Japanese
BiSH
Skream! マガジン 2020年02月号掲載
2020.01.23 @NHKホール
Writer 宮﨑 大樹 Photo by sotobayashi kenta
"このツアーで、BiSHがひとつ目標にしていたことがありました。このNHKホールに来るまでに、紅白に出たかった。私はすごく悔しかったんですね。年末、紅白に出れなかったこと。でも今年の年末は絶対ここに戻ってきて紅白に出ます"
セントチヒロ・チッチがそう語ったのは、BiSHが約4ヶ月にわたり全公演バンド編成で全国を巡った、BiSH史上最長のツアー"NEW HATEFUL KiND TOUR"のファイナルとして行われたNHKホール公演2日目。そのアンコールのMCでのことだった。
客電が落ちると同時に上がった大歓声の中、紗幕に浮かび上がるBiSHのシルエット。ライヴは、振り落としの演出と共に「Am I FRENZY??」で開幕した。バンド・メンバーが鳴らす分厚いサウンドを背に、メンバーが扇子を操り妖艶に舞うその光景は、ステージ・セットも相まって、まるで大型劇場で観るミュージカルかサーカスの一場面のような華やかさと煌びやかさを湛えている。リンリンの発する、がなるような咆哮のエネルギーが清掃員(※BiSHファンの呼称)のアドレナリンを大量放出させていく様も実に痛快だ。オープニングからクライマックスかのような勢いで「SMACK baby SMACK」、「デパーチャーズ」と続けて攻め立て、自己紹介を経てエモーショナルなパートへ。溢れんばかりの感情を乗せた歌声に心を貫かれ、自然と目頭が熱くなる。そんななかで披露された「オーケストラ」は、この日のハイライトのひとつとして挙げずにはいられない。コンクリートの壁を越え、冬の夜空にすっと溶けていくようなチッチの歌声とピアノのアンサンブルが、儚くも美しい音世界を作り上げていく。そんな息を呑むような冒頭から一転、疾走感のあるバンド・サウンドと、メンバーのパフォーマンスの熱量、そして清掃員の歓声が交わると、ひとつのエネルギーの塊が生まれ、爆発して広がっていくような感覚を覚えた。
中盤のMCで、次の曲の煽り役を決めるジャンケンで勝って"しまった"アユニ・Dが叫んだ"今年を最高のネズミ年にしようぜぇー!!"。その言葉を合図に「GiANT KiLLERS」からアグレッシヴなナンバーを連発し、息つく暇もなく突っ走っていく。前日にも同じ場所でライヴをしていたというのに、疲労を微塵も感じさせずに曲を投下し続けるその姿は、BiSHの確かな実力を感じさせた。かと思えば、恒例のコントで"自称 アイナ・ジ・エンド"のハシヤスメ・アツコがエセ関西弁でじわじわと笑いを誘ったり、それを見たメンバーが呆れ返ったりと緩い雰囲気を醸し出す。そこからさらに急旋回して壮大な「stereo future」でバチっと決めると、ここからキラーチューンをこれでもかと投下。彼女たちにはいい意味で翻弄されっぱなしだった。
歌とダンスの実力の高さと、パフォーマンスの熱量、そして、これらによる高ぶった心をほぐしてくれるMCにコント。もはやBiSHのライヴは、ライヴという枠を飛び出し、一大総合エンターテイメント・ショーと言っても過言ではないものになりつつある。それは、シーンやジャンルを跳び越え、あらゆる層を巻き込んで清掃員を増殖させてきた彼女たちが、ひたむきにさらなるファン層を取り込んでいこうとする姿勢の現れにも見えた。そんなBiSHが目標に見据えているのは、国民的なアーティストばかりが集う年末のあの舞台だ。
冒頭に記した通り、チッチはアンコールのMCで"NHK紅白歌合戦"に出演できなかった悔しさを述べていた。しかしながら、2019年のBiSHは、"ミュージックステーション"への2度目の出演や"アメトーーク!"の企画で"BiSHドハマり芸人"がオンエアされたことも記憶に新しいし、その存在感が日増しに大きくなっていったのは間違いない。そんなBiSHの紅白出場は、もはや決して夢物語ではないだろう。手が届きそうで届かなかったこの悔しさを、明日への活力に変えていこうとする姿勢は、アンコールの「beautifulさ」で歌った"どんなとげとげの道も/僕らは乗り越えていくんだし"という言葉に現われていた。これまでも"とげとげの道"を歩んできたBiSH。彼女たちの傍らには常に清掃員の存在があった。BiSHと清掃員が歩む道は、年末にどんな風景になっているだろうか。そういう意味では、今年の大晦日が早くも楽しみになる一夜だった。
[Setlist]
1. Am I FRENZY??
2. SMACK baby SMACK
3. デパーチャーズ
4. MORE THAN LiKE
5. I am me.
6. オーケストラ
7. DiSTANCE
8. GiANT KiLLERS
9. MONSTERS
10. CHOP
11. DEADMAN12. 遂に死
13. stereo future
14. スパーク
15. KiND PEOPLE
16. My landscape
17. NON TiE-UP
18. サラバかな
19. プロミスザスター
En1. BiSH-星が瞬く夜に-
En2. リズム
En3. beautifulさ
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