Japanese
THE BOY MEETS GIRLS
2017年05月号掲載
Member:高島 大輔(Vo/Gt/Key) 中野 翔平(Gt) DOMESTICKS(Ba) かつくん(Dr)
Interviewer:秦 理絵
名古屋発の4人組ロック・バンド、THE BOY MEETS GIRLSが4月12日にリリースしたミニ・アルバム『YAAAAAS!!』は、メンバーが"オールAサイド・ミニ・アルバム"と太鼓判を押す自信作だ。今作もサウンド・プロデュースに9mm Parabellum Bulletの滝 善充(Gt)を迎えて、よりライヴを意識したという全5曲は、EDMからラップを交えたポップ・ソングまで、相変わらずジャンルの概念など一切無視したボーイミーツらしいバラエティに富んだ楽曲が並んだ。全曲の作詞作曲を手掛けるヴォーカル 高島大輔が、現役の保育士であるというバックボーンも大切にした今作。その制作の過程では楽しさへの追及だけではない、向上心の芽生えもあったという。
-前作ミニ・アルバム『OTONARI BENTO BOX』(2016年7月リリース)から10ヶ月も経ってませんけど、今回の『YAAAAAS!!』は、よりバンドっぽくなった感じがしました。
高島:今回は自分たちでもすごく手応えを感じてるんです。前回の優しい雰囲気の作品も好きだったんですけど、"もうちょっと自分たちの色を強く出せるな"っていうのも思ってたので。今回は思い切ってやりたいことをやれたアルバムだと思います。
かつくん:濃くなったよね。5曲とも全部ジャンルが違うんです。もともと結成のときから、ジャンルにとらわれずにやろうっていうのはあったので、それができたなと思います。
中野:僕は結構演奏も詰めれたなという意識がありますね。いままでは"ギターがグイグイいっちゃいけないかな"と思ってたところもあったんですけど。今回は「アンドロメダ」(Track.1)でも結構ギターを弾いてるし、ベースもスラップしてるし。
高島:逆に俺の歌が負けないように必死になるぐらい、みんなガツガツしたよね。
-そうなった理由は何かあったんですか? いままでは高島さんに遠慮してたとか?
かつくん:やっぱり最初に大ちゃん(高島)が曲を作ってくれるじゃないですか。だから"大ちゃんがいてみんながいる"みたいな感じだったんです。でも今回は最初から曲に対して、みんなのイメージがパッとできてたんです。
高島:いままでよりイメージの共有がうまくなったんだと思います。"これはこういう曲だよ"って説明するよりも、みんなが自分で感じる力が強くなってきたし、俺の伝え方も前より良くなってきたから。みんなが同じ目線で曲を見てる感じがしましたね。
-結果、歌だけじゃなくて、ギター、ベース、ドラムっていう、それぞれの楽器が自分たちの個性をちゃんと主張してる作品になったと。
高島:それも自然にそうなった感じかなぁ。それを目指していくというよりは、目の前のやりたいと思ってたところに飛び込んできた、いまって感じです。
DOMESTICKS:ベースで言うと、今回はいろいろなことをやってて。「きみいろクレヨン」(Track.3)では初めて速いスピードでスラップを弾いたり、「スベスベマンジュウガニは静かに笑う」(Track.2)はちょっと悪い感じで弾いてみたり、あと「アンドロメダ」(Track.1)では、僕も1番だけシンセを弾いてたりするので。いままでよりレコーディングは苦戦しましたね。
-自分たちで演奏のハードルを上げていこうとしてたんですか?
DOMESTICKS:というより、「きみいろクレヨン」はデモを聴いたときにイメージがパッと入ってきたんです。"ベースはスラップでしょ"って。でも、最初は全然できなくて。レコーディングまで2ヶ月あるから、絶対にやってやろうと思って練習したんです。結局、レコーディングでも、僕がすごく時間をかけちゃいましたけど。
中野:それで、ギターを2日目に録る予定だったのに、最終日にやることになって。どんどんプレッシャーになってきたりして(笑)。同じ部屋に(9mm Parabellum Bulletの)滝さんがいてくれて、いいテイクが出ると"めっちゃいいじゃん!"っていいリアクションをしてくれるから、それは嬉しかったですね。
-9mmの滝さんは、前作に引き続きの参加だと思いますけど、ボーイミーツの作品にはどういうかたちで関わってくれてるんですか?
