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INTERVIEW

Japanese

THE BAWDIES

2010年09月号掲載

THE BAWDIES

Member:ROY(Vo&Ba)TAXMAN(Gt&Cho&Vo)JIM(Gt&Cho)MARCY(Dr&Cho)

Interviewer:道明 利友

THE BAWDIESといえば、今年は全国各地のフェスに最多出場を果たした夏フェスキング。そのライヴ会場でも、ホットホットホットホット……と叫び続けてオーディエンスを沸騰させてきた彼らが、クールに方向転換!? いやいや!それは、バンドとしてさらなる高みへ進むために彼らが自らに課した、大いなるステップだ。ソウル・ミュージックのループ感をTHE BAWDIES流に解釈、さらにそこへ、THE BAWDIESの代名詞である熱いパッションを込めて―。最新アルバム『THERE'S NO TURNING BACK』に続き、またも新たな境地を切り開いたニューシングル『JUST BE COOL』が完成だ。

-『THERE’S NO TURNING BACK』はものすごく自由なアルバムだなって感じたんで、これだけ自由にやった次はどういう方向に行くのか全然予想できなかったんです。
そこへきてこの「JUST BE COOL」で、また新たなノリが開拓されたなと。

ROY:ありがとうございます。もう本当に、今回はまた新たな一歩を踏みたいっていうことで、コンセプトをガッチガチに決めたんです。て、いうのが……。僕らが大好きなルーツ・ミュージック、ソウル・ミュージック、いわゆる60年代近辺の音楽ですね。あの生々しいサウンドに憧れて、僕らはこのバンドを始めたわけなんですけど。で、そのソウル・ミュージックっていうものが、あれからもう40年以上が経った現代では色んな形で表現されているけれども、あの生々しい60年代の音楽が今はサンプリングや打ち込みのみで、生じゃないものでもソウル・ミュージックが表現されているっていう時代だと思うんですね。生々しいから“ソウル”っていうところに、“生”の部分がまったくなく表現されているサウンド、それこそ機械的にループして平熱でずっと進んでいくのが心地いいサウンドがあったりしたのが、全然否定的じゃなく面白いなと思ったんですよ。で、そういう音楽がこの今の時代にあるんだとしたら……。生々しい音で育った僕らが、今のこの機械的にされたソウル・ミュージックを逆に生演奏でやったらどうなるんだろうっていうのが、今回のシングルでいうところの新しいところかなと。打ち込みで表現されたソウルを、打ち込み感覚なんだけど生演奏でやろうみたいな発想から生まれてきたのが、この『JUST BE COOL』なんです。だから、僕たちにしては、しっかり決め込まれていて、すごく緻密に計算されていて、構成もしっかりしてるんですね。僕らの曲って抑揚が結構ついてて、ガーッと行ってちょっと落ちてまたガーッと行って……みたいな展開が結構あるんですけど、この曲はそれがわりとないんですよ。ループ感、平熱感を保ちながら熱を込めていくっていう……。今まで散々ホットホットって言い続けてきたTHE BAWDIESがクールな作品を作るっていう面白さも、結果的には出てるんじゃないかと思うんですけどね。

--ホットホットって散々言い続けてたのにどうしたTHE BAWDIES、みたいな。ファンの皆さんには波紋を呼ぶかも(笑)。

ROY:(笑)一度ここで、カチッとしたクールなものも作れるっていうのに挑戦することによって、さらなるホットに行ける。ここでちょっと落ち着いてペースダウンしようっていうことじゃなくて、さらなる上をTHE BAWDIESは目指してるって意味で、この『JUST BE COOL』が必要だったというか。

--平熱のループ感を生演奏で鳴らすっていうのは、たしかに今までのどの作品にもなかった発想ですね。ということは、演奏面で今までと違う意識で臨まなきゃいけない部分は、今回は色々あったんじゃないですか?

MARCY:いや、もう……。全然違いましたよ(笑)。打ち込みの音楽を意識したり、ループ感を大切にするっていうコンセプトが最初から決まってたんで、リズムは、基本的にひとつのフレーズで押し切ろうっていう。それと、僕らはやっぱり生演奏なんでどうしても出てしまう音の幅も、極力抑える。で、ループ感を出すっていっても、グルーヴはなくせないし。僕たちって、ベーシックな音は一斉に録ってるんで。4人一緒に同じ部屋に入って“いっせーのせ!”で録ってるから、グルーヴ感と熱さみたいなものは絶対に残さなきゃいけないっていうのはあるんですけど。でも、だからっつって思いっきりガシャーン!とはいけない(笑)。結構無機質に叩いてるんだけど、メンバーと面と向かってるから、生演奏ならではのグルーヴはやっぱり出したいし。