Japanese
碧海祐人
2023年10月号掲載
Interviewer:石角 友香
海外のインディーR&Bやオルタナティヴ・フォーク、国内外で進化を遂げる新世代ジャズなどをDTMで並列し、メロディが際立つポップ・ミュージックに落とし込むアーティスト 碧海祐人。サブスクでの音楽摂取がポピュラーになった2010年代後半、制作や表現スタンスの近い君島大空や浦上想起らに続く存在として彼の作品に出会ったリスナーも多いはずだ。今回はバックボーンや現在のスタイルへの大きな影響となった出来事から、9月にリリースした新曲「光を浴びて」で起きた変化、そしてサブスク全盛時代において、彼自身の音楽はどんな存在でありたいのかなどについて話を訊いた。
-そもそも自分で音楽をやってみたいなと最初に思われた要因はなんだったんですか?
小さい頃から歌うこととか、音楽が近くにあって。結構アウトドア志向の家庭だったんですけど、出掛ける行き帰りの車の中でJ-POPのトップ・チャートをずっと流すような家だったので、それが意識したきっかけになるかなと思います。そこから中高に進むに連れて、どこかで音楽やりたいなぁっていう気持ちはあって。バンドを組んでみようとかいろいろあったんですけど、ひとりという形に落ち着きました。
-楽器としてはアコギが最初なんですか?
そうですね。しっかり自分から手を出したのはアコギで。一応小学校2~3年生のときにピアノをやってたことがあるんですけど、嫌々だったので、アコギが一番ちゃんとやり始めたところかなと思います。
-その先ギタリストとしてっていう感じではなかった?
そうですね。J-POPを聴いてきて、歌メロが好きで、それこそカラオケとかひとりで歌うことが好きだったので、家でも結構歌ってたし。その伴奏をカラオケに行かずに家でやる方法としてギターを手に取っている気がします。
-軸は歌なんですね。
そうですね。歌がすごく好きなんだと思います。それは今も変わらないですね。
-歌いたい気持ちが自分で曲を作ることを牽引していってるんですかね?
僕の中に2軸あるんですけど、もの作りに対しての憧れというか、いわゆる図画工作とか美術みたいなこともものすごく好きで。真っ先に教室に行って、真っ先に作業を始めて、真っ先に終わらしているタイプだったんですけど、何かを作ってそれを誰かに見てもらうことがすごく好きで、たぶんそれが今の音楽を作るというところになってて。それがなんで音楽になったかっていうと、本能的に歌うことが好きだったということに繋がってくるのかなと思います。でも結構勉強も好きだったので、数学とか物理もめちゃめちゃ好きだったんですよ。
-ちゃんと考えて構成することが好きなんでしょうか。
今アレンジまでやっているんですけど、論理的な展開をしていくとか、何か1本出てきた糸を幹にして、どんどん太くしていく作業の中では、論理的に、客観的にというか、ちょっと俯瞰で体系的に見て整理整頓してっていうところはすごく役に立っていると思います。でも同時に僕は感覚で動いている節がすごくあって、その感覚の根拠づけをしないと怖いっていう性格なので、"こういうのが作りたい、直感的にたぶんこうだと思う"っていうことに対して、いろんな外部の環境や誰かの意見とか、そういうものも一度自分の中に入れて、そこから客観的に見たうえで、その直感を説明できるようにしていくということを、基本的にすべてにおいてやろうとしてる気がしますね。
-徹底してますね。
最近ちょっとそれを怠ろうとし始めていて(笑)、それがちょっと難しいんですけど。やっぱどうしても時間がかかることなので、自分の中で一度全部整理して、その中でこの違和感はたぶんこうだから置いといていいとか、そういうデータ分析的なことをしている節があると思います。
-それは曲作りだけじゃなく、いろんな具体に対して"これはなんで存在してるんだ?"みたいなこと考えちゃいがちですか?
