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INTERVIEW

Japanese

BiSH

2017年06月号掲載

BiSH

Member:アイナ・ジ・エンド モモコグミカンパニー セントチヒロ・チッチ ハシヤスメ・アツコ リンリン アユニ・D

Interviewer:沖 さやこ

大規模ライヴハウスをバック・バンドと共に回る"BiSH NEVERMiND TOUR"を成功させ、シングル『プロミスザスター』をリリースしたことも記憶に新しいBiSH。4月から新たに"BiSH NEVERMiND TOUR RELOADED"を行っている彼女たちが、ニュー・ミニ・アルバム『GiANT KiLLERS』をリリースする。5曲中4曲の作詞をメンバーが担当し、その表現方法や動機も広がりを見せているのは、彼女たちが絶えず挑戦を続けている証ではないだろうか。

-このインタビューは全国ツアー"BiSH NEVERMiND TOUR RELOADED"の最中に行われているので、そのツアーのお話からうかがえればと思います。

チッチ:"BiSH NEVERMiND TOUR RELOADED"では久しぶりに前回のツアーと違ってお客さんの距離が近いハコでやらせてもらっていて、前にツアーで行ったときよりもお客さんが倍くらいになっているという状況がすごく嬉しくて。私たちの熱量もお客さんの熱量も前より上がっていると実感するし、毎度泣きそうになるくらいの光景を見せてもらっています。どの地方に行っても楽しいです。

モモコ:新潟とか長崎とか、行ったことないところも回らせていただいて。初めて行くライヴハウスは新鮮だし、お客さんも地域によって盛り上がり方が全然違うから楽しませてもらってます。

アイナ:"楽しませてもらってる"って、お客さんが演者みたいじゃん(笑)。アユニが入って3回目の全国ツアーなんですけど、6人の空気がすごく良くなってきていて。Zepp Tokyo(※3月19日に開催された"BiSH NEVERMiND TOUR"ファイナル公演)くらいから新しいBiSHのかたちができてきている気がします。

-リンリンさんはどうですか?

リンリン:(ハシヤスメ・アツコとアユニ・Dの)コントが面白いです(笑)。

モモコ:アッちゃん(ハシヤスメ・アツコ)がお笑い芸人みたいになってきてます(笑)。

チッチ:アッちゃんのお笑いのセンスもどんどん上がってる(笑)。間の取り方とかすごく上手になってるし。

アツコ:お笑い担当じゃないんですけどね(笑)。回数を重ねていくごとにアユニのツッコミがうまくなってきていて、アドリブが多くて。成長が垣間見える瞬間が多々あります。

アユニ:いままで言われたことしかできなかったんですけど、ちゃんと自分で考えてできるようになってきた気がします。

アツコ:よく"つまんねーんだよ!!"と言われています(笑)。

アユニ:"ウザい!"もよく言います(笑)!

-あはは。Zeppなど大きめのライヴハウスを回った"NEVERMiND TOUR"は、初めてバック・バンドと一緒に回ったワンマン・ツアーだったんですよね。

アイナ:ワンマンでバンドと一緒にやるのは初めてで。やっぱりオケに合わせて歌うのとバンドの演奏に合わせて歌うのとでは全然違いますね。メンバーがステージ上に増えている感覚というか。モモコとアイナでドラムの楠瀬タクヤさんと"イェーイ!"って感じのことをやったら、そのときだけドラムをドコドコドコドコーッてアドリブを入れてくれたり、アッちゃんが松隈(ケンタ/サウンド・プロデューサー。バック・バンドにてギターを担当)さんを振り返って見たときに松隈さんもアッちゃんと動きを合わせたり。6人じゃ出せない空気感が出せて、テンションが上がって、それが歌にも出て、バンドがその歌にも合わせてくれる――いい感じの空気でやれていたと思います。初めてイヤモニをして、最初はそれに慣れなくて(笑)。

