Japanese
2026年04月号掲載
Arakezuri
Member:白井 竣馬(Vo/Gt) 石坂 亮輔(Gt/Cho) 宇野 智紀(Ba/Cho) 椿 佑輔(Dr/Cho)
Interviewer:丸井 汐里
滋賀を拠点に活動する4人組バンド Arakezuri。TikTokでライヴ動画が1日約8万再生を記録する等SNSで支持を拡大し、2026年1月11日開催の初のZeppワンマンもチケットはソールド・アウト。観客との歌声の応酬で一体感が生まれるライヴが人気だ。そんな彼等が、昨年リリースしたニュー・アルバム『ENSEMBLE』のリリース・ツアーを開催する。アルバムやツアー、ツアー前にリリースする新曲「タイギメイブン」について話を訊いた。
-まず、年明け1月11日に自身最大キャパとなるZeppワンマン・ライヴ("Arakezuri one man live 「HERO's MISSION」")を終えられました。ライヴを振り返っていかがですか?
白井:この日を楽しみにずっと準備してきて、ソールド・アウトに向けて頑張ってきたんですが、お客さんも僕等と同じ気持ちで来てくれたのかなって。それが伝わる空気感を会場で作ってもらったなって思います。
-チケットもソールド・アウトしたんですよね。
白井:結局、ソールド・アウトしようがしまいがすることは変わらないとは思うんですけど、僕等が自信をもってやってきた音楽、Arakezuriの音楽が、これだけの人に伝わっているんだなって感じて。Arakezuriを好きでいてくれている人にも、"好きで良かったな"って思ってもらえる1つの理由になったらいいなっていう気持ちもあったので、ソールド・アウトはすごく嬉しかったですね。
-宇野さん、椿さん、石坂さんはいかがですか?
宇野:ほんまに絶景やったというか、もうSEを流して登場するときからすごい歓声をいただけて。ちょっと地鳴りがするというか、震えてる感じに感動しました。その時点でここまでやってきて良かったなっていうのも感じたし、自分たちのライヴはお客さんと一緒に歌うシーンが多いのですが、お客さんにもそのイメージが共有できていて、一緒に音楽を作れたなっていう実感はすごくありますね。
椿:曲を作るときにみんなで歌おうっていうふうに狙ってしてきたんですけど、そこの盛り上がりが今回に関しては尋常じゃなかったですね。みんなの表情が、今までよりも泣いてくれていたり、笑って表現してくれているなっていうのが見て分かる。その数が圧倒的でした。
石坂:みんなの歌声の大きさが、一緒に乗り越えてきた、やってきた証みたいに見えちゃって。今までArakezuriのワンマン・ライヴの挑戦の仕方として、ライヴハウスのサイズ・アップをしてきたので、今回1,500人位のサイズでできたことは僕等的にはすごく大きかったと思うんです。同時に、来てくれた人を無下にして適当な活動はできへんよなって。あれがゴールに見えてしまう人もいるかもしれへんけど、Zepp Shinjuku (TOKYO)を経てさらに挑戦を続けたいなと思いました。これからも挑戦していくんやろうなっていうのが、確信に変わった日でした。
-そのZeppワンマンの約1ヶ月前、2025年12月3日には、ニュー・アルバム『ENSEMBLE』がリリースになっていますが、全20曲入りの大ボリューム! これだけの曲数になったのはどうしてですか?
白井:これまで"Road to~"ってタイトルでツアーを回ってきてたんですが、それをし始めた頃からリリースしてきた曲が20曲くらいあったんです。こんなにボリュームが大きくなるのもどうかなと思ったんですけど、全部これまでの軌跡だからもう詰め込んじゃえ! ってやった結果20曲になっちゃいました。
-その中から、新曲について伺います。まず1曲目が先行で配信されていた「シンガロング」。この曲からスタートすることで、Arakezuri=ライヴ・バンドなんだなって印象がより強くなると感じました。どのような想いで書きましたか?
白井:「シンガロング」は、Arakezuriの音楽やライヴ・ステージはこうありたいというのを形にした部分もありますし、これまでお世話になったライヴハウスや、ライヴハウスに関わる全ての人に向けての感謝の気持ちを込めた曲になりました。歌っているときとか、ステージに立っているときのことを一番思い浮かべたのがこの曲です。
-この曲はライヴでも相当盛り上がったんじゃないかなと思いますが、どうでしたか?
宇野:みんなが歌うべきところとしてこちらが準備していた箇所を歌ってもらえたっていうのが、実感としてありましたね。曲名の通り、一番の"シンガロング"になったなと思います。
-9曲目の「RED」はショート・チューンですよね。短い曲尺の中でお客さんが飛び跳ねている様子が浮かぶなと思ったのですが、アルバムの収録曲を踏まえて、短い曲を作ろうという意識で組み込んだんですか?
