Japanese
KEYTALK
Skream! マガジン 2015年07月号掲載
2015.06.09 @下北沢LIVEHOLIC
Writer 石角 友香
"えー、こんばんは、下北沢......です!"。いつもなら"こんばんは、下北沢からやって来ました、KEYTALKです!"というところを小野が思わず冒頭の言葉を放ってしまったのは計算じゃないだろう。だってここは下北沢!自他共に認める下北沢のライヴハウス育ちのKEYTALKが、新たな下北沢の音楽発信源、"LIVEHOLIC"のこけら落としを務めるのは120%異議なしなのだ。
グランド・オープンを務めるバンドが彼らであることが発表されたのは、目前の6月7日。キャパ180人に対して2,500人以上の応募が申し込み期限の19時間に殺到したというのだから、さすが今のKEYTALKの勢いや恐るべし。もちろん、ライヴが直近すぎて応募を検討できなかった人も含めれば、さらに多くのファンがこのライヴに行きたかったに違いない。当選者には一人参加の人も多く、且つ初めてのライヴハウス(それはみんな同じか)なせいか、興奮を内側に秘めたムードが漂う。嵐の前の静けさとも言うべきか。そしてキャパ180ってこんなにステージ近いの?という驚きと狂喜の声をフロアを見た瞬間に上げる人の多いこと。いや、ほんとにステージが近い。1分1秒がやけに長く感じる中、"新しいライヴハウスって気持ちいいなぁ"などと気を逸らせたりしつつ、メンバ--の登場を待っていると、なんとまさかのプロレス入場。
なんとかステージに辿り着くと、巨匠の"こけら落とします!KEYTALKです!"の一声から、いきなり「MONSTER DANCE」でブチ上げる。正直、楽器のバランスやヴォリュームは手探り状態ではあるが、こうしてPAに何度も電気信号が送られて、ライヴハウスになっていくのだと思うと、なんだか感慨深い。とか思いつつもフロアはどアタマからレッドゾーン振り切りモード。その後立て続けに「zero」、イントロで一際大きな歓声が上がった「S.H.S.S.」と、インディーズ時代のナンバーを連投。こんなに間近で彼らの演奏を目にするのは久々だが、フィジカルにブチ上がっていようと演奏は飽くまで非常にテクニカル。加えて、小野のいわゆる"顔で弾くギター"が至近距離で確認できたのが嬉しい。もちろん、1,000人越えのキャパシティでも同じように全力でパフォームしてるはずだが、この日は特に小野の前のめり感が凄まじかった。
演奏以外のことを書くと、このライヴハウスのライティングは、バックライトがフロアを照らし、曲に合わせたスピーディなスイッチングがダンス・アクトにも似合いそうな仕込みになっているのではないか?と思った。で、その光量がキャパに対して半端なくダイナミック......ということはステージ上は灼熱。モニターにでも乗ろうもんなら天井に頭が付きそうだが、その密集感がエクストリームな盛り上がりをさらに増していく。
さらっと(現実には汗だくだが)爽快なニュー・アルバムからの新曲「グローブ」を入れ込んだりして、セットリストに変化をつけていて、巨匠のどこまでも伸びる歌はどんな状況でも届くのだが、いい意味で違う曲に聴こえるほどフロアのシンガロングがデカい。すべての曲を全身全霊で楽しもうとする熱気が曲のイメージすら変えてしまっている......お客さん、恐るべし。続いて冒頭の小野のMC。"記念すべきこけら落としを務めさせていただくことになりましたー!"と再度、歓喜を分かち合いつつ、"今、15センチ飛んでるとしたら半分の7センチぐらいにしてもらえたら"と、床の状況に配慮したお店スタッフからのリクエストを笑えるMCに転化。いつもステージを好き放題走り回る煽り自由人・小野は、実はバンドの音楽性の最もエッジーな部分をいち早く体現もするし、とっさの状況判断をこのバンドらしい表現で笑いに変換させもする。個人的には小野武正の人間力を徹底的にこのライヴで見た思いだ。"アンコールやるつもりないんで!ツアーでやってない曲も全力でぶっこんで来たんで!"というこれまた小野の煽りとともに、「キュビズム」や「UNITY」など、新旧のKEYTALKにしか作れないジェットコースター級の展開を持ったナンバーを演奏し、「O型」では八木のドラムのテクニカルの高度さを(姿は見えないのだが)音で体感。ほぼノンストップで突き進んできた10曲目にニュー・アルバム『HOT!』のオープニング・ナンバー「YURAMEKI SUMMER」では、首藤のラップ部分から"Ho!"の合いの手まで完璧すぎるシンクロを見せるファンのアルバムの聴き込み具合にも驚きつつ、やはりこの曲も展開の多さが際立つ。勢いだけで演奏できる曲じゃないのだ。BPMの速さじゃなく、構成の難易度でスリルを生む、アミューズメント・ロック/ポップ。それを余裕のよの字もないカオスな状況でも演奏し切る4人、そして全力で応えるフロア。
最終盤は小野のクランチな三連リフが攻めてくる「Human Feedback」でさらに畳み掛けてくる。出音も厚くなりこの曲のアバンギャルドな攻撃性がダイレクトに届くと、続けてカオスの様相を強める「ナンバーブレイン」でダンスはもう止まらない。"ラスト!床がブチ抜けない程度にかかってこいやー!"の巨匠の煽りとともに「夕映えの街、今」がハードコアかスカ・パンクの如きテンションを生み出す。この日最高音量のサビのシンガロングでフロアも全力を出しきって、小野曰く"地獄の"60分一本勝負が終演。戻りも当然、プロレス退場なのだが、全員、頭からバケツの水をかぶったような状態で退場。彼らのこれまでのキャリアの節目にそれぞれ強烈なインパクトを残してきたナンバーを多く盛り込み、"Born in the 下北沢"なセットリストをツアー中にも関わらず練ってきてくれたKEYTALKが、新たに下北沢に生まれたLIVEHOLIC初日に大いなる楔を打ち込んだ、その一部始終は短いながらも特濃だった。
それにしてもそこが知らない場所で、たとえひとりでも、バンドがいて、演奏が始まれば世界で1番好きな場所になる――そうやって、ライヴハウスは数多の想いを重ねる場所になっていくんだな、と思う。
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