Japanese
"DAIENKAI 2024" -DAY2-
Skream! マガジン 2024年08月号掲載
2024.07.14 @東京ガーデンシアター
Writer : 山口 哲生 Photographer:DAIENKAI official
7月13日、14日に東京ガーデンシアターにて開催された"DAIENKAI 2024"。昨年からスタートした"音楽×笑い"を掲げたフェスは、今年もここでしか見ることのできない貴重なコラボレーションが続出! 終始客席が笑顔と笑い声に包まれたイベントとなった。このレポートでは、2日目の模様をお届けする。
スカチャンの前説から、"ENKAI BUCHO"としてイベント全体の進行を務めるバイク川崎バイクが、"バイクだけに、ブンブン!"というお馴染みのギャグを客席と掛け合い、しっかりと場内を盛り上げたところで、1ブロック目の"二次会開会の回"がスタート。"KAMPAI ACT"としてステージに登場したのは、ジュースごくごく倶楽部だ。堂前タオル(堂前 透/ロングコートダディ)と、辻クラシック(辻 皓平/ニッポンの社長)を中心に結成されたこのバンドは、ポップでキャッチーながらも、パンチの効いたロックンロール・サウンドが持ち味。客席を熱く沸かせていくなか、「真夏のボイジャー計画」に入る前には、オーディエンスとコール&レスポンスの練習をする場面も。しかし、そんなパートは曲中に一切出てこず、"すみません、全く関係ない曲をやってしまいました。というか、そんな曲持ってません"と、ジンジャエール阪本(Vo/語り/阪本/マユリカ)が丁重に謝罪するというパフォーマンスでも盛り上げていた。ライヴの後はケビンスとミキが漫才を披露。ブロック出演者全員による乾杯の発声で、改めて2日目のスタートを宣言した。

"地酒に感謝の回"は、相席スタートと空気階段がコント、見取り図が漫才で盛り上げた後、ヤングスキニーが登場。彼らの名前を知らしめた「本当はね、」や、自身たちのアティテュードを叫ぶ「精神ロック」、「らしく」など、彼らの魅力が存分に詰まったステージを展開。そんななか、かやゆー(Vo/Gt)が"初めての人が多いと思うので、僕がどんな人間か歌で示したいと思います"と始めたのは、「ゴミ人間、俺」だ。お気づきの方も多いと思うが、このブロック、いわゆる"クズ"と呼ばれている演者が多く、コラボ・コーナーでは、鈴木もぐら(空気階段)、かやゆー、そして盛山晋太郎(見取り図)扮する"南大阪のカスカップルの力也"が登場。一番ダメな回答をした人の股間を、"南大阪のカスカップルの綾"(リリー/見取り図)がハリセンで叩くという"金玉ハリセン大喜利"で対決した。"お前もやからな!"とツッコまれていた山添 寛(相席スタート)の司会進行のもと、結果、2戦とももぐらが敗北。綾が山添に耳打ちして伝えた敗戦理由は"ちゃんと大喜利をしていたのが恥ずかしかったから"。また"「き」で始まるカッコいいものは?"というお題で、かやゆーが出した"きょうりゅう"という答えに対して、綾は"シンプルに面白かった"とコメント。最後に、誰が一番良かったかと聞かれた綾が迷うなか、力也がカッカッ! と舌で高い音を鳴らして呼び寄せるというオチで締めた。