めちゃめちゃ考えちゃいますね。もう今この部屋にあるものだけでも全部"なんで?"を常に考えてるっていうか。なんで時計が今こっちの壁面にあるんだろうとか、なんでこの壁の色がこうなんだろうとか、それも結構知識がいることがどんどん増えていくので面倒臭いんですけど(笑)。
-音楽表現以前に物事の捉え方としてあるんですね。
それはすごいそうだと思います。ちょっと考えてたことと繋がるんですけど、何かの感情や情景を記録しておきたいなと思って、言葉を選んだりしてそれを説明するとするじゃないですか。この説明ってすごく不完全だなと思ってて。言葉にはやっぱ言葉のイメージが各々にあるし、その言葉がどういう文脈で使われるかによって意味が全部違うから、言葉だけではその感情とか風景が起きている奥にあるものがその場に留めておけないというか。それを再定義するような作業なんだという気がしているのが、今のとちょっと繋がるな、そういうことかって思ったんですけど。だから何か理由を探していて、その奥にあるもやっとしたいろんなものの共通点になるもの? がなんなのかを曲にしてるんじゃないかという気がしているんですけど、どうでしょうか(笑)。
-なるほど(笑)。少し時間を戻すのですが、大学2年のときに出会った米津玄師さんの『BOOTLEG』の存在が大きかったそうですね。
はい。
-それはすごい象徴的ですね。
そうかもしれないですね。大学に入って、自分が音楽を作るっていう作業ができるようになった、アコギでジャカジャカやって曲と詞を作るだけではないところまで行けたときに出会ったことによって、僕にとってすごく意味があるものになったんですけど、すごく影響を受けていると思うし、米津さん自身にも影響を受けていると思います。
-その頃は洋楽も聴いてたんですか?
その頃は聴いてないです。まだJ-POPしか聴いてなくて、ちょうどそのタイミングでPCを買ってGarageBandが手に入ったり、曲を作ってアレンジするっていう作業をしていて。それでどうアレンジをするかとかを考えてたんですけど、そういう意味で『BOOTLEG』の楽曲は他とは全然違うなと感じました。それと同時に"これどうやって作ってるんだろう?"と、おそらくアレンジに一番最初に興味が行ったと思います。もちろんメロディもすごいんですけど。
-そこから聴くものも国内外ともに広がって?
そうですね。特に国外の音楽はそこからっていう感じで。ある種"遅れを取り返さないと"じゃないですけど(笑)、世の中のアレンジしている20歳ぐらいの人はたぶんとっくに聴いてるものに手をつけていなかったので。これは少しずつ掘って広げて体系化して、自分でちゃんと整理しながらバーッて聴いていかないといけないっていうのがあって、その頃はジャンルとかをすごく細分化して自分の中で調べてました。
-米津さんの『BOOTLEG』に出会ったのは絶妙なタイミングだったんですね。
"音楽やりなさいよ"っていうことなのかなと(笑)、僕はそのとき汲み取りましたね。
-米津さんの影響下にある人で、碧海さんみたいな音楽性に行く人は珍しいかもしれないですね。
そうですね。結構ボカロPから同じ道を辿ってじゃないですけど、J-POPに行くっていう人が多いイメージがあるので。僕はたぶん、もの作りに対しての熱量が芸術とか表現に対して向いた気がしてて、だからみんなに聴かれるということ以上に自分のとか、そのもの自体のエネルギーみたいなものに方向が向いたんじゃないかな、というふうに認識しています。
-オリジナルで最初に世に出したのは「秋霖」(2019年リリースの楽曲)ですか?
そうですね。サブスクで出した1曲目が「秋霖」になります。
-2019年からまだ何年も経ってないですけど、短い期間でどんどん音像や構成も変化していますが、碧海さん自身が転機だと感じる曲はなんですか?
なんだろうな......難しいですね。「夕凪、慕情」(2020年9月リリースの1st EP『逃避行の窓』収録)は実は「秋霖」を作る前に作っていて、サブスクで配信をする前にYouTubeに上げてた時期があって。時系列的には前になっちゃうんですけど、「夕凪、慕情」を作ったときが僕は"面白いな"って思いましたね。思ったよりみんなメロディをいいって言ってくれるなぁっていう実感とか、兄がいるんですけど、"これはすごいぞ"って言ってくれて(笑)、兄貴も見る目が変わったというふうに言ってて。あの曲の前後で、自分でも自分の印象がちょっと変わりましたね。
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