Japanese
BiSH
2019年04月号掲載
Writer 宮﨑 大樹
今や音楽ファンのみならずお茶の間にも進出しつつある"楽器を持たないパンクバンド"BiSH。彼女たちの2018年は、初のオリコン週間シングル・チャート1位獲得、全国大型フェスへの出演ラッシュを果たし、メンバー個人としてもアイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチのソロ・デビューやアユニ・Dのソロ・バンド・プロジェクト"PEDRO"始動、モモコグミカンパニー書き下ろしの書籍発行と、その勢いは留まることを知らないと感じさせる1年であった。
そんなBiSHが2018年12月22日に幕張メッセ9・10・11ホールで行ったワンマン・ライヴ[BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"]。本公演は、グループ史上最大規模のライヴとして約17,000人の清掃員(※BiSHファンの呼称)を動員し、"BiSH史上最高のLIVE"とも称されている。かく言う筆者も当日会場に足を運んだ人間のひとりで、そのスケール感とド派手なステージ演出、キッチリと仕上げてきたメンバーのパフォーマンスと、それらに触発された清掃員の歓声や熱気が織りなす空間は、2018年に観た数々のライヴの中でも特に強烈な印象が残ったものとしてこの身に刻まれている。さて、そんな2018年の集大成とも言える本公演の模様を完全収録した映像作品が、早くもBlu-ray&DVDでリリースされる運びとなった。BiSH史上初となる360°センター・ステージを使ったダイナミックなダンスと歌唱、これもまた初となる、ストリングス隊を含む29名にも及ぶバンド編成によるサウンドの厚み、yahyelの山田健人が手掛けた映像演出と、見どころ満載の本作をこれから紹介していきたい。
"THE NUDE"というインパクト大のタイトルが冠されたライヴは、怪しげな雰囲気の中で、神父と、磔になったメンバーが登場する映画風のオープニング映像から幕を開ける。そこから映像と連動するように、メンバーが拘束から解放されてステージに登場。大舞台に臨むメンバーの決意の表情を見ることができる。このライヴが"THE NUDE"と名付けられた真意は明らかになっていないが、こういった演出から、現状のしがらみのような何かから解放されようという想いが込められているのかもしれない。
この日のパフォーマンスは壮大なストリングスが印象的な新曲「stereo future」からスタートし、大アンセムの「BiSH-星が瞬く夜に-」へと繋がる。大人数で構成されたバンドによる大迫力の生音は映像作品になっても健在であるし、カメラも相当な数を入れているのだろう、曲の疾走感を加速するようにカット数多めの編集がなされている。また、円形ステージならではのフォーメーションを、上から見下ろすように観ることができるのも映像作品ならではの魅力だ。続く「SHARR」では大量のレーザーや、ストロボが盛大にステージを盛り上げ、気合の入ったステージ演出も味わうことができる。メンバー、バンド、演出による生命力に満ちたステージ、そしてそれに応える清掃員の熱さが生み出す臨場感と訴求力は抜群で、この映像作品を観ていると、今すぐこのノートパソコンを閉じてライヴに行きたくなるほどだ。
現場にいた人間であれば、誰もがこの日のハイライトのひとつとして挙げる1曲が「My landscape」だろう。アユニ・DがMCで"12月22日、あと少しで平成というひとつの時代が終わろうとしています。この半年間、私たち6人は今日を楽しみに生きてきました。時代が変わろうという稀なタイミングの寸前で、少し早めのクリスマスをここ幕張で一緒に過ごしましょう"と告げてから始まったこの曲のパフォーマンス。センター・ステージにいるメンバーを包み込むように降りた紗幕に映像が投影されるという演出が施され、振付に合わせるように幕張メッセに雪が舞ったり、花火が上がったりする実に幻想的な時間だった。視覚的な情報が特に印象に残る演出なので、"THE NUDE"が映像作品化すると聞いて、真っ先に「My landscape」が思い浮かんだ人も多いはず。ぜひ本作を手に取り、実際に目で観て感じ取ってほしい場面のひとつだ。
中盤ではハシヤスメ・アツコによる恒例のコントを収録。あの日のコントの独特な空気感と共に、会場が歓喜に包まれたハシヤスメ・アツコのソロ・デビュー決定(?)の瞬間と、そのときのハシヤスメ・アツコの驚きと喜びに満ちた顔のどアップも余すことなく収められている。ただカッコいいだけじゃない、BiSHの魅力を多角的に感じ取ることができる1枚に仕上がっているあたりがあっぱれな作品である。後半では「beautifulさ」、「BUDOKANかもしくはTAMANEGI」と感動的なナンバーが並んでおり、メンバーの歌声や表情をストレートに感じることができるように、あえて派手な演出は入れず、シンプルな照明だけで表現されているのも粋な計らいだ。
当たり前を裏切って、最高のその先へ
アンコールは、メンバーひとりひとりから、この日に懸けた想いや、未来に向けた意志、感謝の気持ちが語られ、代表曲のひとつである「オーケストラ」からスタート。セントチヒロ・チッチによる歌い出しの表情は、神々しさすら感じるような慈愛に満ちており、しかしながら"当たり前を裏切って、最高のその先へ行きます"とMCで語ったとおりの強い意志もその瞳には宿っていた。歴代アー写と歌詞が映し出され、感動的なフィナーレを迎えると思われた「ALL YOU NEED IS LOVE」から、サプライズ的に披露された「NON TiE-UP」までの全24曲。この時点でのBiSHの最高は間違いなくこの日のライヴにあったと思わせてくれるし、ここからBiSHがどのように最高を更新していくのか、ますます楽しみにさせてくれるような本作を、ぜひともチェックしてもらいたい。
なお、特筆すべき点として、本作の初回生産限定盤には全24曲を収録したライヴCDが収められるほか、メンバー6人による裏話満載のオーディオ・コメンタリーも収録される。さらに100ページにも及ぶ写真集が付属するという。移動時にもこの熱気ある音楽を体感できることが何よりありがたいし、メンバーが何を語っているのかを知るためにも、初回生産限定盤もしくは両形態のゲットをおすすめする。
今後BiSHは、4月5日のCLUB CITTA'川崎公演を皮切りに全21公演の"LiFE is COMEDY TOUR"をスタートする。この映像作品は、あの日幕張メッセで"THE NUDE"を体感できた清掃員や惜しくも観ることができなかった清掃員はもちろんのこと、彼女たちのライヴに行こうか迷っている、少しでもBiSHが気になっている未来の清掃員候補にも入門編として手に取っていただきたい。そして、ぜひツアーやライヴに足を運んでみてはいかがだろうか。
▼リリース情報
ライヴBlu-ray&DVD
『BRiNG iCiNG SHiT HORSE TOUR FiNAL "THE NUDE"』
2019.04.03 ON SALE
【初回生産限定盤】(Blu-ray+2CD+PHOTOBOOK)
AVXD-92771/B~C/¥10,000(税別)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
・BOX仕様
【DVD盤】(DVD)
AVBD-92772/¥4,500(税別)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
