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DISC REVIEW

Japanese

BiSH Documentary Movie "SHAPE OF LOVE"

BiSH

『BiSH Documentary Movie "SHAPE OF LOVE"』

Release Date : 2018-08-29
Label : avex trax

全12ヶ所の全国ツアー"BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR"から、5月の横浜アリーナ公演[BiSH "TO THE END"]までの舞台裏に完全密着したドキュメンタリー作品。ライヴ前後の楽屋や打ち上げといった場で覗かせる、ステージやオフィシャルな場での表情とはまた違った面が見られるのは、ファンにとって嬉しいところだろう。それも垣間見えるのは、いわゆる普通の女の子に戻る瞬間というより、悩み、葛藤したり、メンバーを慮ったり、時に真っ向からぶつかる、それぞれが徹頭徹尾BiSHである姿。とにかく真面目、でもって全然器用じゃないし、それを言い訳にしない。そんな彼女たちの在り方が記録されている。BiSHの歌が持つ肯定感や、ある種のパンクイズム的なものの説得力は、彼女たち自身によるものだとわかる内容だろう。(吉羽 さおり)


Related DISC REVIEW

UP to ME

BiSHの12ヶ月連続リリース第9弾シングル。表題曲「UP to ME」は、国立科学博物館 特別展"毒"のタイアップ・ソングということで、歪んだ歌とサウンドで毒をまき散らすような印象を受ける仕上がりに。もがき続け、足掻き続けながら前へ前へと進んでいく意志を感じさせる言葉の節々が、彼女たちがこれまで歩んできた道を想起させる。カップリングの「YOUTH」は、メンバーのセントチヒロ・チッチが作詞だけでなく作曲まで手掛けた王道のメロコア・ナンバー。"スピーカーの中生きている/僕等の命たち"という歌詞は、解散を控えた彼女たちが歌うからこそグッと来るものがある。チッチの中にある熱さ、優しさを、隣で一緒に歩いてきたメンバーがそれぞれの個性を発揮しつつ歌う様もエモーショナルだ。(宮﨑 大樹)


103号

楽器を持たないパンク・バンド BiSHのメンバー、そしてロック・バンド PEDROのフロントマンとしての顔を持つアユニ・Dが、また新たな表現の場に歩みだした。それがこの歌い手プロジェクト"青虫"だ。昨年末から名前を伏せて"歌ってみた"動画をアップしてきた彼女が、いよいよボカロP くじらのサウンド・プロデュースによるデビューEP『103号』をリリース。オープニングの「ケーキみたいだ」で、メロウなサウンドに寄り添ったアユニ・Dの新たな歌の表情を見せられて早速驚かされる。そのほか、落ち着きながらも自然と小さくリズムを刻んでしまうアーバンなナンバー「ゆぶね」など全4曲を収録。曲ごとに彼女の知られざる魅力を発見できる驚きと、全体的な聴感の心地よさがたまらない作品に仕上がった。(宮﨑 大樹)


GOiNG TO DESTRUCTiON

ケースにヒビ割れの特殊加工を施した"破壊盤"でも話題の、メジャー4thアルバム。"GOiNG TO DESTRUCTiON"のタイトルにも表れている通り、本作のキーワードは"破壊"。ひと言で"破壊"と言っても、迷いや焦燥感に立ち向かって内外の壁を壊して進んでいく意志だったり、新たな創造のための破壊だったり、様々な解釈で捉えられた"破壊"が本作に潜んでいるように思えてならない。BiSH節全開の「CAN WE STiLL BE??」から始まり、アユニ・Dが作詞した、人肌のような温かみを持つ「STAR」で締めくくるまで、全14曲の重厚な1枚に仕上がった。メンバーの個性を生かしたソロ活動も増え、たくさんの刺激を貰ってアーティストとして成長をしていった個々の表現力にも注目。(宮﨑 大樹)


REBOOT BiSH

BiSHと清掃員(※ファンの総称)の再会。332日ぶりの有観客ライヴが映像作品化された。開幕でメンバーひとりひとりから届けられた"ただいま"の声に、このライヴへ懸けた想いが滲み出る。コロナ禍で制作されたBiSHから清掃員への手紙「LETTERS」を感情たっぷりに届けてからは、これまでの鬱憤を晴らすように、一転してアグレッシヴな攻めのセットリストへ。そのパフォーマンスは、BiSHの魅力をこれでもかと凝縮して封じ込めたかのようだ。BiSHがメインの映像なのは言うまでもないが、感極まる清掃員の表情、涙も切り取られ、彼らがもうひとりの主役にも思えた。生バンドによるゴージャスでクリアな伴奏も聴きどころだ。BiSH史に残る特別な一夜を収めた本作は、ファン必携だろう。(宮﨑 大樹)


