Japanese
Don't Stop Music Fes.TOCHIGI
Skream! マガジン 2017年05月号掲載
2017.04.15 @栃木市総合体育館
Writer 秦 理絵
MAGIC OF LiFEが主催する"Don't Stop Music Fes.TOCHIGI"、通称"栃フェス"が栃木市総合体育館で行われた。開演前、フード・ブースが用意された会場周辺は、まずは栃木名物で腹ごしらえをしてから会場入りしようとするお客さんで賑わっていた。
オープニング・アクトとして登場した覆面のサンタクロース集団=GIFT MENによる熱いパフォーマンスのあと、高津戸信幸(Vo/Gt)による"栃フェスを開催したいと思います!"という開会宣言。そして、栃木市長の鈴木俊美氏からも激励の挨拶が送られると、7時間にわたり、その名のとおり音楽の鳴り止まない至福の1日が幕を開けた。
トップバッターのLEGO BIG MORLは、バラード曲「end-end」からゆっくりとフロアをあたためていった。主催者であるマジック(MAGIC OF LiFE)とはキャリアがほぼ同じ。カナタタケヒロ(Vo/Gt)が、長く続けたバンド同士という理解者として、マジックへの敬意を捧げる姿が印象的だった。リハの「ダイナソー」でお客さんの心を掴んだCzecho No Republicは、賑やかなアンサンブルの上を男女ツイン・ヴォーカルが軽やかに弾み、会場をカラフルに彩った。"街を音楽で溢れさせるのは健全でハッピーなことだと思う!"と、武井優心(Vo/Ba)がマジックへの賛辞を送ると、「Oh Yeah!!!!!!!」でハッピーな空間をその場所に作り上げてくれた。
集まったお客さんを根こそぎ踊らせたのはphatmans after school。「東京少年」を皮切りに弾丸のようなスピードと破壊力を兼ね備えたヘヴィなバンド・サウンドをフロアに浴びせると、"今日は知り合いばっかりです。人間としてはクズ......もいるけど(笑)、音楽人としては最高の人間です!"という愛のある言葉が、ヨシダタクミ(Vo/Gt)らしかった。マジックと同じく栃木県出身のpollyは、美しい旋律とダークな音像が渦巻くバンド・サウンドで会場の空気をガラリと変えた。危うい衝動が滲み出た「沈めてくれたら」まで、聴き手を強く惹き込むステージを見せると、前半のラストはココロオークション。「ヘッドフォントリガー」の歌詞の一部を"栃フェス"に変える愛嬌も、"ずっと出たかった。音楽と言葉に誇りを持った人たちが集まる場所に呼ばれて光栄です"という粟子真行(Vo/Gt)のまっすぐな挨拶も、先輩であるマジックへの憧憬が隅々まで溢れていた。
ブレイクタイムを挟んで、後半の一発目はBrian the Sun。どう転んでもロック・バンドにしかならない鋭く研ぎ澄まされた演奏で「アレカラ」を届けると、"予定と違う曲をやりたくなってしまいました"と、森 良太(Vo/Gt)。急遽、演奏されたバラード「白い部屋」がとても素晴らしかった。3ピースながらも骨太の演奏を届けたCIVILIANは、"呼んでくれたMAGIC OF LiFEに恩を返しに来ました"というコヤマヒデカズ(Vo/Gt)の熱い言葉とともに、マジックのメンバーが好きだという「メシア」をドラマチックに歌い上げた。大阪発のピアノ・ロック・バンド SHE'Sは、「Un-science」から圧倒的な多幸感で会場を満たしてくれた。初出演ということで、のどかな栃木の土地柄に触れて、"来年も出たい!"と井上竜馬(Key/Gt/Vo)。「遠くまで」ではドラマチックなミディアム・テンポでシンガロングを巻き起こしながら、共に未来へ進んで行こう、というメッセージを伝えてくれた。
クライマックスを彩るのは栃フェス3回連続出演の皆勤賞2バンド。事前の対談でも"もう主催側の気持ちになる"と言っていたとおり、すっかり会場は彼らのホームだった。リハで「色恋狂詩曲」を披露してから本編へとなだれ込んだ空想委員会は、瑞々しいメロディで会場をひとつにする。『デフォルメの青写真』の楽曲を中心としたセットリストは3年目にして最新のバンドの今を提示する攻めのステージだった。同じく3年連続のRhythmic Toy Worldは「かごめかごめ」からステージ狭しと暴れながら、強引なまでに聴き手と繋がっていく。マジックと親交の深い内田直孝(Vo/Gt)が、"(高津戸が)同じ世代のバンドがいねぇんだよって寂しそうに言うんだよ。俺たちはおまえらの前から一生消えないから!"と言っていた。バンドマン主催フェスだからこそ垣間見られる絆に胸が熱くなる瞬間だった。
1日かけて出演者が繋いできたバトンを最後に受け取ったMAGIC OF LiFEは、その想いに全力で応えるステージを見せた。"音楽を通して出会ったすべてのものに感謝します"(高津戸)。自らの鳴らす音楽に誇りを持って放つ高津戸の言葉とともに、いつも以上に熱を帯びて「弱虫な炎」や「はじまりの日々」といったナンバーを届けた。アンコールは「夜空のBGM」。"終わったはずの花火に願ってる/もう一度空に打ち上がったなら/会えるかな?"。それは、4回目の栃フェスでもまた会おう、と再会を約束する歌のようだった。
いま全国にたくさんのフェスがある。最近はアーティストが作るフェスも増えてきた。そういうなかで栃フェスは、言葉と歌で想いを伝える、それを懸命に受け取る、そんな意識の強いフェスだ。それはMAGIC OF LiFEというバンドの映し鏡だと思った。"奇跡なんて簡単に言いたくないけど、これは奇跡だよ"と、最後に言った高津戸の言葉が印象的だった。

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