Japanese
PEDRO
Skream! マガジン 2024年04月号掲載
2024.03.12 @Zepp DiverCity(TOKYO)
Writer 宮﨑 大樹 Photographer:sotobayashi kenta
"温かいお汁になりたい"――アユニ・Dらしい独特な表現ではあるが、ファンの心を癒せる、包み込めるような存在でありたいという願いを込めて、彼女はMCでそう言った。実際、例えば1日の疲れを湯水と共に洗い流すお風呂にように、例えば朝一番に胃腸を温めてくれるおみそ汁のように、PEDROの音楽が観客の心身に染みわたった一夜だった。
『赴くままに、胃の向くままに』は、アユニ・D本人曰く"人生大革命期"に制作されたアルバムだ。もともと彼女が活動休止前のPEDROで綴っていた言葉、奏でていた音楽は、不器用な人間がそれでもひたむきに生きようとする姿だったり、そんな彼女を応援するファンへの想いだったりが描かれていた。そしてその音楽は、彼女に共感し、寄り添ってもらったファンの生きる活力になっているように見えていた。そこからBiSHが解散し、PEDROが再始動するなかで、彼女を取り巻く状況は大きく変わり、彼女の外見や内面に変化を生じさせる。変化はPEDROのライヴや制作といった音楽活動にも表れたのだが、すべてがいい変化というわけではなかったようだ。このあたりは"Document of PEDRO 2023"というドキュメンタリー映像が公式YouTubeで公開されているので詳細は省くが、アユニ・Dがこの"人生大革命期"で経験した変化、葛藤、そしてこれらを経てようやく見つけ出した"今の答え"が『赴くままに、胃の向くままに』では表現されている。だから音楽的には最新、最高のものであっても、作品としては彼女の人間的な部分での原点回帰を果たしたように見え、収録曲には彼女の根底にある嘘のない優しさ、慈しみが溢れていた。
そういうアルバムを携えて回ったから、このツアーでは会場の空気、オーディエンスのリアクション、バンドが鳴らす音、すべてからタイトル通りの"慈しみ"を感じることができた。バンドとしても"人生大革命期"を経て一段とたくましくなったようで、開幕の「グリーンハイツ」から高いグルーヴ感で生き生きとした音を鳴らしていたことが印象的だった。音圧があり、芯が太く、ロックの力強さが表出していたことも記憶に残っている。そんなバンドの演奏を目の当たりにして、筆者を含めたオーディエンスは自然と身体が揺れていた。心も身体もPEDROの音楽に委ねられているような感覚で、この時間がとにかく気持ち良かったのだ。
ツアー・ファイナルの舞台で、『赴くままに、胃の向くままに』を軸に、血の通った音楽を届け続けていくなか、アユニ・Dの持つ優しさ、温かい人間性が特に表れていたのは「赴くままに」だった。包み込むような歌声と、田渕ひさ子とゆーまおが鳴らす温度感のある演奏が合わさった音世界は、まるで楽園のようだ。本編ラストに、田渕ひさ子がえげつない音作りをしたギター・リフで魅せた「春夏秋冬」から、アルバムと同様に結びの1曲となった「余生」で締めくくる様は圧巻のひと言に尽きる。さらにアンコールでは「人」と、ライヴのクライマックスの定番になりつつある「雪の街」を最後に披露。白い光の中で轟音をかき鳴らし、アユニ・Dは、残った力を振り絞るようにして歌い切った。
こうして、"人生大革命期"を経て制作されたアルバムを引っ提げるツアーは幕を閉じた。答えを見つけたアユニ・Dだが、またいつか同じように悩み、迷路に迷い込むことがあるだろう。それはアユニ・Dだけに限らず、私にもあなたにも同じことが言えるかもしれない。そんなときは、アルバム『赴くままに、胃の向くままに』を聴いて、"PEDRO TOUR 2024「慈」"のことを思い出してもらいたい。きっと、これらが暗い道を照らす、御守りのような存在になってくれるだろう。だからこの先のPEDROも、自分自身も、あなたもきっと大丈夫。そう思わせてくれたツアー・ファイナルだった。
[Setlist]
1. グリーンハイツ
2. 万々歳
3. 自律神経出張中
4. 赴くままに
5. 清く、正しく
6. 音楽
7. 安眠
8. 洗心
9. ナイスな方へ10. 感傷謳歌
11. 吸って、吐いて
12. 魔法
13. 飛んでゆけ
14. ぶきっちょ
15. 春夏秋冬
16. 余生
En1. 人
En2. 雪の街
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.11
-
終活クラブ
キュウソネコカミ
トンボコープ
Appare!
