Japanese
PEDRO
Skream! マガジン 2019年10月号掲載
2019.08.29 @渋谷TSUTAYA O-EAST
Writer 宮﨑 大樹 Photo by kenta sotobayashi
この夏は、彼女にとって生涯忘れられない季節になったことだろう。BiSHのアユニ・Dによるソロ・バンド・プロジェクト PEDROがフル・アルバム『THUMB SUCKER』を引っ提げ、サポート・ギタリストに田渕ひさ子(NUMBER GIRL/toddle)を迎えて全国を回った"DOG IN CLASSROOM TOUR"が、渋谷TSUTAYA O-EASTで夏の終わりとともに完結した。
教室を模したステージに現れた田渕がギターで鳴らしたのは、誰もが幼少のころ教室や廊下で耳にしたであろう「ウェストミンスターの鐘」。いわゆる学校のチャイムの"キーンコーンカーンコーン"というメロディだった。"起立! 気をつけ! これからロックの授業を始めるっ!!"アユニの言葉を合図に、自身が作曲を手掛けた「EDGE OF NINETEEN」からこの日のショーは開幕。切り裂くような田渕のギターと、ゴリっと歪ませたアユニのベース、力強い毛利匠太のドラミングでフロアをかき混ぜていく。ベースを始めて1年余りのアユニが、国内を代表する女性ギタリストである田渕と同じステージに立ち、堂々とひとつの音楽を作り上げている。その光景を目の当たりにしただけで感動もひとしお。田渕とツアーを回ることについて、本誌インタビュー(※2019年8月号掲載)にて"今の生きる糧"と表現したアユニの歌声には、独特な揺らぎのようなものがあり、それは今このときにPEDROとしてツアー・ファイナルを迎えた感動に打ち震えつつも、それをグッと堪えてオーディエンスと向き合っているようにも見えた。
オープニング・チューンから「アナタワールド」、「玄関物語」、「NIGHT NIGHT」と『THUMB SUCKER』収録曲を繋げていくと、新作の音源からも伝わっていた"アユニ・D"という人間の心の変化、今の彼女のモードとでも言うべきものが、生の演奏を通していっそう深く感じられる。そういった心にグッと伝わってくるものがあるライヴであったことは間違いないが、松隈ケンタ率いるSCRAMBLESが作り上げたサウンドに、田渕が加えた田渕節とも言うべきギターのエッセンス、そしてアユニが紡いだ歌詞が三位一体となって織りなすPEDROの音世界を、ただただ純粋に楽しむ場として提供されていたことも忘れてはならない。とりわけ中盤の「ハッピーに生きてくれ」で巻き起こった"お疲れ様です!"、"ご愁傷様です!"のコール&レスポンスや、本編で一番の盛り上がりを見せた「猫背矯正中」はこの日のハイライトと言えるだろう。
本編18曲を駆け抜け、アンコールの声に応えてステージに現れたアユニは、"人生っていうのは毎日思い出をたくさん作り続けていくものなんだなと思うんですけど、今年の夏は死ぬときの走馬灯に一番初めに出てくる夏だと思っていて。BiSHを続けてきたから、今いろんな縁と出会ったりとか、みなさんがここに来てくれたりとかしていて、本当に人生って何があるかわからないなって思いました。続けるって本当に意味がすごくあることだなって初めて気づいた感じです"と語った。そうして、少し名残惜しそうにデビュー作『zoozoosea』のエンディング・トラック「うた」、ニュー・アルバム『THUMB SUCKER』のラストを飾った「ラブというソング」の2曲を披露。その歌声には、ツアーの完遂を迎えられることへの感謝の想いも込められているようだった。
アンコールを終えても鳴り止まない拍手に迎えられ、再度姿を見せたメンバーたち。"まだ夏は終わってないんだなって。まだやり残したことがあるなと......どうしたらいいですか?"とアユニが田渕に投げ掛ける。これに応えた田渕は、"アユニさんが何かやり残したことがあったとすれば、例えばそれは――「透明少女」"と、これまで数え切れないほどのロック・ファンを魅了したあのイントロを、大歓声の中で鳴らしていく。「透明少女」はNUMBER GIRLが生み出した名曲であるということは言うまでもないが、PEDROとしては、キャパシティ300人ほどの新代田FEVERで行われた1stライヴ[PEDRO first live "happy jamjam psyco"]で、一度だけ披露された幻の曲でもある。セットリストにもなかった「透明少女」を急遽披露するというニクいサプライズにノックアウトされると共に、アンコールが終わって、"あとはじっくりと余韻に浸ろうか"などと一瞬でも思ってしまった自分を叱りたくなる展開だった。
こうしてすべてを出し切ったアユニが、最後に"俺の夏終了。"と黒板に書き上げてステージをあとにする。その背中は、この夏を全力で駆け抜けていった達成感や爽快感で満たされているように見えた。
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