白井:この曲は結構前からあった曲なんですけど、"これやっぱいい曲やな"ってずっと思っていて。膨大な曲数のアルバムですけど、短い曲だったら入れてもいいかなって思って復活させました。
-アーティストの皆さんとの会話の中で、ショート・チューンが1曲あると、ライヴのセットリストを組むときに重宝するという話をよく聞くのですが、この曲もライヴの流れを意識して作った部分もありますか?
白井:そうですね。曲作りをするときって、ライヴでどうしたいかってところからあれこれ考え始めて作ることが多いので、この曲もセットリストに差し込みやすい部分はありますね。
-曲作りのお話がありましたが、Arakezuriの楽曲は、作詞・作曲が白井さん、アレンジはバンド名義になっています。普段、バンドでの楽曲制作はどのように進めているんですか?
椿:だいたい竣馬君がデモとして1曲とかワンコーラスとかを作ってくれて、それをメンバーに投げるって形を取るんですけど。竣馬君が"こんな雰囲気がいい"っていうのを、各々が一旦自分なりのアレンジで噛み砕いてから、全体で1回スタジオに入って、それを1曲通していく。そこでちょっと練り直したりしながら作っていくことが多いですね。
宇野:4人で集まる前段階のタイミング、デモが来た後に、打ち込みで1回全員でデータを共有しているんですけど、コロナ禍で活動ができなかったときに、DTMを取り入れようって話になって。コロナ禍以降はDTMで細かいところを詰めてから"ああいうふうに鳴らしてみよう"ってやっていますね。
-コロナ禍以降のやり方が、バンド的にもしっくりきているんですね。
宇野:そうですね。スタジオで合わせるとき、細かいピッキングとかのニュアンスって聴き取れないと思うんですけど、DTMだと各パートを単品で聴けたりするので、ここをどういう刻みでやっているとか、乗り方とかが分かりやすくなったのはすごく良かったなと思います。
-ということは、一つ一つの構造が見えてくることで、個々のスキルアップに繋がっている部分もあると?
宇野:それもあると思います。大雑把に合わせていたものをもっと細分化して見れたようなイメージがあります。
-アルバムの話に戻りますが、5曲目の「ラブレター」は、Arakezuriにはあまりないタイプの曲で、他の楽曲と比べてサウンドのタッチを軽めに仕上げている印象がありました。どんな意識を持って作りましたか?
白井:温かくしようみたいなことを話していたと思います。
宇野:ポップスっぽいイメージを持っていた記憶がありますね。
-ポップスっぽさを出すために心掛けたことはありますか?
宇野:ノリですかね。かっこ良く言うならば、単調になりすぎず、裏のリズムを感じるというか。僕はすごい裏が苦手なんですけど、フレーズとしても16分の音符があるところが多かったので、レコーディングではめちゃくちゃ苦労しましたね。離れてくる音符をめっちゃ意識的に弾いて作っていました。
椿:もともと僕、学生のときに吹奏楽をやっていたので、こういうポップスのノリっていうか、シャッフルを久々にできたのが嬉しかったんですけど、本当に久々に触るもんやったんで、身体と思考が全然一致してなくて。一から改めて自分なりのシャッフルを落とし込んで、ここがちょうどいいんかなっていうのが見つかったので、やっていて懐かしい感じもありつつ、楽しく作れました。音の質とかはもうがっつり育ってきてArakezuriやけど、バンドの楽曲としての新しい部分は根本にあるものやったんかなって思います。
石坂:音作りとしては、一旦細くするイメージはありましたね。星野源さんのサポートとか東京事変でも弾かれている、ギタリストの長岡亮介(ペトロールズ)さんのフレーズの雰囲気は、要素として取り入れていけるようにアレンジしましたね。要所要所でカントリー的なギターのイメージを入れて、ちょっとポップにした感じですね。
-この曲が入っているのはアルバムならではなのかなと思うのですが、アルバム全体のバランスを意識して組み込んだのでしょうか?
白井:そうです。僕たちの曲って、結構"聴くぞ!"って感じのものが多いのかなと思っているんですけど、そこではなくて、よりいっそう生活や日常にちゃんと溶け込めるような曲が作りたいなとは思っていましたね。
-この曲の歌詞の"あなたの表情見ているだけで/日常に貴重が潜んでいる"ってところがすごくグッときました。
白井:初めて聞いてくれました! 僕もそこめちゃくちゃいいなと思ってたんです!
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