ヒトリエ
Skream! マガジン 2014年05月号掲載
2014.04.18 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 沖 さやこ
ヒトリエの2014年初ライヴ、TOWER RECORDS渋谷店内にあるCUTUP STUDIOにて行われたインストア・ライヴの終演後、わたしはメンバーに"大きくなって帰ってくるのを、4月のLIQUIDROOMで待ってます"と述べた。その時期のwowakaはメジャー・デビューという環境の変化とハード・スケジュールのなかでフロントマンとして、リーダーとして、メイン・コンポーザーとして様々なものと戦い、"バンド"という魔物の手綱を握ることで精一杯だったように見えた。わたしの言葉を受けた彼は(本人は覚えていないかもしれないが)こちらの目をまっすぐ見つめ、一言"勿論"と告げた。あのときの彼の鋭い眼光は、今でも脳裏に焼き付いている。思い通りにいかない悔しさ、腹の内に巻き起こる怒り、なにより"絶対にもっと進化してやる"という強い意志が漲ったあの目は、本気そのものだった。
その日以降、バンドは様々なイベントや全国各地のサーキット・フェスなどに出演。武者修行とも言える怒涛の本数のライヴをこなした。そして迎えた東名阪ワンマン・ツアー、メンバーの憧れの会場でもあるLIQUIDROOM ebisuでのファイナル公演。wowakaの言葉通り、ヒトリエはひと回りもふた回りも大きなロック・バンドとして帰ってきた――。
ヒトリエが登場SEに使用している楽曲「Heartbeat」を制作した若干21歳のトラックメイカー、LASTorderによるDJの後、満員のLIQUIDROOMに4人が登場。「アイマイ・アンドミー」「生きたがりの娘」「ワールズエンド・ダンスホール」と、バンドの曲だけでなくwowakaがVOCALOIDクリエイターとして発表した楽曲を織り交ぜたセットで魅せる。性急に突き動かすリズム、繊細かつ鋭利なギター、キャッチーでありながらも常にひりついたグルーヴ。wowakaは楽曲の持つ世界を身体に取り込み、歌でそれを発散しこちらへ突き付ける。特にVOCALOIDの楽曲である「ワールズエンド・ダンスホール」は彼が歌うことで生まれる色香や狂気が滲む。彼がインタビューで語ってくれたヒトリエというバンドを始めた理由とこのバンドでやりたいことが、そのままステージの上で表現されていることに強く心を打たれた。それだけ4人が高いポテンシャルをもってバンドに臨んでいるということだろう。
音の隙間により譜割りが映える「アレとコレと、女の子」では、シノダ、イガラシ、ゆーまおの作るサウンドスケープのなかで、艶やかな歌声を響かせてギターを演奏するwowakaの姿が印象的だった。そのときに思った。彼はバンド・メンバーにいろんなことを任せられるようになったのではないだろうか。この日の彼には、無駄な力みや気負いが一切なかった。シノダ、イガラシ、ゆーまおも、wowakaをいちばんいい状態で支えつつ、自分のキャラクターを出す方法を見つけたのかもしれない。イガラシのベースは攻めまくりながら楽曲のムードを底上げする包容力があるし、ゆーまおは緩急を盛り込みひとつひとつ確実にリズムを打ち付ける。シノダの仄かな揺らぎや不安定さを感じさせる敏感なギター・フレーズも、全てがwowakaの楽曲世界とシンクロしていた。中盤の「(W)HERE」「inaikara」「浮遊と沈没と」では同期音が楽曲のムードをより高め、ディープな空間を構築。ミディアム・テンポの楽曲でもヒトリエの作る音はしっかりとビートが生きているから、常に心地よい緊張感が肌を刺す。長々と御託を並べているが、わたしが言いたいことはただひとつ。ヒトリエはとんでもなくかっこいいロック・バンドということだ。これだけ繊細で荒々しく圧倒的なのに、隅々はまだまだ未完成なのだから、尚更たまらない。
シノダがフロアを見渡しながら"この1000人を皆殺しにするセットリストをやっていきます"と言い、怒涛の後半戦に突入。「darasta」、セッション的アプローチを挟んで「センスレス・ワンダー」、ドラム・ソロから「ever ever ever」に繋ぎ、イガラシのベースで引き付けて「踊るマネキン、唄う阿呆」と畳み掛ける。"ライヴをやっているときは(頭で考えるというよりは)体で楽しんでいる感じ"と嬉しそうに語ったwowakaが"バンドを始めて2年半、長かったし短かったけど、ここにいる全員が僕らの誇りです"と続けるとフロアからは大きな歓声と拍手が沸いた。その後に演奏された「カラノワレモノ」は、より感情的にスケールを増したサウンドに深みのある歌が重なり、美しさの骨頂とも言うべき音像に酔いしれた。アンコールでwowakaは満員のLIQUIDROOMに感謝を述べ"でもこんなんで終わるようなバンドじゃないんで。もっともっとみんなを素敵な景色の見える場所へ連れていきますので、力尽きるまで僕らと一緒にいてください"と力強く語った。わたしの知る限り、ヒトリエは口にしてきた願望や理想をひとつひとつ確実に実現させている。この言葉を現実にする日も、そう遠くはないかもしれない。いや、遠いはずがない。そう強く感じさせる素晴らしいライヴだった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
WurtS
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
インナージャーニー
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ビッケブランカ × Salyu
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
WurtS
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
秋野 温(鶴)
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
- 2025.11.03
-
irienchy × no more
NANIMONO
秋山黄色
フレデリック
怒髪天
OKAMOTO'S
東京スカパラダイスオーケストラ
Devil ANTHEM.