cinema staff
秋山黄色
YOASOBI
moon drop
コレサワ
OKAMOTO'S
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
KNOCK OUT MONKEY
INORAN
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
KANA-BOON
ExWHYZ
FRONTIER BACKYARD
androp
カミナリグモ
brainchild's
フレデリック
envy × world's end girlfriend × bacho
"JUNE ROCK FESTIVAL 2025"
East Of Eden
Official髭男dism
藤沢アユミ
豆柴の大群
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.12
-
a flood of circle
キュウソネコカミ
SUPER BEAVER
WtB
キタニタツヤ
セックスマシーン!!
WESSION FESTIVAL 2025
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
INORAN
"京都音楽博覧会2025 in 梅小路公園"
Omoinotake
Bimi
ART-SCHOOL
Official髭男dism
eastern youth
なきごと
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.13
-
WtB
阿部真央
I Don't Like Mondays.
Awesome City Club
ExWHYZ
Appare!
The Biscats
brainchild's
Rei
OKAMOTO'S
秋山黄色
Age Factory
トンボコープ
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
"WESSION FESTIVAL 2025"
岡崎体育
"FM802 MINAMI WHEEL 2025"
シド
SCANDAL
cinema staff
Cody・Lee(李)
コレサワ
ネクライトーキー×ポップしなないで
リュックと添い寝ごはん
eastern youth
hockrockb
Omoinotake
Kroi
PIGGS
清 竜人25
Plastic Tree
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
"TOKYO ISLAND 2025"
- 2025.10.14
-
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
ドミコ
THE ORAL CIGARETTES
Hump Back
Survive Said The Prophet × NEE
MONOEYES
ぜんぶ君のせいだ。
超☆社会的サンダル
go!go!vanillas
武瑠 × MAQIA
- 2025.10.15
-
ドミコ
LONGMAN
PEDRO
キュウソネコカミ
MONOEYES
打首獄門同好会
アカシック
HY × マカロニえんぴつ
ポルカドットスティングレイ
藤巻亮太
- 2025.10.16
-
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
YOASOBI
PEDRO
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
"Shimokitazawa SOUND CRUISING presents. サウクルラボ vol.1"
SCANDAL
SIX LOUNGE
brainchild's
- 2025.10.17
-
挫・人間
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
a flood of circle
ズーカラデル
LONGMAN
chilldspot
otsumami feat.mikan
リュックと添い寝ごはん
コレサワ
神聖かまってちゃん
終活クラブ
NOMELON NOLEMON
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
フラワーカンパニーズ
SUPER BEAVER
東京スカパラダイスオーケストラ
BIGMAMA
Bimi
- 2025.10.18
-
TOKYOてふてふ
伊東歌詞太郎
挫・人間
シド
OKAMOTO'S
YONA YONA WEEKENDERS
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
アイナ・ジ・エンド
moon drop
RADWIMPS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
bokula.
the cabs
SWANKY DOGS
amazarashi
INORAN
WtB
osage
"LIVE AZUMA 2025"
カミナリグモ
Cody・Lee(李)
阿部真央
Newspeak
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
Keishi Tanaka × 村松 拓
"ASAGIRI JAM'25"
ズーカラデル
I Don't Like Mondays.
