Japanese
ヒトリエ
Skream! マガジン 2021年03月号掲載
2021.01.22 @EX THEATER ROPPONGI
Writer 三木 あゆみ Photo by 西槇太一
ヒトリエが、メジャー・デビュー7周年を記念し"HITORI-ESCAPE 2021 -超非日常六本木七周年篇-"を無観客生配信にて開催した。当初は生配信と併せて、観客を動員しての公演を予定していたが、緊急事態宣言の発令を受けて、やむなく配信のみで実施に。なお同公演の前日には、ファンクラブ会員限定の"HITORI-ATELIER LIVE Vol.2"も行われ、デビュー7周年への想いをこの2デイズに最大限ぶつけた。7周年を総括するセットリストが組まれていた2日目となるこの日。前へ進むヒトリエの覚悟と意志を、強く感じたライヴだった。
気合十分の1発目、「センスレス・ワンダー」で7周年ライヴが幕を開けた。この曲は、2014年のこの日に発売されたヒトリエのメジャー・デビュー・シングル曲だ。ド迫力のカメラワークとストロボ、そしてエネルギーに満ちた彼らの演奏をガツンと食らい、画面越しということを早くも忘れてしまうほど、一気に引き込まれる。次に繋げられたのは、3人体制初の新曲である「curved edge」。この並びに込められた意味もきっと大きいのだろう。最初のMCでシノダ(Vo/Gt)は、"例年に続き、先日に続き、無観客でお送りしております。ただ私には今、このEX THEATERを満員にしている無数の念が見えています"と語る。そして、この日は"心が爆発するようなパーティー・チューン"を次々に演奏していくことを宣言し、「イヴステッパー」へ。高揚感のあるビートに自然と踊らされる。画面が横長になる演出が新鮮だったアッパー・チューン「るらるら」では、曲終わりにシノダがスカッと"ありがとう!"と放ったのも熱い。
シノダがハンド・マイクで歌い、同期とイガラシのベース、ゆーまおのドラムのグルーヴでノせていくダンス・ナンバー「SLEEPWALK」、「Loveless」を続けて披露。「Loveless」では、画面が重なるオーバーラップ的な映像演出が目を引き、ラストの3人による演奏も圧巻だ。"世の中はどんどん変わっていって、おかしなことになっているような気もする。そんななかでも変わらないことがあって。それは例えば、次にやる曲がとんでもなくいい曲だということだったりします"というシノダの言葉のあとに披露された「(W)HERE」は、3人のサウンドの上でどこか切なく、優しく響く打ち込みのリフが沁みる。続く「カラノワレモノ」もヒトリエでしか成しえない、エモーショナルなナンバーであり、画面に吸い込まれてしまうほどに集中していた視聴者もたくさんいたのではないだろうか。モノクロの映像で届けられた「トーキーダンス」で再び熱く躍らせたあと、シノダが"こんなクソみたいな2021年にwowakaより愛をこめて"と放ち「アンノウン・マザーグース」を披露。それぞれの想いが滲むような、メンバーによる力強いシンガロングに思わずグッときてしまう。ノイズがかったエフェクトや、9つに分割されたモニターが映し出される映像演出も印象的だった。
そこから、"ここEX THEATERに「お集まらない」みなさま、お客様の中に踊り足りてない方はいらっしゃいませんか!"とシノダが大声で煽り、イガラシによるベース・スラップが炸裂。「踊るマネキン、唄う阿呆」へなだれ込む。どんどん上昇していく熱量に、サビで思いっきり手を挙げたい衝動に駆られ、ステージからのパワーを全身に浴びているような感覚に陥る。冒頭のMCでシノダが"フロアに無数の念が見える"と言っていたが、本当にステージに押し寄せ、手を挙げ踊る観客の姿が見えてくる気がした。
シノダは、この日を迎えたことについて語るなか、"6周年経ったころには、ステージにリーダーがいませんでした。7周年を迎えた今日、フロアには誰もいません。いっそのこと全部夢だったらいいのになぁと、そんなふうに思います"と吐露する。迷いや葛藤がありながらも、wowakaと共に作り上げてきたかけがえのない音楽体験を"絶やすべきではない"と感じたことを話した。そして、"僕たちにはまだやれることがある気がしていて、その足掛かりになればと思って新しいアルバム『REAMP』を作りました"と、2月17日にリリースされる新体制初のアルバムについての想いを伝える。ヒトリエの新作が出る。その意味を深く受け止めたいと思う。
続いて、青の光に包まれるなか歌われた「青」。この曲の言葉のひとつひとつに、今の彼らの心情とリンクする部分がある気がしてならない。そして、"お前らみんな強いから!"と歌詞を変え叫んだ「ポラリス」で駆け抜け、本編は終了した。
無音のなか、ステージの楽器だけが映し出されていた数分間を経て、メンバーがステージに再登場。"みなさんのアンコールが聞こえました"(シノダ)と、画面の前にいる観客の"念"が届けていたであろうアンコールに応えた。最後の最後は「SisterJudy」、「モンタージュガール」を畳み掛ける。シノダはステージを走り回り、イガラシはクールに暴れ、ゆーまおはより強く激しくドラムを叩き、すべての力を出し切って、この7周年ライヴを締めくくった。演奏後シノダは床に倒れ込み、そしてやりきった表情で"ほんじゃまた"と言って、ステージを去っていった。
[Setlist]
1. センスレス・ワンダー
2. curved edge
3. イヴステッパー
4. るらるら
5. 伽藍如何前零番地
6. SLEEPWALK
7. Loveless
8. RIVER FOG, CHOCOLATE BUTTERFLY
9. (W)HERE10. カラノワレモノ
11. トーキーダンス
12. アンノウン・マザーグース
13. 踊るマネキン、唄う阿呆
14. 青
15. ポラリス
En1. SisterJudy
En2. モンタージュガール
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