Japanese
ヒトリエ
Skream! マガジン 2024年10月号掲載
2024.09.15 @日比谷公園大音楽堂
Writer :稲垣 遥 Photographer:西槇太一
"リーダー(wowaka/Vo/Gt)が作ったヒトリエっていうバンドが野音(日比谷公園大音楽堂)に立てること、ようやく証明できました!"
シノダ(Vo/Gt)が終盤で解き放たれるように空に叫んだこの声が心に残った、そんな野音ワンマンだった。
今年2024年にメジャー・デビュー10周年を迎えたヒトリエが、"HITORI-ESCAPE 2024 10-NEN-SAI〜日比谷超絶野音〜"と題し、自身初となる野音公演を開催した。夏が終わり秋に差し掛かっているはずの9月半ば。にもかかわらず気温は30℃を超え、立っているだけで汗が流れるような残暑ではあったが、この日のチケットはソールド・アウト。約3,000人の観客が、SEが響くと同時に大きな手拍子を鳴らした。
幕開けは始まりの作品『ルームシック・ガールズエスケープ』の1曲目「SisterJudy」。そして同作の曲順通りに「モンタージュガール」へと繋ぎ、シノダが歪んだギター・ソロを炸裂させて早々に会場を赤く染める。"我々がインターネットより参りました、ヒトリエでございます"(シノダ)。粋な幕開けだ。
そこから強烈なリフと四つ打ちで会場中をノらせた「トーキーダンス」。反響音の少ない野外でも、たった3人で鳴らしているとは思えないこの迫力は不変だ。"止まることなど出来ねぇんだよな"と届けた後は、3人体制になって初めて発表された、新たなヒトリエの一面を提示した楽曲であり、ゆーまおの精緻なハイハットがヒリヒリとした緊迫感を煽る「curved edge」。曲を終えシノダが吠えた。気合十分である。
暑さが残っているとはいえ、やはり9月。陽が沈むのは早く、徐々に暗くなってゆく空の下で披露された「風、花」と「オン・ザ・フロントライン」は切なさが引き立つ。"こういう景色なんだ......"と満員の客席を見渡してこぼすシノダ。"よくこんな集まったな。今までどこにいたんだ!"と言うと、客席から"インターネット!"の声が。"そっか、インターネットか。......よく出て来たな"とシノダが答えたのもいい場面だった。
中盤は、シノダがギターを置きハンドマイクに持ち替えて「SLEEPWALK」、「Selfy charm」と打ち込みを取り入れたダンス・チューンを連投。ちょうど陽が落ち切って暗くなったタイミングにまた似合う完璧なセットだ。心臓が血液を送り脈打たせるように、イガラシの熱いベースが我々のフィジカルを熱く躍らせる。キメでドラム台から高く飛び降りるシノダも絵になること。
ディレイがかったギターからは、レアなナンバー「モノカラー」。シンプルでストレートなミドル・ロックが彼等のライヴではかなり新鮮に響き、より"歌"にフォーカスしたアプローチに。さらに、"次はこうやって皆さんと向かい合って歌うのは初めてのリーダーの曲"と、wowakaがボカロ曲として発表していたナンバー「テノヒラ」へ。スローなドラムから、シノダが弾き語りでぐっと温かな歌声を聴かせる。親しい人への手紙のような人懐っこいヴォーカルは新しく、そして日比谷公園の鈴虫の声が風情をかき立て、素朴さとここだけの特別感が奇跡的に兼ね備わった演奏に、この日最も長い拍手が送られた。
そうして"ちょっと懐かしい曲をやろうかな"と「ワンミーツハー」を始めると、客席から思わず声が上がった。恐らく現体制になって初めての披露になったこの曲では、プロジェクション・マッピングの演出も施され、野音全体がまどろみに吞み込まれる感覚に陶酔してしまう。そこからなだれ込んだ「踊るマネキン、唄う阿呆」は、レーザーが飛び交うなか、曲に登場する"逆さまの街"がステージに映し出され、イガラシのスラップにも野音が大きく揺れた。その上、ブルージーなギターが色っぽい「ジャガーノート」を畳み掛けると、ステージ前方でなんと火花が噴出花火のように8ヶ所から上がり、シノダとイガラシがそのギリギリまで前に出て弾き倒す様に大盛り上がり。だが直後にシノダが"あの火熱くないって言われたけど嘘つき! ちょっと熱かったじゃねぇか! 楽しいな!"と本音を漏らしていた。