THE END

天性のハスキーな声質、感情の表現力、歌唱技術の高さ。その唯一無二の歌声で、ここ最近はフィーチャリングやトリビュート作品に引っ張りだこのアイナ・ジ・エンド(BiSH)が、全曲本人による作詞作曲、サウンド・プロデュースを亀田誠治が手掛けた(「死にたい夜にかぎって」は除く)ソロ1stアルバムを完成させた。このアーティストが只者ではないことはBiSHの活動でもわかっていたことだが、この作品で感じさせた詩世界の奥行きと深み、メロディ・センスの高さは、本作を機に彼女が遥かな高みへと羽ばたいていく予感を抱くには十分すぎる。Disc2は、これまでに外仕事として参加してきた曲を1枚にまとめた"AiNA WORKS"。多様なジャンルや曲調に乗せた名楽器"アイナ・ジ・エンド"の響きを堪能すべし。(宮﨑 大樹)


FOR LiVE -BiSH BEST-

BiSH初のベスト・アルバムには、「BiSH -星が瞬く夜に-」、「オーケストラ」、「プロミスザスター」といった代表曲から、「MONSTERS」、「OTNK」、「GiANT KiLLERS」を始めとするキラーチューン、そして最新シングルの「KiND PEOPLE」、「リズム」まで全27曲が収録された。本作の配信は行われずCDショップとそのECサイトのみで販売されるのだが、エイベックスおよびWACKの収益全額は、デビュー以来BiSHがワンマンや自主企画を開催してきた全国のライヴハウスに全額が寄付されるという。今や飛ぶ鳥を落とす勢いとなった、楽器を持たないパンク・バンドのその姿勢と生き様に、そしてそんな彼女たちのエネルギーがぎっしりと詰め込まれた作品に改めて痺れた。(宮﨑 大樹)


LETTERS

当初はシングルのリリースを予定していたが、コロナ禍による現状を見据えて新たに曲を制作したというメジャー3.5thアルバム。壮大なストリングスで幕を開ける「LETTERS」は、そんな現状をメンバーと共に耐え忍んでいる清掃員(※BiSHファン)に向けて"あなたいるこの世界守りたいと叫ぶ"とストレートに想いを綴ったまさに手紙のような1曲に。「I'm waiting for my dawn」では、暗い話題の多い日々の夜明けをじっと待ちわびている心を歌った歌詞と、メンバーの歌唱をじっくりと受け取ってほしい。東京スカパラダイスオーケストラのホーン隊を招いた「ロケンロー」では、スカパラとの化学反応と彼女たちの新境地を堪能することができる。こんな時代だからこそ生まれた、こんな時代に必要な1枚。(宮﨑 大樹)


CARROTS and STiCKS

タイトルの"CARROTS and STiCKS"は日本語で"飴と鞭"の意。本作では、第1の先行配信EP『STiCKS』の持つ凶悪さと、第2の先行配信EP『CARROTS』の持つ爽快さを1枚に収めることで、アルバムの中に赤と青のような強いコントラストが生まれ、BiSHの持つ二面性を見事に表現している。この1枚を聴くことで、清掃員(※BiSHファン)の中でも意見が分かれる"BiSHらしさとは何か"という核心に近づくことができるかも。さらに、ライヴの新たな定番となることを予感させる曲や、どことなく1stアルバム時代の匂いを感じさせる曲など、EP収録曲以外にも粒ぞろいの新曲が揃う。ボーナス・ディスクには2018年のシングル曲などが収録されており、今の彼女たちのすべてが詰まった作品と言える。(宮﨑 大樹)


stereo future

BiSHのメジャー5thシングル表題曲「stereo future」は、PlayStation®4/STEAM®用ゲームソフト"GOD EATER 3"のOPテーマ。壮大で疾走感のあるこの曲は、ゲームの世界観に沿いつつも、孤独を感じているというBiSH自身のことを歌ったようでもあり、さらには日々何かと戦っている聴き手を奮い立たせるようにも感じさせる。なお、実際のゲームでは一部の歌詞とアレンジが異なることで印象の変わった"GOD EATER 3 Ver."を使用しており、こちらは初回生産限定盤にも収録されている。c/wは表題曲から一転して激しくアグレッシヴなナンバーの「S・H・i・T」。アユニ・Dがツアー中にBiSHをテーマに作詞した歌詞は、"今この瞬間"の彼女たちを切り取った、BiSHへの想いを詰め込んだ1曲だ。(宮﨑 大樹)