高島:サウンド・プロデュースですね。楽器の音だけじゃなくて、曲の流れに関してもアドバイスをくれるんです。「スベマン」(「スベスベマンジュウガニは静かに笑う」)に"泡の音を入れよう"と言ってくれたのも、滝さんだったんです。
中野:「きみいろクレヨン」のイントロのギターの音は、9mmの「反逆のマーチ」(2015年リリースのクアトロA面シングル収録曲)と同じ音なんじゃないかっていうぐらいなので、めちゃくちゃテンションが上がりましたね。
高島:「きみいろクレヨン」なのに、「反逆のマーチ」っていうのがすごいよね(笑)。
-タイトルのギャップが(笑)。そう思うと、9mmとはバンドとしてのカラーは全然違うのに、ちゃんとボーイミーツらしいものにしてくれるのはさすがですよね。
中野:プロだよね。
高島:っていうか、プロのさらに上の神だよ(笑)。
かつくん:滝さんは、音作りに関して本当にいろいろなアイディアを出してくれるんです。でも、前作の『OTONARI BENTO BOX』のときは、はじめましての状況で、僕たちの方がすごく緊張しちゃってて。
高島:うん。ファンだったしね。でも、今回はちょっとずつ慣れてきて。滝さんの実家にある自作スタジオで合宿して、プリプロをやったんです。そこで一緒にお酒を飲んだり、おいしいものをいただいたりして、結構打ち解けました。
かつくん:前作では、滝さんのアドバイスをそのまま自分たちでやるっていう感じだったんですけど、今回は滝さんのアドバイスに対して僕らの考えも伝えて、それによって滝さんも受け入れてくれたり、やりやすかったですね。
-なるほど。今作に関しては、実は前回のインタビュー(※2016年7月号掲載)のときに、"もう次の作品を作ってる"って、かなり前のめりに言ってましたよね。
かつくん:あぁ、調子に乗ってましたね(笑)。
高島:言ってた!
DOMESTICKS:そのころから話したがってたってことは、自分たちの中でも"いいものができそう"っていう予感があったんだろうね。
高島:もう半分ぐらい素材があったから、(『OTONARI BENTO BOX』が)できて嬉しいっていう気持ちもありつつ、次に向けてウズウズする気持ちはあったんですよ。
-そのときから、いまみたいな作品の全体像もあったんですか? より自分たちの色を出していくっていうような。
高島:振り返ると、その前に自分たちだけで作った作品(2014年リリースの2ndミニ・アルバム『ONSEN POP WAVE』)があって、そのときは何も考えずに4人だけでやってたから、良い、悪いの判断もできないまま、やりたいことをやるっていう感じで進めてたんですね。で、前作の『OTONARI BENTO BOX』を作るときに初めてレーベルに入って。一緒に制作をするにあたって、いろんなアドバイスをもらえてプラスになるぶん、まだ入って間もないところもあったから、あんまり上手に足並みを揃えることができてなかったなって、あとになって感じたんです。だから、今回の『YAAAAAS!!』は足並みが揃ったからこそ、すごくいい状態でやらせてもらえたし、それで、より自分たちを全開に出せたアルバムになったのかなと思いますね。
かつくん:だから"YAAAAAS!!"っていうタイトルにもなったんです。
高島:レコーディングの最終日に決めたよね。
-意味としては、"ヤッター!"、"超ヤバい"、"最高!"っていう。
かつくん:そうですね。最初の候補に出たタイトルが"YAAAAAS!!"だったんですよ。
DOMESTICKS:そのあと20~30個ぐらい候補も出したけど、結局、最初のやつで。
かつくん:楽しいとか、勢いがあるっていう、今作の雰囲気と全部合致してて。"あの時間は何だったろう?"っていうね(笑)。
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