Victoria(MÅNESKIN) ※振替公演
ロザリーナ
the paddles
神聖かまってちゃん
LACCO TOWER
星野源
- 2025.10.19
-
DYGL
リュックと添い寝ごはん
OKAMOTO'S
Age Factory
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。
moon drop
コレサワ
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
SIX LOUNGE
リリカル / みじんこらっく / とにもかくにも / ティプシーズ / 台所きっちん
SUPER BEAVER
Laura day romance
WtB
Omoinotake
"LIVE AZUMA 2025"
Cody・Lee(李)
ビレッジマンズストア
SPRISE
伊東歌詞太郎
浪漫革命
LUCKY TAPES
ハンブレッダーズ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / マカロニえんぴつ ほか
ネクライトーキー×ポップしなないで
Keishi Tanaka × 村松 拓
ナナヲアカリ
"ASAGIRI JAM'25"
高岩 遼
Sou
森 翼
SCANDAL
パピプペポは難しい
osage
星野源
PIGGS
- 2025.10.20
-
打首獄門同好会
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
TOKYOてふてふ
TenTwenty
- 2025.10.21
-
The fin.
神聖かまってちゃん
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
- 2025.10.22
-
ザ・シスターズハイ
打首獄門同好会
キュウソネコカミ
ハク。× YONLAPA
ザ・ダービーズ
MONOEYES
挫・人間
VOI SQUARE CAT
kiki vivi lily
- 2025.10.23
-
DYGL
RADWIMPS
キュウソネコカミ
終活クラブ×ザ・シスターズハイ
MONOEYES
挫・人間
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
RAY
古墳シスターズ
トンボコープ
go!go!vanillas
- 2025.10.24
-
LUCKY TAPES
ExWHYZ
RADWIMPS
amazarashi
YOASOBI
YONA YONA WEEKENDERS
TenTwenty
DYGL
アイナ・ジ・エンド
THE BACK HORN
すなお
ポルカドットスティングレイ
OKAMOTO'S
藤巻亮太
キタニタツヤ
FIVE NEW OLD / 浪漫革命 / MONONOKE(O.A.)
WHISPER OUT LOUD
Cody・Lee(李)
BIGMAMA
僕には通じない
NOMELON NOLEMON
PEDRO
アーバンギャルド
- 2025.10.25
-
フラワーカンパニーズ
秋山黄色
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
コレサワ
超☆社会的サンダル
eastern youth
打首獄門同好会 / ガガガSP / 片平里菜 / AMEFURASSHI ほか
chilldspot
TOKYOてふてふ
brainchild's
フレデリック
LACCO TOWER
YOASOBI
森 翼
Appare!
Rei
Age Factory
DeNeel
osage
優里
Lucky Kilimanjaro
KANA-BOON
ASH DA HERO
the paddles
シド
cinema staff
SUPER BEAVER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
bokula.
橋本 薫(Helsinki Lambda Club)
toe
ザ・ダービーズ
山内総一郎
INORAN
藤巻亮太
Omoinotake
OASIS
- 2025.10.26
-
フラワーカンパニーズ
DOES
センチミリメンタル
THE BACK HORN
Lucky Kilimanjaro
東京スカパラダイスオーケストラ
崎山蒼志
PIGGS
KANA-BOON
eastern youth
渡會将士
森 翼
超能力戦士ドリアン
優里
bokula.
モーモールルギャバン×ザ・シスターズハイ
オレンジスパイニクラブ
Appare!
ポルカドットスティングレイ
Age Factory
古墳シスターズ
Cody・Lee(李)
DeNeel
Mrs. GREEN APPLE
osage
阿部真央
moon drop
jizue
DYGL
INORAN
OASIS
ACIDMAN
9mm Parabellum Bullet
I Don't Like Mondays.
RELEASE INFO
- 2025.10.11
- 2025.10.12
- 2025.10.13
- 2025.10.14
- 2025.10.15
- 2025.10.16
- 2025.10.17
- 2025.10.19
- 2025.10.22
- 2025.10.24
- 2025.10.26
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
- 2025.11.07
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号