にたくさんの人に聴いて欲しいっていう気持ちですかね。それでもって世界観を共有できたらなお嬉しいです。

-『越冬のマーチ』というタイトルに込めた思いを教えてください。

先ほどどのような4年間だったか、という話をしましたけどまさしくそれを表現した作品を作りたかったんです。僕らの4年間を"冬"としたときにこれをいかに越えることができて、来るであろう"春"にはきっと素晴らしい世界が待っているだろうという願いから『越冬のマーチ』と名付けたんです。このマーチには"三月"と"行進曲"のふたつの意味を込めてます。

-今作の楽曲は歌詞や楽曲の雰囲気から"冬"を感じさせるものが多く、『越冬のマーチ』というタイトルはぴったりだなと思いました。グッズで四季ごとのバッヂを販売していますが、季節というテーマはmol-74の中で大きなものですか?

ありがとうございます。上手く表現できていたならそれが1番嬉しいです。季節感はすごく大事にしてます。ファッション的というと語弊が生まれそうですが、"この季節にこの音楽を聴く"ということに意味を見出していますね。

-作詞作曲はどなたが担当されていて、どのように楽曲制作が進められていくのでしょうか?また、今作の制作はスムーズに進みましたか?

作詞は僕で、作曲はみんなでやっています。一応基盤となるものは僕が持っていってメンバーに聴かせて肉付けしていく感じですね。基盤を作った時点で僕には世界が決まっていて......。例えば"季節は冬、時間帯は昼下がり、天気は曇り"みたいな。それをメンバーには言わず聴かせて反応見るんですよ。全然違うイメージならその曲は即刻ボツです(笑)。近いイメージならそれを擦り合わせてストーリーができ上がって、あとは音を視覚的に見ていかにその世界に近付けていけるかが勝負みたいな。普段からそうですけどこの作品は特に凝った作りかたしたからあまりスムーズではなかったですね。このアルバムを制作するにあたって1曲目から8曲目まで全部イメージを最初につけたんです。だからこの曲順にこの曲は似合わないからボツ!みたいなことも多かったですね。