Japanese
JACK=ON=THE=FIDDLE
Member:河田 心(Vo/Gt) 角田 國光(Gt) 鬼束 悠(Ba) 川淵 誠(Dr)
Interviewer:渋江 典子
2017年1月結成、アメリカのルーツ・ミュージックと日本のギター・ロックの融合を目指し大阪で活動する4人組、JACK=ON=THE=FIDDLE(読み:ジャックオンザフィドル)。異なる音楽に影響を受けている4人が作り上げた2ndミニ・アルバム『[Your Song]』では、多様な音楽とギター・ロックが見事に溶け合い、彼らなりの新たなスタンダードを示している。グルーヴィでライヴでの大シンガロングが目に浮かぶ同作の収録曲「Easy Lazy Groovin'」でエントリーした新人発掘プロジェクト"GIANT LEAP"では"2nd GIANT LEAP PRIZE"に選出。さらに、スペシャル・ライヴ"GIANT LEAP THE LIVE vol.1"への出演も決定している。今回は、そんな彼らにメール・インタビューを敢行した。
-もともと、どういうふうに始まったバンドなのでしょうか?
河田:僕が大学の軽音学部仲間のベースの鬼やん(鬼束)に声を掛けたのが始まりでした。当時は僕もレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)にハマっていたので意気投合して。そのあとに、香川県さぬき市からやってきたマイペースなドラマー、ぶっち(川淵)を発見しました。吹奏楽部出身だったので普通のドラマーとは違っていて、なんかこれは面白いなと。そうして真面目でストイックな3人でバンドを始めました。そのあと元気印のリード・ギター、角ちゃん(角田)が彗星の如く大阪の南の方から現れました。やっとバンドに光が差し込み、JACK=ON=THE=FIDDLE結成です。角ちゃんが入ってから全員のIQが下がったと思っています。もちろんいい意味で。
鬼束:それまで真面目すぎて常に神経を使っていたんですけど、一番明るい性格の角田さんが加わったことで、オン/オフのメリハリがつくようになりましたね。
角田:ほんまにくだらん話しかしてない自信がある......。休憩時間には、だいたいみんなが一度は聞いたことのある少年マンガのセリフを言ってしまうくらいの中二病です。
-オフィシャル・サイトを拝見したところ、影響を受けた音楽が4人様々なようですが、今の4人の音楽性は近いのでしょうか?
河田:近からず遠からず......意味は違いますがそんな感じですかね。4人とも別々の音楽をルーツにしているので、"全員が好きな共通のバンド"を挙げるのは難しいかもしれないです。強いて挙げるなら"JACK=ON=THE=FIDDLE"なのかもしれません。楽曲を編曲するときに、もし全員が似たルーツであればそのジャンルの"あるある"みたいなのを詰め込んでしまうと思いますが、JOTF(JACK=ON=THE=FIDDLE)はそれがないので新鮮で楽しいです。4人のルーツが様々でも、1曲に向けての心はひとつだと思っています。
-バンド名"JACK=ON=THE=FIDDLE"の意味を教えてください。
河田:"JACK"は霜の妖精、Jack Frostから寂しい冬を象徴するものとして。"FIDDLE"はブルーグラスやカントリー・ミュージックで使うときのバイオリンの呼び方で、陽気な春を連想させるものとしてバンド名に入れました。"Jack on the fiddle"、直訳すると"フィドル弾きのジャック"みたいな感じですかね。"陽気な音楽があれば寂しがりやでも楽しくやれるさ"みたいなところです。"="については......また次回!
-2ndミニ・アルバム『[Your Song]』の収録曲はほとんどがラヴ・ソングですね。何かコンセプトを掲げて制作されたのでしょうか?
河田:ミニ・アルバムのタイトルが"Your Song/あなたの唄"と決まったのは自然なことでした。以前は"自分対自分"の詞を書くことが多かったのですが、バンド活動を始めるとたくさんの人に出会えて、僕自身の視野も広がり、自然と"誰か"に対する詞を書くようになりました。本当に自然と。そうすると、ミニ・アルバムのタイトルもこれだなと自然と決まりました。アルバム・タイトルに入っている"[ ]"はタイトルを"本っぽく見せられたら"という思いでつけました。各曲それぞれを"短編の物語だと思ってもらえたら"なと。
-7曲すべてが違った曲調で非常に面白い作品でした。1曲ごとにテーマを持って制作されるのですか?
河田:ありがとうございます。そうですね。4人で楽曲を作るのにも慣れてきたタイミングだったので、"今回はいろいろ挑戦してみたい"とUKロックにロカビリー、モータウン......いろいろと自分の中の引き出しを使ってみました。JACK=ON=THE=FIDDLEのコンセプトが"サザン・ロックとギター・ロックの融合"なのですが、前作のアルバム(2017年リリースの1stミニ・アルバム『===』)は"ギター・ロックにルーツを入れる"という形で作り、今作は"ルーツ・ミュージックにギター・ロックを入れる"という形式で作ってみたのでテーマが豊富になりました。それぞれの色を楽しんでもらえたら嬉しいし、その中でも"お気に入りの1曲"みたいなのを見つけてもらえたらと思います。
-楽曲に英語詞が多く出てくるのは、何かこだわりがあるのでしょうか?
河田:僕がもともと日本で言う"洋楽"ばかりを聴いていたので、"音楽=英語"というのがどうしても自然なんです。お米には焼き鮭、トーストにはピーナッツバター。それぐらい当たり前の組み合わせで。ですが、今はトーストに焼き鮭を乗っけても美味しいなと思っています。よくわからない例え話はここまでにして、"英語でないと伝わらない音楽のニュアンス"があるように"日本語でしか伝えられない表現のニュアンス"もあるので、今はそうやってバランスをとっています。案外、"英語の部分が詞の核心をついている"なんてこともあるので、そこは歌詞カードで確認してもらえればなと。
鬼束:英語詞が出てくる流れも発音も自然で、意味に加え語呂や韻、それによって得られるフローも大切にしているので、英語詞はJACK=ON=THE=FIDDLEのサウンドに欠かせないものだと思っています。
角田:僕はこの英語詞の意味をヴォーカルの心さんに教えてもらって、こっそりと英語の勉強をしています(笑)。
-メンバーみなさん影響を受けた音楽が違うからか、洋楽と日本のロックがうまく融合しているなと感じます。アレンジはどんなふうにされているのですか?
河田:アレンジ、編曲の前段階の話からになりますが、僕は作曲の時点で楽曲のイメージがかなりできあがっている方だと思います。なので、アレンジはスタジオで3人と"この曲はここをこうしてあげた方が"と話したりして、楽曲が求めているものを4人で探していくという形が多いです。そこで予定外、想定外のものが出てきて"この曲、本当はこうしてほしかったんだな"と気づけたとき、本当に楽しいですね。編曲は自由なパズルのように見えるけれど、答えがどこかにすでに用意されていて、それを探求するものだと僕は思っています。
角田:攻めたフレーズが採用されるとすごく嬉しいし、アレンジは"バンドって楽しい!"と思わせてくれるものです。
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