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INTERVIEW

Japanese

空想委員会

2016年12月号掲載

空想委員会

Member:三浦 隆一(Vo/Gt) 佐々木 直也(Gt) 岡田 典之(Ba)

Interviewer:沖 さやこ

そういえば最近、空想委員会はラヴ・ソングを歌わなくなったけど、最近の色恋模様はどんな塩梅なのだろう......? というリスナーの期待と疑問に応える新作EP『色恋沙汰の音沙汰』。彼らがラヴ・ソングを作ることは懐かしくもあるが、サウンドは新しい要素がふんだんに入るなど進化も感じられ、6年前にリリースされた廃盤の自主制作CDから「上書き保存ガール」が再録されるなど、4曲それぞれで2016年の空想委員会のモードを体感できる。空想委員会、変革期突入か? ツアー中の3人をキャッチした。

-取材日は11月16日ということで、対バン・ツアー"大歌の改新 第三期"を5本終えたタイミングです。かなりいい調子でツアーを回れているようですね。

佐々木:1本1本が濃くて充実しすぎてて、"まだ5本しか終わってないんだ!?"という感じです(笑)。"大歌の改新"としてすごくいいライヴができている気がしています。ゲスト・バンドがどういうライヴをしていたかによって僕らの気持ちも変わるし、それに合わせてライヴも変えていくし。対バンありきのツアーですね。

岡田:対バンのときは毎回思うんですけど、それぞれのバンドのお客さんもいるので、フェスやサーキットとは違う独特の空気があって面白いです。うちらのことを初めて観る人もいっぱいいるので、そういう人たちの顔が前半から後半にかけてどう変わっていくのかを見たり。やっていて楽しいです。

三浦:今までは"自分のライヴをしっかりやらなきゃ"と思っていたんですけど、今回は少し余裕が出てきたので、対バンのライヴを観て"あ、ここでこういうMCをするんだ"とか、"こんな煽り方をするんだ"って勉強しています。その影響は受けているなと実感していて。まだ数本しか終えてないですけど、ツアー・ファイナルではまた変わるんだろうなと。

岡田:三浦さんのちょっとした発言のニュアンスとか、お客さんの煽り方は変わってきてますね。影響を受けてるんだなぁというのはわかります。

佐々木:俺は最近、ライヴ中ずっと突っ走ってて(笑)。"(対バンのライヴが)盛り上がってても負けねぇ!"って感じで攻め攻めです。

岡田:僕は日比谷野外大音楽堂のワンマン(※2016年9月22日開催)あたりから、ベースとしてさらにしっかりしようと思っていて。(佐々木が)ギターを置くと、サウンド的には薄くなるからリズム隊としてちゃんと音を刻もう! というところにまで意識がいくようになりました。

三浦:野音のワンマンは、僕にとってこれまでの蓄積をすべて使って臨んだ、ライヴの集大成だったんですよね。だから、そこでそれまでがいったん全部終わって。今は別の感じですね。野音きっかけで変わったというよりは、"大歌の改新"からの変化が大きい気がしています。......変わろうとしているのかも。だから対バンのライヴを観るようになったのかな。

-ライヴを拝見するのが楽しみです。ニューEP『色恋沙汰の音沙汰』は、懐かしさと新しさが同居した作品になっていると思いました。空想委員会にとって久しぶりのラヴ・ソング集。アレンジは大胆な部分も多いです。

三浦:僕自身は前ほど"恋愛の歌を歌わないと"という意識はないんですよね。でも、周りから"そろそろ恋愛の曲を作らないんですか?"と言われたりして、"いや、ないっす"と言っていたんですけど(笑)。制作期間が夏だったので、いろんな経験をしつつ。

-おっ、夏の恋ですか?

三浦:実体験がないと曲が書けないので(笑)。いろいろやりましたね......。取材に行きました!

岡田:出た(笑)!

佐々木:始まったよ~。『僕が雪を嫌うわけ/私が雪を待つ理由』(2015年リリースのメジャー2ndシングル)パターンだね(笑)。(※同作収録曲を作るにあたって、三浦は昔付き合っていた彼女と会って、付き合っていた当時の彼女の心情などを聞いた)

三浦:今回はかわいい子たちと一緒にご飯に行ってみたりして。"あぁ、こういう感じだったな......こういうのを遠くから見てたな......"という思い出す作業をしていました。実体験から感じたことや、その取材がきっかけで思い出した、昔感じていたことが混ざって歌詞になった、という感じです。

-Track.1「色恋狂詩曲」は三浦さんと佐々木さんが作曲。テンポ・チェンジが入り、三浦さんのファルセット、岡田さんのスラップ、佐々木さんのカッティングという、大人の雰囲気がある曲で新しさもあります。

三浦:ファルセットは佐々木オーダーですね。この曲は僕が弾き語りで作ったものに、佐々木がDメロを付け加えたりしています。

佐々木:いつもと同じ作り方をしても面白くないなと思ったので、テンポ・チェンジに挑戦したんですけど、最初難しくてまったくできなくて(笑)! 1ヶ月くらい調整してやっと落とし込めました。イントロもメロを弾いてみたり、得意分野のディレイとかいろいろ試してみたりしたんですけど、カッティングのフレーズが出てきたときに"これだ!"と思って。結果、タイトめになりました。随所に遊び心を入れて、サビはバシッとしたいので空想委員会らしくして。面白く仕上がって良かったです。

三浦:歌詞は曲の展開に引っ張られましたね。テンポが変わるのと同じように、歌詞の感情も変わっていく。だから1曲の中で思っていることが変わっていって。