[Blu-ray / DVD]
1. stereo future
2. BiSH-星が瞬く夜に-
3. SHARR
4. DEADMAN
5. スパーク
6. S・H・i・T
7. HiDE the BLUE
8. 本当本気
9. Life is beautiful
10. My landscape
11. FOR HiM
12. PAiNT it BLACK
13. サラバかな
14. JAM
15. プロミスザスター
16. GiANT KiLLERS
17. MONSTERS
18. DA DANCE!!
19. SMACK baby SMACK
20. beautifulさ
21. BUDOKANかもしくはTAMANEGI
<ENCORE>
22. オーケストラ
23. ALL YOU NEED IS LOVE
24. NON TiE-UP
[2 LIVE CD] ※初回生産限定盤のみ
1. stereo future
2. BiSH-星が瞬く夜に-
3. SHARR
4. DEADMAN
5. スパーク
6. S・H・i・T
7. HiDE the BLUE
8. 本当本気
9. Life is beautiful
10. My landscape
11. FOR HiM
12. PAiNT it BLACK
13. サラバかな
14. JAM
15. プロミスザスター
16. GiANT KiLLERS
17. MONSTERS
18. DA DANCE!!
19. SMACK baby SMACK
20. beautifulさ
21. BUDOKANかもしくはTAMANEGI
22. オーケストラ
23. ALL YOU NEED IS LOVE
24. NON TiE-UP
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トンボコープ
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milet
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おいしくるメロンパン
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"イナズマロック フェス 2024"
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"ナガノアニエラフェスタ2024"
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Sou
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THE BOYS&GIRLS
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"LIVEHOLIC 9th Anniversaryseries〜ADMIRATION〜"
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a flood of circle × SIX LOUNGE × w.o.d.
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a flood of circle × SIX LOUNGE × w.o.d.
アンと私
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PEDRO
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Apes
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Age Factory
トンボコープ
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Galileo Galilei
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Novelbright ※振替公演
KEYTALK ※公演中止
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Mellow Youth
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羊文学
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東京初期衝動
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a flood of circle × SIX LOUNGE × w.o.d.
"THE DROP FESTIVAL 2024"
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DOPING PANDA
androp
UNISON SQUARE GARDEN
渡會将士
KEYTALK ※公演中止
ザ50回転ズ
Nornis
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THE SPELLBOUND
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ASP
神はサイコロを振らない ※振替公演
セックスマシーン!!
伊東歌詞太郎
Official髭男dism
BUMP OF CHICKEN
Yogee New Waves×角舘健悟
斉藤和義
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リーガルリリー
milet
sajou no hana
オレンジスパイニクラブ×クボタカイ
Academic BANANA
Olivia Rodrigo
(夜と)SAMPO
HY
小林私
INORAN
LiSA
ぜんぶ君のせいだ。
Rhythmic Toy World
"Mt.FUJIMAKI 2024"
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有村竜太朗(Plastic Tree)x 逹瑯(MUCC)
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androp
LOVE PSYCHEDELICO
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BRADIO
ザ50回転ズ
ASP
Mellow Youth
リーガルリリー
PEOPLE 1
おいしくるメロンパン
BUMP OF CHICKEN
Official髭男dism
Tielle
THE BOHEMIANS
羊文学
伊東歌詞太郎
milet
WtB
bokula.
HY
Bye-Bye-Handの方程式
⼤原櫻⼦
LiSA
そこに鳴る
あいみょん
TUK SMITH & THE RESTLESS HEARTS
back number
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Cody・Lee(李)
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