Japanese
ヒトリエ
Skream! マガジン 2022年02月号掲載
2022.01.21 @YOKOHAMA Bay Hall
Reported by 秦 理絵 Photo by 西槇太一
振り返れば、昨年、EX THEATER ROPPONGI で開催された7周年ライヴは無観客の配信ライヴだった。あれから1年。YOKOHAMA Bay Hallで開催されたヒトリエのメジャー・デビュー8周年ライヴ"HITORI-ESCAPE 2022ーYOKOHAMA 8ー"は、満場のお客さんに囲まれて開催された。そのステージで、シノダ(Vo/Gt)は"こうやってライヴをやっていること以上に重要なことは、僕の人生にはないんだろうなって思いました"と喜びを爆発させた。1月26日にリリースされたばかりの新曲「ステレオジュブナイル」も初披露されたこの日、熱狂と共にヒトリエは2022年へのスタートダッシュを切った。
SEに乗せてステージに登場したシノダ、イガラシ(Ba)、ゆーまお(Dr)をお客さんが盛大な手拍子で迎え入れた。軽く肩慣らしをするように3人で軽く音を鳴らすと、シノダは気合を入れるように"ウアァー!"と叫ぶ。オープニング・ナンバーは、まさかの「劇場街」。2015年に発表されたミニ・アルバム『モノクロノ・エントランス』からの意表を突く選曲だった。ゆーまおが叩き出すスピーディなビートに乗せて、激しく緩急をつけたバンド・サウンドが一瞬にしてフロアの興奮を最高潮へと押し上げる。うねるようなベースを弾きながら、イガラシがステージ際まで歩み出た「ハイゲイン」では、シノダが早口のメロディを捲し立てた。間髪入れず「日常と地球の額縁」へ。圧倒的な記名性を誇るシノダの唯一無二のギター・ソロで沸かせる。バンドとしてのライヴは昨年のツアー以来ということもあってか、特にシノダのテンションが異常に高かった。
"みなさん、あけましておめでとうございます。メジャー・デビュー8周年を迎えました。ヒトリエです"。シノダの言葉にフロアからは長い、本当に長い拍手が送られた。"寒かったでしょ? あったまって帰ってちょうだい。新年っぽい曲をやるわ"。そんな紹介で「curved edge」へ。一瞬、"新年っぽい?"と疑問符が浮かんだが、ライヴは待ったなしで進んでいった。フューチャー・ファンクをバンド・サウンドに落とし込んだ「Milk Tablet」では、"ドラムス、ゆーまお!"の声を合図にゆーまおが鮮やかにソロ・プレイを決めた。同期を取り入れたエレクトロなサウンドと人力のグルーヴが交錯する、ゆったりとした楽曲が続く。口笛を伴いながら上品なサウンド・スケープを聴かせる「tat」、浮遊感のあるサウンドに乗せた美しいメロディが実体のない世界を彷徨うような「うつつ」。昨年バンドに行ったインタビュー(※2021年6月号掲載)では、コロナ禍のライヴはじっと聴き入るような楽曲に確かな手応えを感じるというような話をしていたが、まさにそのとおりだった。勢いで誤魔化せないからこそ、徹底してストイックに突き詰めた世界観がしっかりと会場に沁み渡っているのがわかる。
イントロ一発でフロアを一斉にジャンプさせた「カラノワレモノ」のあと、2度目のMCを挟んだ。"ヤバい、ヤバすぎる。こんな嬉しい気持ちになっちゃっていいんだろうか"と昂る感情に言葉を失うシノダに、またも会場からは大きな拍手が送られる。"もうやめて(笑)。頭がおかしくなっちゃう。前はこんなことをずっとやってたんだね"。そう言って、集まってくれたお客さんへの感謝を伝えると、1月26日にリリースされたばかりの最新曲「ステレオジュブナイル」が初披露された。作曲はゆーまお。シンプルなビートに乗せ、バンドの中でも群を抜いたポップ・センスを持つゆーまおらしい明瞭なメロディが紡がれると、そのボトムではイガラシのベースがこれでもかと暴れていた。3ピース・バンドになって以降、それぞれの個性を恐れることなく生かすことでバンドを更新し続けてきたヒトリエの、2022年版にアップデートされた現在地はどこまでも開放感に溢れていた。
"どんどんいきたいと思います"と後半戦へ。シノダがギターを弾かず、ハンド・マイクで歌ったエレクトロなポップ・チューン「SLEEPWALK」、容赦ない高速プレイの応酬でフロアを踊らせた「トーキーダンス」、いつものように"wowaka(Vo/Gt)より愛を込めて"と言葉を添えた「アンノウン・マザーグース」と、怒濤の勢いで畳み掛ける。はぁはぁと息を切らしたシノダは"早口の曲が多い。肺が爆発しそう(笑)"と冗談っぽく言いながらも、休むことなく「3分29秒」に突入。エッジーなギター・ソロで沸かせる。ハイライトの連続のようなライヴの中、息を呑んだのが「青」だった。ステージがブルーに染まり、歪んだギターが空気を震わせた。他の曲よりも強い力でベースの弦をはじくイガラシ。エモーショナルなミディアム・テンポに紡がれるのは"嘘みたい/でも嘘じゃない/僕らを唄おう"という生々しい想いだ。歌い終えたあと、すべてを出しきったかのようにシノダはがっくりと床に膝をつく。
ラスト1曲を残したところで"今年ぐらいなら乗り越えられるようなエネルギーを、今日、僕は勝手に貰ってしまいました"とシノダ。"最後に僕たちのこれからの歌を歌って終わりにしようと思います"と言うと、ギター1本の弾き語りで歌い出し、じわじわと熱を帯びていく壮大なロック・バラード「イメージ」を届けた。曲が進むにつれて、少しずつ光が灯っていくステージ。かつて大きな悲しみから一歩踏み出すような歌として聴こえていた、"太陽の裏側に 行くのさ"というフレーズは、今は自分たちの未来を切り拓いていく力強い歌としてライヴハウスに響き渡っていた。
アンコールでは、シノダが"今年もマイペースにやっていけたらと思います"と抱負を伝えたあと、マイクを託されたイガラシは、5周年のときに作ったピザをイメージしたカクテル(あまり評判は良くなかった)を、今年はコロナ禍のルールもあり、売れなかったことに触れて、"ごめんね。楽しみにしていたと思うと心が痛みます。周年はまた来年も来るのでチャレンジしてください"と言って笑いをとった。さらりと言ったひと言だったが、"周年はまた来年も来る"という、迷いのない口調にぐっときてしまった。何かが続いていくということは、今はもう決して当たり前じゃない。最後は「終着点」と「センスレス・ワンダー」でダメ押しとばかりにフロアを沸かせて終演。まるでその光景を目に焼きつけるように、フロアの隅々にまで視線を投げ掛けながら歌うシノダの姿が印象的だった。
なお、ヒトリエは2月8日のLIQUIDROOM公演を皮切りに、全国5ヶ所を回るツアー"HITORI-ESCAPE TOUR 2022"を開催する。
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