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INTERVIEW

Japanese

mol-74

2015年01月号掲載

mol-74

メンバー:武市 和希(Vo/Gt/Key)

インタビュアー:齋藤 日穂

-前作『ルリタテハ』に比べて今作は全体的に鍵盤の音が印象的に響く作品に仕上がっていると思いました。他の楽器を取り入れたことによって楽曲の持つスケール感がより増したように感じましたが、ご自身ではどう思われますか?

そうですね。Track.4「呼吸」なんかはまさしくその通りだと思うし、たぶんこの曲が1番"冬"を表現できているんじゃないかと思っています。この曲、実はベースが入ってないんですけど、その代わりにオルガンとかストリングスで低い音を埋めているんです。おのおののパートだからってギターやドラム、ベース、もっと言うと歌も必ず入れる必要ないな、って気づきました。曲が良くなるようにそのへんは前作に比べて柔軟に考えられるようになったのかもしれません。

-他にも、今作のサウンド面で特にこだわった部分があれば教えてください。

やはりどう"冬"感を出すか、ですかね。澄んだ感じや乾燥してる感じとか。あとアルバムを通して統一性があるものを作りたいというのは譲れなかったので、曲それぞれを"似ないように似せる"という点にこだわりました。これがすごく難しかったですね。

-一方、歌詞では景色や温度、天気のことを歌っていてリアリティや具体性といったものよりも言葉の響きや美しさを大切にされているように感じました。歌詞を書く際にそこは意識されていますか?

そうですね、すごく意識してます。1番困るのは作曲の時点で英語でメロディが生まれたときですかね。これに合う日本語難しい、みたいなことはよくあります。もうそこは自分との闘いですね(笑)。

-全体的に喪失感や寂しい気持ちを歌っていることが多いように感じましたが、そういった感情を基盤にしてmol-74の音楽は制作されていくのでしょうか?

今作はコンセプト自体がそういった喪失感であったり虚無感であったり、少しネガティヴなものだったので余計ですかね。それに僕自身がノスタルジックな曲が好きなんでそれが作品に必然的に表れているのかもしれません。曲にもよりますが、例えばCyndi Lauperの「Time After Time」みたいな、あのなんとも言葉にできないノスタルジーさみたいなのは常に僕の根底にありますね。

-代表曲であるTrack.6「赤い頬」の歌詞にある"いつも言葉は足りないままで"というフレーズがとても印象的だなと思いました。この気持ちがあるからこそ音楽で自分たちを表現できるのかな、と思いましたが実際いかがでしょうか?

あぁ、なるほど......。そういう解釈もあるんですね。 実はこの曲、川端康成の"雪国"からインスピレーションを受けて作った曲なんです。その作品中のあるシーンの、ある登場人物の視点で詩を書いたんです。こうやって曲を聴いた人それぞれでいろんな解釈が生まれるのは素敵だなって思います。

-12月13日に大阪にてアコースティック・ライヴで今作の収録曲も披露されていたようですが、手ごたえはいかがでしたか?

そうですね......。アコースティックにあまり慣れてないので探り探りといった感じでした。でも楽しかったし、意外とみんな喜んでくれてたので良かったのかな、と思います。また機会があればやってみたいです。

-来年1月24日下北沢GARAGEを皮切りにレコ発ツアーがスタートしますが、どんなツアーにしたいですか?

僕らのライヴに来たことがある人も、初めて来る人も、お互い楽しめたらなって思います。僕らの音楽って縦ノリの踊れる曲とかじゃないので目に見えて楽しい感は分かりにくいと思うのですが世界観を共有した上で音に触れたり、目を瞑って聴くような、そんなライヴもあっていいと僕は思うんです。それはそれで楽しい、って思ってもらえるように僕らは努力したいな、と。

-今作が全国リリースされることで、活動の幅がますます広がっていくかと思いますが、これからどんなバンドになっていきたいですか?

最近"冬"がよく似合うって言ってもらえるのがすごく嬉しくて。だから個人的にですけど"冬のバンドといえばモルカル"っていうところは目指したいですね。あとやっぱり革命的なバンドになりたい、っていうのは心の内に密かにあります。真剣な顔して言ったらギャグみたいですけど真面目に思ってます。今の邦楽バンド・シーンの中心とは少し違った角度で音楽をやってるというのは思っていて、結局のところ最初にも少し触れましたが"僕らの音楽"っていうものにこだわって代わりの利かないバンドになりたいですね。今は全然まだまだですけどそれを実現させるようにもっといろいろ勉強して説得力を磨いてシーンに割って入れたらと思ってます。

-最後に、リスナーにメッセージをお願いします。

僕らのことを知ってくれてる人も、今初めて知った人も1度手に取って聴いてみて下さい。今、この季節に聴いてほしい作品に仕上がったので。この作品があなたの生活に寄り添ってくれることを願ってます。