Japanese
PEDRO
Skream! マガジン 2025年03月号掲載
2025.01.21 @Zepp Haneda (TOKYO)
Writer : 宮﨑 大樹 Photographer:小杉歩
アユニ・Dはアーティストとして日々成長しているし、そもそもライヴというものは生ものなのだから、同じ公演を観ることなんてできない。だからこそ、ライヴとは一瞬一瞬を見逃せない、尊いものなのだと再認識した夜だった。
PEDROが昨年2024年9月から回ってきた"PEDRO TOUR 2024「ラブ&ピースツアー」"。そのツアー・ファイナルがZepp Haneda (TOKYO)にて開催された。SEの「還る」が会場に流れるなか、アユニ・Dが白のトップスにデニムのボトムスという気取らない、自然体なスタイルで登場。「ラブリーベイビー」でライヴがスタートした。まず驚かされたのは、これまでよりも明らかに歌詞がクリアに聞こえてきたことだ。ツアーを通して技術的にも精神的にも成長してきたことで自信が付いたのだろうか。
硬くならず、堂々と歌うことで喉が開いて言葉を鮮明に届けられている印象を持った。曲中には田渕ひさ子(Gt)、ゆーまお(Dr)と目を合わせて笑顔になる瞬間もあり、非常にいい状態でツアー・ファイナルに臨めていることが窺える。
 続いて「祝祭」のパフォーマンスが始まると、オーディエンスは一斉に拳を突き上げ、歓声を上げる。さらに「音楽」へと繋げていったのだが、ここで予期せぬトラブルが発生。突然ベースが鳴らなくなってしまったのだ。それでもアユニは、動じずにマイク・スタンドからハンドマイクのスタイルに切り替えて、最前線まで身を乗り出し、身体を使って歌い踊る。"芸は身を助ける"ではないけれど、BiSHでの経験が生きたのは間違いないだろう。
続いて「祝祭」のパフォーマンスが始まると、オーディエンスは一斉に拳を突き上げ、歓声を上げる。さらに「音楽」へと繋げていったのだが、ここで予期せぬトラブルが発生。突然ベースが鳴らなくなってしまったのだ。それでもアユニは、動じずにマイク・スタンドからハンドマイクのスタイルに切り替えて、最前線まで身を乗り出し、身体を使って歌い踊る。"芸は身を助ける"ではないけれど、BiSHでの経験が生きたのは間違いないだろう。
先程"アユニは動じずに"と表現したものの、内心は多少なりとも動揺していたようで、MCになった途端に"ハプニングが起きました......ベースが鳴らなくなりました......。皆さんの大事な人生の時間がすみません......"としょんぼりするアユニ。それでも、田渕とゆーまお、そしてファンのサポートもありつつトークで繋ぎ、なんとかベースが復活。気を取り直して「洗心」でライヴは再開した。
この「洗心」は、今日のためにアレンジをし直したそうで、楽曲の印象がイントロからだいぶ違う。上物の打ち込みがなくなったことで3ピース感が増し、BPMがアップしたことでよりロックな楽曲に生まれ変わっていた。そして何より、歌詞が大幅に変更され"現在のアユニ・D"が歌う曲にアップデートされているのだ。そんな「洗心」から「ぶきっちょ」、「安眠」を経てアユニが語り出す。"大人になるといろんなことが自由になって、自由で楽しいけど、たまに全部分からなくなって怖くなってしまうときがあって。でも、生きることを嫌いになりたくないから、好きでいたいからこんな曲を作りました"――そうしてアユニは「明日天気になあれ」を歌唱。この曲はキャッチーでノリが良く、元来ライヴ映えする曲だが、さらに上述のMCでエモさを増したことで、楽曲がネクスト・ステージに到達したように見えた。
 中盤では"久しぶりにやる曲やります"の声から初期楽曲ブロックが始まる。まずはアルバム『浪漫』から「感傷謳歌」で感情いっぱいに歌唱しながら駆け出した。続いてデビュー作『zoozoosea』からパンキッシュな「GALILEO」で刺々しく毒々しい音世界を生み出して、同じく『zoozoosea』から人気曲「自律神経出張中」へ。過去の曲と今の曲では伝えたいことが変わり、ライヴでの扱いが難しくなる、というのはアーティストならではの悩みとしてあるだろう。しかし、こうやって明確に初期楽曲のブロックを作ることでセットリストにはスパイスが加えられるし、アユニ自身も言っていたように"曲が生き返った"ような感覚がいいライヴ体験になったように思う。
中盤では"久しぶりにやる曲やります"の声から初期楽曲ブロックが始まる。まずはアルバム『浪漫』から「感傷謳歌」で感情いっぱいに歌唱しながら駆け出した。続いてデビュー作『zoozoosea』からパンキッシュな「GALILEO」で刺々しく毒々しい音世界を生み出して、同じく『zoozoosea』から人気曲「自律神経出張中」へ。過去の曲と今の曲では伝えたいことが変わり、ライヴでの扱いが難しくなる、というのはアーティストならではの悩みとしてあるだろう。しかし、こうやって明確に初期楽曲のブロックを作ることでセットリストにはスパイスが加えられるし、アユニ自身も言っていたように"曲が生き返った"ような感覚がいいライヴ体験になったように思う。
ライヴは神秘的でチルい「hope」から後半に差し掛かっていき、「キスをしよう」で包み込むような優しさを孕んだ歌声を響かせる。さらに鮮烈なギター・リフがインパクト大の「春夏秋冬」から、シューゲイズな名曲「雪の街」へ。アウトロではゆーまおのドラムが段々と激しさを増し、それにアユニのベースと田渕のギターが呼応する。そんなPEDROのライヴにおける王道のカタルシスを得たところで本編は終了――という流れがこれまでのPEDROのライヴなのだが、この日はここで終わらない。ここから本当のラスト・スパートが始まったのだ。アユニは「清く、正しく」で何かが憑依したような狂気じみた歌唱を見せてから「吸って、吐いて」で畳み掛け、ダメ押しの「グリーンハイツ」を投下して本編は終幕。ロックの力強さと共に愛と平和を歌い、アウトロで暴れながらベースをかき鳴らすアユニの姿は、まるで往年のロック・スターのそれだ。
そしてアンコール。PEDROは「愛せ」と「アンチ生活」の2曲を披露した。このツアーでは悲喜こもごもあった様子のアユニだが、そんななかで彼女は目の前の"あなた"のために歌うことが音楽の理由だと改めて気付かされたようだ。そんな今のアユニが歌うのは愛。音楽への愛、人間への愛、世界への愛だ。ツアーのタイトルに"ラブ&ピース"を掲げ、恥ずかしげもなく愛を歌う。そんな彼女の姿がカッコ良かった。
 
[Setlist]
1. ラブリーベイビー
2. 祝祭
3. 音楽
4. 洗心
5. ぶきっちょ
6. 安眠
7. 明日天気になあれ
8. 感傷謳歌
9. GALILEO
10. 自律神経出張中
11. hope
12. キスをしよう
13. 春夏秋冬
14. 雪の街
15. 清く、正しく
16. 吸って、吐いて
17. グリーンハイツ
En1. 愛せ
En2. アンチ生活
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