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INTERVIEW

Japanese

"GIANT LEAP THE RADIO" J-WAVE MC 藤田琢己

"GIANT LEAP THE RADIO" J-WAVE MC 藤田琢己

インタビュアー:杉江 由紀

新たな可能性を発掘すべく、A-Sketch、エイベックス・エンタテインメント、ヤフーが中心となり、東京のJ-WAVEと大阪のFM802がオフィシャル・メディアとして参加する、新人開発音楽プロジェクト"GIANT LEAP"が、今とても興味深い展開を見せ始めている。今回はJ-WAVE "SONAR MUSIC"内でオンエアされている"GIANT LEAP"のオフィシャル番組"GIANT LEAP THE RADIO"にてナビゲーターを務めている藤田琢己氏にご登場を願い、番組内で接してきている"GIANT LEAP"の優秀アーティストたちに対する印象なども含め、ここからの音楽シーンを見据えた言葉を多々いただくことができた。

-藤田さんはJ-WAVEの"SONAR MUSIC"内でオンエアされている"GIANT LEAP"オフィシャル番組"GIANT LEAP THE RADIO"にて、現在ナビゲーターを務めていらっしゃいます。そして番組では、新人開発プロジェクト"GIANT LEAP"と連動するかたちで、いろいろな気鋭のアーティストたちの楽曲もオンエアされているそうですね。シーンの未来を担っていくであろう、新たな可能性を秘めたブライテスト・ホープたちのサウンドに触れていくなかで、藤田さんが今リアルに感じているのはどのようなことになるでしょうか?

すごくワクワクしながら、様々なアーティストたちの生み出した新しい音楽を聴かせてもらってます。というのも、僕たちはラジオ番組をやっているわけですから、普段はとてもメジャーなアーティストの曲だとか、すごくライヴ動員のあるアーティストの曲なんかもたくさんかけさせていただいたり、ご紹介させていただいているので、今の流行りやシーンの流れみたいなものには、わりと多く接していることになると思うんですよ。ただ、次の時代に繋がっていくような音楽に触れる機会は、これまでだとそんなになかったんですよね。だからこそ、この"GIANT LEAP"を通じて知った新人の方たちの音楽というのは、とても新鮮に感じるものが多いんです。中には、最初"なんじゃこりゃ!?"と驚かせられるようなものもあるんですけど(笑)、でもそれがもしかしたら次のスタンダードになっていく可能性もあるわけですから。今の僕や、僕たちが持っている基準や価値観を、思い切り壊してくれるような、新しいアーティストにここから出会えるかもしれないということに対して、僕は期待してワクワクしているんです。

-とはいえ、中にはまだまだ粗削りなものもあったりしませんか?

そこもいろいろですね。ちょっと粗削りだったり、あるいは何かにちょっと似ていたりすることもたしかにあると思います。そのあたりについては、番組に参加してくれている、いきものがかりの水野(良樹/Gt)君から、彼のソングライターとしての視点や、キャリアのあるJ-POPヒットメーカーとしての立場で、その都度解析しながら解説をしてくれているんですよ。"こんな言葉をこういうメロディに乗せるって、少し歪ではあるけど面白いよね"とか、そういう未完成で前のめりな可能性を感じることもまた楽しいです。

-"GIANT LEAP"の公式サイトを拝見すると、掲載されているアーティスト数の多さやジャンル的な多様性にも圧倒されます。相当な情報量が詰まっている印象ですね。

あとは、年齢層もかなり幅広いです。基本的に、若い世代の人が音楽を好きになった場合、まずはライヴハウスに行ってみるということをする人も多いと思うんですけど、それってすでにその段階で、ある程度の属性がもう決まっていたりするじゃないですか。ライヴハウスごとに、なんとなくジャンルの色分けがされているところがありますからね。いくら対バン形式のライヴだったとしても、ものすごい振れ幅のとんでもないラインナップを観ることは難しいと思うんですよ。その点、ネットはバイアスが掛かりにくいという特性があるんじゃないでしょうか。例えば、ひと口にボカロPと言っても、我々がすぐに思い描くのは、米津玄師(ハチ)さんやwowaka(ヒトリエ/Vo/Gt)さんだったりしますけど、一方ではそれこそムチャクチャ粗削りな人たちもたくさんいるわけだし、ネット上であればそこは良くも悪くも同じ画面上というか、"同じ土俵"に上がっていることになりますからね。そこのすごさというのは、本当にインターネットならではですよ。"GIANT LEAP"のサイトにもいろんなタイプの人たちがいて、勢いのいい若者たちもいれば、"このおじさん、すげぇ頑張ってるなぁ!"っていう人なんかもいるっていう(笑)。その分け隔てのない雑多な感じが僕は好きです。