BiSH Documentary Movie "SHAPE OF LOVE"

全12ヶ所の全国ツアー"BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR"から、5月の横浜アリーナ公演[BiSH "TO THE END"]までの舞台裏に完全密着したドキュメンタリー作品。ライヴ前後の楽屋や打ち上げといった場で覗かせる、ステージやオフィシャルな場での表情とはまた違った面が見られるのは、ファンにとって嬉しいところだろう。それも垣間見えるのは、いわゆる普通の女の子に戻る瞬間というより、悩み、葛藤したり、メンバーを慮ったり、時に真っ向からぶつかる、それぞれが徹頭徹尾BiSHである姿。とにかく真面目、でもって全然器用じゃないし、それを言い訳にしない。そんな彼女たちの在り方が記録されている。BiSHの歌が持つ肯定感や、ある種のパンクイズム的なものの説得力は、彼女たち自身によるものだとわかる内容だろう。(吉羽 さおり)


BiSH "TO THE END"

2018年1月から全国12ヶ所で開催した"BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR"を経て、5月22日、自身最大規模となる横浜アリーナでのワンマン[BiSH "TO THE END"]を行ったBiSH。チケットは即日完売し1万2,000人の観客と迎えた大舞台は、BiSHが立たなければならない舞台であり、通過点のひとつだったという。今回は、生バンドの演奏を取り入れたり、アリーナ会場ならではの舞台セットや舞台装置を用いたりすることはせず、6人だけでステージを作り上げた。アンコール含め、全22曲。全力で走り、会場をしっかりと掌握しつつ、また観客の圧倒的な熱量と化学変化を起こしながら、ソリッドで、リアルで、現在のBiSHの等身大をぶつけるステージとなった。新たな始まりへの余韻とイントロを感じさせる濃厚な一夜が収録されている。(吉羽 さおり)


NON TiE-UP

『Life is beautiful / HiDE the BLUE』の発売日同日にゲリラ・リリースされた2曲入りシングル。攻めに攻めたタイトル、曲調、歌詞に、型破りなパフォーマンスを続けてきた初期BiSHの姿を思い出す人も多いのでは。だが当時と違うのは、彼女たちのヴォーカルが、必死に食らいつくというより堂々としていること。ダーク且つヘヴィでシンフォニックな楽曲でありながら爽快感が生まれているところに、BiSHのポップ・アイコンとしての才も垣間見る。変拍子や難易度の高いフレーズが多数組み込まれたポスト・ロック的アプローチのカップリングは、サウンド的にも新機軸。声を素材的に使う場面もあれば、妖艶にメロディをなぞるシーンもある。単なるイロモノ盤で終わらせないところにプロデュース・チームの手腕が光る。(沖 さやこ)


Life is beautiful / HiDE the BLUE

前作『PAiNT it BLACK』から3ヶ月というインターバルでリリースされる、タイアップ曲2曲が収録された両A面シングル。「HiDE the BLUE」は、若者ならではの葛藤や悩み、青春が綴られた、ストリングスも鮮やかなロック・ナンバー。歌詞の内容やタイトル性など、「PAiNT it BLACK」と双子的存在の楽曲とも言える。「Life is beautiful」は、"愛してるよダーリン"や"幸せ感じたいの"という慈しみに満ちた言葉も印象的なミディアム・ナンバー。切なく温かい空気感のなかで、普段は見せない素朴で柔らかい表情を見せる6人のヴォーカルが際立つ。淡々としつつも叙情的なギターのリフレインも楽曲の大きなアクセントだ。タイアップ作品とのコラボ効果で、BiSHの持つ清純性を楽しめる。(沖 さやこ)


