Japanese
ドラマチックアラスカ × ライブキッズあるある中の人
2016年12月号掲載
最新ミニ・アルバム『ロックンロールドリーマーズ』で、ついに完全体となったドラマチックアラスカの新章が幕を開ける。今年10月に新メンバーが加入してから、4人編成で精力的なライヴ活動を行ってきたドラマチックアラスカ。新体制となって初めてのリリースとなる今作は、あえて自分たちの足元を見直すことで、バンドのブレない姿勢を表明する原点回帰の作品になった。今回のインタビューでは、ライヴ・キッズたちの"あるある"ネタをつぶやくTwitterの人気アカウント"ライブキッズあるある"中の人との対談が実現。多彩な音楽性でリスナーを虜にするドアラの魅力と、新作『ロックンロールドリーマーズ』をひもといた。
ドラマチックアラスカ:ヒジカタナオト(Vo/Gt)
ライブキッズあるある中の人
インタビュアー:秦 理絵 Photo by 川村 隼也
-ライブキッズあるある中の人(以下:あるあるさん)はDJ活動もしていて、今年の8月3日に開催した初の自主企画("ライブ行きたい")はドアラ(ドラマチックアラスカ)も出演してましたね。
あるある:渋谷CHELSEA HOTELでやったんですけど、ドラマチックアラスカの出演を発表したときの"うおー!"っていう感じはすごかったですね。
ヒジカタ:最初は出演バンドの文字数だけ発表したんですよ。
あるある:それで"これってドラマチックアラスカじゃん?"みたいなざわつきもありつつ。その日はドラマチックアラスカがトリで、すごく良いイベントにしてもらったんです。で、そのあとに企画の全国ツアー編もやってまして。ドラマチックアラスカには11月7日の神戸編にトリで出てもらったんですけど、それもすごく良かった。DJタイムで"うわー!"ってなったり、バラードの曲でシーンとなったり。ジャンルの幅が広いイベントだったんですけど、そういうイベントの最後をドラマチックアラスカがきれいにまとめてくれたんです。終わったあとに僕の喋ることがないくらい、MCでヒジカタ君が僕の想いを言ってくれて。
ヒジカタ:"ライブ行きたい"っていうイベント・タイトルでツアーを回ってはるんですけど、チケット代が無料なんですよね。だから、普段はお金がなくてライヴに行きにくい中高生とかも行きやすいイベントなんです。出演者がジャンルレスな組み合わせだったから、普段僕らを見る機会のないお客さんたちも見てくれる。僕らにとっても意味のあるイベントに出させてもらったから、僕はただ思ったことを言っただけなんですよ。
-どういうことを言ったんですか?
ヒジカタ:ライヴハウスって、普段行き慣れてない人からしたら怖いイメージがあったり、身構えてしまったりするところがあるじゃないですか。そこを、あるあるさんが身を削ってくれた、というか。みんな忘れがちかもしれないけど、無料っていうことは、誰かが身を削ってるんですよ。そういう体力のいることをして、ライヴやライヴハウスの楽しいところを伝えようとしてくれてるんだよっていうことを、MCで言ったんです。
-なかなか自分で"身を削ってます"とは言えませんもんね。
あるある:そうなんです。つぶやいてくれたらすぐにリツイートしますね。
ヒジカタ:さすが(笑)。
-そもそもふたりは何がきっかけで知り合ったんですか?
あるある:僕が普通に(ドアラの)お客さんやったんです。
ヒジカタ:初めて喋ったのは岡山だったんですよ。岡山のワンマンに遠征してくれて、"めっちゃ好きです"みたいな。そこで喋ってからですかね。
あるある:そのときはたぶん"ライブキッズあるある"はやってなかった......いや、やってたけど、DJとかはしてなかった時期かな。だからそういう自己紹介もなく。普通にお客さんとして"また来ます!"みたいな感じで。
-あるあるさんはドアラのどういうところが好きだったんですか?
あるある:最初、ドラマチックアラスカの1枚目のミニ・アルバム(2013年リリースの『ドラマチックアラスカ』)の1曲目「リダイヤル」を聴いて、ほんまに衝撃的やったんです。まず声がいい。こんな声の人はいないし、歌い方も独特やなぁと思いました。曲調もちょっとダークな感じやけど、ポップにまとめてる、そういうのも僕の中では新しかったんです。僕はそのとき高松に住んでたんですけど、出身は兵庫で、当時のドラマチックアラスカの打ち出しが"神戸の最終兵器"みたいな感じだったんですよ。それを見てビビッときたんですよね。
ヒジカタ:お客さんが入れ替わっていくなかで、ずっと変わらずに"好きです"って言ってくれてる人がいるのは嬉しいですよね。僕らを1枚目のころから応援してくれてる信頼感というか。そこが今回のイベントにも繋がっているんです。
あるある:ヒジカタ君、最初は疑ってましたよね(笑)。"アラスカ好きです"って言いながら、僕はフレデリックのラババンをしてたから。でも、ドラマチックアラスカのラババンもめっちゃ家にあるし。昔の紫のやつとかも持ってますから。
ヒジカタ:とにかく、ラババンをたくさんつけてたんですよ。だから、なんか......全員に言ってるんちゃうかなと思ってたんです(笑)。
-今日もReVision of SenceのTシャツを着てますからね(笑)。
ヒジカタ:そうなんですよ(笑)。でも本当にいつもチケットを買って遊びに来てくれるので。ほんまに俺らのことを愛してくれてるんやなと思うようになったんです。
-あるあるさんは、バンドの初期からドアラを追いかけてるわけですけど、ここ最近はバンドが成長しているのが目に見えてわかりますよね。
あるある:それも嬉しいんですよね。初めて(ドアラが)"COMIN'KOBE"に出たときも観てるんです。体育館の小っちゃい方のステージ。あれ、初フェスですか?
ヒジカタ:それぐらいだと思います。緊張して覚えてないぐらいだから(笑)。
あるある:ひとつのフェスのなかでもステージが大きくなっていく感じがいいですよね。
ヒジカタ:ちょっと疑問なんですけど......よく"自分だけが好きなバンドがいい"っていうのも聞くじゃないですか。自分の好きなバンドがどんどん大きくなっていくのが嫌だ、みたいな。ライヴ・キッズ的にはそういうのはあんまりないんですか?
あるある:ライヴ・キッズもいろいろいると思うんですよ。僕はフェスが好きだし、極力いろんなバンドを観るようにしてるんです。総合的に好きなタイプ。でも暴れるのが好きな人もいれば、自分の中の一番が最強で他はオマケみたいな人もいるから。ライヴ・キッズの意味も少しずつ変わってきてると思うんですよね。ヒジカタ君の立場からすると、ひとつのバンドだけが好きっていうのが嬉しいですか?
ヒジカタ:いやいや!......なんか気になるなぁと思って(笑)。
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