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INTERVIEW

Japanese

THE BOY MEETS GIRLS

2018年08月号掲載

THE BOY MEETS GIRLS

Member:高島 大輔(Vo/Gt/Key) 中野 翔平(Gt) DOMESTICKS(Ba/Syn) かつくん(Dr)

Interviewer:秦 理絵

泣き笑いを詰め込んだジャンルレスなポップ・ミュージックを鳴らす名古屋発の4人組ロック・バンド、THE BOY MEETS GIRLSが初のフル・アルバム『HITCH HIKE』をリリースする。自主レーベルからのリリースとなる今作には、穏やかなグルーヴに揺れる心地よいラヴ・ソングから、エモーショナルにバンドの決意を綴ったロック・ナンバー、得意のおふざけソングまで、バラエティに富んだ12曲を収録。今まで以上に"自分たちがやりたい音楽"に猛進した自由なムードが漂っている。それを反映するように、今回のインタビューは、今まで以上にメンバーの仲の良さが伝わる楽しい内容になった。

-今回から自主制作になったんですね。

高島:2年間レーベルに所属してたんですけど、自分たちで離れる決意をして。

-どうしてレーベルを離れる決意をしたんですか?

高島:レーベルに入ったことで、Zeppのステージに立たせてもらったり(2016年10月16日にZepp Nagoyaで開催された[9mm Parabellum Bullet TOUR 2016 "太陽が欲しいだけ"])、9mm(9mm Parabellum Bullet)の滝(善充/Gt)さんと一緒にレコーディング(※2017年リリースのミニ・アルバム『YAAAAAS!!』のサウンド・プロデュースを滝が担当)をしたり、経験したこともないような刺激的なこともたくさんあったんですけど、自分たちの弱さもあって、敷かれたレールの上で舵を切れなかったというか。"あっ、ここに行けばいいんだ"って辿るような感じになってたんです。

-なるほど。

高島:それで去年の夏ぐらいから、自分たちがやりたい音楽だったり、ライヴのパフォーマンスだったりっていうのが、少しずつ霞んでしまってるのを感じてて。俺たちは"誰も一人ぼっちにしない音楽"っていうのを掲げてたけど、それってなんだっけ? っていうのを改めてみんなで話し合ったんですよ。......ファミレスで(笑)。

DOMESTICKS:そうだね。4人で長時間考えた結果、もう一度イチから......完全にイチからではないですけど、4人だけで地盤を見つめ直すことにしたんです。

高島:だから今は本当に結成したときの状態ですね。

-そういうタイミングでフル・アルバムをリリースするのは、自然な流れでしたか?

高島:新しいことを始めるんだったら、ここまでの流れをガラっと変えたいなっていうのがあって、3月に初めて名古屋でワンマン・ライヴ(2018年3月4日に池下CLUB UPSETで開催した"THE BOY MEETS GIRLS presents 「春まで待ち切れないゾ!ツアー」")をしたんですよ。今まで結成してから6年間一度もやってなかったんですけど。それで、"次はフル・アルバムを出そう"って決めたんですよね。そこはもうフル・アルバムじゃなきゃいけなかったというか、しっかり自分たちの色を出せるものをドンっと出したいっていうのはあって。

-要するに、ボーイミーツ(THE BOY MEETS GIRLS)ってやりたい音楽の幅が広いから、初めてワンマンを経験したことで、その曲数なら自分たちのやりたいことを表現できるって気づいたということですね。

高島:そう。今までの30分のライヴだと、なかなか自分たちの色を見せられなくて。赤!黄色! 赤! 黄色! みたいなライヴをやると、"あ、こういうポップなバンドなんだ"って思われてしまって、そこに自分たちの持ってるイノセントな雰囲気の曲を交ぜづらかったりしたんです。でもワンマンで自分たちの世界を作れたから、このボリュームが自分たちのバンドのスタイルに合ってるんだなって感じたんですよね。

-アルバムを作るにあたっては、テーマみたいなものはあったんですか?

かつくん:大ちゃん(高島)にはあったよね。

高島:うん。もともと俺"ヒッチハイク"って言う前に、何か言ってたよね?

かつくん:"バーベキュー"とか?。

高島:それはめっちゃ前。

DOMESTICKS:えっと......"タイムマシーン"。

高島:そうだ。何曲かぽつぽつ作りながら、タイムマシーンとかヒッチハイクみたいな、"旅"がテーマにあるような気がしたんですよ。

-タイムマシーンは時間旅行で、ヒッチハイクは空間を移動する旅行ですね。

高島:そう。なんとなく原点に戻ろうとしてる雰囲気もあったから、最初はタイムマシーンがいいなと思ったんですけど、途中でヒッチハイクにピンときて。今の自分たちには何か後ろ盾があるわけでもないし、手ぶらの状態なんですよ。で、ヒッチハイクって、そういうスタートなんですよね。飛行機は、乗れば目的地まで行けちゃうけど、ヒッチハイクは、どうやって目的地に辿り着くかはわからない。これから俺らがバンドをやっていく道のりって、まるでヒッチハイクみたいだなぁって思ったんです。

-そういうタイミングのせいか、今回のアルバムは、狙って何かやろうっていう感じがまったくないんですよ。"これ好き!"だけで作ってる感じというか。

DOMESTICKS:あぁ、そうかもしれないね。

高島:何も狙ってないし、出てきたものを楽しんでるんです。

かつくん:僕らって楽しい曲をやっても、ちょっと切なくなるところがあって。そこも、今回は今までより自然に前に出たなぁと思うんですよね。

-レコーディングの雰囲気は今までとは違いましたか?

DOMESTICKS:今までも楽しかったんですけど、より自由というか。1回レーベルを離れたことで、4人だけでやるっていうのがバンドをやり始めたときの気持ちに近くて。

高島:うん、そうだね。

DOMESTICKS:"お客さんに向けて"とかも、あんまり考えてないんですよ。もちろん伝えるべきことはあるけど、ただ単純に曲を楽しむことに重点があったんですよね。

-わかります。お客さんのことを考えてないって言うと誤解があるかもしれないけど、"僕たちが楽しいんだから、聴く人も楽しいよね?"っていうことですよね。

高島:本当にそうですね。今までのアルバムは、笑わせてやろうとか、こういうふうに盛り上げてやろうっていう意図もあったんですけど、今回はまさに、"楽しませよう"じゃなくて、俺らが楽しめば、みんなも楽しんでくれるっていう感覚なんです。

かつくん:レコーディングとか曲の作り方も最初に戻ってるしね。

高島:原点回帰だったよね。