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INTERVIEW

Japanese

Buzz Brats

 

Buzz Brats

Member:bunTes REGØLITH

Interviewer:石角 友香

キャッチーなフックと、ふたりの個性が際立つラップで広くポップ・ミュージックのリスナーにもアピールしそうな2MCラップ・ユニット、Buzz Brats。avex/A-Sketch/Yahoo! JAPAN/J-WAVE/FM802が共同で行っているアーティスト育成プロジェクト"GIANT LEAP"で第1回優秀アーティストにも選出された彼らが、7月28日にニューEP『EVE』をリリースした。なお8月8日に開催される"GIANT LEAP THE LIVE vol.1"にも出演する彼ら。ラップ・ミュージックの新潮流になりそうな注目株の、本格的な初インタビューをお届けしよう。

-ふたりの音楽的なルーツはどんなヒップホップなんですか?

bunTes:自分の場合は、フリースタイルが流行ってたので、一応それから入っていきました。環ROYさんって方がいるんですけど、その方のフリースタイルを観て、自分も"ラップ始めたい!"と思って、そこからどんどん入っていって今に至るって感じですね。

REGØLITH:自分は小学生のころにRIP SLYMEとかKREVAさんを聴いたときに、ラップって歌唱法がかっこいいと思って、そこからメインストリームの方だけじゃなく、少しアンダーグラウンドな方まで聴くようになった感じです。歌モノも好きですね。

-高校生ぐらいだと地元の駅前でサイファーやってたりしますが。

bunTes:あ、自分たちも最初サイファーで知り合ったような感じです。

-へー! 地元はどこなんですか?

REGØLITH:江戸川区の葛西ですね。東京の一番端なんですけど。

-海外のヒップホップはいかがですか?

REGØLITH:自分たちUSの音楽は疎いんですよ。聴かないことはないんですけど。

bunTes:聴くとしてもEMINEMと、最近は韓国系が刺激的になってるので聴いてますね。

-それと並行してリスナーとして聴いてたものってありますか?

REGØLITH:オールジャンル好きなんですけど、桑田佳祐さんはめちゃくちゃ好きですね。幼いころから自分の親父が聴いてた影響もあると思うんですけど。小さいころに聴いてていいと思った音楽なんで、今聴いても懐かしいし、いい音楽だと思っちゃうんですね。古臭く聴こえないというか。それになんでもできるじゃないですか。フォークだったりブルースだったり、レゲエだったり、そういう多彩な音楽を作れるところは昔から魅力的だなと思って聴いてました。

-bunTesさんはいかがですか?

bunTes:自分はヒップホップ以外だったら中田ヤスタカさんの音楽が好きで、Perfumeから入ってcapsuleを聴くようになりました。四つ打ちが結構好きで、そこにラップをしてる人は少数なんですけどいたりして、それがめっちゃ面白いなと思ってたんです。サウンドも好きだし、そのサウンドにラップを入れたら面白いんじゃないか? とずっと思ってました。そのときはラップをやってなかったんですけど(笑)、でも、ずっと考えてて。それと、中田さんは掴めない感じの歌詞というか、聴いた人それぞれが考えて且つ観点が変わるような歌詞が好きなんです。そういうところが魅力的でずっと聴いてました。

-最初はどんなビートやトラックでフリースタイルをしてたんですか?

REGØLITH:結構、雑食でしたね。直感でかっこいいとかノレると思ったら、別にこだわりは特になく"ラップしてみれば楽しいじゃん"って感覚でフリースタイルをしてましたね。

-そのチョイスが今のBuzz Bratsの音楽性にも影響を与えていますか?

REGØLITH:そうですね。"こういうのが好き"ってそれ1本でやるんじゃなくて、こういう音でもこういう音でもやってみたいって欲張っていて。できるかぎりいろんな音で、聴いてて楽しかったり、耳心地がいいアプローチだったりができないと、多彩にはならないなと思うので、そこは一応気をつけて作ってますね。

-USの音楽は疎いと言いつつ、今のラップはマッチョイズムとは対極の、個人的な悲しみなど、グランジ的な表現が多いですよね。Lil Peep以降のムーヴメントはチェックしていますか?

bunTes:見てはいますね。ソロで作るときは弱い部分ばっかり......あんまりメンタルが強い方じゃないんで(苦笑)、人に言ってるようで自分に言ってるみたいな歌詞が多いんですけど、グループで作るとポジティヴともネガティヴとも言えず、真ん中あたりになる気がします。

REGØLITH:真ん中になっちゃうんだよね、たぶん。俺はあんまりネガティヴなものが好きじゃなくて。ただ、ふたりで曲を作るとなるとお互いに妥協点を探り合うとかじゃなくて、それぞれが書ける歌詞を書けばいいんじゃないかって感じでやってます。

-今回のEPは恋愛がテーマなのかなと思うんですが。

bunTes:そうですね。5曲全部、恋愛がテーマにあって、曲順を1~5まで決めたんです。大雑把っちゃ大雑把なテーマですけど、1曲目が付き合ってる状態で"楽しい、絶頂"ってなって、2曲目で"もういいから別れよう"って曲、3曲目に片想いしてiPhoneでLINE送ってるような描写の曲、で、次の曲では付き合ってたのに浮気されてそのまま寝取られたって感じで、REGØLITHは――

REGØLITH:好きな人がいるけど、その人には別に好きな人がいるって状態。

bunTes:最後に原付で帰るっていう(笑)。そこはちょっとジョークの部分でもありますけど。5曲目はちょっと恋愛っぽくない感じで、いろんなものを失ったけど、最後に捨てたくないものはお前だよ、みたいな感じの曲にしてて、一応、音楽と女の両方の意味合いで取れるように書いた歌詞ですね。

-全編ラヴ・ソングというのは日本のラップでは珍しいと思います。

REGØLITH:今まであまり着手したことがない部分で。特別抵抗があったわけではないんですけど。

bunTes:俺は結構あった。

REGØLITH:(bunTesは)"恋愛の曲は作らねぇ"って、初めて会ったころから言ってて、"やってみたら面白いかもしんないよ?"みたいな感じだったんですけど。今回2曲、恋愛の曲を作って、"じゃあ、恋愛の曲だけで次に作るEPを完結させちゃおうか?"って話になって残りの3曲の制作に入った感じなんです。

bunTes:でも思いの外、抵抗なくスラスラ全部できちゃった感じです。

REGØLITH:歌詞を作るってなったら創作なので、自分がこういうストーリーにしようと思えばなんでも書けるじゃないですか? 共感できる歌詞を作ろうというコンセプトで書いてたわけではないんですけど、多少リアリティがあったり、自分とは違う人の恋愛観で書いてみたりっていうのは面白いんじゃないかなと思って。全部が全部、自分に置き換えて書いたわけじゃないですね。

bunTes:おそらく書けなかった時期って、本気で女に関して書こうと思ってた時期かもしれなくて。今回は音楽っていう観点で"彼女"っていうものを書こうとしたらスラスラ書けました。いわゆる黒いヒップホップじゃない部分じゃないですか? 今回の曲たち自体は。そこから離れていく自分みたいなのがあって、そういうものと失恋だったり、失ったけど捨てれない気持ちだったりを"黒いヒップホップから離れていく自分"みたいな部分も含めて書いたので、スラスラ書けたのかもしれないです。