続く"茶豆小鉢の回"でまず姿を現したのはフースーヤ。"ナッシングトゥーマッチ!"、"オーマイゴッドファーザー降臨! よいしょー!"という持ちギャグで盛り上げると、同ブロックに出演するナイチンゲールダンス、EXIT、ガクテンソクを呼び出すだけでなく、最後にはPEDROのアユニ・Dもギャグを披露し、PEDROのライヴへとなだれ込んだ。アユニ・Dが"愛してやまない方"と話す稲田直樹(アインシュタイン)が、PEDROのエイプリルフール企画に参加していた「自律神経出張中」や、彼女が"関西の父"と慕うガクテンソクの奥田修二から"「THE SECOND(THE SECOND~漫才トーナメント~)」に挑むときに聴いていた"と明かされたという「感傷謳歌」などを披露。オルタナ色の強い轟音サウンドで場内を包み込むなか、アユニ・Dはベースを奏でながら、歌声をまっすぐに客席へ向けて放っていた。その後、ブロック出演芸人の漫才に入ったのだが、ガクテンソクの漫才の途中で、奥田がアユニ・Dを舞台に連れてきて、3人で漫才をする場面も飛び出し、客席を喜ばせていた。コラボ・コーナーでは、"PEDRO陽キャ大作戦"と題し、ちょっと陰キャなアユニ・Dを明るくしようということで"陽キャ古今東西"をすることに。"居酒屋のメニュー"をお題にしてスタートしたものの、陽キャ勢のハイテンションが極まりすぎて、ゲームが全然進まずにカオス状態に突入。大爆笑が巻き起こっていた。

カベポスター、マヂカルラブリーが漫才を、蛙亭がコントを披露した"ラストオーダーの回"では、神聖かまってちゃんが熱量の高いステージを繰り広げた。ライヴのオープニングでは、蛙亭の2人がこの日披露していたコントのキャラクターで登場。マッチング・アプリで知り合った男性(中野周平)が、実は神聖かまってちゃんと仲が良いらしく、"今日ライヴに呼ばれてたんだった"と言い始める。"楽屋に入れるよ?"と、怪しい業界人的な振る舞いでイワクラを誘っているところに、神聖かまってちゃんメンバーがステージイン。"シュウ(中野周平)ちゃんおひさー!"との子(Vo/Gt)が話し、恩人的存在のエピソードが次々に明かされていくというコントで盛り上げていた。ライヴでは、"今日はどアウェイな僕らですけど、みなさんこのアニメは知ってるでしょ?"と、TVアニメ"進撃の巨人"のオープニング・テーマ「僕の戦争」を豪快に轟かせると、叫ぶように歌うの子のテンションに呼応するように、客席もヒートアップ。ラストの「ロックンロールは鳴り止まないっ」まで強烈な熱が場内に渦巻き続けていた。
コラボ・コーナーは、神聖かまってちゃん対芸人チームで、野田クリスタル(マヂカルラブリー)が制作した"野田ゲー"の3本勝負が行われた。"みんなのつり革"では、接戦を制してみさこ(Dr)が1位に。"大乱闘 ブロックくずして"では、中野とmono(Key)の一騎打ちで、結果ドロー。これに勝ったほうが優勝という最終対決の"The 連射"で、ゲーム開発者の野田クリスタルがぶっちぎりで1位となり、負けた神聖かまってちゃんチームは罰ゲームを受けることに。"今日の感想を「BKB」で表してほしい"と伝えられると、代表しての子が、ワードがはっきりと聞き取れないほどの鬼気迫るテンションで絶叫(おそらく"僕の 肛門 ボルケーノ"と言っていたのではないかと推測)。熱戦に次ぐ熱戦に客席も大盛り上がりとなった。

