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INTERVIEW

Japanese

マカロニえんぴつ

 

マカロニえんぴつ

Member:はっとり(Vo/Gt)

Interviewer:渋江 典子

前作『レモンパイ』を引っ提げ、昨年10月から開催した全国ツアー"マカロックツアーvol.6~甘すぎた青春の忘レモン篇~"は16公演中13公演でソールド・アウトを記録し、着実に勢いをつけているマカロニえんぴつ。彼らの新作『LiKE』からは、その過程で掴んだ確かな手応えはもちろん、不安や挑戦も窺えた。カッコつけきれない彼らの音楽が私たちの心をかき乱し、"トリコにする"のはなぜなのか。本作に込められた想いとともに探る。

-全国ツアー"マカロックツアーvol.6~甘すぎた青春の忘レモン篇~"はソールド・アウトの公演も多く、勢いが出てきましたね。

16公演中13公演ソールドですからねぇ......。そんなバンドのはずないのに(笑)。

-そんなことないでしょう(笑)。

たぶんメンバーみんな思ってますよ(笑)。『CHOSYOKU』(2017年リリースの1stフル・アルバム)を出してから1年経ってないなかでの今なので、いろいろと早かったですね。ただライヴが良くなってきて、いい曲だって評価されてきてのこの流れは、不自然ではないかな。

-そんなマカロニえんぴつの新作『LiKE』は5曲それぞれの色があって楽しい作品でした。リード曲「ブルーベリー・ナイツ」って映画"マイ・ブルーベリー・ナイツ"ですよね?

そうです。映画のタイトルをもってきている曲はほかにもあって――「ハートロッカー」(2015年リリースの2ndミニ・アルバム『エイチビー』収録曲)とかがそうですね。

-映画からインスピレーションを受けて曲作りをすることも多いんですか?

「ハートロッカー」に関しては、内容は映画とまったく関係ないんです。「ブルーベリー・ナイツ」は、もともと好きな映画でニュアンスは反映されてるけど、映画のことを歌っているわけではないですね。"ブルーベリー・ナイツ"っていう響きが好きで。

-"ブルーベリー・ナイツ"って、映画を観終わってからやっとタイトルがしっくりくる不思議な言葉ですよね。

そうなんですよ。あと、「レモンパイ」(2018年10月リリースの2ndシングル表題曲)からの流れもあって、「ブルーベリー・ナイツ」をリード曲にすることで、受け手にも面白いステップを汲み取ってもらえるかなと思って。

-歌詞にも映画っぽさが散りばめられているなと感じました。

女の人の目線で書いた歌なんです。どうすがっても離れていってしまう人に対して、半分諦めてるけど、半分諦めきれてないっていう。"あたしを掬って食べて"とか、"あたしを潰して舐めて"っていうフレーズは自分でも結構気に入ってますね。自暴自棄になると誰でもいいって気持ちになることが多いと思うんですけど、それをブルーベリーに置き換えてみたくて。

-はっとりさんの書く歌って女性目線の歌が多いですよね。男性が書く歌で一人称が"あたし"というのは珍しいなと思うのですが。

昔から......「keep me keep me」(『エイチビー』収録曲)とかもそうだし、「ワンドリンク別」(2015年リリースの1stミニ・アルバム『アルデンテ』収録曲)もそうですね。やっぱり昔から女性への憧れがあるので。やっぱり男は女の人には勝てないんですよ。到達できない部分が絶対にあるんです。例えば感性であり、考え方への憧れですね。あと、僕は女の人目線で書いているつもりでも、声が男だし、聴いている人に伝わるかなっていう不安があるから、"女の人目線の歌だよ"って言いきるために"あたし"って歌うのかもしれないです。

-なるほど。今作『LiKE』は歌始まりだったので驚きました。

本当は「トリコになれ」を1曲目にしたかったんです。バンドのことを歌ってるし、それで幕開けっていうイメージではあったんですけど、歌で始まるっていうのは歌詞を推しているバンドとしては自然かなと。結果、この歌始まりの「ワンルームデイト」は意外とハマったなと思ってます。尻に敷かれてる感じとか、自分がこういうタイプの人間なので(笑)。

-そうなんですか(笑)。曲を書くときは実体験がベースなのでしょうか?

曲によりますけど、完全な嘘のことは書けないので、多少は自分から出てきてるかな。こいつ憎めないなって奴が主人公になることが多くて、それは自分に近い人だったりします。完全に自分だって言うと恥ずかしいから言えないけど(笑)、自分に似た人ですね。そういう方が気持ちのこもった歌詞になります。

-ということは「ワンルームデイト」の主人公も?

節々に僕がいると思います(笑)。この曲の主人公には「レモンパイ」に近い情けなさがあるんです。この曲はもう同棲してるからうまくいってるんだけど、ワンルームっていうのがポイントで。よく言うじゃないですか、"同棲するならワンルームじゃない方がいいよ"って。でもワンルームじゃないと意味がない。部屋がふたつあったら凍りついたりしないから。ひとつの部屋で肩を寄せ合って生きてるっていうのが、自分的にはグッとくる。あと、最後の"分け合って老いてくれよな"ってところが自分としてはうまいこと言ったなって思ってます。

-これは歌詞カードを見ないとわからない仕掛けですよね。

そうそう。"信じておいてくれよな/愛しておいてくれよな/分け合って老いてくれよな"っていう流れが、一緒に歳取ってくれってニュアンスをうまく表現できたなって気に入ってます。うん、いい歌詞だなぁ......(笑)。僕の中で韻を踏むっていうのはマストなんですよ。あくまで音楽っていうのは聴いてて気持ち良くないといけないって思ってるから。洋楽とかは言葉にリズムがついて、ラップは英語の方がカッコいいじゃないですか。そういうものへの憧れもあるので、耳馴染みがいいものっていうのは、最初からこだわってやってますね。