"僕の憧れのバンドが立ってた日比谷野音に、今日はヒトリエが立ってます。この長い野音の歴史の中で一番デカい声聞かせてもらってもいいですか!"シノダのこの声を合図に、"オーオーオ、オオオオーオーオオオオ"の大合唱が日比谷に轟いた「アンノウン・マザーグース」は会心の出来。かつてシノダが憧れたバンドたちのように、彼等自身も多くの人にとっての"憧れのバンド"に間違いなくなれている。そう確信できる程の貫禄がそこにはあった。
"ヒトリエっていうバンドは絶対ここに立てるって思ってました。多少時間はかかりましたし、失ったものは大きかったです。けど、僕の予感は間違ってませんでした。リーダーが作ったヒトリエっていうバンドが野音に立てること、ようやく証明できました!"冒頭に記したシノダの言葉がここで響き渡った。"この曲を作ったときから、ずっとそう、思ってました"と奏でられたのはバンドが初めて作った曲「カラノワレモノ」。"泣きたいな 歌いたいなあ"、"哀しさをさ、叫びたいんだ。"、"咲きたいな、笑いたいな/此処は、何処へも繋がる、そうだ。"――4人の音楽へのピュアな想いが、純なまま、風に乗って届いてゆく――"さっきここに立つことは必然だったって言ったけど、継続なくしては実現できなかった必然で。ここまで信じてきてくれてありがとうございました"。シノダが「イメージ」を弾き語りから始める。一つ一つの言葉をしっかりと伝え、まっすぐなロック・チューン「ステレオジュブナイル」で再び火柱が吹き上がるなか、本編を締めくくった。
"もう一回!"コールで再び登場し、シノダは"感無量"、"あの辺でNUMBER GIRL観てたわ"等と気持ちを滲ませ(実はそこにNUMBER GIRLのメンバーが観に来ていたことも記しておこう)、「センスレス・ワンダー」、さらに"リーダーが作った曲で、まだ世に出てない曲がありまして"と「NOTOK」を投下! ハイBPM且つトリッキーなリズムや展開でありながらダンサブルなwowaka節のナンバーで、和の趣やバス・ドラム、低音が効いたクールな1曲だ。まさかのサプライズに興奮しながらも、その光景をしかと心に刻まんとオーディエンスがステージに見入るなか、ラストは「ハイゲイン」。"こんなんじゃ全然聴こえやしないの"を"聴こえすぎて困っちまうなぁ!"と言い換え、熱く、スペシャルな夜を終えた。
ヒトリエのテクニカルな部分よりも、バンド然とした部分が際立ったライヴだった。10周年、というよりも日比谷野音に立つことへの強い想いがそうさせたのかもしれない。だが、確かな熱と少しの特別な演出はあれど、集大成や達成感といった言葉は似合わない、むしろいつも通り、通過点の1つといったムード満載で駆け抜けていった彼等が頼もしくて仕方なかった。アンコールでは"HITORIE 10-NEN-SAI FINALE TOUR"と来年1月にフル・アルバムをリリースすることが発表された。手を合わせ、お辞儀をした後全力疾走で袖まで走って行ったシノダの嬉しそうな姿が、まだ目に焼き付いている。
[Setlist]
1. SisterJudy
2. モンタージュガール
3. トーキーダンス
4. curved edge
5. 3分29秒
6. 風、花
7. オン・ザ・フロントライン
8. SLEEPWALK
9. Selfy charm
10. モノカラー
11. テノヒラ
12. ワンミーツハー
13. 踊るマネキン、唄う阿呆
14. ジャガーノート
15. アンノウン・マザーグース
16. カラノワレモノ
17. イメージ
18. ステレオジュブナイル
En1. センスレス・ワンダー
En2. NOTOK
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