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INTERVIEW

Japanese

ドラマチックアラスカ

2015年08月号掲載

ドラマチックアラスカ

Member:ヒジカタ ナオト (Vo/Gt) マルオカ ケンジ (Ba) ニシバタ アツシ (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

フレデリック、夜の本気ダンスとともに全国7ヶ所を回った"ALA-UMI-DOSS TOUR"を終えたドラマチックアラスカが、ミニ・アルバムとしては1年ぶりとなる新作『アンカレッジ・シティー・ポップ』をリリース。オリジナル・メンバーの無期限活動休止、仮メンバーの参加等、バンドとしての動きが過去最高に大きかった期間に録音された楽曲群は、そのときそのときのバンドの姿を克明に記している。今回、メンバー3人のインタビューが実現。新譜の話以外にも、関西のロック・シーンの話やライヴの話など、様々な観点からドラマチックアラスカの"今"を切り取った。

-まず、ドラマチックアラスカ発信で行われた、フレデリック、夜の本気ダンスとの3マン・ツアー"ALA-UMI-DOSS TOUR"についてお聞きしたいと思います。私もセミ・ファイナルの渋谷CLUB QUATTRO公演にお邪魔しましたが、手応えを感じられる充実のツアーだったのではないでしょうか。

ヒジカタ:1年前からみんなで話をして、スケジュールを合わせてツアーを組んで。あの規模感であの3バンドで夏フェス前のすれすれのタイミングで全国を回れて良かったなと思います。きっとここから3バンドとも夏フェスで大きくなっていくと思うんで。

-"関西のロック・シーンの勢いがすごい"とは東京でも毎日のように言われていますし、私も関西のバンドのライヴを東京で観ることはこれまでもたくさんあって"関西のバンドは勢いあるな"と思っていたんですけど、ドラマチックアラスカと夜の本気ダンスとフレデリックを一気に観たことで、初めて"関西のロック・シーン"というものを肌で感じた気がしたんですよね。

ヒジカタ:ああ、良かったです。関西の200人規模のライヴハウスを売り切れない時代からバンドをやっていた仲間と関西以外の土地に行って、チケットが全箇所売り切れで――各会場ものすごい盛り上がりで。この仲間とこういう景色が見れたことは、なかなか感慨深かったですね。

ニシバタ:夜ダン(夜の本気ダンス)とフレデリックと全国7ヶ所回るツアーをして、改めてみんなとゆっくり話もできるし、お互いのライヴもツアーの中で変化していくのが観ることができて。お互い切磋琢磨できるすごくいいイベントだなと感じて。

マルオカ:地元でライヴをしたときと地方でライヴをしたときで、お客さんの反応が違うときがあるんですけど、今回は本当にどこに行っても関西にいるかのように盛り上がってくれて。

ヒジカタ:夜ダンの鈴鹿(秋斗/Dr)君が東京ですごくいいこと言うてたよね。"よくバンドは東京のお客さんは冷たいとか言うけど、そんなんお前らが悪いんやんけ! バンドがお客さんの心を掴んだら、ちゃんとお客さんも返してくれる。俺らはそういうライヴをします"って、袖で聞いてて"めちゃめちゃいいMCやな!"とめちゃめちゃ感動してたんですけど、鈴鹿君のキャラのせいでお客さん"ふふふふふ......"みたいな半笑いやった(笑)。でも夜ダンのライヴはしんみり落ちすぎちゃってもあかんから、あのテンション感を保てるのはやっぱりすごいなって。

-セミ・ファイナルも、どのバンドも同じくらい盛り上がっていて。3バンド全部に対するリスペクトや、関西のロック・シーンへの期待も感じました。

ヒジカタ:東京でああいう景色が見られるとは思ってなかったので......僕も鈴鹿君のMCを聞くまでは"東京は冷たい街や"と思ってたので、俺が悪かったんやなと反省しました(笑)。"関西すごいらしい"という噂とか、KANA-BOON、キュウソネコカミ、THE ORAL CIGARETTESみたいにひとつのバンドが台頭してるところはあったけど、それを本当にちゃんと行動にしたな、というのはありますね。

-関西のロック・シーンはバンドをバックアップしてくれる裏方さんも多方面にちゃんといるし、もうかなり成熟してると思うのですが、そんなシーンの中でドラマチックアラスカはどうしていくべきか、どうしていきたいと思ってらっしゃいますか?

ヒジカタ:関西関西と言いながら、結局どんどんみんな東京に抜けていくんですよ(笑)。だから逆に関西に居残って、関西の重鎮的なポジションを取って、関西を締めていこうかなと。関西の先頭に立ってやれたらいいなと思いますね。うちの事務所は大阪にも支社があるのもあって、連携も困らないし、東京に来る必要性もあんまり感じてなくて。関西にはアマチュアから育ててくれるレコード屋さんがあったり、登竜門的存在の"見放題"があったり、ラジオもいいバンドならアマチュアでも取り扱ってくれたり――関西自体のシーンがしっかりしているから、僕らはそんなに上京とかは考えてなくて。でも僕らも"次誰が抜けるか?"みたいなところにはいると思うんですよ。それがこの3バンドやったりするし......僕らもそういうところで選んだ組み合わせやったんです。

-なるほど。すごく意味のあるツアーだったと思います。今作『アンカレッジ・シティー・ポップ』のTrack.1「世界の始まり」を"ALA-UMI-DOSS TOUR"で披露なさったりしていましたが、どうやら今回のミニ・アルバムはライヴと制作を並行して作られたものらしいですね。

ヒジカタ:多くのバンドが2週間くらいライヴをやらない期間を設けて、制作をするらしいんですけど......まあ僕らもふわっと用意はしてたんですけど、ライヴが大好きすぎて誘われたら出ちゃうんですよね(笑)。"楽しそう!"と思ったものには参加するという無邪気な感じで活動してたら制作期間がなくなって......ライヴの次の日にレコーディング、やばい歌詞書けてへん!って移動しながらバーッ書いたり。結構激しいスケジュールで作りましたね。それでその制作の途中に、ギターが入れ替わって(※オリジナル・メンバーのトバナオヤが無期限活動休止に入り、現在は仮メンバーとして爆弾ジョニーのロマンチック☆安田がギターで参加している)。精神的なしんどさはなかったんですけど、スケジュールの調整が大変ですね。

-ああ、そうですよね。安田さんも曲を覚えなきゃいけないし。

ヒジカタ:ライヴのリハで曲を覚えてもらわなきゃいけないし、曲を録らなきゃいけないし。いきなりそのスケジュールに安田君を付き合わせたから、逃げられへんかな......? 逃げられるんちゃうか? と思ったけど(笑)、楽しんでやってくれてるみたいで。今年入ってからちゃんと寝る日も少ないくらい動いてますね。