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INTERVIEW

Japanese

マカロニえんぴつ

マカロニえんぴつ

マカロニえんぴつ

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メンバー:はっとり(Vo/Gt)

インタビュアー:渋江 典子

-「STAY with ME」も歌詞のリピートなど、リズム感がありますよね。洋楽へのリスペクトがビシビシと伝わってきました。

イントロとかはMGMTのオマージュなんです。わかるのかな? ほかにもヴォーカルのエフェクトとかドラムの音色とかもすごいこだわってて、エンジニアさんにも最初からこういうイメージでっていうのを伝えて作った曲です。

-でも、ちゃんとサビではマカロニえんぴつらしさがあるから不思議です。

洋楽にはサビがない曲もあるけど、それを日本でやってもウケが良くないし、自分たちがやってもハマらないと思うんです。それに、僕自身サビがないと絶対に嫌なんです。サビがキャッチーっていうのは、マカロニえんぴつとして結成当初からテーマとして大事にしていることなので。でもこの曲は特に、不自然なくらいサビで開けるじゃないですか。そういう点で、今回は新しい挑戦をしましたね。歌詞も、恋愛の曲がほとんどなんですけど、これはそうじゃない。流行り廃りのスピードがものすごく早い今の時代が、作り手としてすごく悲しいなと思っているんです。でもそれは誰も悪くなくて、捨てられないようにお前が頑張ればいいんだろって話で。だから流行りモノにはなりたくないなっていう想いを込めました。"ダメ、絶対"とか薬物っぽくなってますけど、刺激的な方がウケるんですよ。ただ、僕の偏見ですけどそういうものはあまり長く愛されてない。だからこそ、サビがキャッチーなJ-POPって日本が誇る素晴らしい音楽だと思うんです。"J-POPじゃん"ってバカにしてくる人もいるんですけど、いやいやJ-POPってすげーからって。90年代の音楽が未だに歌い続けられてたり、クリスマスになったら毎年流れてくる曲があったりする。そんな音楽がやりたい。長く愛されるポップ・ソング。

-「STAY with ME」にはそんな願いが込められていると。

離れていくときは離れていくけど、お願いだからついてきてほしいっていう願いですね。マカロニえんぴつに乗っかっていくことが決して安全な旅とは限らない。もしかしたらダメになるかもしれないし、それは自分たちも不安だし。でも売れるか売れないかわからない方が面白いじゃないですか。2番のサビの"天国寄りの地獄"ってフレーズにはそういう意味もあって。

-そのあとに"プライドがなきゃ走れねぇぞ"と続くのが頼もしいです。

光を燃料にして歌を作る人もたくさんいるけど、僕の場合は悔しさやプライドが燃料なので。だからやっぱり(周りのことを)気にしますよね。同年代のバンドがBLITZ(マイナビBLITZ赤坂)やLIQUIDROOMを即完させたりしているのを見ていると、悔しいなと思います。"俺もそこに行けるはずだ"って......ぶつぶつ言ってますよ、家でひとりで(笑)。

-悔しさを感じながら生きている人の方が多いと思いますよ。

まぁでもカッコ良くはないですよね。カッコ良くはないんですよ、マカロニえんぴつは。バンド名からして(笑)。だからこそカッコ悪い人の味方になりたいなって思います。それもあって、この曲で終わろうと決めてたんです。フェードアウトで終わるのも、続いていく感じがしてカッコ良くないですか? 切ない感じ――強気で歌ってるけど、不安はいっぱいあるから。

-それは、ここ最近勢いが出てきたことに対する不安ですか?

うーん、僕は『レモンパイ』はヒットしたとも思っていないんです。まぁ、今までに比べたら、そこから認知してくれた人が増えたのは間違いないんですけど。でも過去に『アルデンテ』を出したとき、わりと順調だったんです。下北沢SHELTERのワンマン("マカロックツアーvol.2 ~走り書き編~")のチケットもすぐ売りきれたし、全国リリース直後で「鳴らせ」(『アルデンテ』収録曲)のMVが伸びたこともあって、人がワッと寄ってきて。もちろんそれは嬉しかったし、ちょっと浮かれた。でもそのあとに、寄ってきてくれた人たちが離れてしまったんです。そういう経験があるから怖いというか。"次もこの人たちはライヴに来てくれるのか? 今だけなのかもしれない"っていう不安ですね。注目されるほど、それを超えなきゃいけないプレッシャーがいつもセットでついてきて、"このままいてほしい"っていう想いが特に強いなかでできた曲です。

-「トリコになれ」はバンドのことを歌っていますが、制作でこだわったことはありますか?

この曲はバンド・メンバーでスタジオに入って、ゼロから作りました。だからサウンド面ではバンドの個性がめちゃくちゃ出てると思います。"それいいね!"って大ちゃん(長谷川大喜/Key/Cho)のイントロから作り始めたりとかして。一番楽しかったなぁ、この曲作ってるときが。僕は歌詞を書くのが最後なので、いざ書くぞってなったときにこの曲でバンドのことを歌うのは自然なことでしたね。これまでそういう"僕たちがマカロニえんぴつです"っていう曲がなかったし。少しずつ認めてもらえてるなっていう実感があるから、ちょっと遅いけど自己紹介してみようかなって。

-バンド名のダサさについても触れていますね。

海外のバンドはダサいバンド名が多いですからね。なのにめちゃくちゃカッコいいから、バンド名はダサい方がいいんだよっていうメッセージです(笑)。賢也(高野賢也/Ba/Cho)がスラップを推してるんですけど、それがレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)感あったから自然にレッチリが浮かびました。それにしても、"大丈夫!"って何が大丈夫なんだよって感じですね(笑)。

-『CHOSYOKU』収録曲「クールな女」に続く長谷川さんとの共作"◯◯な女シリーズ"第2弾の「働く女」は、ほかの曲とは少し違った雰囲気に仕上がっていますね。

ちょっとコーヒーを飲みながら聴きたくなる感じね。これはイントロから全部大ちゃんだけど、ラスト・サビだけ僕が作ってるんです。最初、ここの部分はなかったんですよ。でもマカロニえんぴつらしくするためにはサビが欲しいっていうことで、1回だけ入れました。この1回だけっていうのがいいバランスになったなと思います。GRAPEVINEとか、なんでこんないいサビなのに最後1回だけなのっていうカッコ良さがあるじゃないですか。まぁ1回で十分やっていう自信があるってことですよね。あと大ちゃんいわく、同じメロディ・ラインを繰り返しているのはみんなで歌えるものを作りたかったみたいで。それを聞いて意外というか......もともとポップスとかロックに疎かった大ちゃんが、みんなが歌える曲を作りたいなんて、その変化が嬉しかったです。

-ところで、どうして"女"がテーマになったのですか?

なぜか女なんですよ、やっぱり憧れが強いからかなぁ。「クールな女」は、出会いを求めている同世代の"幸せになりたい"が口癖の人で、今回の「働く女」は、完全にOLがモデルです。今回は"OLあるある"的なことを結構調べました。タイトルは、尊敬するユニコーンの「働く男」をもじって付けました。もう2曲続けて書いちゃったから"女シリーズ"続けないとだめかな(笑)。

-5曲の中でも少し雰囲気が変わっていいアクセントになっていると思います。

こういうテイストの曲があるだけでボリューム感が出ますよね。5曲しか入ってないんだけど、意外ともうちょっと入っているように感じてもらえたら嬉しいです。