Japanese
SHE'S
Skream! マガジン 2016年09月号掲載
2016.07.20 @渋谷CLUB QUATTRO
Writer 沖 さやこ
2016年6月にシングル『Morning Glow』でメジャー・デビューをしたSHE'S。彼らはそのリリースを記念して7月に東名阪ツーマン・ツアーを開催した。競演相手は東京がcinema staff、名古屋が雨のパレード、大阪がGLIM SPANKYと、SHE'Sの同世代から先輩までそれぞれ一筋縄ではいかない強敵たち。このレポートではその初日となる、渋谷CLUB QUATTRO公演の模様をお伝えする。
先攻はゲストとして招かれたcinema staff。序盤から「great escape」、「theme of us」、「希望の残骸」と、YouTubeにもMVがアップされているバンドの代表曲を届ける。4人の演奏も飯田瑞規(Vo/Gt)の歌も、"俺たちはこんなバンドです"と自己紹介をするように丁寧だ。彼らは前日も他アーティストのツーマン・ライヴにゲストとして招かれていたが、この2日間で攻め方も魅せ方もセットリストもまったく趣向が違った。自らの芯を消すことなくTPOに合ったライヴをするという、プロ・ミュージシャンとしての実力がしっかりと身についてきたことを実感する。センターでギターを弾きながら暴れまわる辻友貴が"まだまだ飛べるさ"という歌詞に合わせてジャンプしていたところもキャッチーだ。そのあともきれいなメロディと激しいドラムのコントラストが美しい「borka」、三島想平のベースが作るグルーヴが心地いいメロウ・ナンバー「somehow」と、様々なタイプの曲で魅了する。
MCではドラムの久野洋平が"年下のバンドにライヴに呼んでもらえるのは嬉しい"と言い、飯田も"これからもっとSHE'Sとも仲良くなっていけたら"と後輩バンドの存在を喜んだ。後半戦は「切り札」をきっかけに、「deadman」からさらにエモーショナルな音像を放つ。その様子がとうとう腹のうちにある本性を見せてきたようにも見えて痛快だった。ダンサブルな「tokyo surf」からドラム・ソロでラストは「西南西の虹」。4人は暴れ狂うように轟音を叩き出し、辻はギターを抱えたままフロアに降りるなどし、観客を圧倒。cinema staffの基本を40分に凝縮したステージだった。
後攻はこの日の主役SHE'S。THE MORNING OFの「Let Your Spirit Soar」をSEに登場し、1曲目は「Morning Glow」。朝日が昇る瞬間のような幕開けから、続いての「Change」では激しく柔らかい愛情に満ちた空間に染め上げる。すべての闇を光に変えてしまうような強さ。観客もそこに身を委ねるようにクラップ、シンガロングを贈る。臆することなくステージに立つ4人は若手とは思えないほど貫禄があり、特にフロントをはる井上竜馬(Key/Vo)の存在感は大きかった。彼がこれだけ音の中で堂々とできるのも、自分たちの作る音楽に自信を持っているから、そして彼の頭と心の中に宿った世界を音にする心強いメンバーの存在があるからだろう。「遠くまで」は清涼感のある木村雅人のドラムスがアクセントとなって、青空の下を疾走しているような感覚になる。
井上がMCで"この3公演を振り返って、あぁ、東京一番最高やったな......と思えるような1日にしません?"と語り掛けると、観客からは大きな歓声が。スケールの大きな曲が多いSHE'Sの中でも「Night Owl」は特にエモーショナルゆえ、バンドの心情がよく表れていた。SHE'Sの鳴らす音は全員が全員同じ系統の色を持っていて、その色がすべて重なることでより濃く強固なものになるようだ。メイン・ソングライターの井上だけでなく、楽器隊も楽曲に対して深い理解がある。理屈ではなく、シンプルに純粋に、自分たちの音の力、メロディの力を信じているように感じられた。彼らがステージの上で堂々としながらも自然体なのは、もしかしたらそれが理由なのかもしれない。井上がアコギを抱えた「Evergreen」は4人とも全員子供のように音と戯れていた。
「日曜日の観覧車」では服部栞汰のギターが楽曲の外枠をしっかりと固め、広瀬臣吾もベースでもってムードを作る。音数が少ないぶんフレージングが活きて、軽やかさを生んでいた。そのあと井上は"懐かしい曲をやる"と言い、長めのMCをした。昔、傷心旅行で行ったカンボジアで目の当たりにした光景を話し、"幸せ"に対する価値観が180度変わったと言う。"日本に帰ってきて一番にこの曲を書きました"という言葉のあとに歌われた「幸せ」は、今もその気持ちが彼らの心に生き続けていること、そしてその気持ちにいろんな気持ちが重なってきたことが胸に染み入る。それはとても切なく優しく熱を帯びる、人間の愛そのものの音だった。本編ラストは「Time To Dive」。"未来"をテーマにした楽曲を新旧織り交ぜたセットリストで最後に聴いたことで、改めてSHE'Sは『Morning Glow』の3曲で立ち向かうことを選んだのだと肌で感じた。自分たちの世界を深く深く掘り下げたインディーズ時代の3部作を経て、新しい旅に出ようとしているのだ。走る演奏も含めて非常にフレッシュ。これからバンドがさらに進化することを示唆しているようだった。
