Japanese
Eggs presents TOKYO CALLING 2016 -DAY2-
Skream! マガジン 2016年10月号掲載
2016.09.18 @新宿ライヴハウス10会場
Writer 蜂須賀 ちなみ
東京から新たな音楽ムーヴメントを生み出すべく誕生したライヴ・サーキット"Eggs presents TOKYO CALLING 2016"。初開催となる今年度は、1日目は下北沢、2日目は新宿、3日目は渋谷と、異なる3つの街を舞台に多数のアーティストが熱演を繰り広げた。以下のテキストでは、2日目の模様を駆け足でレポートしていきたい。
徒歩10分圏内に密集する10の会場に101組のアーティストが集結したこの日。12時ピッタリになると全会場にてトップバッターのライヴがスタートした。会場の中で最大のキャパシティを誇るLOFTにはヤバイTシャツ屋さんが登場。"あんまり時間ないからパッパッといこうと思うので!"とこやま(Gt/Vo)が聞き覚えのあるイントロを鳴らしたかと思えば、"下手やし、KEYTALKやし"としばたありぼぼ(Ba/Vo)が突っ込むという、この日のLOFTのトリ、KEYTALKに引っ掛けたネタで早速会場の笑いをかっさらった。フロアを見渡した限りだと様子見のお客さんも少なかったし、メンバー登場早々に"キャー!"みたいな歓声が一部から上がっていたし、いつの間にか人気者のヤバT。この1年での成長っぷりに驚く。
LOFTのフロアから壁1枚隔てたところにあるスペース"LOFT BAR LOUNGE"でも様々なアーティストがライヴを行っていた。2番手として登場したのはyEAN。活動を休止していた時期もあったが、現在の6人編成になってからは積極的なライヴ活動も実を結んでいるようだ。男女ツイン・ヴォーカルが生み出す瑞々しさを武器に、ポスト・ロックからフォークまでを呑み込んだハイブリッド且つ牧歌的なサウンドで空間を鮮やかに染め上げる。いつの間にかメンバーがステージを降りてシンガロングを促していたり、お客さんと手を取り合いながら踊っていたりと、自由な振る舞いもインパクト大だった。
階段を上って地上に出ると、当然だが普段と同じように街が動いている。日常と非日常の境界線が明確に引かれているこの空気はなかなか独特なものだ。以前、大阪のサーキット・イベントに参加したときは、路上でも出演者がリストバンドを付けている人に手作りのチラシ(出演時刻や会場の情報が書いてあるもの)を配っていて活気溢れる感じだったのだが、それとはまた違う雰囲気。東京という土地柄なのか、初開催ゆえにまだ街に浸透しきっていないからなのか。いずれにせよ外にいるときには少しよそよそしさを感じるが、だからこそ、ライヴハウスの中にはバンドの演奏に感化されて感情を爆発させている人も多く、そのときの熱量はなんだかものすごいことになっているのだ。
そういう意味でHOLIDAY SHINJUKUを熱い空間に変貌させていたのが、DJライブキッズあるある中の人。オーディエンスのうちのひとりがステージに上げられ、再生ボタンを押してDJスタート。"僕が盛り上げるのではありません。みんなで盛り上がるんです! 準備はいいですか?"と煽っていたとおり、KEYTALK、KANA-BOON、04 Limited Sazabys、[Alexandros]などが爆音でプレイされるこの場所が一瞬で"みんなの共通項"へと塗り替えられていく。終演後、"俺のためのセトリかと思った!"と喜ぶ人が何人もいたのが印象的だった。
下北沢、渋谷とは異なり、この日の新宿ではほとんどのライヴハウスが"0分ピッタリにライヴ・スタート/30分に終了/転換/0分ピッタリに次のライヴがスタート"という同じタイムテーブルで動いていた(アイドルが多数出演していたclub SCIENCEを除く)。そのため、"このバンドを少し覗いてから移動してあのバンドを観る"というやり方ができず、どう回るかを考えるのがなかなか難しいのだが、悩ましい思いをしながらも再びLOFTに戻り、赤色のグリッターを観た。
"音楽は自由だと思うんですよ。だから僕らの方から強要するんじゃなくて、自由に楽しんでいってください"と佐藤リョウスケ(Vo/Gt)も語り掛けていたが、フロアを見渡せば、拳を振り上げながらこの場所を楽しむ人も、じっとステージを見つめながら音楽と向き合う人もいる。各地のフェスやイベント、サーキットにも積極的に出演しているこのバンドだが、経験を重ねるうちに彼らのライヴはどんどん外へ開かれていっているし、ますます良い空気になってきているように思える。
20歳前後の若いバンドによるアクトのあと、同じステージに、来年結成20周年を迎えるバンドが登場するなんてなかなか面白い。ということで、続いて現れたのはガガガSPである。向こう見ずなビートと性急なヴォーカルが生み出す心震えるような熱さこそ青春パンクの象徴そのもの。しかし熱狂の渦中にて"静かにしていても心はパンク、そういうことを最後にやってみます"とコザック前田(唄い手)は語り始める。そして「明日からではなく」ではマイク・スタンドを持った彼がフロアの真ん中に立ち、まっすぐな歌声を届けていく。その演奏は、"20年間ライヴハウスのことを考えてきた"というこのバンドの矜持に満ちていた。
お祭りか何かが開催中なのか、神輿を担いだ人が練り歩く中での移動。2日目も後半戦に突入した夕方17時、HOLIDAY SHINJUKUにはTHE BOY MEETS GIRLSによるステージが始まった。"誰も一人ぼっちにしない音楽"を掲げて活動中らしいのだが、その言葉に偽りなし。一度聴きさえすればすぐに歌えそうなほどキャッチーなメロディとカラフルな4ピース・サウンドが聴き手を無条件に歓迎してくれる。ただひたすらポップなだけではなく、中にはブラック・ミュージックからの影響を感じさせるようなグルーヴを持つ曲があるのも興味深い。今後、もっと化けていきそうな気配がプンプンする人たちだ。
そのままRUIDO K4へ場所を移し、BURNOUT SYNDROMESを観る。歌詞の響きの美しさと岩肌剥き出し状態の男らしいサウンドが特徴の3ピース。どこまでも誠実に、まっすぐ歌を届ける熊谷和海(Gt/Vo)、フロアを覗き込みながら笑顔を浮かべた石川大裕(Ba/Cho)、バンドで音を鳴らすことの喜びが溢れたような表情を輝かせながら演奏する廣瀬拓哉(Dr/Cho)――と、メンバーの個性も豊かだ。初開催である本イベントのスタッフや集まったオーディエンスへ感謝を表し、ラストには「こどものじかん」を演奏。母親目線の"愛"を歌う同曲を、この場所に捧げたのだった。
新宿の街がギラつき始めた21時、全会場で一斉にラストのライヴが始まる中、LOFTのトリを務めるのはKEYTALKである。サウンド・チェック直後に小野武正(Gt/MC/Cho)が"いけますか、TOKYO CALLING!"と呼び掛け、そのまま本編へ突入。1曲目からコール&レスポンスやシンガロングの音量はバカデカいし、ほとんどのオーディエンスが身体を動かしまくっている。ものすごい即効性だが、たまたまバンドの調子が良いのではなく、彼らに関してはこれが通常営業なのだ。ライヴ・バンドの地力、恐るべし。計8曲を矢継ぎ早に披露したあとのアンコールでは「MABOROSHI SUMMER」を演奏。長い1日を堂々と締めくくったのだった。
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