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INTERVIEW

Japanese

らそんぶる

2025年05月号掲載

らそんぶる

Member:そら(Gt/Vo) ゆー(Gt) なんちー(Ba) みやび(Dr)

Interviewer:サイトウ マサヒロ

2024年1月に結成し、それから1年で初ワンマン"~ らそんぶる 1st BIRTHDAY LIVE ~『 START DASH ! 』"をソールド・アウトさせ、"JAPAN JAM 2025"へも出演する等、彗星のごときスピード感で支持を広げている東京 市ヶ谷発の4人組ロック・バンド、らそんぶる。SNSで約300万回の再生数を記録する、代表曲「ロックンロールに恋をしたんだ!」に象徴されるように、その言葉は瑞々しくてピュアだが、一方でロック・バンドとして誰かの人生を背負う覚悟をしたたかに宿している。激動の1年を振り返りながら、彼女たちの決意、そして目指すバンド像に迫る。

-4人の中でリーダーは決まっていたりするんですか?

そら:なんちーです! 数字に強くてお金に関することをいろいろやってくれて、事務的なことやメールのやりとりを取りまとめてくれるので。私は曲を作る以外何もできない(笑)。

-SNSのプロフィールによれば、ゆーさんがSNS運営とグッズ・デザインを担当しているそうですが、皆さんそれぞれ担当パ-ト以外の役割があるんですか?

ゆー:はい、私がSNSを動かしたり、絵を描いたりして。みやびはスタジオの予定を組むための日程調整をしてくれてる(笑)。

-4人でいるときの雰囲気ってどんな感じですか?

みやび:本当にこのまんまで、激ゆるですね。遠征中の車内では、ゆーとなんちーがずっと喋ってる。

そら:私はずっと寝てる。ノイズキャンセリングしてるので、2人の会話は聞いてないです(笑)。

-改めて、バンド結成の経緯について教えてください。

そら:同じ大学の同学年で、軽音サークルで出会いました。私はそれまでにも曲を作っていたけど、表立った活動はしてなくて、いよいよバンドをやりたいっていうことになって集めたのがこのメンバーでした。

-なるほど。この3人に声を掛けた理由は?

そら:女の子を集めようとは思っていて、ギターをバリバリ弾ける人がゆーしかいなくて。で、ドラムはみやびが一番上手かった。なんちーは、ベースが上手......くなりそうだったし(笑)、必要なキャラだったので。

なんちー:人柄採用(笑)。

そら:いざというときにはみんなをまとめてくれるし、険悪になったときに助けてくれる存在なので。

-さすがリーダーですね。

なんちー:ええ、まぁ......。

一同:(笑)。

-皆さんにとっては、らそんぶるが初のオリジナル曲でのバンド活動になるんですか?

一同:はい。

-結成時は、どんなバンドをイメ-ジしていたのでしょう?

そら:特に思い描いていた像はなくて。特定の誰かみたいになりたいってわけじゃなくて、私が作った曲をやるという、ただそれだけ。でも、私が作る曲も方向性が絞られていたので、"こんなバンドなんだな"っていうのはすぐに感じ取ってくれました。

-3人は初めてそらさんの楽曲を聴いてどんな印象を?

そら:最初は「いつかのうた」、「ロックンロールに恋をしたんだ!」(共に2024年7月リリースの1stデジタル・シングル『ロックンロールに恋をしたんだ!』収録曲)、「風船」(2024年11月リリースの2ndデジタル・シングル)の3曲だったよね。

みやび:最初に声を掛けられたのが私で、ただ"楽しそう!"と思って参加することを決めたので、その後に曲を聴いて"わぁ、こんなすごい曲が書けるんだ!"って驚きました。それまではコピバンしかやったことがなかったので、これがオリジナルとして自分たちの曲になるんだなっていう感慨があって。

ゆー:後出しみたいになっちゃいますけど、私は最初に聴いたときから"これはバズるな"って思ってました。好き嫌いが分かれずみんなに聴いてもらえそうなメロディだったから。

-ちなみに、"らそんぶる"というバンド名にはどういう意味が込められているんですか?

そら:大学の先輩がよく使っていた喫茶店の名前なんですけど、フランス語で"人の集まる場所"っていう意味があって。いろんな人が集まってくる場所のようなバンドになりたいという思いを込めて、この名前にしました。ただ、そのお店の名前自体はカタカナなんですけど、私はひらがなが好きで(笑)。後からエゴサしやすいっていうメリットに気付きました。

-2024年1月に初ライヴ("synthesis vol.08")を行って、今年1月に開催された初ワンマンは見事ソールド・アウト、そして5月5日には"JAPAN JAM 2025"へ出演する等、凄まじいスピードでスケ-ルアップを続けていますよね。この1年強を振り返ってみて、どのような期間でしたか?

そら:正直、最初は本当に目まぐるしすぎて付いて行けなかったです。来てくれるお客さん、聴いてくれる人の規模に自分たちが追いつけなくて、ちょっと焦ったりプレッシャーを感じたり。SNSの数字もバグかと思ってたし(笑)。ビックリしたし、怖さもありました。それからだんだん気持ちも身体も追いついてきた。人生で一番短い一年でしたね。

-ステージや制作を重ねることで、自信が伴ってきた?

そら:そうですね。覚悟と自信が後から付いてきた。今回リリースされた「START DASH★」は1周年に向けて作った曲なので、その心情がはっきり表れてると思います。

ゆー:私も、最初の1年は何が起きているか分からなくて、一瞬で過ぎていきました。

みやび:自分たちだけで活動を続けるなかで、一つ一つの選択が合ってるかどうかも分からないし、不安も大きかったです。ライヴでも最初は失敗しないことに必死でした。だけど、今はちゃんと楽しんでやれてるので、少しは成長したのかなって。

なんちー:私はバンドを始めてから本格的にベースを練習し始めたので、たぶんメンバーの中で一番演奏に自信がなくて。毎回ライヴが終わるたび"うわぁ、もう無理無理!"って感じだったんですけど、最近は楽しく演奏したほうがいいんだなということに気が付きました。

ゆー:"ライヴ"ができるようになってきたよね。

-そうした覚悟や自信を獲得することになったターニング・ポイントはありましたか?

そら:恵比寿LIQUIDROOM("Hype The Rock vol.02")とか"TOKYO CALLING"とか、大きなステージに立て続けに立たせてもらう機会があって、そのときに遊びじゃないんだなって自覚したんです。お金を払って観に来てくれてる人を相手にしてるわけだから、ちゃんとやろうっていう覚悟に繋がった。シンプルに大きいステージでライヴするのがめっちゃ楽しかったっていうのもあって、気持ちが変わったと思います。