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INTERVIEW

Japanese

PEDRO

2018年10月号掲載

PEDRO

Member:アユニ・D(Vo/Ba)

Interviewer:宮﨑 大樹

"楽器を持たないパンクバンド"BiSHのアユニ・Dが、ソロ・バンド・プロジェクト"PEDRO"を始動。バンド編成でのミニ・アルバム『zoozoosea』をゲリラ・リリースした。彼女はなぜソロで、しかもバンドでデビューをすることになったのか。PEDRO始動の経緯やその胸中、すべての曲で作詞を手掛けたという本作の全収録曲について、さらには田渕ひさ子(ex-ナンバーガール/bloodthirsty butchers)が出演したミュージック・ビデオや初ライヴ"happy jamjam psyco"に向けた想いを訊いた。

-BiSHで受けるインタビューと気持ちは違いますか?

BiSHのときはよく喋るメンバーがいっぱいいるので......。私はそんなに話すのがうまくないんですけど、ひとりだと全部自分が話さないといけないので、難しいですね。緊張します。

-ソロで、しかもバンドでデビューすることを発表されたときの率直な気持ちはいかがでしたか?

"どうして私がやらないといけないんだ......"って、恐怖でした。

-渡辺(淳之介/マネージャー)さんや松隈(ケンタ/サウンド・プロデューサー)さんからソロでバンドをする理由について説明はあったんですか?

簡単に言うと、松隈さんが冗談で言った"バンド形式でソロをやらせたら面白いんじゃない?"みたいな軽いひと言で始まったんです。最近、松隈さんに伝授してもらって歌い方の幅を広げていたんですけど、そのときの何気ないひと言が始まりですね。

-ソロでバンドをやるって言われて、やってみたいなって思いました?

"私がソロなんてできるわけない"って思っていました。でも、渡辺さんに"やれ"って言われたらやるしかないので(笑)。

-それで一大決心をしたと(笑)。プロジェクト名"PEDRO"の由来は"好きな映画に出てくる主人公の唯一の友達の名前"とのことですが、この名前をチョイスした理由はなんですか?

そのキャラクターが好きなわけではなくて、実際は特に意味はないんですよ。例えば、BiSHが"Brand-new idol SHiT"(の略)みたいな賢い名前の付け方もいろいろ考えていたんですけど全然できなくて。"考えるのはだめだな"って思って直感で付けました。"PEDRO"は私の名前の"D"が付くし、ほかにあんまり聞いたことがなくていい単語だなと思って。

-ペドロって具体的にどの映画に出てくるペドロなんですか?

"ナポレオン・ダイナマイト"ですね。わかりますか?

-わかりますよ。"ナポレオン・ダイナマイト"のペドロは、ちょっといけてない感じだけど女の子を口説きにいくような行動力があって、変わり者だけど友達想いなキャラクターですよね。私は勝手にアユニさんが自分と重ねたのかなって思ったんですけど、そういう意味はなかったんですね。

そうですね。でも、そういう解釈をしていただけてたらすごい嬉しいです。

-ちなみに"ナポレオン・ダイナマイト"のどういう部分が好きなんですか?

映画が詳しい友達に教えてもらって最近今さら観たんですよ。どっちかと言うと、冴えない人が主人公の映画が好きなので、映像の感じとかキャラクターの感じとかがすごい好みだなと思いました。

-アユニさんはよく映画を観たり漫画を読んだりしているイメージがあるんですが、アユニさんの作る音楽や歌詞って、そういったものから影響を受けているんですかね?

めちゃくちゃ影響されていると思います。映画のコラムを書く連載をやらせていただいて、ここ1年くらいで映画をすごい観るようになったんです。コラムを書くために映画を観て思ったことや名言をメモしていて、それが今回の歌詞に役立ったなって感じです。

-音楽で言うと、お姉さんの影響でアイドルを聴き始めて、BiSHに加入したという経緯だったかと思いますが、もともとロック・バンドとかって聴いていたんですか?

中学生のときとか、周りにバンドが好きな子たちが多かったので、その影響で聴いていましたね。今でも好きなんですけど、ヒトリエさんとか聴きます。


今ソロ・デビューするのはいいタイミングだなって思いました


-ヒトリエのどんなところが好きなんですか?

曲がめちゃくちゃかっこいいですよね。それに、みなさん楽器がうまいじゃないですか? ボカロとかも聴いていたんですけど、ヴォーカルのwowakaさんがボカロPとして作っていた曲をもともと聴いていたのもあります。

-なるほど。ちなみに約2年前にBiSHとしてデビューしたときの気持ちと比べて、今はどんな感情ですか?

2年前は何もわからなかったなかでのBiSHとしてのデビューだったので、自分のこともわからないし周りのこともわからない、今思えばへぼっちい自分だったなって思うんです。この2年は、たったの2年なんですけど、毎日が濃くて学ぶことがたくさんあって、今ソロ・デビューするのはいいタイミングだなって思いました。1年前に"ソロ・デビューしろ"って言われたら、こんなにかっこいい作品を完成させる自信がなかったし......って。

-では、ある意味で"この作品に見合うくらいの実力がついてきたんじゃないかな"っていう手応えみたいなものがあるんですかね?

うーん......まぁ、そうですね。今の自分にしか書けない歌詞とか、歌い方とかもあると思うので。