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INTERVIEW

Japanese

れん

 

れん

Interviewer:石角 友香

Spotify"RADAR: Early Noise 2023"に選出された2003年生まれのシンガー・ソングライター、れん。高校時代にギターの弾き語りを始め、TikTokを中心としたSNSを軸に活動をスタートさせた彼は、デビュー前からすでに動画総視聴再生回数1億回を突破するほど強固なファンベースを持つ。2021年9月に初のオリジナル曲「嫌いになれない」をリリース後、ワンマン・ライヴも開催し、2022年10月リリースの8thデジタル・シングル「最低」のヒットを機に各種サブスクリプション・サービスのプレイリストにピックアップされるように。Z世代が描く次世代感と普遍的なメロディや歌詞のリアリティを併せ持つ彼に、自身の音楽性について訊く。

-れんさんはデビューされてからそんなに時間が経ってないですよね。

まだ2年経ってないですね。

-驚きます、高校時代までサッカー少年だった人が。

サッカーしかやってこなかった人間がいきなり音楽(笑)、みたいな感じだったんで、全然わかんないことだらけだったんですけど、制作スタッフさんに恵まれここまで来れたのかなとは思いますね。

-最初から高いクオリティの楽曲が作れて歌えるっていうのは驚きでした。

本当に何も知らなかったから、僕の楽曲がどのレベルでとか(笑)、自分を俯瞰的に見ることができなかったので、それも今思えば良かったのかなと思いますね。今も自分を客観的に見れるかって言われたらそんなことないですけど、当時はより見れなかったので、でもそれだから"イケてるな"とか過大評価することなく等身大でいられたのかなと思います。

-高校時代にコロナ禍に突入してしまい。そのとき、音楽作りたいなぁっていう気持ちはどういうものでしたか?

高2の時期に部活ができなくなってしまったので、手を出してみたかったアコースティック・ギターを興味本位でやりだしました。そこから1年経ってないぐらいで"曲を作れたらいいよね"みたいな話を制作スタッフさんとしていて、そこで作ってみようかなって感じで作ったので、僕が自主的に曲を作ったわけじゃなくて。それで、自分で作れたら聴いてもらう人にもより響くし、ライヴで歌ったときも気持ちが乗るんじゃないかなっていうことで作ってみたのが「嫌いになれない」でした。最初は興味本位の延長線みたいな、それが形になった感じですね。

-れんさんの中では、歌詞を書きたいとか歌いたいという優先順位で言うと何が大きかったんですか?

軽くワンフレーズだけ適当に自分のオリジナルで作ったことがあったんですけど、ひどくて。そのときに、"俺、曲作るのとか向いてないな"と思ったんですけど、「嫌いになれない」は先輩が浮気されちゃったことを聞いて曲にしたのですが、その話を聞いて浮かぶメロディが新鮮で。自分も同じ気持ちに立ったときの心境で作る歌詞もメロディも全然違って、そこが面白いなってなりました。

-"オリジナル作るってこういうことか"と自覚したわけですね。れんさんが曲作りを始めてからのテーマはほぼ一貫して恋愛だし、且つ女性目線と男性目線の曲がありますよね。それは「嫌いになれない」を作ったあとに自分のスタイルを認識したんですか?

「赤」(2022年1月リリースの3rdデジタル・シングル)とか「ゆらせ」(2022年8月リリースの7thデジタル・シングル)のように、応援というか背中を押すような曲もありますけど、「嫌いになれない」を最初に出したがゆえに、"求められてるものってなんなんだろう?"って考えると、やっぱそういう心が落ち込んだときとか、失恋、浮気、ダウンしたときに寄り添える曲かなと思って。僕もそっちのほうが書きやすいので、自然とそういう失恋ソングというかラヴ・ソングになっちゃうかなって感じですね。

-その中でもどんどん表現の深度が増してる感じがします。

ありがとうございます。

-でもまず驚くのは、なんでそんなに歌えるんですか? っていうことなんですけどね。

歌ですか(笑)? 歌はずっと好きで。

-れんさんの歌はJ-POP的な楽曲ではあるけど、ヴォーカルがすごい洋楽的だと思うんですよね。最初の間は誰かの真似をして歌ったりする人が多いと思うんですけど、明らかなバックボーンってなんだと思いますか?

いろんな曲やジャンルを聴いてきたなかでの、今の僕のヴォーカルのできる最大限というか、聴いてきたなかで"いいな"と思ったものをミックスした感じです。もう本当にいろんなジャンル聴いてきましたし、洋楽も聴いてました。小学生の頃はめちゃくちゃSEKAI NO OWARIさんを聴いてて、中学はONE OK ROCKさんを聴いてて、高校では洋楽とかゲスの極み乙女さんをすごく聴いてた時期もありましたし。だからそのいろんなヴォーカルのいいなと思った部分を自分に取り込んで吸収していったのが今かなって思いますね。

-そういう入り口からBillboardのトップ・チャートなどを聴いたり?

Taka(ONE OK ROCK/Vo)さんが洋楽をカバーしてるのが僕も洋楽を聴くようになったきっかけで。ADELEさんの「Hello」とかEd Sheeranさんの「The A Team」って曲とか、僕が洋楽を知るきっかけになったのがTakaさんのカバーで。王道からいろいろと聴くようになったって感じですかね。

-「Hello」は究極の歌という感じだし。

ほんとピアノの音だけで完結できるメロディ・ラインですから、すごいなと思います。

-れんさんにとってはメロディ・ラインが一番大事ですか?

結構音楽聴くときは歌詞よりメロディが先に聴こえてきて、そのあとに"あ、こういう歌詞で、こういう意図があって"ってなるので、そこは自然にメロディが重視されているかなって思います。