-それだけたくさんエントリーされている中から、先だっては"1st GIANT LEAP PRIZE"としてBuzz Bratsが選出されたそうなのですが、彼らに対して藤田さんが持たれたインプレッションについても教えてください。

音楽的に大別すれば、彼らはラップをやっているということになると思うんです。だけど、いわゆるラッパーというイメージのアーティストともまた違うんですよね。ヴィジュアル的な面でも決してそこに留まらない雰囲気を持っているし、これまでのヒップホップ文化の中で言う、コワモテでワルなイメージのB-BOYみたいな流れとは、まったく異なる存在感を持っているところがいいなと感じました。かといって、今のネット・ラップにありがちな、"内向性は強いけど、でもラップが好き"というスタンスでも全然ないし、色気のあるお兄ちゃんがふたり出て来てラップをやっているというこの感覚が、非常にいいですよねぇ(笑)。

-たしかに。トラックの音像にしても、端々まで洗練されているなと感じます。

そうそう、センスがいいんです。ちなみに、Buzz Bratsのことを初めてラジオで取り上げさせてもらったのが、うちの番組の"GIANT LEAP"のコーナーで、ゲストに来てくれたときの彼らが醸し出していた、なんとも若々しくて初々しい感じが、好感度高かったです。ラジオなんだけど、ゴールド・チェーンとかしてお洒落もしていてね(笑)。"あぁ、これは気合が入ってるなぁ"っていう姿勢をトークからも感じました。水野君とも、"ああいう感じ、新しい世代感があってすごくいいよね!"って盛り上がりましたね。

-ラップやヒップホップのネクスト・ステージを、Buzz Bratsのようなアーティストが担っていってくれるといいですね。

ラップ自体は、ずいぶん前から洋楽の世界では主流となるフォーマットのひとつとなっていますし、日本でもフリースタイルのバトルがあったり、そういう系統のTV番組が盛り上がっていたりしますけど、まだそれでも、ラップって限られた人たちだけのものみたいなところが、日本では多少あるような気もするんです。そういう意味で、Buzz Bratsみたいなアーティストが活躍していってくれることによって、そこから変わっていくことが出てくる可能性はありますよね。何かを全部クリアしていないとラップをやっちゃいけないなんていう時代は、もう完全に終わっているわけだし、自分たちの表現したいことをかたちにしていくために、ラップをひとつの要素として使うっていう手法が、ここからさらに広がっていくんだろうなという予感も彼らの音楽からは感じます。

-そして、"2nd GIANT LEAP PRIZE"として、この取材後にゲスト出演することになっているのが、Leap Lightです。彼らはギター・ロックを前面に押し出したロック・バンドとなるようですが、藤田さんは彼らの奏でる音に対してどのような印象を受けられましたか?

いやー、まっすぐですよね。とても率直なギター・ロック・バンドだと感じました。ヒップホップの新しいかたちを提示しているBuzz Bratsと逆で、Leap Lightはまさにギター・ロックの王道を行っているところがいいです。そして、王道とは言っても、最近の音楽シーンの中でこれを最前線でやっている人は、意外と少ないんじゃないかと思うんですよ。

-なるほど、そうかもしれませんね。

ダンサブルな感じを取り入れたり、奇をてらったりというバンドは増えていますし、最近のフェスなんかでは四つ打ちロックの流れからの"じゃあ、その先にどうしたらいいのか"というところで、みんな結構模索をしているところがありますからね。フェスで盛り上げてなんぼみたいなところを重視しているバンドが多くなっている今だからこそ、ギター・ロックの王道の音で自分たちの思っていることを素直に歌って伝えている、Leap Lightのようなバンドが際立ってくるところはあると思います。若さゆえのって言ったら失礼にあたるのかもしれないけど、そこは間違いなく彼らの特権だと感じますよ。僕からすると、今そこを一番大きな音で鳴らしてほしいバンドですね。

-おにぎりで言えば、Leap Lightは塩むすびのような味わいのバンドなのかもしれません。クリームチーズだの、からあげだの、あれこれと具に凝るのもいいけれど、結局は"このシンプルな塩むすびが、やっぱり落ち着くんだよなぁ"となってしまうようなところに好感が持てます。

そうですね。知恵や知識は、ここからいくらでも増えていくでしょうし。いろんなトッピングを増やしていくことができると考えたら、土台となる一番大事な米と塩だけでも充分においしいものを作れているというところは、極めてポイントが高いと思います。Leap Lightには、彼ら自身の持っている素材感を大事にしてほしいですね。今度、番組で初めて会うのも楽しみですよ。