アンコールはギターを抱えた井上が"世の中にはいろんな音楽がいっぱいあるけど。俺らはふと思い出したとき、しんどくてつらいとき、もうちょっと頑張ろうかなと思うとき......そんなときに聴いてほしい。おうちみたいな安心できる存在の音楽でありたいと最近すごく強く思います"、"ライヴハウスという家みたいな場所に集まってくれるみんなは、俺からしたら家族みたいなもの。みなさんは愛しく思える存在です。そんなみんなにたくさん助けられた夜に書いた曲を最後に、最大の愛を込めて歌います!"と語り「Curtain Call」を届けた。彼らの野心の大きな核になっているのは"愛"だ。これから彼らはさらにたくさんの愛を受け取り、そのぶんたくさんの愛を様々な人や物事などへ注いでいくだろう。彼らの心がもっと高い熱を帯びたとき、どんな音が生まれるのか。その先を見ていたい。
- 1
LIVE INFO
- 2025.07.08
-
TENDOUJI
Hump Back
go!go!vanillas
ビレッジマンズストア
the dadadadys
kobore × プッシュプルポット × Brown Basket
銀杏BOYZ
- 2025.07.09
-
SHE'S
いきものがかり
Maki
山内総一郎(フジファブリック)
- 2025.07.10
-
TENDOUJI
Saucy Dog
礼賛
いきものがかり
浅井健一
ヤングスキニー
キュウソネコカミ
BBHF
the dadadadys
Hello Hello
GRAPEVINE
ザ・シスターズハイ
Organic Call
downy
四星球
- 2025.07.11
-
TenTwenty
女王蜂
TENDOUJI
なきごと
the shes gone
フレンズ
Saucy Dog
Laughing Hick
浅井健一
WtB
yutori
ビレッジマンズストア
古墳シスターズ
東京スカパラダイスオーケストラ
ヤングスキニー
キュウソネコカミ
のうじょうりえ
賽
ヤバイTシャツ屋さん × Perfume
wacci
KALMA
LITE / DO MAKE SAY THINK / HOTEL NEW TOKYO
GLIM SPANKY
Mirror,Mirror
reGretGirl
四星球
Rei
- 2025.07.12
-
大原櫻子
星野源
藤沢アユミ
FIVE NEW OLD
ASP
コレサワ
あれくん
ART-SCHOOL
SAKANAMON
女王蜂
LOCAL CONNECT
BLUE ENCOUNT
竹内アンナ
いゔどっと
PK shampoo
荒谷翔大
ACIDMAN
ズーカラデル
夜の本気ダンス × BRADIO × 8otto
チリヌルヲワカ
Homecomings
ブランデー戦記
[Alexandros]
鶴
SVEN(fox capture plan)
YUTORI-SEDAI
ビレッジマンズストア
GRAPEVINE
Nothing's Carved In Stone
ADAM at
WtB
Eve
有村竜太朗
Bimi
MAPA
安藤裕子
蒼山幸子
古墳シスターズ
斉藤和義
原因は自分にある。
怒髪天
渡會将士
マオ(シド)
- 2025.07.13
-
星野源
あれくん
SVEN(fox capture plan)
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
TenTwenty
板歯目
SAKANAMON
LOCAL CONNECT
FIVE NEW OLD
ASP
YOASOBI
BLUE ENCOUNT
コレサワ
鶴
"HELLO INDIE 2025"
なきごと
ズーカラデル
UNCHAIN
ART-SCHOOL
有村竜太朗
アルコサイト
[Alexandros]
寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)
チリヌルヲワカ
GRAPEVINE
Nothing's Carved In Stone
Homecomings
ADAM at
ブランデー戦記
Eve
神はサイコロを振らない
荒谷翔大
すてばち
カミナリグモ
FUNNY THINK
ぜんぶ君のせいだ。
VOI SQUARE CAT
安藤裕子
古墳シスターズ
東京スカパラダイスオーケストラ
reGretGirl
斉藤和義
原因は自分にある。
トラケミスト
- 2025.07.14
-
Mirror,Mirror
