Japanese
SHE'S
Skream! マガジン 2020年09月号掲載
Writer 岡部瑞希 Photo by MASANORI FUJIKAWA
7月28日、大阪発の4ピース・バンド SHE'Sが無観客有料配信ライヴを開催した。"prelude=序章"と名付けた本公演は、彼らにとって秋に開催を予定している全国ツアーの前哨戦であり、4thアルバム『Tragicomedy』を提げての初めてのワンマン公演。配信ライヴの中でも群を抜くカメラワークと演出、会場使いで終始生中継とは思えないハイクオリティな映像に没頭できる時間だった。
配信開始前、待機画面中のBGMに「Your Song」が流れる。配信ではあるが、BGMを聴きながら開演を待つ束の間は、ライヴハウスの仄暗いフロア、楽器がセッティングされたステージなどが自然と思い浮かび、あの懐かしく恋しいドキドキ感が蘇ってきた。

事前収録したリハーサル風景やメンバーへのインタビューを挟み、いよいよ映像はステージを映し出す。「Lay Down (Prologue)」をSEにメンバーが登場し定位置につくと、民族調のリズムが特徴的な「Masquerade」から本編をスタート。サビでは何度もメンバーのコーラスが重なり、本来ならフロアからも生まれていたであろうシンガロングが、頭の中でふわっと聴こえた気がした。
無観客という環境が功を奏した点として、普段のライヴ以上に演奏に没頭した4人の姿が印象的だった。井上竜馬(Vo/Key)の歌唱っぷりは最たるもので、「Unforgive」や「Ugly」では力のこもった手振りも目立ち、自分自身と向き合うようなソリッドなプレイに息を飲む。そして、思いがけない選曲だったのかTwitterのTLが賑わった2017年リリースのナンバー「White」、井上が目を閉じしっとりと歌い上げた「Letter」を経てライヴは後半戦へ。

実写とアニメーションを組み合わせた、本公演オリジナル映像のインタールードを経て演奏された「One」、映像がモノクロに切り替わり、アコースティック・ギターが奏でるムーディで哀愁のある世界観をドラマチックに届けた「ミッドナイトワゴン」など、配信ライヴならではの演出も目を引く。フロント3人はもちろん、ドラムの手元までお目にかかることができるのは配信ライヴの特権だ。多彩なカメラワークで映像作品さながらの見応えあるシーンが続く。
MC中は広瀬臣吾(Ba)がTwitterのチェックを担当。広瀬いわく、"セトリ神かよー"、"声漏れるー"、"白黒エモい"などの感想が並ぶ中でも、一番多いのは"キム(木村雅人/Dr)の笑顔かわいい"とのこと。井上が"どっちなん、エモいのにキムだけ笑顔ってこと!?"と突っ込むと、すかさず服部栞汰(Gt)が準備していた笑い声のサンプリング音を鳴らす。そんなやりとりや、"滑ったときもこれで誤魔化せる"と合点する姿は、やっぱり関西人だなとほっこりする場面でもあった(ちなみにバリエーション豊富なサンプリング音には、男性の野太い声で"Yeah!"と発しているものも。ただし井上に"どこで使うん"と言われてしまったのだが)。
"幻のテーマ・ソングを"とひと言呟いて始まった「Higher」。"第92回センバツ MBS公式テーマソング"として、高校球児たちの背中を押すはずだったこの曲だが、"暗い未来も撃ち抜くよ"というフレーズは、グラウンドという舞台から離れても、すべての人へ向けた応援歌として力強く響いていた。井上が"身体揺らしていこうぜ!"と画面越しに呼びかけ、自身もひょいっとフロアへ下りて伸び伸びと歌う姿に思わず顔がほころんだ「Blowing in the Wind」に続いて、SHE'Sきってのダンス・チューン「Dance With Me」へ飛び込めば、オーディエンスの盛り上がりは最高潮に(なっていたであろうこと間違いなし!)。"Mac? Windows? Android? iPhone? ガラケー? 親のケータイ?"と斬新なコール&レスポンスに思わず吹き出しながら、そしてカラフルな照明が旋回するなかでとびきりの笑顔の4人を眺めながら、心の内で盛大にステップを踏んでしまうのだった。

ラスト・ナンバーを前に、呼吸を整えて改めて口を開いた井上。悲しいことや腹の立つこと、許せないことばかりに目がいってしまいがちだけれど、日々の中に自分で喜びを見いだしていくことが大切。親しい人ともなかなか会うことが難しいけれど、心的距離ならいくらでも縮められる。そう丁寧に言葉を選びながら語った。そして"あなたが今大事にしたい人。友達でも恋人でも家族でも、息子、娘、誰でもいいです。その人に言葉で愛を伝えるということ。言葉で心を渡していくということ、やってみてください"と伝え「Tragicomedy」へ。今アルバム『Tragicomedy』の制作にあたり、"心"というのは重要なキーワードであり、アルバムを通してのテーマだった。そしてその中でもこの表題曲は、井上がただひとりに向けて書いたどこまでもパーソナルな楽曲。"大事にしたい人へ、言葉で心を渡す"。それを今まさに体現しているのであろう演奏は、端的に表現し得ない切実さをはらんで私たちに深い深い余韻を刻み込んだ。
アルバム収録曲を中心に、配信ならではのアイディアをふんだんに織り交ぜながら圧倒的な見応えで届けた1時間半。緻密でヒリヒリとした緊張感が伴う楽曲群を前半に置き、徐々に空気がほどけオーディエンスを温かに包み込んでいくセットリストは、こんなにも心が満たされた理由のひとつだろう。この余韻がもたらしてくれるポジティヴなエネルギーを言葉にして、今度は自分の大切な人へ伝えよう。その夜、井上の言葉を何度も反芻した。
[Setlist]
SE. Lay Down (Prologue)
1. Masquerade
2. Over You
3. Unforgive
4. Ugly
5. White
6. Letter
7. One
8. ミッドナイトワゴン
9. Be Here
10. Higher
11. Blowing in the Wind
12. Dance With Me
13. Tragicomedy
Sleep Well (Epilogue)
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