"お茶漬けの回"は、囲碁将棋、アインシュタイン、ロングコートダディの漫才を受けて、THE BAWDIESがオンステージ。"ロックンロール・バンド、響きは怖いと思います! ただのお祭り野郎だと思ってください!"とROY(Vo/Ba)が早口で捲し立てると、1曲目の「IT'S TOO LATE」からド派手に客席をブチ上げていく。また、彼らのライヴではお馴染みの「HOT DOG」の前に繰り広げられる寸劇では、ロングコートダディがコントを披露。そこにメンバーも参加し、大爆笑から曲に突入したり、「KEEP ON ROCKIN'」では、THE BAWDIESと同じく今年20周年の囲碁将棋が、この日披露したネタにちなんで"アン"、"ポコ"のコール&レスポンスで盛り上げたりと、大興奮のロックンロール・パーティーを繰り広げた。コラボ・コーナーは、映画"バック・トゥ・ザ・フューチャー"のテーマ・ソングが流れるなか、くっきー!(野性爆弾)扮する"未来から来たビフ"と、根建太一(囲碁将棋)扮する"ドク"と、河井ゆずる(アインシュタイン)が現れ、"芦田愛菜ちゃんと一緒に鈴木 福君を探す旅をしている"というコントがスタート。
芦田愛菜役のアインシュタイン 稲田が出てきた後、"福君候補"としてTHE BAWDIESのメンバーが登場。ビフとやり取りをしているところに、鈴木 福君役の文田大介(囲碁将棋)がやって来て、めでたく再会。最後にみんなで「マル・マル・モリ・モリ!」(薫と友樹、たまにムック。)を歌うことに。ビフがウッドベースをパワフルに奏で始めてリードすると、そこへTHE BAWDIESが加わり、稲田と文田が熱唱。途中からROYが英訳した歌詞を歌い始めると、どんどん熱とグルーヴが高まっていき、豪快に音を転がしていったのだが、"やめろ! やめろ!"と、なぜか演奏をストップさせるビフ。すると"楽しすぎんじゃねぇか......!"と叫び、"この楽しい気持ちのまま、撤収!"とコントを締めくくった。

ラスト・ブロックに入る直前、バイク川崎バイクから、ミルクボーイの内海 崇が体調不良のため出演断念という残念な報告が......。昨年は時間の都合上、この後に登場するヤバイTシャツ屋さんとのコラボが流れてしまい、今年こそはリベンジが果たされるはずだったのだが、そちらはぜひ来年に期待したい。そんななかで始まった"また会う日までの回"は、オダウエダのコント、ななまがり、令和ロマンの漫才と続き、そのままヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)のステージに入る......かと思いきや、ピンチヒッターとしてタカアンドトシがサプライズで登場! 客席から驚きと歓喜の声が上がり、2人が起こした爆笑のなか、2年連続で大トリを務めるヤバイTシャツ屋さんのライヴに突入した。こやまたくや(Gt/Vo)は"みなさん長時間お疲れさまです!"と客席を労いながらも、全く休ませることのないヤバTらしいアッパーなステージで駆け抜けていく。
ミルクボーイとのコラボを予定していた「喜志駅周辺なんもない」では、駒場 孝(ミルクボーイ)と、内海の代役として初瀬悠太(ななまがり)が"喜志駅"をお題にした漫才を繰り広げた後、パラレルワールドから来た怪奇!YesどんぐりRPGが登場。パラレルワールドのどんぐりたけし(森下直人/ななまがり)、サツマカワRPG(小田結希/オダウエダ)、そして初瀬扮する言い切る男がプレイヤー・チェンジでギャグを披露すると、パワレル・ワールドのどんぐりたけしが、現実のありぼぼ(Ba/Vo)に迫っていく。するとそこへパラレルワールドから来たありぼぼ(植田紫帆/オダウエダ)が乱入し、結果、パラレル・ワールド同士の2人が結ばれるというコントから、「ハッピーウェディング前ソング」へ。さらに、ヤバTと同じく大学サークルで結成された令和ロマンにエールを送った「サークルバンドに光を」から続けて、「くそ現代っ子ごみかす20代」に入る前に、曲のどこかで髙比良くるま(令和ロマン)がギターで入ってくると予告。凄まじい勢いで激走していくと、くるまは曲のオーラスで登場。Emを激しくかき鳴らし、颯爽と去って行った。
ラスト・ナンバー突入直前で、こやまは"僕は、面白さっていうのは、優しさと同じやと思っていて。だから今日一日中、めちゃくちゃ面白くて、一日中めちゃめちゃ優しいイベントやと思いました! 最後みんなで笑って帰ってください!"と絶叫。オダウエダ、ななまがり、令和ロマンと共に「かわE」で締めくくり、"音楽×笑い"の祭典は今年も大盛況で幕を下ろしたのだった。
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