- 2025.07.15
-
有村竜太朗
板歯目
BLUE ENCOUNT
桃色ドロシー
[Alexandros]
Mirror,Mirror
TENDOUJI × 浪漫革命
SCOOBIE DO
キミノオルフェ
羊文学
Saucy Dog
Ivy to Fraudulent Game
- 2025.07.16
-
有村竜太朗
YOASOBI
BLUE ENCOUNT
桃色ドロシー
GLIM SPANKY
BIGMAMA × Dannie May
坂本慎太郎
Base Ball Bear × PEDRO
SHE'S × ヨイズ
TenTwenty
Saucy Dog
- 2025.07.18
-
斉藤和義
YOASOBI
フレンズ
[Alexandros]
SVEN(fox capture plan)
板歯目
東京スカパラダイスオーケストラ
ExWHYZ
GLIM SPANKY
the paddles
キュウソネコカミ
NEK! × komsume
KiSS KiSS
Organic Call
ぜんぶ君のせいだ。
SAKANAMON
ヤングスキニー
ACIDMAN
Laughing Hick
TENDOUJI
cinema staff × eastern youth
- 2025.07.19
-
豆柴の大群
浅井健一
フレンズ
"NUMBER SHOT2025"
コレサワ
YOASOBI
PIGGS
鶴
東京スカパラダイスオーケストラ
"KESEN ROCK FESTIVAL'25"
ASP
Novelbright
"JOIN ALIVE 2025"
shallm
Eve
"OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2025"
キノコホテル
UNCHAIN
竹内アンナ
め組
"焼來肉ロックフェス2025"
SPECIAL OTHERS
ExWHYZ
LOCAL CONNECT
寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)
ぜんぶ君のせいだ。
いきものがかり
新しい学校のリーダーズ
"DAIENKAI 2025"
チリヌルヲワカ
片平里菜
PENGUIN RESEARCH
荒谷翔大
Nothing's Carved In Stone
マオ(シド)
- 2025.07.20
-
神はサイコロを振らない
"NUMBER SHOT2025"
斉藤和義
[Alexandros]
ビッケブランカ
"KESEN ROCK FESTIVAL'25"
ASP
"JOIN ALIVE 2025"
さめざめ
キノコホテル
HY
Eve
"OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2025"
崎山蒼志 / NakamuraEmi / ズーカラデル / TENDRE ほか
GRAPEVINE
"焼來肉ロックフェス2025"
清 竜人25
PK shampoo
"DAIENKAI 2025"
LOCAL CONNECT
ROF-MAO
いきものがかり
GARNiDELiA
ブランデー戦記
- 2025.07.21
-
"NUMBER SHOT2025"
斉藤和義
PK shampoo
LOCAL CONNECT
東京スカパラダイスオーケストラ
ASP
鶴
TENDOUJI
jizue
め組
HY
PIGGS
小山田壮平 / 奇妙礼太郎 / 安部勇磨(Band set) ほか
ぜんぶ君のせいだ。
アーバンギャルド
LACCO TOWER
GOOD ON THE REEL
いゔどっと
ビレッジマンズストア
GRAPEVINE
Homecomings
SpecialThanks / レイラ / GOOD4NOTHING / THE FOREVER YOUNG ほか
アカシック
PENGUIN RESEARCH
- 2025.07.22
-
Hump Back
the telephones
- 2025.07.23
-
東京スカパラダイスオーケストラ
板歯目
フラワーカンパニーズ×アイボリーズ
9mm Parabellum Bullet
女王蜂
RELEASE INFO
- 2025.07.08
- 2025.07.09
- 2025.07.10
- 2025.07.11
- 2025.07.13
- 2025.07.15
- 2025.07.16
- 2025.07.18
- 2025.07.19
- 2025.07.20
- 2025.07.23
- 2025.07.25
- 2025.07.29
- 2025.07.30
- 2025.07.31
- 2025.08.01
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
音ノ乃のの
Skream! 2025年06月号