チッチ:イヤモニ、最初難しかったね(笑)。バンドの音を目で感じながら(パフォーマンスが)できるので、たぶん観ている人たちもそう思ってくれたんじゃないかなって。やっぱりバンド・セットはいいなと思いました。

-ワンマンだけでなく自主企画を行ったり、バンドの企画ライヴやサーキット・イベントにも出演なさったり、男性アイドルさんとも競演なさったり。BiSHのフットワークはどんどん軽くなっているような。

モモコ:対バンするバンドさんを参考にすることが結構あって。一体感を出すにはどうしたらいいのかなって、煽り方とかを見たり。

アイナ:モモコはいろんなバンドさんの動画も見てるもんね。一番勉強家なんです。

チッチ:バンドさんのライヴを観ると、MCとかでもお客さんとのコミュニケーションの取り方がめちゃくちゃうまいなと思って。BiSHはぶつかっていく精神とかは強いと思うんですけど、バンドさんはお客さんの想いを受け取って、それをお客さんに返して......というのができていて。それは私たちも学ぶべきだなと思います。

-年明けからかなりハードに動いているBiSHですが、『GiANT KiLLERS』はいつごろ制作を?

チッチ:歌詞は3月末から4月頭くらいにかけてで、歌入れは5月に入ってからです。

アイナ:今回、モモコが"歌詞を書いて"と言われていないのに書いてくれたんですよ。私とアッちゃんやスタッフさんがWACKの合宿(※WACK合宿オーディションのこと。BiS、BiSH、GANG PARADEの合同オーディションが、2017年3月28日から5泊6日にわたって行われた)に行ったときに、たぶん彼女なりに"自分のやれることはなんだろう?"と考えてやってくれたと思うんですけど、嬉しかったです。

モモコ:「Nothing.」(Track.3)はアッちゃんとアイナが合宿で5日間くらいBiSHを離れていて、そのときに私が歌詞を書いた曲です。だいぶ昔の話になるんですけど、この曲のサビの"FiNAL DANCE放たれて/始まる景色の先を/見ていたいだけ"は、BiSが2014年に解散したときの最後の曲が「FiNAL DANCE」(2014年リリースのラスト・シングル表題曲)だったからで。その"最後"があったからBiSHは生まれたんです。だからその"FiNAL DANCEの続き"の曲を自分で書きたいという気持ちがあって、"BiSをもう一度始める"と言って始まった先にあるBiSHの物語を書きました。渡辺(淳之介/マネージャー)さんが書くと言っていたんですけど、すごくいい曲だから"書きたい!"と思って自分から送っちゃいました。緊張したけど(笑)。

-初期メンバーならではの、すごく熱いエピソードですね。それもモモコさんがそういう度胸を出すというのも、BiSHの歴史をよく知る人には感慨深いものがあると思います。そういうメンバーの姿勢は刺激になりますよね。

アイナ:うん。めちゃくちゃ嬉しかったし、ほんとかっこいいですよね。私は「デパーチャーズ」(2016年リリースの2ndアルバム『FAKE METAL JACKET』収録曲)みたいなモモコの斜に構えてる感じが好きだったんですけど、「Nothing.」はちょっとだけ素直になってきている気がします。でもモモコの成分は変わっていない。だから、歌っていて"あっ、モモコ......!"と泣きそうになりました(笑)。

モモコ:(笑)歌詞を書くのはすごく好きで。でも、いままでは書いてと言われたときしか書かなかったんです。だけどこの曲はすごく好きだったし、アイナとアッちゃんが合宿で頑張っていたり、BiSH以外のWACKオーディションに参加していた人もみんな頑張っていて......そこで自分ができることってなんだろうと考えて。

-"孤独が運命なんて言葉虚しいな"という言葉の背景は?

モモコ:BiSの「FiNAL DANCE」に"孤独が運命さ"という歌詞があるんですよ。でも、それは寂しいなと思うんです。だからそれに対抗するつもりで書きました。"孤独が運命"なんて決めつけるな!

アイナ:かっこいい!!

モモコ:上を行ってやろうという気持ちです。