PAiNT it BLACK

昨年11月にメジャー2ndアルバムをリリース、"ミュージックステーション"や"スッキリ"などの地上波番組に出演し、所属事務所WACKでのシャッフル・ユニットやメンバーのソロ活動など、精力的な動きを見せるBiSHのニュー・シングルは、TVアニメ"ブラッククローバー"のOPテーマ。作品と親和性の高い正統派J-ROCKと6人が次々に入れ替わるヴォーカル・ワークが特徴的で、さらに向上した6人の歌唱力と表現力が堪能できる。c/wは「オーケストラ」と近い方向性の華やかで壮大なロック・ナンバー。メンバー全員が挑戦する曲中の台詞朗読にも注目だ。2曲とも若者の青春感が主題になっており、葛藤や陰の要素も孕んでいる。楽曲の強度が高いのは等身大の彼女たちが反映されているからだろう。(沖 さやこ)


THE GUERRiLLA BiSH

現メンバーになり2枚目となるフル・アルバム。特筆すべきは前作『GiANT KiLLERS』で見せた各メンバーの個性や人間性をさらに色濃く見せ、BiSHというグループの強度を高めているということ。各メンバーの表現力や歌唱力の成長に加え、ハーモニーやユニゾン、耳を劈くシャウトなども随所で用いられており、ヴォーカル・ワークの華やかさが増した。メンバー全員が個々で書いた歌詞からも、2017年の等身大の彼女たちとひとりひとりの成長を感じることができるだろう。バンド・サウンドを主体としたロックやメロコア、パンク、オルタナ、ストリングス・アレンジを施した壮大な楽曲、センチメンタルでポップなミディアム・ナンバーなど、過去作と同様に振れ幅の広い楽曲が揃っている。(沖 さやこ)


GiANT KiLLERS

年明けから精力的なライヴ活動を続けているBiSHのモードをそのまま封じ込めた作品と言っていい。『プロミスザスター』もメンバーの個性が生かされていたが、今作はそれに磨きがかかっている。表題曲は楽曲自体もアグレッシヴなストリングスもインパクト大で、かなりパンチが効いたパンク・ナンバー。曲以上に6人のヴォーカルの存在感が大きく、遊び心のある飛び道具的なヴォーカルは瞬発力も増している。現在の6人で場数を踏んできたからこそのクオリティだ。5曲中4曲がメンバー作詞曲で、特にモモコグミカンパニーによる、BiSHやWACK(所属音楽会社)の未来を綴ったTrack.3は「オーケストラ」、「プロミスザスター」に並ぶ名曲になるのでは。昨年夏に加入したアユニ・Dの成長も目覚ましく、6人の進化を存分に感じられる。(沖 さやこ)


プロミスザスター

前作のメジャー1stフル・アルバム『KiLLER BiSH』のリード曲「オーケストラ」を超える名曲が誕生したと言ってもいいのではないだろうか。昨年8月に現在のメンバー編成となり、10月にはツアー・ファイナルの日比谷野外大音楽堂公演を成功させ、ひと回り成長し結束を強めた6人。ストリングスの美しい疾走感のあるバンド・サウンドは、等身大で希望へ向かって突き進んでいく彼女たちを後押しする追い風のような力強さと爽やかさを持つ。個々の歌声を活かした歌にもそれぞれの意志が通い、ヴォーカリストとしてのスキルアップも感じられる楽曲だ。リンリンとアイナ・ジ・エンドの詞をブレンドさせたカップリングは憂さ晴らしにもぴったりのいたずら心溢れるアッパー・チューン。両極端のBiSHの真髄を味わえる。(沖 さやこ)


DEADMAN

ツアーやライヴを次々とソールド・アウトさせている女子6人組のメジャー・デビュー・シングル。表題曲は99秒のパンク・ナンバーで、ハスキー・ヴォイスのシャウトで畳み掛ける箇所や、力強く爽快感のあるユニゾンやハーモニーが心地よいサビなど、短尺ながら彼女たちの様々なヴォーカリゼーションが楽しめる。メジャーにフィールドを移しても勢いを止めるどころか"さらに加速していくぞ"と言わんばかりの気迫が非常にフレッシュだ。Track.2「earth」は小室哲哉が作曲を担当。高いキーに乗りリフレインする歌詞が狂気的で、表題曲とは異なる表情を見せる。2曲とも強烈なバンド・サウンドにもかかわらず、歌が音に飲み込まれていない。"楽器を持たないパンク・バンド"としての意志が着々と芽生えているのでは。(沖 さやこ)



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