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INTERVIEW

Japanese

Pororoca

Pororoca

Member:北原 魁人(Vo/Gt) 井上 広大(Gt/Cho) 小田 衣里子(Ba/Cho) 山田 太郎(Dr/Cho)

Interviewer:高橋 美穂

このたび"4th GIANT LEAP PRIZE"に選出された4人組バンド、Pororoca(読み:ポロロッカ)。2014年に結成、2018年4月に紅一点の小田衣里子が加入し、現在の編成に。そして、今の自分たちの実力を多角的に発揮した3曲入りの2ndシングル『ローカルトレイン』を12月21日にリリースしたばかり、という絶好のタイミングでインタビューは行われた。誰もが自身を重ね合わせやすい歌詞とメロディ、それでいて様々なジャンルを消化し、音色にこだわったトラックが、プロフェッショナルな才能を感じさせる。ぜひ注目してみてほしい。

-いきなりですけど、山田さんのお名前は本名なんですよね?

山田:はい、もちろんです(笑)。

井上:僕がメンバーを探していたときに、友達が見つけてくれて。"名前が山田太郎"と言われて、ウソだろ? と思いました(笑)。

山田:いろんな記入例に使われる名前なので、よく"ご自身の名前を書いてください"と言われます(笑)。でも、覚えてもらいやすいので。

-そんな山田さん、そして井上さんと北原さんは、同じ教育大学のご出身だそうですね。

井上:このふたり(北原、井上)は小学校の先生になろうとしていたんです。僕は今も講師として働いていて。前のベースは先生になったので、バンドをやめたんです。

北原:"お母さん、俺、先生になるよ!"って東京に出てきたのに、"やっぱバンドマンになる!"って(笑)。

-(笑)それくらい、このバンドに夢中になってしまったんですね。このバンド以前のキャリアは?

北原:学園祭でやる程度でしたね。もともとは陸上部で、ガチガチの体育会系だったので。

井上:僕はバトミントン部に所属しながら、バンドもやっていて。大学に入ったら、バンドでオリジナル曲を作りたいと思っていたんです。でも、サークルはコピー・バンドばかりだったから入らずに、自分でバンドのメンバーを探しました。

-ということは、Pororocaは最初からオリジナル曲をやっていたんですか? コピーはやったことはありますか?

井上:したことないです。

-なるほど! 音楽性は今と一貫していますか?

井上:単純にギター・ロックみたいなところではやりたくなくて。例えば、ロックっぽいけど和風のメロが入っていたり、ジャズっぽいものが入っていたり、ブルースっぽかったり、いろんなジャンルが入っている音楽をやりたかったんです。軸足はロックに置いて、もう片足はいろいろ動きながら、聴きやすい歌モノにしたいっていう考えが最初からありました。

北原:そういうものをやりたいっていう気持ちはありつつ、技術が追いついていなかったんですけど、やっていくなかでスキルが身についていった感じです。

-山田さんは、このバンド以前に音楽の経験はあったんですか?

山田:高校に軽音楽部がなくて吹奏楽部に入ってたんですけど、"吹奏楽部でドラムやってるからできるだろ"ってことで学園祭に出るためにコピー・バンドに誘われて、それから大学でもバンドをやりたいなと思ったんです。大学で軽音サークルに入って、コピーも楽しいけどオリジナルも作りたいなぁと思っていたら、ちょうど声を掛けてもらったっていう。

-ロックにいろんなジャンルが入っている音楽性を目指しているということは、メンバーそれぞれが好きなジャンルも様々なのでしょうか?

山田:結構バラバラだよね。

井上:僕はジャズも好きだし、ロックンロールや昔のものも好きです。あとは、オルタナチックなものも好き。あと、THE BEATLESとかも好きなんですけど、狭いところで鳴っているような音楽が好きで。

-あぁ、スタジアム・ロックというよりも?

井上:そう。土着的な、酒を飲みながらやっているような音楽の方が好きなんです。でも、こっち(北原)はスケールが大きいものが好きで。

北原:僕、出身が長野なんですけど、母親が聴いていたのはドリカム(DREAMS COME TRUE)やサザン(サザンオールスターズ)で、かたや父親が聴いていたのはヘビー・メタルで、あとはおじいちゃんおばあちゃんが聴いていた演歌もあって、そういう影響でわりとなんでも聴いてきた感じです。ただ、歌がちゃんと聴こえるものが好きですね。

井上:僕は演奏やコードも聴いてきた人間なので、曲を作ると軽い聴き心地になってしまったりするんですけど、そういうときに(北原に)ガツンとしたサビを作ってもらったりするんです。太郎は太郎で、キャッチーなものを作るのが得意で。「ローカルトレイン」は太郎がメロと歌詞を考えたんです。

-メンバーひとりひとりが関わっているからこそ、いろんなジャンルを混ぜ合わせることができるんですね。

井上:そもそも、人間性も違うんです。僕はズバズバ言う性格なんですけど、(北原は)優しい。だから、特にここ(北原、井上)は互いに学び合えるところがあるんです。

北原:そうですね。持っているものとないものがちょうど噛み合っているのかな。

-そして、小田さんが加入したのは2018年の4月。小田さん、まだ学生さんなんですよね?

小田:はい、大学生です。(井上が)バイトの先輩だったんです。

井上:ジャズ・ライヴをやるレストランみたいなところだったんです。そこで(小田が)新しく入ってきて、バンドを探していて、ベースをやっていると。これは! と思って。

小田:ノリで入っちゃいました(笑)。それこそ、私は好きだったものも、もともとやっていたものも(Pororocaとは)まったく違ったので。ブラック・ミュージックやジャズ・ポップ、ネオ・ソウルとかが好きで、Pororocaのような音楽はよくわからなくて右往左往で......。

-でも、バンドとしては幅を広げるいい戦力じゃないですか?

井上:うん、面白いですよ。

小田:でも、できないことはできないです。

井上:うん、できないことはできないね!

-やっぱりはっきり言う(笑)。

井上:もともとのベースはベタベタ弾くイメージだったんですけど、(小田は)点が際立つようなベースが好きだったんで、そういうのが合う曲のときには"こういう方がカッコいいですよ"ってはっきり言ってくれる。2歳下なんですけど、そこも気にせず言ってくれるんで、そういうところはいいなって。

小田:「HERO」(2017年3月リリースの1stミニ・アルバム『明日あなたに会えるなら』収録曲)は得意ですね。

井上:「HERO」はロックンロールで、あとラテンっぽい「102」(2017年12月リリースの1stフル・アルバム『東京にて』収録曲)も引き締まったよね。