Japanese
ヒトリエ
Skream! マガジン 2022年07月号掲載
2022.05.31 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 稲垣 遥 Photo by 西槇太一
2月に開催を予定していたヒトリエの全国ツアー"HITORI-ESCAPE TOUR 2022"東京公演の振替ライヴが、3ヶ月の時を経てLIQUIDROOMにてついに実施となった。各地を2デイズで回り、新旧様々な楽曲を披露してきた本ツアー。ソリッドであり貫禄すら感じさせる、今のヒトリエの強固な実力を見せつけた第2夜の模様をレポートする。
会場が暗くなるなり大きな拍手が湧き、赤い照明に照らされてステージに現れた3人。オープニングに奏でたのは「ポラリス」だ。ヒトリエ節とも言える言葉数の多い詞と疾走するドラム、高鳴る鼓動のように身体に響かせながら動き回るベース。"誰も居ない道を行け"と繰り返す歌がバンドの姿にも重なる。次いで、ヒリヒリしたサウンドに剥き出しの葛藤をぶつけた「ハイゲイン」、そして3人体制の始まりの曲「curved edge」ではよりヘヴィな音像をキレッキレに聴かせ、ド頭からの3曲で満員の観客を圧倒。緊張感を保ちながらもボルテージをぐいぐいと高めていく。コロナ禍の制限で声は出せないものの、"どえれぇ拍手してくれんじゃねーの"とシノダ(Vo/Gt)も驚くほど、かなりの間鳴りやまなかった大きな拍手は、3人のパフォーマンスがオーディエンスの期待をすでに超えたことを示していた。
そして、ヒリついたナンバーとは打って変わって、コロンとしたマリンバのような打ち込みの音色がかわいらしく彩るダンス・チューン「風、花」、シノダがギターを置いて、ハンドマイクでゆらりと揺れたり、アンプに腰掛けたりしながら気怠く歌うダウナーな「RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY」など多彩さを見せたあとは、レアな選曲となった「Namid[A]me」を披露する。ここから初期の楽曲が続き、「るらるら」では途中で3人が演奏をストップし静止すると、そこから長い長いタメからの阿吽の呼吸のリスタートで爆発する。観客のテンションもさらに増し、端から端まで腕を上げさせた。勢いそのまま突入した「カラノワレモノ」でフロア一面がジャンプする姿も壮観で、ライヴハウスの活力が戻ってきていることを実感する。
なおのことギアを上げていくヒトリエ。狂騒的なロックンロール・チューン「Marshall A」から、"この中に踊り足りてない方はいらっしゃいませんか!"とシノダが発し、イガラシがスラップ・ベースを炸裂させながら前に出たのを合図に「踊るマネキン、唄う阿呆」へと雪崩れ込んだ。3人の鳴らす轟音の渦の中でもはっきりと聴こえる手拍子に、オーディエンスの興奮も伝わってくる。"wowaka(Vo/Gt)より愛を込めて!"とシノダが絶叫すると「アンノウン・マザーグース」からいよいよラスト・スパートへ。3人の凄まじい気迫に満ちた演奏と全力の"ウォーオーオー"の咆哮。それを渾身の力で掲げた拳で受け止めるフロア。会場全体から声が聴こえたような気がする場面だった。そして"照れくさいことを言いますけど、あなただけに愛を込めて"(シノダ)と「ステレオジュブナイル」をここで投下。ヒトリエの音楽に新しい風を吹き込んだと言える、ゆーまお(Dr)作のまっすぐ希望に向かうメロディと、シノダのキャラクターが滲む、"こんなん聴いてくれんのお前だけ"というひとりひとりへ話し掛けるような筆致が見事に融合した、今の彼らにしか描けないオーディエンスへのメッセージ・ソングに、思わず目頭が熱くなった。
ここでシノダがこのLIQUIDROOMという場所について、ZAZEN BOYS、ゆらゆら帝国、POLYSICS、水曜日のカンパネラなど、カッコいいアーティストをたくさん観てきた憧れのライヴハウスだと語った。3人体制になってからヒトリエがここに立つのはこの日で3度目。"1回目は、3人になってすぐのときだった。急に自分が歌うことになって、わけがわからなかった。2回目のLIQUIDROOMは、お客さんがいなかった。カメラしかなかった。そのときも最高とは思えなかった。イマイチだなって......。今日で3回目です。――誰か文句あるやついるか。......俺は最高だと思ってるけどね。ちょっと時間かかったけど、またLIQUIDROOMの似合うバンドになりました。ヒトリエです、どうぞよろしく"。飾らない想いをシノダの言葉で、ここまでついてきた観客に向けて伝えると、その言葉を聞き逃すまいとじっと聞き入っていたフロアから、温かく長い拍手が湧く。
そして"最後に、僕たちのこれからの歌を"と「イメージ」を披露した。大きな空白の存在を確かに背負いながらも、もうその視線に迷いや不安はなく、決意をまっすぐ前へ届ける歌となったこの曲。優しく大きなリズムで支えるベースとドラムの一音一音にも、今のバンドに対する自信が表れているように思えた。柔らかくも力強い光で背後から照らされながら演奏する3人の姿が、今でもくっきりと目に焼きついている。
[Setlist]
1. ポラリス
2. ハイゲイン
3. curved edge
4. 風、花
5. RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY
6. tat
7. Namid[A]me
8. イヴステッパー
9. るらるら10. カラノワレモノ
11. Marshall A
12. 踊るマネキン、唄う阿呆
13. 3分29秒
14. アンノウン・マザーグース
15. ステレオジュブナイル
16. イメージ
En1. 終着点
En2. インパーフェクション
ヒトリエ
RELEASE INFORMATION
ニュー・アルバム
『PHARMACY』
2022.06.22 ON SALE
【初回生産限定盤】(CD+Blu-ray)
AICL-4253~4/¥3,740(税込)
【通常盤】(CD)
AICL-4255/¥2,860(税込)
[CD]
1. Flashback, Francesca
2. ゲノゲノゲ
3. 風、花
4. Neon Beauty
5. 電影回帰
6. Flight Simulator
7. 3分29秒
8. ステレオジュブナイル
9. strawberry
10. Quit.
[Blu-ray] ※初回生産限定盤のみ
1. 「3分29秒」Music Video
2. 「ステレオジュブナイル」Music Video
3. 「風、花」Music Video
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"Shimokitazawa SOUND CRUISING presents. サウクルラボ vol.1"
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