Japanese
赤色のグリッター
2017年04月号掲載
Member:佐藤リョウスケ(Vo/Gt) 鈴木 陸生(Gt/Cho) 渡辺 明日香(Ba/Cho) クラカズヒデユキ(Dr/Cho)
Interviewer:沖 さやこ
千葉県柏発の4人組、赤色のグリッターによる約1年半ぶりのアルバム『セツナ』が完成した。HY、高橋優、クリープハイプなどを手掛けた浅田信一とタッグを組み1stフル・アルバム『存在証明』(2015年12月リリース)を制作したことで、メンバー全員に様々な変化や気づきがあったようだ。それぞれ異なる趣を持つ6つの楽曲は、どれも情景が色濃く浮かび上がる。そこにはこれまで以上に4人の結束が影響していた。
-1stフル・アルバム『存在証明』をリリースしてから、バンドにはどんな変化がありましたか?
佐藤:自分の曲作りにかなり変化がありました。いままでは僕がアコギ1本で作ったものをバンド・アレンジにしていたんですけど、僕が作ったデモをもとにオケをバンドで作ってから自分のメロと歌詞を乗せていく方法をなんとなく取ってみたら、それがすごくカチッとハマった感じがして。自分の作った曲を客観的に聴けるようになりました。
渡辺:機材を突き詰めるようになりました。先輩や対バンしたバンドの人と機材の話をして、自分はこういう音を出したいな......という理想が変化して。PAさんから"自分の出したい音にしたら、それがバンドにハマると思うよ"と言っていただいたので、メンバーそれぞれが自分の鳴らしたい音を鳴らして、そのうえで赤色のグリッターに落とし込むために微調整をしている感じですね。
鈴木:練習をたくさんして、たくさんいろんな音楽を聴くようになって、スキルが上がって余裕が生まれて。いままでは日本の音楽を聴くことが多かったんですけど、最近は海外の有名どころからディープなところ、すすめられたものは聴いてみたりして。自分の中にある音楽の幅が広げられたので、ギターもいろんなアプローチができるようになったと思います。
クラカズ:ライヴに関しても各々の主張したいことが前よりもはっきり出てきたので、音がすごくよく聴こえるようになったと思います。僕もそれぞれの出す音を聴いたうえで演奏できるようになったので、バンドとしてのグルーヴが上がったなと思いますね。あと、自分個人のことで言うと......僕はロジック重視の左脳で動く人間なのでリズムや譜割りばかりに気を取られてたんですけど、リョウスケが右脳100パーセントみたいな人間というのもあって、この1年で僕も右脳を使うようにして。そしたら最近は自由に叩けるようになって、ドラムで絵を描くイメージが作れるようになったんですよね。赤色のグリッターの曲は、漫画で言えばリョウスケの歌と言葉が主人公の表情と台詞、僕たち3人の演奏がそれを引き立たせる背景というか。最近はそういう意識で叩けるようになったかな、と思いますね。
-メンバー全員に変化や気づきが多かったんですね。それは『存在証明』を作ったことが大きい?
佐藤:大きいですね。『存在証明』で初めて浅田信一さんという第三者のプロデューサーさんと出会って、音楽的な面だけでなく私生活まで影響されて。すごく引き出してくれる人なんですよね。そこで自分を見つけたというか、出会いによって自分自身は変わるんだなと実感しました。浅田さんかっこいいんですよ。男! というか。
クラカズ:リョウスケは浅田さんに影響されて部屋を模様替えしてました(笑)。
渡辺:浅田さんからいろいろもらってたもんね(笑)。
-今作『セツナ』も浅田さんとタッグを組んで制作されています。『存在証明』はバンドとしての表現を突き詰めた作品だと感じましたが、今回は佐藤さんの色とバンドが出せる色がどちらも100パーセントで出せているような印象がありました。
佐藤:前は実際の経験を曲にしていたんですけど、最近はそれだけでなく本を読んだり映画を観たりして、その主題歌を勝手に書いたりもしています。実話を書こうとしなくても、書いているうちに自分のことになっているなぁと......この6曲を見ていると思いますね。どことなく切なくて、後悔を振り返りがちというか(笑)。
-ははは。どの曲も佐藤さんの匂いはありますから、いろんな経験が影響して、実話でなくとも自分の色を出す方法が増えたのかもしれませんね。
佐藤:客観的に聴ける耳を持てたのは自分にとってかなり大きいんです。いままでは自分的には駄作だったものを"めっちゃいい"と言ってもらったり、自分的にはすごくいいと思ったものが他の人にしてみるとそうでもなかったり......そういうことがすごく多くて、デビュー当時から悩んでいることでもあって。だけど制作方法を変えたら自分を客観視できるようになったんです。絵で言うと、塗り絵ができるようになった。いままでは絵を描きながら色をつけてたんですけど、もともとの絵があって、そこに色を塗っていくように歌詞を書いていくことができたのが自分的には大きいんです。メロディと歌詞を大事に制作していきました。
渡辺:(佐藤は)もともと結構影響を受けやすいタイプで。浅田さんと関わったことで、いい部分を吸収したなと思います。
クラカズ:でもリョウスケの芯の部分は変わっていないから。いろんな服が着られるようになった、という感じがしますね。リョウスケの作るものは、すごく繊細で壊れやすい。彼にしかできないものは間違いなくあるから、それを信じています。
-今回の楽曲はすべて、先ほどおっしゃったようにバンドでオケを作ったあとに佐藤さんがメロディと歌詞を乗せたという方法で作られているんですか?
佐藤:「カーテン」(Track.5)だけ違いますね。高校生のときに作って、ずっと頭の片隅にだけ残ってるような曲だったんですけど、メンバーが"「カーテン」すごくいいからやろうよ"と言ってくれて作り直して、それを周りのスタッフさんもすごくいいと言ってくれて。僕ひとりでは気づけなかったことなので、バンドっていいなと思いました(笑)。
クラカズ:高校生のときに彼がこの曲を持ってきたとき、初めて"こいつは天才だ"と思ったんです。ずっと僕は"「カーテン」いい"と推してきたんですよね。それで形にしようとしたら迷走して全然良くなくなっちゃったんですけど(笑)。今回はだめな「カーテン」ではなく、もともとの「カーテン」をリメイクして、それがいいものになった。
渡辺:この曲をやる時期が来たってことかもしれないよね。迷走してた時期にやるべき曲じゃなかった(笑)。
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