Japanese
空想委員会
Skream! マガジン 2017年03月号掲載
2017.01.26 @赤坂BLITZ
Writer 沖 さやこ
空想委員会の対バン・ツアー"大歌の改新"、今回は追加公演で東名阪ツーマン・シリーズ。ファイナルは空想委員会(インディーズ仕様)とのツーマン・ライヴである。事前に空想委員会(インディーズ仕様)のTwitterアカウントが登場し、当日もインディーズ時代の衣装を着たインディーズ仕様のメンバーが、当時のように入場者に"18時30分に出演する空想委員会です!"とビラ配り......などなど、ライヴ前から演出も完璧だ。
ステージのバック・スクリーンにはバンドの歴史をユーモラスに辿る年表映像が流れていた。もうすぐ結成10周年。2009年にギターの佐々木直也とベースの岡田典之が加入し現在の編成になる。この映像年表によると観客がゼロだったこともあったようだ。この10年、いろいろあったんだな......と改めて噛みしめながらその様子を眺めていると、開演15分前からはインディーズ時代のMVが流れる。自分たちの出番前にMVを流す――これもインディーズ時代の彼らのやり方。いまや入手困難でもある自主制作盤『回顧録』のトレーラーや、メンバーによる校内放送を模したアナウンスも流れた。
とうとう本日の共謀者、空想委員会(インディーズ仕様)の登場。『回顧録』収録の3拍子のインスト・ナンバー「シリウス」を演奏し、「マフラー少女」へ。この曲はメジャー・デビュー以降に再録されているが、もちろんインディーズ時代のアレンジである。メンバーも衣装や髪型、佇まいまでもがインディーズ仕様。特に委員長ことギター・ヴォーカルの三浦隆一はうつむきがちであまり観客を見ようとしない。内に秘めた情熱をどう表に出したらいいかわからない青年の姿がそこにあった。
MCも"空想委員会さんは僕らからしたら大先輩で......。なんで僕らが呼ばれたのかな、っていう"とあくまで対バンという位置づけは崩さない。"呼んでもらったからには僕らは僕らの音楽を精一杯やって、今日は先輩をやっつける気持ちで来ました"と頼もしいコメントをしたのも束の間、"もうすぐ忌まわしき日バレンタインデー"と恋愛弱者っぷりを発揮する。"(義理チョコの類を)もらった方が本気にしたらどうするんでしょうか。そういうもやもやを抱えて、私はステージに立っています"と怒りを淡々と語る姿に"昔の委員長こんな感じだったな......(笑)"と思った人も少なくないだろう。「独占禁止法」は赤い照明も影響して、当時の三浦青年が抱えていた私怨を燃やすような演奏だった。
だがインディーズ時代の空想委員会はただ恋愛弱者なだけではない。感情表現がそれほど得意ではないながらも、なんとか感情を外に出そうと奮起する姿から滲む、卑屈の奥にあるピュアな気持ちが聴き手の胸を打ったのだ。「二次元グラマラス」や「霧雨ガール」はまさしくそれで、小細工なしの実直さ、素朴さがこちらの胸の奥をくすぐった。委員長が"最高のバトンタッチをしたいと思いますので、ここから上げていきます"と「空想ディスコ」へ。もちろんインディーズ時代のアレンジで、七色のライティングも場を盛り上げる。「エンペラータイム」をエモーショナルに突っ走り、ラストは「波動砲ガールフレンド」。いまの空想委員会のライヴにも欠かせない代表曲のひとつが、この日の彼らの一番の熱狂を生んだ。
ステージにはバックドロップが出現し、とうとう空想委員会が登場。メンバー全員、髪型も衣装も現在形だ。メンバーは全員でクラップを煽り、三浦も"赤坂!"と叫ぶ。繋がれていた鎖から解き放たれたかのように勢いよく「春恋、覚醒」、「物見遊山」を演奏すると、「ワーカーズアンセム」へ。岡田とサポート・ドラムのテディによるリズム隊もさらにグルーヴを強める。スマートさと高揚感が同居する演奏に、観客も身を委ねるように自然と身体を揺らしていった。
3人は空想委員会(インディーズ仕様)について"ステージングが地味(笑)"、"覇気がない(笑)。昔の自分を見てるみたいだった"とコメント。三浦はバレンタインが嫌いだというインディーズ仕様の自分自身に対して"器が小さい!"と一喝した。「まがいラブ」では佐々木は歌詞に合わせて身体を動かし、佐々木と岡田のラップ的な部分、観客の合いの手ができる部分など、メジャー・デビュー以降のソングライティングに空想委員会のライヴの理念である"安全且つ健全にはしゃぐ"が反映されていることを実感した。切なさと力強さを感じさせる歌声と、ドラマチックな演奏が響いた「純愛、故に性悪説」も、2年以上の歳月をかけてここまで進化。過去も更新することができる、これもロック・バンドの醍醐味である。
"インディーズの曲もメジャーの曲も全部僕らだから、これからも昔の曲もやっていくし、どんどん更新して新しい曲を作っていく"と佐々木が語り、三浦も落ち着いたトーンで"インディーズもメジャーも関係ない。まだまだいい曲を作っていいライヴをしていく"と堂々と告げた。本編ラストは「拝啓、我執」。三浦が過去の自分自身に宛てた楽曲である。未来への夢と野望があったうえで自分自身に、そして自分たちのことを知ってくれているリスナーに対して"これからもよろしく"と語り掛けているよう。穏やかな優しさが会場全体を包み込んだ。
アンコールもとい居残りは2017年モードの「空想ディスコ」。間奏ではソロ回し、コール&レスポンス、佐々木がフロアに降りて背中弾きギター・ソロを披露するなど盛りだくさんで、観客も笑顔が止まらない。三浦も存分に気持ちを解き放ち、ハイテンションで"佐々木コール"を煽り、佐々木はその後フロアを移動しながら観客を盛り上げ、気づくと最前列の観客と共に肩を組んで踊っていた。会場全員で一斉に"今日は本当にありがとう!"と叫びその場を締めたあと、スクリーンに映し出されたVTRでメジャー3rdフル・アルバム『デフォルメの青写真』のリリースと、中野サンプラザ公演を含むワンマン・ツアーが発表されると観客からは悲鳴にも近い大歓声と拍手が起こった。
空想委員会は昔からずっと"そのときそのときの自分たちがかっこいいと思う音楽を作っていく"と語っている。心境の変化が音楽に表れようとも、その精神と真剣に音楽と向き合う彼らの姿勢は同じ――いや、昔よりももっと強くなっているのではないだろうか。対バン・ツアーでたくましく成長し、過去の自分たちと向き合った空想委員会はいったいこの先どんな景色を描くのか。まずはアルバム『デフォルメの青写真』の到着を待ちたい。
[Setlist]
■空想委員会(インディーズ仕様)
1. シリウス
2. マフラー少女
3. 知る権利
4. 完全犯罪彼女
5. 独占禁止法
6. 二次元グラマラス
7. 霧雨ガール
8. 空想ディスコ (インディーズver.)
9. エンペラータイム
10. 波動砲ガールフレンド
■空想委員会
1. 春恋、覚醒
2. 物見遊山
3. ワーカーズアンセム
4. まがいラブ
5. ロマンス・トランス
6. 色恋狂詩曲
7. ビジョン
8. 純愛、故に性悪説
9. 拝啓、我執
~居残り~
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