ポルカドットスティングレイ
セックスマシーン!!
キタニタツヤ
シド
LiSA
"ボロフェスタ2025"
yama
キュウソネコカミ
愛美
brainchild's
藤巻亮太
AIRFLIP
私立恵比寿中学
Bye-Bye-Handの方程式
moon drop
SPRISE
SCOOBIE DO
the telephones
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
THE BACK HORN
凛として時雨
Age Factory
hockrockb
LACCO TOWER
阿部真央
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
SPRISE
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
"四星球放送局FESTIVAL"
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
- 2025.11.10
-
SUPER BEAVER
鶴
リュックと添い寝ごはん
The Gentle Flower. / kalmia / Halujio ほか
荒谷翔大
Helsinki Lambda Club
超能力戦士ドリアン
- 2025.11.11
-
PEDRO
Age Factory×ジ・エンプティ
BIGMAMA
Laughing Hick
SAKANAMON
僕には通じない
Ado
- 2025.11.13
-
MONOEYES
ザ・クロマニヨンズ
PEDRO
東京スカパラダイスオーケストラ
あいみょん
YOASOBI
syrup16g × ZION
超☆社会的サンダル
さとうもか
Tempalay
キタニタツヤ
Rei
片平里菜
ドミコ
NEE
amazarashi
PENGUIN RESEARCH
Hump Back
- 2025.11.14
-
コレサワ
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
ポルカドットスティングレイ
SCANDAL×ハク。
CVLTE
Rei
フレデリック
WurtS
超☆社会的サンダル
NANIMONO
go!go!vanillas
FINLANDS
EASTOKLAB
フリージアン
ゴホウビ
緑黄色社会
- 2025.11.15
-
MOS
チリヌルヲワカ
SCOOBIE DO
ザ・クロマニヨンズ
the paddles
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
東京スカパラダイスオーケストラ
離婚伝説
Cody・Lee(李)
SCANDAL / 水曜日のカンパネラ / YONA YONA WEEKENDERS / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
YOASOBI
PIGGS
eastern youth
wacci
TOKYOてふてふ
超能力戦士ドリアン
ExWHYZ
CNBLUE
SPRISE
UVERworld
meiyo
Mrs. GREEN APPLE
フレデリック
ズーカラデル
ビレッジマンズストア
WurtS
すなお
NEE
暴動クラブ
崎山蒼志
フラワーカンパニーズ
リーガルリリー
THE BACK HORN
YJC LAB.
くるり
Nothing's Carved In Stone
"氣志團万博2025"
9mm Parabellum Bullet
INORAN
moon drop
PENGUIN RESEARCH
- 2025.11.16
-
SUPER BEAVER
LUCY
SCOOBIE DO
ザ・クロマニヨンズ
chilldspot
LiSA
秋野 温(鶴)
セックスマシーン!!
MOS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
Lucky Kilimanjaro
離婚伝説
YOASOBI
浪漫革命
BLUE ENCOUNT
Dios
超能力戦士ドリアン
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
ポルカドットスティングレイ
osage
CNBLUE
UVERworld
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
NANIMONO
brainchild's
Cody・Lee(李)
Mrs. GREEN APPLE
Bye-Bye-Handの方程式
ザ・シスターズハイ×猫背のネイビーセゾン
eastern youth
Laura day romance
ガガガSP / 打首獄門同好会 / bokula. / 日食なつこ ほか
Base Ball Bear
ぼっちぼろまる
ネクライトーキー / KANA-BOON / フレデリック / 夜の本気ダンス ほか
androp
"氣志團万博2025"
People In The Box
9mm Parabellum Bullet
wacci
RELEASE INFO
- 2025.11.01
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.26
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.10
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号






























